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殺意と急変
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『本当に俺って奴はツイてないよ。思えばお前と別れた後からずっとダメだ。何をやっても上手くいかない。仕事では先輩に小突かれ、後輩にはバカにされ、客からも文句ばかり言われてる。俺ぁ、もう本当にクソッタレだ』
留守電は、そこで一旦切れた。
録音時間を超えたのだ。
言葉の続きは、次の留守番電話へ入っていた。
『俺ぁ、依子とスナックがあったから、今まで何とかなってたようなもんだ。けどさ、依子のヤツ裏切りやがってよ……信じてたのに』
「うん?」
カンタは眉を曇らせた。
俺は愚痴を聞いている内に、タカシの事が可哀想に思えてきて、違和感を見逃していた。
『なぁ連絡くれよ。持ってんだろ、依子の携帯』
……アレ?
「ちょっと待て、これ依子への電話じゃないぞ。誰に話しかけてるんだ?」
カンタの声に焦りが浮かぶ。
『おい、聞いてんだろ。いい加減にしろよ、早く電話に出ろ……』
……誰に、誰に話しかけてるんだ? タカシのヤツ……。
「こ、これって……」
『お前ェに言ってんだーーヒロト!』
ぶつり、と留守電は切れた。
留守電は、そこで一旦切れた。
録音時間を超えたのだ。
言葉の続きは、次の留守番電話へ入っていた。
『俺ぁ、依子とスナックがあったから、今まで何とかなってたようなもんだ。けどさ、依子のヤツ裏切りやがってよ……信じてたのに』
「うん?」
カンタは眉を曇らせた。
俺は愚痴を聞いている内に、タカシの事が可哀想に思えてきて、違和感を見逃していた。
『なぁ連絡くれよ。持ってんだろ、依子の携帯』
……アレ?
「ちょっと待て、これ依子への電話じゃないぞ。誰に話しかけてるんだ?」
カンタの声に焦りが浮かぶ。
『おい、聞いてんだろ。いい加減にしろよ、早く電話に出ろ……』
……誰に、誰に話しかけてるんだ? タカシのヤツ……。
「こ、これって……」
『お前ェに言ってんだーーヒロト!』
ぶつり、と留守電は切れた。
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