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2.突然なんなんですか!?
3話
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クロード様がこんな風に言うなんて、今までだったら考えられなかったことだ。
クロード様は驚く私の腕を掴み、有無を言わせず引っ張っていく。
横目にミアを見ると、彼女は呆然としたまま動かなかった。
「クロード様、よかったんですの?」
「何がだ」
「ミアさんの誘いを断ってしまって。驚いていましたよ」
「別に構わない。今日はお前と来たのだから」
私が焦って尋ねると、クロード様は平然とした顔で返す。
これまでなら私のことなんて放っておいてミアに構っていたくせにと、今更な彼の言葉を恨めしく思う。
それから無言のまま廊下を歩いた。やっぱりクロード様は不機嫌な顔のままで、それ以上何か言おうとしない。
ようやく教室のドアが見えたときは心底ほっとした。
私とクロード様はクラスが違うから、ここで別れられる。
「クロード様、では私はこれで……」
「待て。今日の昼休みは空いてるか?」
「昼休みは、いつも友人たちと食堂に行っていますが……」
「ならその友人たちに今日は用事があると断っておけ。昼休みになったら迎えにくる」
「え、あの……」
クロード様は言うだけ言って、今回も私の返事を聞かず行ってしまった。
私は呆れてその後ろ姿を眺めていた。
クロード様は驚く私の腕を掴み、有無を言わせず引っ張っていく。
横目にミアを見ると、彼女は呆然としたまま動かなかった。
「クロード様、よかったんですの?」
「何がだ」
「ミアさんの誘いを断ってしまって。驚いていましたよ」
「別に構わない。今日はお前と来たのだから」
私が焦って尋ねると、クロード様は平然とした顔で返す。
これまでなら私のことなんて放っておいてミアに構っていたくせにと、今更な彼の言葉を恨めしく思う。
それから無言のまま廊下を歩いた。やっぱりクロード様は不機嫌な顔のままで、それ以上何か言おうとしない。
ようやく教室のドアが見えたときは心底ほっとした。
私とクロード様はクラスが違うから、ここで別れられる。
「クロード様、では私はこれで……」
「待て。今日の昼休みは空いてるか?」
「昼休みは、いつも友人たちと食堂に行っていますが……」
「ならその友人たちに今日は用事があると断っておけ。昼休みになったら迎えにくる」
「え、あの……」
クロード様は言うだけ言って、今回も私の返事を聞かず行ってしまった。
私は呆れてその後ろ姿を眺めていた。
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