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72 生涯愛し続けるから
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そうして俺とジェレミーは2時間くらいロイくんのお店で話していただろうか。
俺もジェレミーもほろ酔い気分のいい心地だった。
「ジェレミー、そろそろ夜景見に行く?」
「見に行きたい!」
「じゃ行こっか」
ロイドに声をかけてこの店を後にする。
タクシーを呼び止めてそのまま夜景スポットのロープウェイまで向かった。
車から降りて早々ジェレミーは落ち着きなくキョロキョロと不安そうに辺りを見回し始める。
「アレン…なんか緊張しちゃって喉乾いた…僕ジュースかってくる!」
「そう…?いっておいで」
俺がそう言うとかなり慌てたようにその場を離れた。
ここまで来て逃げる気ではないだろうかと少し不安になる。
今日は乱暴な事をする気は無いしジェレミーにちゃんと気持ちを伝えたいと思っているから…
俺も落ち着かなくなってきたのでジェレミーの後ろをこっそり着いて行った。
しかしジェレミーはちゃんとワゴン車販売のジュースを2つ買っていた。
逃げる気は無いようだ。
「ジェレミー」
「わっ!!!いつから居たの?!」
「ずっとだよ、慌ててジュースなんて言うから怖くなって逃げようとしたのかと」
「逃げないよ…」
頬を膨らませて拗ねるジェレミーもまた可愛い。
「まぁ俺から本当に逃げようって言うなら見つかった時はそれなりの覚悟はあるんだろうけど…ねえ?」
「僕そんな勇気ないよ…そうじゃなくて今日は楽しいデートなのっ…もう…!!!」
ジェレミーが俺と楽しくデートをする気になってくれるなんて出会った当初は考えられなかった。
今がすごく幸せだ。
俺はジェレミーの腕を優しく引っ張る。
「ふふふ、それじゃ行こっかジェレミー!れっつごー!」
我ながらここまで謎テンションになった事はなかなか無い。
恐らく今は俺が1番緊張している気がする。
これから伝える想いはずっと一緒にいて欲しいという真剣な気持ちだから…
「ジェレミー思ったより人少ないね、貸切っぽい」
「平日だもんね、僕たちラッキーかも!」
そうか…
夜景スポットに着いてから話そうと思っていたが偶然にも貸切だからこっちの方がいいかもしれない。
ジェレミーは散歩中の犬みたいにハイテンションで喜んでいる。
2人でチケットを購入してロープウェイに乗り込んだ。
「見て見てあれん…!ロープウェイだけで満足しちゃいそうなくらい綺麗だよ!」
目をキラキラさせて楽しそうに窓の外を隣で指さすジェレミー。
密室で2人きりになるのもジェレミーはもう嫌がらない。
「いい景色だよね、でもね俺はジェレミーが心の底から嬉しそうな顔を見せてくれるって最初の頃は思ってもみなかったからそっちの方が嬉しいよ」
「それってどういう事…?」
「ジェレミー最初は俺の事怖かったでしょ」
「うん…ちょっとだけ…」
思えば俺は初めて会ったその日にジェレミーを酷い脅し方でレイプしている。
更にその翌朝ジェレミーが精神的ショックで吐いていた事も覚えていた…
「怖かったよね…でもどうして今まで一緒に居てくれたの?無茶苦茶にされるのは分かってた筈だよ?」
「分かんない…けど…あれんは僕に優しくしてくれたりもしたし、僕を捨てたりしなかったでしょ?最初に会った時の翌日のこと覚えてる?」
「泣きながら吐いてたね」
「えへへ、そうそう。でもね僕あの時絶対僕の体調なんかお構いなしに酷い事されるって思ってたんだ…だけど違ったよね」
「そうだっけ…」
「あれんは僕の事心配してくれて優しくしてくれたの、覚えてない?」
「危なっかしい回答だねジェレミー…優しくしてる以上にジェレミーに痛い事も苦しい事もいっぱいしてきたでしょ」
