私のことを嫌っている婚約者に別れを告げたら、何だか様子がおかしいのですが

雪丸

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6.馬鹿なこと クロード視点

4話

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 ミアは別に俺のことが好きで「エミリアに言ってしまうかも」なんて言ったわけではないはずだ。

 彼女は俺以外にも騎士団のエリートや、隣国から留学してきた公爵家の令息など、数多くの男子生徒と仲が良く、俺は彼女に気に入られた人間の一人に過ぎないのを知っている。

 向こうも軽い気持ちだろうから、少し利用するくらい構わないと思ってしまったのだ。

 ミアは俺が距離を置いたところで気にしないと思ったのに……。


 それでも今さら悔やんだってどうしようもない。

 エミリアに謝って、ミアのダンスの誘いを受けることにした。

 エミリアは落ち込むこともなく、冷めた目で「構いません」とうなずくだけだった。俺にもう期待はしていないのだと悲しくなる。しかし、悪いのは俺だ。

 一刻も早く曲が終わればいいと思いながら、ミアとダンスを踊った。

 先ほどまでエミリアと踊っていた時とは全く違う苦痛だけの時間。

 時折ちらちらと横目で見ると、エミリアは心なしか悲しげな表情をしているように見えた。
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