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神の奇跡の使い方
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「いやいや、その辺はさすがにやる気はないって!」
慌てて俺は手をぱたぱたと振って否定する。
俺としてもその系統の配信者は好きじゃないし、そもそも最高神曰く信仰として向けられる意識が負の方向のものの場合その影響を大きく受けてしまう可能性があるそうだ。
要するに人に迷惑をかける事を求めるような意識を向けられれば悪神になるし、エロい意識ばかり向けられれば淫乱な神となるそうだ。マジで御免被る。なのでそういった配信はありえない。
じゃあ何の配信をすればいいのかっていうのはまだ具体的には考えてはいないけど……
「Vtuberとかいいんじゃないかな、なんて思ってるんだけど」
「ないわね」
案の一つを口に出した途端即答で否定された。
「な、なんで? Vtuberなら顔を出さないで済むし、日常生活で苦労しないで済むのかと思ったんだけど」
「Vtuberなんて今は完全に飽和状態よ? 大手企業とか有名なクリエイターとかがバックにでもついていない限り、何か突出した部分がないと埋もれるだけだと思うけど、冬樹何かある?」
「ないです……というか姉貴割と詳しいな?」
「少しは見ているからね、そんな甘い世界じゃないわよ。……で、そうするとやっぱり売りはその外見になっちゃうわよねぇ」
「だなぁ。明らかに突出している能力っていったなら間違いなくこの外見になるからなぁ。いやそれより突出している能力で神の奇跡はあるんだけど、これは使えないしな」
超常能力が使えるなんて知れ渡ったらそれこそルールが守れない可能性が高くなってくるしな。それにそんなものを堂々と使ったらそれこそ怪しい組織とか団体にも狙われそうだ。単なる美少女として売り出すのでは、やってくる面倒毎のレベルが違いすぎるだろう。
せっかくめちゃくちゃ美少女になったんだし、配信者をやること自体にはさして抵抗ないんだけどな。
俺がはぁ、とため息をつく傍ら、姉貴は口元に手をやって考え込んでいた。ゆうに10数秒その状態を続けた後、口元から手を離した姉貴は視線を上げて言った。
「……まるっきり使えないってわけでもないんじゃないかしら?」
「え?」
「一件超常現象じゃない力の使い方なら、活かす方法もあるんじゃないかしら」
超常現象じゃない力の使い方?
「神としての力でどんな事ができるかは私にはわからないけど……例えば、身体能力を上げたり補助して優れた運動神経を見せるとか。宙返りとかね」
「……成程!」
運動神経が良いくらいなら、別に超常現象とは言えない。もちろん度を越した事をやってしまうわけにはいかないけど、俺の外見があれば現実的な範囲内でもかなり注目を引けるはず。
「他にも、小さな奇跡を起こすとかね」
「小さな奇跡?」
「例えば玉の動きを操作して遠くの穴に投げて入れるとか。後は蛍の出る場所で蛍を誘い出すとかね。後は生じゃなくて動画なら内容によってはCGで誤魔化せないかしら」
「姉貴」
「うん?」
「俺のプロデューサーお願いします」
「うん!?」
なんでそんなポンポン色々思いつくんですか? それとも日中ずっと考えてて思いつかなかった俺の発想力が貧困すぎるのか?
