上 下
74 / 104

73 一緒に見た夜景は

しおりを挟む
いつものアレンとは違う…
脅しじゃなくて真っ直ぐに僕に伝えられたその言葉。

「本当に僕なんかでいいの…?」

「ジェレミー以外考えられないよ、出会った時からずっとね」

「僕もずっと一緒に居たい、あれんが死ぬまで僕をひとりにしないで…」
僕はアレンをぎゅっと抱きしめた。
どうしてか涙が溢れてくる。

アレンもそっと僕を抱きしめて僕の頭を優しく撫でながら涙を舌で拭う。

「もうすぐ着いちゃうよ、ジェレミー夜景の本番はここからでしょ」

「えへ、そうだった…」

僕達は手を繋いだままロープウェイから降りる。
風がとても心地よく、それは僕の髪や頬を優しく撫でるようだった。

「ジェレミー、デート誘ってくれて嬉しかったよ…ジェレミー本当は指輪の方が良かったかな?いつか一緒に選びに行こっか」

「うふふ、僕なんでも嬉しいしお揃いのブレスレットも気に入ってるよ」

このほろ酔い気分はお酒のせいかアレンとの時間の魔法か。
あるいはどちらもだったりするのかも。

一緒に見た夜景は僕が生きてきて見た景色の中でどんなものよりもキラキラしていて綺麗だった。

幸せに浸りながら僕達はまたロープウェイで最初の地点まで戻る。
その間もずっと腕を組んでアレンに寄り添っていたっけ。

「ジェレミー、ラブホでもちょっぴり良い所に泊まってみる?記念日だし…」

「行ってみたい、でも僕なんか緊張しちゃう…」

「大丈夫、ついてきて」
そのまま僕はアレンに連れられラブホ街の闇へ足を進める。

「あれん…僕少し不安かも…」

「可愛いね本当に…着いたよ」

ちょっぴり上品な内装にホッとするがやはりこういう所に来るのは慣れない…

アレンがドアを開け部屋に入り僕を手招きしている。
なんとなく僕は足がすくむのを感じた。

「ほらジェレミーこっちおいで…?」
アレンがベッドにすわりそのままおいでと言うように隣をポンポンと叩く。

「本当に…大丈夫…?」

「大丈夫だよ、おいで可愛いジェレミー」
一瞬アレンの目が鈍く光るのを感じ取った。

ゾクリと背筋に冷たい水を注がれるような感覚が走る。

でもアレンは大丈夫って言ってくれたからきっと大丈夫だよね…

ゆっくりゆっくりと僕はアレンに近づき隣に座った。

僕の腰にアレンは手を回してそのままキスをされる。

「ごめんねジェレミー…こういうの嫌って分かってるけど我慢できない…ジェレミーが可愛い過ぎて…」

「あれん…なにをするの…?」
僕は後ずさろうとするがすぐに腰に手を回され阻止された。

「まだ俺がジェレミーにしたことないプレイ…最初は痛いけど段々気持ちよくなるように調教してあげるから」

「まって僕…痛いのやだ……怖い…!!」

「大丈夫、お互い愛してるなら大丈夫だよ」

僕はそのまま押し倒され両手首を掴まれる。
自分の身体がふるふると震えるのを感じた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

彼氏に別れを告げたらヤンデレ化した

Fio
恋愛
彼女が彼氏に別れを切り出すことでヤンデレ・メンヘラ化する短編ストーリー。様々な組み合わせで書いていく予定です。良ければ感想、お気に入り登録お願いします。

生意気な少年は男の遊び道具にされる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

ヤンデレだらけの短編集

BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。 全8話。1日1話更新(20時)。 □ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡 □ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生 □アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫 □ラベンダー:希死念慮不良とおバカ □デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。 かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。

処理中です...