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14.嫉妬 ミア視点
2話
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けれど、ある時、生徒の価値を決めるのは生徒自身の実家の権力だけではないことを知った。下位貴族出身の者でも、高位貴族と縁が深ければその生徒は一目置いて見られるのだ。
それに気づいたのは、年に一度行われるダンスパーティーでのこと。
そこでは子爵家の生まれの目立たない令嬢が、裕福な伯爵家の令息の婚約者であるというだけで周りから羨望の目で見られ、あれこれと気遣われていた。
私はその光景に苛立つと同時に、ひらめきを得た。
私はそれから、積極的に高位貴族の生徒に近づくよう動き始めた。
騎士団で成果を上げている有名な生徒に、隣国から留学して来た公爵家のご令息。彼らと仲良くなる度、周りの生徒たちの私を見る目が変わっていく。
彼らに近づくのは難しいことではなかった。私には幼い頃から、魅了の魔法が使えたからだ。
私には、人々からの好意を寄せ付ける力がある。といっても、何もしなくても全ての人から好かれるわけではない。
魅了魔法を使う条件は、その人物からわずかでもいいから恋愛感情を向けられることだ。
ほんの少しでも恋に似た感情を抱かせられれば後は簡単で、目をじっと見つめて相手の思考を奪おうと念じるだけで、その人はあっという間に私の虜になる。
もともと可愛く生まれた私には、ほんの少しの好意を抱かせるなんて簡単で、学園の有名人たちは驚くほどあっさり私の信奉者になっていった。
そんな風にして、私は魅了魔法を最大限に活用して、楽しく学園生活を送っていた。
女子生徒にはよく憎々しげに見られたけれど、そんなことはどうでもいいことだ。仲良くなっても何の得もない弱者なんて気にかけるまでもない。
直接文句を言ってくる奴がいたら、仲良くなった権力のある男子生徒に頼んで学園から追放してもらった。
それに気づいたのは、年に一度行われるダンスパーティーでのこと。
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私はその光景に苛立つと同時に、ひらめきを得た。
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もともと可愛く生まれた私には、ほんの少しの好意を抱かせるなんて簡単で、学園の有名人たちは驚くほどあっさり私の信奉者になっていった。
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女子生徒にはよく憎々しげに見られたけれど、そんなことはどうでもいいことだ。仲良くなっても何の得もない弱者なんて気にかけるまでもない。
直接文句を言ってくる奴がいたら、仲良くなった権力のある男子生徒に頼んで学園から追放してもらった。
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