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異世界到着編
深淵の翼 住みたい理由
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「あの~優希さん、お湯が沸きましたけど・・・」
台所から、エプロンを着けたエルフの女の子が優希に向かって声を掛けてくる。
「あ!ソフィアちゃんありがとう。これからお昼のそうめんを湯がくのよね。そうだ!皆さんも食べていってくださいね」
優希はマシューさん達にそう伝えて、話は終わったとばかりに台所へ戻って行った。
「えーと、まさか、これで話はおしまい?」
優希の出て行く後ろ姿を見送りながら、ミリーさんが拍子抜けした顔をして聞いてきた。
私は頷き「ええ、皆さんの住まいに関しての問題が解決しましたからね」と答える。
三人は顔を見合わせてからラルフさんが肩をすぼめる。
「あーなんだ、これからもよろしく?って事で良いのか?」
マシューさんも気の抜けた顔で聞いて来たので改めて頷き、ついでに住まいをどうするか尋ねた。
「あぁ、それなんだが、実はここに住まわして欲しい事情に関わることなんだが」
「事情?あ!忘れてました!先に私達がここに住んでいる理由をお話ししないといけませんね」
私がマシューさんの一言で思い出し、ここの事情を話そうとしたところで、ラルフさんが止めに入った。
「ちょっと待った!ヨーイチさん、その話は簡単に話しちまって大丈夫なのか?」
ラルフさんが真剣に聞いてくる。
「ええ、逆に聞いてもらわないと今後が大変ですからね」
私は三人に向かって昨晩の様に異世界の事、ニエル様の事などを話しはじめた。
うむ、プレゼンも二回目だからスムーズにできた。
「あー、なんだ、少し頭ん中を整理したい」
ラルフさんが天井を見上げながら呟く。
「・・・・」
マシューさんは何かを言おうとして口を開けるが言葉が出ずに口をパクパクしている。
「異世界・・・創造神様・・・聖地・・・キタコレ!」
ミリーさんはブツブツ呟いた後、静かに両手でガッツポーズをしている。
何故かその姿に優希と同じ匂を感じる・・・。
私は三者三様の驚き具合を見ながら、マシューさんに改めて住まいに関わる事情というのを聞いてみた。
「おっそうだった!ただなぁ、今の話を聞いちまうと大した事じゃなくなっちまったなぁ」
マシューさんは苦笑いをしながら、事情を説明するのには見てもらった方が早いという事だったので、三人と外に出た。
マシューさん達はついでだからと言って自分たちの住む場所を探し、我が家から向かって用水池の反対側に住む場所を決めある物を私に見せてくれた。
「これは肩掛け鞄?ですか?」
「そうだ、ただし普通の鞄とは訳が違って、こいつは魔法の鞄なんだ」
マシューさんが自慢げに鞄に手を入れて取り出すと、目の前には我が家をひと回り程小さくした家がいきなり現れた。
!!!!
私は目の前で起きた事に理解が追いつかず呆然としていると、先ほどの仕返しが出来たのが嬉しかったのか、悪戯が成功した子供の様な顔でマシューさんが説明してくれた。
「へへっこいつは俺たち深淵の翼がダンジョンで手に入れたお宝でな、この大きさの家なら5棟ぐらい入るんだぜ!。まあ、そのお陰で貴族や商人に目を付けられちまって、ここまで逃げて来たんだけどな」
マシューさん曰く、この鞄を手に入れてから卸す素材が数倍、ダンジョンでも他の冒険者達よりも長く潜れる事で実力もついて、一流と言われる冒険者になれたが、その反面、嫉妬した冒険者や貴族、商人達から狙われる様になり、ミリーさんとの結婚を機に冒険者を引退して落ち着いた生活を送りたくて今回の旅を始めたそうだ。
マシューさんの話を聞いた私は、ドラ○もんの四次○ポケットが目の前にある、この重大な事実にひとり驚愕してしまっていた。
「これは本当に凄い鞄ですね。確かにこの鞄の秘密は絶対に守らないといけませんね」
私が鼻息荒く息込んでいる姿を横目に、ミリーとラルフはこの場所の方がよっぽどやばいわ(ぜ)とぼやいていた。
マシューさんの説明の後、マシューさんの家から少し離れた場所にラルフさんの家を設置したところでお昼となり、帰ってきたエルフ娘達も含め総員23名でそうめん大会となり、案の定、食べている料理にみんなが驚き、蕎麦つゆを絶賛する姿を横目にそっと、つゆの素を隠す優希は見なかった事にして私は午後の作業に入った。
午後はダンゴさんの鍛冶場兼自宅を設置するとの事で、ダンゴさん、マシューさんと私はの三人でダンゴさんの指定した場所へ向かう。
因みに、ラルフさんは結界の範囲を調べに森に入っていき、ミリーさんは優希達と家で夕飯を手伝うと言って家に残った。
「おう、ここじゃ、ここに家を建てるぞ」
ダンゴさんが指定した場所は設置予定の水路の横で、森に入ったところなので結構な太さの樹が数本立っていた。
「ダンゴよぉ、ここって言っても樹が邪魔で家が置けねえじゃねぇかよ」
マシューさんが呆れ顔でダンゴさんを見るが、ダンゴさんはニヤリと笑い、どこに持ってたのかゴーグルを掛けてからチェーンソーを持ち上げて「ガハハ!見よ!これは樹を簡単に切る魔道具じゃ!」と言ってエンジンスターターの紐を力強く引っ張った。
