目が覚めたらロリ女神になっていたけど負わされた責務が重すぎる

藤木

文字の大きさ
上 下
12 / 22

姉の来訪

しおりを挟む
 その人物に「今夜重要な相談があるから家に来て欲しい」というメールを入れて待つ事にした。

 メール入れた直後に電話が掛かってきたが、そちらには出なかった。声がまるっきり違うから誰だお前になるし、電話だけで今の事情を説明できる気はしなかったので。

 それからいろいろネットで調べ物をしたり、夕方くらいになってようやく今日初めての食事を取ったり……神になったからそういうのいらないと思ったら、体は人間と同じ構成になっているのでこの世界で暮らすうちは普通に食事を取る必要があるということだった。
 GPで代用はできるらしいが、もったいないしな……。それにやはり食事というのは、人生の中の楽しみの一つだ。食べるものがない緊急時以外は普通の食事でいいだろう。

 そうして過ごしていると、夜の7時を回ったあたりでメールが届いた。「後10分くらいで到着する」とのことだったので、「鍵開いてるから勝手に入ってきて」と返して置いた。この姿で玄関先で迎えるとそこで話し込む事になっちゃうからな。すると「何か買っていった方がいいものがあるか?」と再びのメール。あれ、これ体調崩して寝ていると思われた? 掛かって来た電話も取らなかったし。とりあえず「大丈夫」と返して置く。

 そして15分後。

 チャイムが一度慣らされ、それから玄関のドアが開く。

「冬樹、起きてる? 体調大丈夫?」

 聞きなれた声が聞こえて来た。俺がこの世界でもっとも聞きなれた女性の声が。

 というかやっぱり体調崩してると思われてたな。

 掛けられた声に返事はしない。今の俺の声は彼女には聞きなれないものになっているので。

「一応消化に良さそうなもの買ってきたけど、食べられる? それとも寝ているかな?」

 その言葉と共に、部屋に一人の女性が入ってきた。

 ストッキングにピッチりとしたスーツ姿。伸ばせば腰の辺りまである髪は今はポニーテールに結い上げられており、やや釣り気味の瞳には眼鏡が掛けられている。

 この女性の名前は秋篠 夏芽。俺より3つ年上の実の姉だ。

 その彼女は部屋の中でベッドに腰かけている俺の姿を認めると──動きを止めた。

 それから、ゆうに5秒程たった位だろうか。もっていたビニール袋を地面に落とすと体の前でバタバタと手を左右に振りだした。

「すっ、すまない! 他に人がいるとは思っていなかったんだ! 君は冬樹の彼女なのかなっ、あっ、心配しないで頂戴、私は冬樹の姉でそういう相手ではないので!」
「待て待て待て待て」

 なんか先走りすぎ! 大体俺こんな幼い外見の子に手を出すようなロリコンじゃねーよ! 状況的に混乱するのはわかるけど!

「きっ、キミがいるなら私はお暇した方がいいかな? あ、これ冬樹にたべさせてやって」
「姉貴、ストップ!」
「へ?」
「俺だよ俺、弟の冬樹だって、こんな姿になってるけども!」
「……オレオレ詐欺?」
「対面した状態でするオレオレ詐欺ってなんだよ……」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺、貞操逆転世界へイケメン転生

やまいし
ファンタジー
俺はモテなかった…。 勉強や運動は人並み以上に出来るのに…。じゃあ何故かって?――――顔が悪かったからだ。 ――そんなのどうしようも無いだろう。そう思ってた。 ――しかし俺は、男女比1:30の貞操が逆転した世界にイケメンとなって転生した。 これは、そんな俺が今度こそモテるために頑張る。そんな話。 ######## この作品は「小説家になろう様 カクヨム様」にも掲載しています。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

小桃
ファンタジー
 商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。 1.最強になれる種族 2.無限収納 3.変幻自在 4.並列思考 5.スキルコピー  5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

処理中です...