目が覚めたらロリ女神になっていたけど負わされた責務が重すぎる

藤木

文字の大きさ
上 下
21 / 22

日向ふゆ

しおりを挟む
「ふゆちゃん! ジョギングかしら? 精がでるわねぇ」

人影は70代くらいの女性だった。畑の中で何やら作業していたらしい彼女もこちらの姿に気づくと、立ち上がってこちらに手を振りつつ大きな声で声を掛けてくる。

その言葉に僕は速度を緩めると彼女に手を大きく振りつつ言葉を返す。

「おはようございます、良枝さん!」

立ち上がった彼女──佐々木 良枝さんがこっちに向かってきたので、僕も畑の端の部分で足を止める。

「やっぱり若い子は元気ねぇ」
「あはは、せっかくいい天気ですし、村も見て回りたいですし」
「畑と荒れ地と廃屋しかないけどね。もう皆には挨拶回りは済ませたのでしょう?」
「はい」

良枝さんの言葉に、僕は頷く。何せ僕を除けば6世帯10人しか住んでいない集落だ、挨拶周りもすぐに終わった。そこそこある気はしたけど。

ちなみに彼女、良枝さんを含め本当は僕は村の皆さんとは元々面識がある。祖父達が生きているときは年に一度程度ではあるけど遊びに来てたからね。だけど当然そんな事は言えるわけがないので、初対面の体で挨拶したけど。

尚良枝さんはそもそもウチの遠い親戚だ。今回の引っ越しでもお姉ちゃん経由ではあるがいくつか世話になっている。

「んー、でもふゆちゃんは見てるだけで元気が出るわね! 村の景色に若い子がいるのはいいわ~。普段はせいぜいどこかの家の孫とかが訪ねてきている時しかみれない景色だし」

そういってケタケタ笑う良枝さんは元からお元気でパワフルな方である。まぁ一応神なのでちょっとだけ漏れだした俺の神の力じょ影響とかあるかもしれないけど。

後”ふゆちゃん"という呼び方。これなんだけど、"冬樹"の愛称ではなく、今の名前自体が"ふゆ"になっている。

僕が新しく得た戸籍の名前は"日向 ふゆ"。命名は例によってお姉ちゃんだ。名前の方は勿論冬樹から取った。似た名前の方が呼ばれた時違和感も感じにくいし馴染みやすいしね。日向の方は佐々木さんより更に遠い親戚から拝借した形だ。そしてすでに村の住人全員から"ふゆちゃん"で呼ばれている。まぁ外見幼い上に実年齢からみたって孫以下の年齢だしね……

「皆ともふゆちゃんの話よくするし、ふゆちゃんは早速早瀬集落のアイドルねぇ」
「あはは、ちょっと恥ずかしいかも」

これから目指す事を考えるとそんな事いってられないけど。小さな集落のお祖父ちゃん達のアイドルではなくて、もっと人気のあるアイドル的な物目指さないといけないので。

それとアイドルというのは言い過ぎにしてもかなり意識してくれているのは間違いないらしい。何せGPが増えてるからね。さすがに人数が人数だから微々たるものではあるけれど、増えているのは事実。塵も積もればではあるし、こっちの世界での身体強化とかはそこまでコストかからずいけるみたいだからそれに使えるのはありがたい。

その後少しの間良枝さんと雑談をした後、集落を一通り走り回り、その後集落を少し離れて道路沿いをしばらく走った後Uターンして集落へ戻った。集落を一通り走り回ったのは全部の世帯に顔を出すためだね。わざわざそんな事理由はやっぱり直接会った時の方がGPの方が増えるから。それにそうじゃなくても顔を出すと皆喜んでくれるからね、悪い気がしない。全部回ったってそれほど大きい集落ではないんだから、今後もこれは繰り返していこうと思う。一人暮らしの世帯も二世帯あるから、見守りにもなるしね。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

俺、貞操逆転世界へイケメン転生

やまいし
ファンタジー
俺はモテなかった…。 勉強や運動は人並み以上に出来るのに…。じゃあ何故かって?――――顔が悪かったからだ。 ――そんなのどうしようも無いだろう。そう思ってた。 ――しかし俺は、男女比1:30の貞操が逆転した世界にイケメンとなって転生した。 これは、そんな俺が今度こそモテるために頑張る。そんな話。 ######## この作品は「小説家になろう様 カクヨム様」にも掲載しています。

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

小桃
ファンタジー
 商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。 1.最強になれる種族 2.無限収納 3.変幻自在 4.並列思考 5.スキルコピー  5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

処理中です...