台所から、エプロンを着けたエルフの女の子が優希に向かって声を掛けてくる。
「あ!ソフィアちゃんありがとう。これからお昼のそうめんを湯がくのよね。そうだ!皆さんも食べていってくださいね」
優希はマシューさん達にそう伝えて、話は終わったとばかりに台所へ戻って行った。
「えーと、まさか、これで話はおしまい?」
優希の出て行く後ろ姿を見送りながら、ミリーさんが拍子抜けした顔をして聞いてきた。
私は頷き「ええ、皆さんの住まいに関しての問題が解決しましたからね」と答える。
三人は顔を見合わせてからラルフさんが肩をすぼめる。
「あーなんだ、これからもよろしく?って事で良いのか?」
マシューさんも気の抜けた顔で聞いて来たので改めて頷き、ついでに住まいをどうするか尋ねた。
「あぁ、それなんだが、実はここに住まわして欲しい事情に関わることなんだが」
「事情?あ!忘れてました!先に私達がここに住んでいる理由をお話ししないといけませんね」
私がマシューさんの一言で思い出し、ここの事情を話そうとしたところで、ラルフさんが止めに入った。
「ちょっと待った!ヨーイチさん、その話は簡単に話しちまって大丈夫なのか?」
ラルフさんが真剣に聞いてくる。
「ええ、逆に聞いてもらわないと今後が大変ですからね」
私は三人に向かって昨晩の様に異世界の事、ニエル様の事などを話しはじめた。
うむ、プレゼンも二回目だからスムーズにできた。
「あー、なんだ、少し頭ん中を整理したい」
ラルフさんが天井を見上げながら呟く。
「・・・・」
マシューさんは何かを言おうとして口を開けるが言葉が出ずに口をパクパクしている。
「異世界・・・創造神様・・・聖地・・・キタコレ!」
ミリーさんはブツブツ呟いた後、静かに両手でガッツポーズをしている。
何故かその姿に優希と同じ匂を感じる・・・。
私は三者三様の驚き具合を見ながら、マシューさんに改めて住まいに関わる事情というのを聞いてみた。
「おっそうだった!ただなぁ、今の話を聞いちまうと大した事じゃなくなっちまったなぁ」
マシューさんは苦笑いをしながら、事情を説明するのには見てもらった方が早いという事だったので、三人と外に出た。
マシューさん達はついでだからと言って自分たちの住む場所を探し、我が家から向かって用水池の反対側に住む場所を決めある物を私に見せてくれた。
「これは肩掛け鞄?ですか?」
「そうだ、ただし普通の鞄とは訳が違って、こいつは魔法の鞄なんだ」
マシューさんが自慢げに鞄に手を入れて取り出すと、目の前には我が家をひと回り程小さくした家がいきなり現れた。
!!!!
私は目の前で起きた事に理解が追いつかず呆然としていると、先ほどの仕返しが出来たのが嬉しかったのか、悪戯が成功した子供の様な顔でマシューさんが説明してくれた。
「へへっこいつは俺たち深淵の翼がダンジョンで手に入れたお宝でな、この大きさの家なら5棟ぐらい入るんだぜ!。まあ、そのお陰で貴族や商人に目を付けられちまって、ここまで逃げて来たんだけどな」
マシューさん曰く、この鞄を手に入れてから卸す素材が数倍、ダンジョンでも他の冒険者達よりも長く潜れる事で実力もついて、一流と言われる冒険者になれたが、その反面、嫉妬した冒険者や貴族、商人達から狙われる様になり、ミリーさんとの結婚を機に冒険者を引退して落ち着いた生活を送りたくて今回の旅を始めたそうだ。
マシューさんの話を聞いた私は、ドラ○もんの四次○ポケットが目の前にある、この重大な事実にひとり驚愕してしまっていた。
「これは本当に凄い鞄ですね。確かにこの鞄の秘密は絶対に守らないといけませんね」
私が鼻息荒く息込んでいる姿を横目に、ミリーとラルフはこの場所の方がよっぽどやばいわ(ぜ)とぼやいていた。
マシューさんの説明の後、マシューさんの家から少し離れた場所にラルフさんの家を設置したところでお昼となり、帰ってきたエルフ娘達も含め総員23名でそうめん大会となり、案の定、食べている料理にみんなが驚き、蕎麦つゆを絶賛する姿を横目にそっと、つゆの素を隠す優希は見なかった事にして私は午後の作業に入った。
午後はダンゴさんの鍛冶場兼自宅を設置するとの事で、ダンゴさん、マシューさんと私はの三人でダンゴさんの指定した場所へ向かう。
因みに、ラルフさんは結界の範囲を調べに森に入っていき、ミリーさんは優希達と家で夕飯を手伝うと言って家に残った。
「おう、ここじゃ、ここに家を建てるぞ」
ダンゴさんが指定した場所は設置予定の水路の横で、森に入ったところなので結構な太さの樹が数本立っていた。
「ダンゴよぉ、ここって言っても樹が邪魔で家が置けねえじゃねぇかよ」
マシューさんが呆れ顔でダンゴさんを見るが、ダンゴさんはニヤリと笑い、どこに持ってたのかゴーグルを掛けてからチェーンソーを持ち上げて「ガハハ!見よ!これは樹を簡単に切る魔道具じゃ!」と言ってエンジンスターターの紐を力強く引っ張った。
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