上 下
32 / 35
第2章 フールズ・ゴールド

第3章予告

しおりを挟む
>PLAYBACK:START


 あの長い雨を、私は当分の間忘れない。


 愛した男が居た。

 愛した男と別れた。


 赤い、赤い雨が降った。


 その次に出会った男とは――どういう離別を歩んだのか。私は未だによく分かっていない。

 彼は、何故私の前から消えたのか。

 結局私は、分からないままだった。


 ――そう、これは過去形の物語。

 一人の女がかつて男と出会い、愛し、そして別れた。

 うんざりするほどの雨の中で。


 ――そう、これは告白。深夜の告白。


 ゆめとうつつの狭間に降り注ぐ、ただ一遍の恋芝居。


 これを聞いたところで、世界は何も変わらないから。興味のないあなたは、この先の青色に降られないようにすることね。

 じゃないと、きっと。

 ……あなたは、私の慟哭に、呑み込まれて消えてしまうから。


 ――次章、『シンギング・イン・ザ・レイン』。


 あの雨の降った時間に、私はもう居ない。


>TO BE CONTINUED...
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

僕、猫又ラルルッチ

ロズロズ
キャラ文芸
僕は猫又ラルルッチ。曰く付きの神社に住まう妖怪にゃるよ。 人を化かして馬鹿にすることを生きがいにする、区悪なメスキャットにゃる。 今日のたーげっとぉ、標的は神社をうろつく不敬な奴にゃる。 彼の家に忍び込み、いつものように、化かしてやるのにゃ。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

宮廷の九訳士と後宮の生華

狭間夕
キャラ文芸
宮廷の通訳士である英明(インミン)は、文字を扱う仕事をしていることから「暗号の解読」を頼まれることもある。ある日、後宮入りした若い妃に充てられてた手紙が謎の文字で書かれていたことから、これは恋文ではないかと噂になった。真相は単純で、兄が妹に充てただけの悪意のない内容だったが、これをきっかけに静月(ジンユェ)という若い妃のことを知る。通訳士と、後宮の妃。立場は違えど、後宮に生きる華として、二人は陰謀の渦に巻き込まれることになって――

処理中です...