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83 両手に幸せ
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「そうだ…ジェレミー観たい映画は決めた?」
「僕は…あれんは観たいのない?」
「ジェレミーが好きそうなサメ映画見つけたよ」
「僕が観たいって思ってたやつ…いいの…?」
「ジェレミーが喜ぶのが見たい」
そう言うとジェレミーの表情がパッと明るくなる。
俺はそのままジェレミーを引き連れて車に乗り込んだ。
「ジェレミーなんか食べた?一緒に食べる?」
「あっ!そういえばね、映画館のビルに美味しいクレープ屋さんがあるの。僕がご馳走するから一緒に食べよ?」
「クレープ?良いよ食べに行こっか」
「えへへ、ありがとう」
そのまま車を走らせ店に着いたので2人で降りる。
「あれん…!!ここだよ!クレープ屋さん!」
ジェレミーが満面の笑みで俺に語りかけショーウィンドウ目掛けて早足になる。
今のジェレミーの瞳はすごくキラキラしていた。
俺と一緒に出掛けることを心から楽しいと思って貰えるのは俺にとってこれ以上無い程に幸せだ…
「ねえねえあれん、どれ食べよう…?」
「俺は決めたよ、ジェレミーは?」
正直クレープの種類など何でも良かった。
ジェレミーが幸せそうにクレープを食べてるのをただ見たいだけだから。
「このチョコレートの美味しそうだけどこっちのツナが入った変わり種も食べたい!どうしよう…?」
「2つ食べたら?」
幸せそうなジェレミーに気を取られて適当に返事をしてしまった。
2つは流石にないだろう…
「え~2つも?!そうする!」
「えっ」
適当に答えたのに本当にジェレミーは2つも頼んだようだ。
両手にクレープを抱えるジェレミーを想像して思わず可愛さに笑いが込み上げる。
「あれん…なんで笑ってるの?」
「くふっ、だって本当に2つも買うと思わなくて!」
「だって食べたかったんだもん…」
そんな会話をしながらクレープを受け取り席に着く。
確かにこのクレープ屋は美味しい…
「あれん…そういえばその…」
「そろそろレイトショーの時間近いよ、行こ!」
「はぇっ!う、うん!」
ジェレミーの腕をそっと引き映画館へと向かう。
「ジェレミー、席ここでも良い?」
「あ、うん!」
2人で後ろの席に座り広告をぼんやりと眺める。
時々ジェレミーの髪をふわりと撫でたりしながら本編が始まるのを待った。
「あれん…始まる…!」
小声でジェレミーが嬉しそうに話しかける。
俺とジェレミーはそのままスクリーンの世界に没頭した。
しかし暫くして血の飛ぶような過激なシーンになる…
「っ…」
ジェレミーはこういうのが苦手なようだ。目を閉じて下を向いていた。
いたわるようにそっとジェレミーの手を握るとジェレミーは身体をビクッとさせる。
余程こういうシーンは苦手なのだろう…
そんなジェレミーがなんだか可愛く見えてしまい、ちょっとだけ悪戯したい気持ちが芽生えた。
俺はそのまま人差し指を口にあてて「静かに」のポーズをジェレミーに向けてニコッと笑った。
「僕は…あれんは観たいのない?」
「ジェレミーが好きそうなサメ映画見つけたよ」
「僕が観たいって思ってたやつ…いいの…?」
「ジェレミーが喜ぶのが見たい」
そう言うとジェレミーの表情がパッと明るくなる。
俺はそのままジェレミーを引き連れて車に乗り込んだ。
「ジェレミーなんか食べた?一緒に食べる?」
「あっ!そういえばね、映画館のビルに美味しいクレープ屋さんがあるの。僕がご馳走するから一緒に食べよ?」
「クレープ?良いよ食べに行こっか」
「えへへ、ありがとう」
そのまま車を走らせ店に着いたので2人で降りる。
「あれん…!!ここだよ!クレープ屋さん!」
ジェレミーが満面の笑みで俺に語りかけショーウィンドウ目掛けて早足になる。
今のジェレミーの瞳はすごくキラキラしていた。
俺と一緒に出掛けることを心から楽しいと思って貰えるのは俺にとってこれ以上無い程に幸せだ…
「ねえねえあれん、どれ食べよう…?」
「俺は決めたよ、ジェレミーは?」
正直クレープの種類など何でも良かった。
ジェレミーが幸せそうにクレープを食べてるのをただ見たいだけだから。
「このチョコレートの美味しそうだけどこっちのツナが入った変わり種も食べたい!どうしよう…?」
「2つ食べたら?」
幸せそうなジェレミーに気を取られて適当に返事をしてしまった。
2つは流石にないだろう…
「え~2つも?!そうする!」
「えっ」
適当に答えたのに本当にジェレミーは2つも頼んだようだ。
両手にクレープを抱えるジェレミーを想像して思わず可愛さに笑いが込み上げる。
「あれん…なんで笑ってるの?」
「くふっ、だって本当に2つも買うと思わなくて!」
「だって食べたかったんだもん…」
そんな会話をしながらクレープを受け取り席に着く。
確かにこのクレープ屋は美味しい…
「あれん…そういえばその…」
「そろそろレイトショーの時間近いよ、行こ!」
「はぇっ!う、うん!」
ジェレミーの腕をそっと引き映画館へと向かう。
「ジェレミー、席ここでも良い?」
「あ、うん!」
2人で後ろの席に座り広告をぼんやりと眺める。
時々ジェレミーの髪をふわりと撫でたりしながら本編が始まるのを待った。
「あれん…始まる…!」
小声でジェレミーが嬉しそうに話しかける。
俺とジェレミーはそのままスクリーンの世界に没頭した。
しかし暫くして血の飛ぶような過激なシーンになる…
「っ…」
ジェレミーはこういうのが苦手なようだ。目を閉じて下を向いていた。
いたわるようにそっとジェレミーの手を握るとジェレミーは身体をビクッとさせる。
余程こういうシーンは苦手なのだろう…
そんなジェレミーがなんだか可愛く見えてしまい、ちょっとだけ悪戯したい気持ちが芽生えた。
俺はそのまま人差し指を口にあてて「静かに」のポーズをジェレミーに向けてニコッと笑った。
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