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映画が終わり俺はジェレミーと映画館を後にする。

フラフラになりながらも逃げるようにしてジェレミーは先へ先へと行ってしまった。

「ジェレミーゆっくり歩こ」

「あんな所でそんな…早く帰ろ…」

「気持ちよかった?今度は一緒に気持ちよくなろうよ」

そう言ってジェレミーの腰にそっと手を回す。
周りに人は居ないけれどジェレミーは落ち着かないようでキョロキョロしながら焦っていた。

「あれん?!と、とりあえず帰らなきゃっ…!早く帰ろ…」

「そうだね、よしよし」

このままにさせておくとちょっぴり可哀想だったのでジェレミーを車に乗せて家へと向かった。

車の中でジェレミーは不意に俺の服の裾をそっと掴んでくる。

「あの…あれん…あのね…」

「んー?」

「えと…僕ね、今までずっとあれんの事避けてたからその…あれんの事何も知らないって思ったの」

「急にどうしたのジェレミー…」

裾を引っ張る行為が愛おしくて撫で回したくなったが余計な事をするとジェレミーが続きを話さなくなりそうなので平静を装いそのまま続きを待った。

「それで僕…あからさまに避けたり拒絶し続けたり、ごめんねがしたくて」

やっぱり反則級に可愛かった。
そして心の底から嬉しい…

「ジェレミーがどうして謝るの、最初の出会いが悪かったから両思いにはなれないって思ってたしそれが内心苦しかったけど…今はもう違うね、ジェレミー好きだよ…」

我慢できず笑みが零れる。

「うふふ、僕も好き…あれんが嬉しいなら僕も嬉しいよ」

「そっか、ふふっ」

「あと…あれんの事もっと知りたいから…趣味とか好きな食べ物とか今更だけど…」

「俺の好きなのはジェレミーだけ!でも強いて言うなら色んなプレイをしてみたい」

「はひっ?!僕…じゃなくて!!」

ジェレミーにとってこの返答は予想の斜め上だったのだろう。
赤面しながら慌てている。

「照れるのも可愛い、ジェレミー今日は痛い事しないからちょっとアダルトショップに行ってみない?たまには冒険してみようよ」

「僕にとってはいつもハードな冒険じゃない日なんて無かった気がするけど…」

「なんて?」

「なんでもない…!!」

「それじゃあ行こうね」

俺はハンドルを切ってショップへ向かう。
ジェレミーも不安そうな顔はしなくなったのでちょっと嬉しかった。

暫く鼻歌を歌いながら車を走らせる。

「着いたよジェレミー、楽しみ…」

「あっ、待ってあれん!」

車を停めて降りるとジェレミーもしっかり着いてきてくれている。

異様な雰囲気の店内もジェレミーと来れば楽しいものだった。
ジェレミーにとってあまり恐怖心を与えないものも時々はチョイスするべきだろうか…

目に止まったのはいちごの香りのローションだった。

「ジェレミー、こういうの好き?」

「あっ、僕もっとハードな道具とかに行くのかと思ってた!」

「そっちの方がいい?」

「えぇっと…!!ハードなのは今度にしよ!!」

慌てて首を振るジェレミーに思わず笑ってしまう。

「たまには一緒にお風呂入ろ、たまにはいいでしょ?」

「わかった…でも電気暗くして欲しい…」

「大丈夫、すぐ慣れるよ」

「うぅー、あれんのいじわる」

そんな会話をしながら店内を更に練り歩いた。

「あっジェレミー!可愛いコスチュームとか着て欲しい」

「そのっ…あれんはそういうの好きなの…?」

「興味なかったんだけどね…ジェレミーの泣き顔見たさにコスチューム着せた時はすごくドキドキしたね」

赤面するジェレミー、でも嫌そうでは無かった。

「ど、どれを着たらいいの…?」

「そこにあるの全部着て欲しい!」
指さした先はメイド服とバニーガール衣装、そしてスクール水着のチョイスだ。
コスチュームというよりそれを着て恥ずかしそうにするジェレミーを見たかった。

「あ、あの!2つにしよ!2つ!高いから…!また今度!!メイドさんはこの前着たし僕バニーちゃんと水着がいい!」

頑なにメイド服を拒否するジェレミーを不思議に思いながらも、どういう事をされるか分かっていながらも自分からこれがいいとチョイスしてくれるジェレミーが本当に可愛くて仕方がなかった。



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