「僕それでもいいの、あれんといっしょがいいの…」
「ジェレミー…そんな事言ったらもう離してあげられないよ」
こうして話しながらどちらともなく寄り添って手を繋ぐ。
ふと窓の外を眺めたがこんなに心を奪われる程の夜景は今までの人生で見た事がなかった。
「ジェレミー…ちょっとだけ目を瞑ってくれる?」
「なあに?」
言われるままにジェレミーは目を閉じてじっとしてくれている。
そのまま俺はジェレミーにキスをしながら買ったお揃いのブレスレットを手に取り手を繋いでいない方のジェレミーの腕につけてあげた。
んっ…あれ…ん…
んちゅっ…
ジェレミーは蕩けたような表情で俺に身体を預ける。
「あれん…ダメ…僕もう力入らないよ…」
「これだけで弱っちゃうのはまだ早いって、デートもまだまだあるのに!」
「だってあれんが2日間ずーっと僕にイクの我慢させて…あれんにちゅーされるだけで僕もう溶けちゃうよ…」
「そんなに可愛く誘惑して後でホテルで泣いたって知らないよ…」
「うぅぅ…僕達もうカップルなのに…」
「可愛いのが悪いよ、それより右手見て」
「右手?なに…?」
ジェレミーは自分の右手を確認しブレスレットがついていることにようやく気がついた。
「これ…」
「ジェレミーにあげるよ」
「えぇっ…!いいの?!」
「お揃い」
ジェレミーと同じものを付けているのでそれを見せてやるとキラキラと目を輝かせて表情が明るくなった。
「わぁっ!一生大事にするっ…!」
ここで本気の告白を改めてすべきだと思った。
力でねじ伏せるのでもなく対等な本気の気持ち。
正式に付き合っているのなら誠意を見せるべきだと思ったから…
「ねぇジェレミー…あのね…」
「どうしたの?」
「俺と…生涯ずっと一緒に居てください」
そう言いながらジェレミーの目の前で跪いた。
「ふえ…?!あれん…?!」
驚きと戸惑いを隠せない様子のジェレミー。
ジェレミーの事は欲求を満たす為の奴隷ではなく本気で心の底から愛していると伝えたかった。
俺もジェレミーもほろ酔い気分のいい心地だった。
「ジェレミー、そろそろ夜景見に行く?」
「見に行きたい!」
「じゃ行こっか」
ロイドに声をかけてこの店を後にする。
タクシーを呼び止めてそのまま夜景スポットのロープウェイまで向かった。
車から降りて早々ジェレミーは落ち着きなくキョロキョロと不安そうに辺りを見回し始める。
「アレン…なんか緊張しちゃって喉乾いた…僕ジュースかってくる!」
「そう…?いっておいで」
俺がそう言うとかなり慌てたようにその場を離れた。
ここまで来て逃げる気ではないだろうかと少し不安になる。
今日は乱暴な事をする気は無いしジェレミーにちゃんと気持ちを伝えたいと思っているから…
俺も落ち着かなくなってきたのでジェレミーの後ろをこっそり着いて行った。
しかしジェレミーはちゃんとワゴン車販売のジュースを2つ買っていた。
逃げる気は無いようだ。
「ジェレミー」
「わっ!!!いつから居たの?!」
「ずっとだよ、慌ててジュースなんて言うから怖くなって逃げようとしたのかと」
「逃げないよ…」
頬を膨らませて拗ねるジェレミーもまた可愛い。
「まぁ俺から本当に逃げようって言うなら見つかった時はそれなりの覚悟はあるんだろうけど…ねえ?」
「僕そんな勇気ないよ…そうじゃなくて今日は楽しいデートなのっ…もう…!!!」
ジェレミーが俺と楽しくデートをする気になってくれるなんて出会った当初は考えられなかった。
今がすごく幸せだ。
俺はジェレミーの腕を優しく引っ張る。
「ふふふ、それじゃ行こっかジェレミー!れっつごー!」
我ながらここまで謎テンションになった事はなかなか無い。
恐らく今は俺が1番緊張している気がする。
これから伝える想いはずっと一緒にいて欲しいという真剣な気持ちだから…
