目が覚めたらロリ女神になっていたけど負わされた責務が重すぎる

藤木

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信仰心の集め方

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「なしでお願いします」
『うむ』
「だけど……だとしたら俺はどうすればいいんだ? 宗教でもおこせばいいのか?」
『宗教である必要はないな。というか宗教は基本NGじゃ』
「なんで?」

神様なんだから、それが一番正しい姿なのでは?

『この世界の神は別におるからの。同種の存在として信仰されてしまうと、力が分散されてしまう。例えばお主がめちゃめちゃ神としての信仰を集めてしまうと、その世界の神の力が削がれてしまう。その結果、お主の住む世界に悪影響が出る可能性がある』
「ええ……」

まーた重い理由が……

「宗教じゃなきゃ大丈夫なのか?」
『うむ、信仰される種類が違えば大丈夫じゃ。例えば王に信頼を向けていても神を信仰しなくなるわけではないじゃろ?』

まぁ歴史上は自身を神と同列に置いたり神より上位に置こうとしたり、あるいは神への信仰を禁じようとしたケースもあると思うけど。まぁ細かい部分で違ってくるのだろう。

『ともかくじゃ、いわば人々から向けられる意識が力になると考えれば良い。神として信仰される必要はないのじゃよ』

 ……だとしたら、例えばだがそれこそ顔を出さなくても脱いで全裸とはいかないでも際どい恰好の動画でも流せばある程度力は集められるんじゃないか? ぶっちゃけこの体自分の体って感覚ないから見られる事にさほど抵抗は感じないし。話を聞く限り誰かの体を乗っ取ったという訳でもないようだから、罪悪感もないしな。

『ただ向けられる感情が負のモノの場合、それを取り込んでしまうと大きく影響を受けるから注意じゃ。例として殺意を多く向けられれば多くの物の死を望む存在になるし、性的欲望を向けられれば淫欲に溺れた堕神となる』

 はい、この案なし! リアルサキュバスとかになったら笑えん!
 まぁそれに顔を隠してても、まかり間違って正体ばれたら問題だもんな。声とか出したら知人関係には気づかれそうだし。……ん、そういえば。

「そういえばこの世界での俺の扱いってどうなってるの? 生まれた時からこの姿の扱い? それともそういった病気になったとか?」
『何も変わっとらんぞ』
「はい?」
『何もしとらん』
「はぁーーーーーーーーっ!?」

 思わず大声を上げてしまい、俺は慌てて口を閉じる。大丈夫、この時間なら隣も下の部屋の人間も出かけているハズ。

「いやまてどういうことだよ。という事はこの世界での俺に対する認識ってなにも変わってないの? 元の男のまま?」
『うむ』
「じゃあどうしろっていうんだよーっ!?」

 今度は声を抑えて、それでも叫ぶ。

「普通は関係者の記憶いじってくれたり、戸籍情報いじってくれたりしてるんじゃねーのか!?」
『記憶をいじるのはなかなかに難しくてのぉ。失敗するとその人間を廃人にしかねないから難しいのじゃ。意識を誘導したり、例えば前にたったお主を元からその姿と思いこませるのは可能なのじゃがな』

 本当にさっきから調整効かないな神の力!

「いや、じゃあ俺どうやって生活していきゃいいんだよ。性別すら変わってるんだぞ!?」
『どうしようかのぅ……?』
「アフターケアはちゃんと考えておいてもらえますかねぇ!?」

 姿が変わってるから運転免許証も使えない、保険証だって性別が違うからNG。というか戸籍だって俺が秋篠冬樹本人だって認めてくれないだろう。そうなると少なくともこの日本で生きていくには問題がありすぎる。

『一応、何を変更すれば明確に解ればそれを書き換える事は出来るがの』

 ……だとしたら、運転免許証の写真と性別を変えてもらうか? いや、駄目だな。この手の奴は向こうにもデータがあるから更新の時とか何らかの確認があった時に問題が起きそうだ。

 うーん……

「とりあえず、この件に関しては対策を考える。協力はしてくれるよな?」
『それは勿論じゃ』

 ……これに関してはいろいろ調べてから考えよう。現時点ではどうすればいいか何もわからん。となると後は確認しておくべきことは、

「で、世界の管理って何をすればいいんだ? ファンタジー小説だと、聖女とか勇者に力を与えて何とかしてもらったりしてるけど」
『それも一つの手段ではあるが、現時点ではあの世界にはお主の力を受け入れる器になれるものがない。適性がないものに力を与えてもパァンするだけじゃし』

 またそれかよ。

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