「正直、いろいろ配信に関して力を貸して欲しい。俺だけでやってると、速攻でマンネリしそうな気がする」
「ああ、そういう……勿論いいわよ、私も仕事があるから片手間にはなっちゃうけど」
「それは勿論!」
ああ、心強い。本当に内の姉貴は頼りになる。
思わず両手を合わせて拝みたい気持ちになっていると、ふと姉貴の顔に笑みが浮かんだ。……普段の笑い方ではない、ちょっと悪戯を思いついた時とかに浮かべる笑み。
「姉貴……?」
「ふふ、勿論冬樹の力になる事に文句はないけど。お姉ちゃんちょっと対価が欲しいかも」
「対価?」
慌てて俺は手をぱたぱたと振って否定する。
俺としてもその系統の配信者は好きじゃないし、そもそも最高神曰く信仰として向けられる意識が負の方向のものの場合その影響を大きく受けてしまう可能性があるそうだ。
要するに人に迷惑をかける事を求めるような意識を向けられれば悪神になるし、エロい意識ばかり向けられれば淫乱な神となるそうだ。マジで御免被る。なのでそういった配信はありえない。
じゃあ何の配信をすればいいのかっていうのはまだ具体的には考えてはいないけど……
「Vtuberとかいいんじゃないかな、なんて思ってるんだけど」
「ないわね」
案の一つを口に出した途端即答で否定された。
「な、なんで? Vtuberなら顔を出さないで済むし、日常生活で苦労しないで済むのかと思ったんだけど」
「Vtuberなんて今は完全に飽和状態よ? 大手企業とか有名なクリエイターとかがバックにでもついていない限り、何か突出した部分がないと埋もれるだけだと思うけど、冬樹何かある?」
「ないです……というか姉貴割と詳しいな?」
「少しは見ているからね、そんな甘い世界じゃないわよ。……で、そうするとやっぱり売りはその外見になっちゃうわよねぇ」
「だなぁ。明らかに突出している能力っていったなら間違いなくこの外見になるからなぁ。いやそれより突出している能力で神の奇跡はあるんだけど、これは使えないしな」
超常能力が使えるなんて知れ渡ったらそれこそルールが守れない可能性が高くなってくるしな。それにそんなものを堂々と使ったらそれこそ怪しい組織とか団体にも狙われそうだ。単なる美少女として売り出すのでは、やってくる面倒毎のレベルが違いすぎるだろう。
せっかくめちゃくちゃ美少女になったんだし、配信者をやること自体にはさして抵抗ないんだけどな。
俺がはぁ、とため息をつく傍ら、姉貴は口元に手をやって考え込んでいた。ゆうに10数秒その状態を続けた後、口元から手を離した姉貴は視線を上げて言った。
「……まるっきり使えないってわけでもないんじゃないかしら?」
「え?」
「一件超常現象じゃない力の使い方なら、活かす方法もあるんじゃないかしら」
超常現象じゃない力の使い方?
「神としての力でどんな事ができるかは私にはわからないけど……例えば、身体能力を上げたり補助して優れた運動神経を見せるとか。宙返りとかね」
「……成程!」
運動神経が良いくらいなら、別に超常現象とは言えない。もちろん度を越した事をやってしまうわけにはいかないけど、俺の外見があれば現実的な範囲内でもかなり注目を引けるはず。
「他にも、小さな奇跡を起こすとかね」
「小さな奇跡?」
「例えば玉の動きを操作して遠くの穴に投げて入れるとか。後は蛍の出る場所で蛍を誘い出すとかね。後は生じゃなくて動画なら内容によってはCGで誤魔化せないかしら」
「姉貴」
「うん?」
「俺のプロデューサーお願いします」
「うん!?」
なんでそんなポンポン色々思いつくんですか? それとも日中ずっと考えてて思いつかなかった俺の発想力が貧困すぎるのか?
「正直、いろいろ配信に関して力を貸して欲しい。俺だけでやってると、速攻でマンネリしそうな気がする」
「ああ、そういう……勿論いいわよ、私も仕事があるから片手間にはなっちゃうけど」
「それは勿論!」
ああ、心強い。本当に内の姉貴は頼りになる。
思わず両手を合わせて拝みたい気持ちになっていると、ふと姉貴の顔に笑みが浮かんだ。……普段の笑い方ではない、ちょっと悪戯を思いついた時とかに浮かべる笑み。
「姉貴……?」
「ふふ、勿論冬樹の力になる事に文句はないけど。お姉ちゃんちょっと対価が欲しいかも」
「対価?」
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