僕、先輩の愛奴隷になる事を強要されてます

もあ子ちゃん

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98 永遠の愛を誓って

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あれから暫く経つが僕達は毎晩のように求め合った。
気づけばアレンが欲しくなる…そんな身体になっていたのかもしれない。

それでも僕は幸せだった。

並んで一緒にテレビを観ながらアレンはこんな事を口にする。

「明日は俺もジェレミーもお休みだったよね、ちょっと付き合ってくれるかな?」

「わかった、でもどこに行くの…?」

「内緒、たまには普通のカップルしてみたくない?」

意味を含んだような言葉。
僕はあえてその意味を深くは聞かなかった。

「うん、あれんが行きたい所ならどこでもついていくよ!」

「ありがとジェレミー」

行先は聞いても教えてくれなかったし目的も教えてくれなかったけれどアレンとのお出かけはとても楽しみだった。

でもなんで内緒なんだろう…

「それじゃ寝よっかジェレミー」

「うん…おやすみあれん」

アレンは僕にキスをしてからぎゅっとしてくれた。


ー翌日ー

昼まで僕達は別行動をしている。

色々と住居の手続きを済ませて明日から正式にアレンの家に住める事になったので鍵を返却していた。

出かける前に、待ち合わせは夕方5時に駅でと言われて居たので駅の方へと僕は歩き始める。

既にいい時間だったのでアレンは車を停めて待っていた。

「あれん…ごめんねギリギリになっちゃった」

「全然いいのに…来てくれてありがと」

僕は車に乗り込む。
アレンとのお出かけはいつでもすごく楽しくて心をワクワクさせてくれた。

「ねぇあれん…ここから何処に行くの…?」

「誰もいない場所、ジェレミーが叫んでも誰も来ない山奥」

「ねぇ…どうしてそんな所に…?」

不穏な空気が流れる。
飛び始めるラジオが僕の不安を更に掻き立てた。

「ジェレミーごめんね…俺ジェレミーの事が好き過ぎて壊したくて仕方ない…この手で殺して一生俺の物にしたくて…」

「あれん…僕死ぬの…?」

「そうかもね…死体は捨てたりしないしジェレミーの肉は食べてあげるよ…ねぇジェレミー俺の物になってよ…」

背筋がゾクッとした。
流石の僕もマズいと思い始める。
だけど車のドアにロックをかけられているので開けることが出来なかった。

「ジェレミー今逃げようとしたよね…?」

「やっ…違うの…まってあれん…」

「どうして逃げるの?こんなに愛してるのに…」

気づけば山奥の知らない場所に停車していた。

「ジェレミーを脱がせてじっくり見るのも良いんだけど…それ以上の中身も知りたいよ、意識は保つように上手くやるから内蔵と脳まで開いちゃおっか…」

「あれん…怖いよ…僕死にたくないよ…お願い…」

「俺の事嫌い…?」

「あれんのことは大好き…でも死ぬのは怖い…僕あれんとずっと幸せに過ごしたいだけなのに…」

「死んだ後の肉は食べてあげるから俺の中で永遠に生きて」

そう言ってアレンはどこからか取り出したナイフを助手席の僕へと思い切り振り下ろしてきた。

「ジェレミーごめんね…永遠に愛してるよ、お休み!!!」

「ひゃあっ…!!!」
僕は咄嗟に顔を覆って目をつぶった。

「…ふふ」

振り下ろされたナイフは刺さっていない。
「僕…生きてるの…?」

「さっきの本気にした?あははっ」

「えっ…」
驚く僕とは反対にアレンは楽しそうに笑っている。

「ジェレミー何でも素直に信じるからちょっと遊んでみただけだよ、目的はこれじゃない」

「うわぁ!あれんのばかぁ!!僕死んじゃうかと思った!!」
アレンが言っても冗談に聞こえなかったので僕は安心した。

「まぁジェレミーを瀕死まと追いやって死ぬ間際まで悶え苦しむのを見るのは可愛くて良いと思うけれど…」
虚空を見つめボソリと呟くアレン。

多分これは本気で言ってるであろうセリフなだけあって僕は敢えて何も言わなかった。

「ね、あれん…本当はどこに行くの?」

「ん~、ちょっとだけ良いレストラン予約したよ?フルコース食べようね」

「はひっ?!」
マトモな服着ててよかったと思った。
でもよくよく聞けばドレスコードは無いとの事…
それにしても教えてくれたって良かったのに。

アレンは車を発進させる。
でも考えたら久しぶりに普通の恋人っぽい事が出来て嬉しい…

僕はワクワクしながらアレンの車に揺られていた。
10分くらい揺られていただろうか…

「ジェレミー着いたよ」

「わ…僕緊張してきた…」

「ふふふ、前もロイドの店でそんなこと言ってなかったっけ」

僕はアレンについて行きレストランに入る。
凄くお洒落なお店だった。

案内されて僕達は席に着く。

「ね…あれん、ドキドキしてきた」

「ふふ、ずっと行きたいって思ってたからジェレミーと来れてよかったよ」

「あれん…今日はありがとう」

そうしているうちに料理が届いた。

「わぁ…すごい…!!」

僕が喜ぶ姿を満足げに眺めるアレン。
次々と運ばれる料理を僕達は会話をしながら楽しんだ。

「こんなにお洒落なの特別な日じゃないと普通は食べられないよね…あれんと一緒に食べられて幸せだよ…」

「特別ね…それはなかなか鋭いかも?」

「どういう意味…?」

「それはね」
アレンは何やらガサゴソと小さな紙袋を取り出す。
そうして僕に手渡した。

「ぼくに…くれるの…?」

「あげるよ、開けてみて」

「わ!ありがとう!!」
僕はそっと紙袋を開けて中の箱を取り出す。
アクセサリーだろうか、小さめのその箱は上品なデザインだった。

「受け取ってくれるといいけど…」

箱を開けるとペアの指輪が入っていた。
同時に僕の心臓は跳ね上がる…

「あれん…これって…」

「そう、受け取ってくれるかな…」
珍しくアレンの頬はほんのり赤く染まっている。

こういうアレンは初めて見たけれど凄く色っぽくて魅力的で…なんというか心を奪われるようだった。

「本当にいいの…?」

「お揃いのブレスレットを渡した時よりちゃんとしたくて…俺とこの先ずっと一緒に居てくれるかな…」

僕はアレンの目を暫く見てからそっと指輪を嵌めて見せた。

「僕どこにも行かないよ、ずっと一緒に居ようね」

「ジェレミー…」

きっと今の僕は世界で一番幸せかもしれない。
アレンはホッと胸を撫で下ろしていた。
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