「ジェレミー思ったより人少ないね、貸切っぽい」
「平日だもんね、僕たちラッキーかも!」
そうか…
夜景スポットに着いてから話そうと思っていたが偶然にも貸切だからこっちの方がいいかもしれない。
ジェレミーは散歩中の犬みたいにハイテンションで喜んでいる。
2人でチケットを購入してロープウェイに乗り込んだ。
「見て見てあれん…!ロープウェイだけで満足しちゃいそうなくらい綺麗だよ!」
目をキラキラさせて楽しそうに窓の外を隣で指さすジェレミー。
密室で2人きりになるのもジェレミーはもう嫌がらない。
「いい景色だよね、でもね俺はジェレミーが心の底から嬉しそうな顔を見せてくれるって最初の頃は思ってもみなかったからそっちの方が嬉しいよ」
「それってどういう事…?」
「ジェレミー最初は俺の事怖かったでしょ」
「うん…ちょっとだけ…」
思えば俺は初めて会ったその日にジェレミーを酷い脅し方でレイプしている。
更にその翌朝ジェレミーが精神的ショックで吐いていた事も覚えていた…
「怖かったよね…でもどうして今まで一緒に居てくれたの?無茶苦茶にされるのは分かってた筈だよ?」
「分かんない…けど…あれんは僕に優しくしてくれたりもしたし、僕を捨てたりしなかったでしょ?最初に会った時の翌日のこと覚えてる?」
「泣きながら吐いてたね」
「えへへ、そうそう。でもね僕あの時絶対僕の体調なんかお構いなしに酷い事されるって思ってたんだ…だけど違ったよね」
「そうだっけ…」
「あれんは僕の事心配してくれて優しくしてくれたの、覚えてない?」
「危なっかしい回答だねジェレミー…優しくしてる以上にジェレミーに痛い事も苦しい事もいっぱいしてきたでしょ」
「僕それでもいいの、あれんといっしょがいいの…」
「ジェレミー…そんな事言ったらもう離してあげられないよ」
こうして話しながらどちらともなく寄り添って手を繋ぐ。
ふと窓の外を眺めたがこんなに心を奪われる程の夜景は今までの人生で見た事がなかった。
「ジェレミー…ちょっとだけ目を瞑ってくれる?」
「なあに?」
言われるままにジェレミーは目を閉じてじっとしてくれている。
そのまま俺はジェレミーにキスをしながら買ったお揃いのブレスレットを手に取り手を繋いでいない方のジェレミーの腕につけてあげた。
んっ…あれ…ん…
んちゅっ…
ジェレミーは蕩けたような表情で俺に身体を預ける。
「あれん…ダメ…僕もう力入らないよ…」
「これだけで弱っちゃうのはまだ早いって、デートもまだまだあるのに!」
「だってあれんが2日間ずーっと僕にイクの我慢させて…あれんにちゅーされるだけで僕もう溶けちゃうよ…」
「そんなに可愛く誘惑して後でホテルで泣いたって知らないよ…」
「うぅぅ…僕達もうカップルなのに…」
「可愛いのが悪いよ、それより右手見て」
「右手?なに…?」
ジェレミーは自分の右手を確認しブレスレットがついていることにようやく気がついた。
「これ…」
「ジェレミーにあげるよ」
「えぇっ…!いいの?!」
「お揃い」
ジェレミーと同じものを付けているのでそれを見せてやるとキラキラと目を輝かせて表情が明るくなった。
「わぁっ!一生大事にするっ…!」
ここで本気の告白を改めてすべきだと思った。
力でねじ伏せるのでもなく対等な本気の気持ち。
正式に付き合っているのなら誠意を見せるべきだと思ったから…
「ねぇジェレミー…あのね…」
「どうしたの?」
「俺と…生涯ずっと一緒に居てください」
そう言いながらジェレミーの目の前で跪いた。
「ふえ…?!あれん…?!」
驚きと戸惑いを隠せない様子のジェレミー。
ジェレミーの事は欲求を満たす為の奴隷ではなく本気で心の底から愛していると伝えたかった。
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