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酷い押し付けを見た
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そんな状態の中で、偶々とある世界に神に昇華できる存在に達した者がいた。
俺である。
神が産まれる方法は二つあって、一つは神々が力を掛け合わせて新しい神を生み出す方法。基本はこっちの方が多いらしい。
そしてもう一つが繰り返す人生の中で徳を積み魂の価値を上げ、神格を得られるレベルになったものを最高神が神に昇華させる事。
俺は久しぶりに現れた後者の存在だったらしい。
徳を積んでっていっても俺が行った善行ってせいぜい電車で席を譲ったとか、階段を降りようとしているママさんのベビーカーを運んで上げたくらいしかないんだけど……と、これは途中で思わず突っ込んでしまったんだが、どうやら前世以前からの累積かららしい。
いやどれだけの善行を積んだんだよ過去の俺……?
で、まぁそんな存在の俺を神に昇華させて、その滅びかけの世界の管理者にすることにしたらしい。俺の承諾もなしに。
いやこれ怒っていいし、断ってもいいよな!?
そう思ったんだが、その後の話を聞いたら断るに断れなくなった。
だってさー。俺が引き受けないとその世界は崩壊して数兆の命(虫とかも含む)が失われるっていうんだぜ。
いや、それだけなら俺には関係ないと突っぱねる事ができかもしれない。あまりにも理不尽な話だから。だけど寿命じゃない世界が崩壊をした場合、崩壊の余波で他の世界に影響がでる可能性もあるんだぜ。俺達の世界にも!
勿論各世界にはその世界を管理する神がいるからその余波から守る事はするらしいんだけど、全く影響が出ないということはないらしい。
そんなのもう脅迫じゃんか。もしかしたら俺を縛るための嘘かもしれないけど、確認する手立てが断れるはずないじゃんかよ、もー……
一通りの話を聞き終えて、俺は頭を抱えていた。
『……大丈夫かの?』
「大丈夫じゃねーわ」
酷い、あまりにも酷い。勝手に外見というか存在を変えられた上に、負わされた責任があまりにも重いっ……ちなみに神に昇華するような人間なので、こういった話は受け入れると確信していたらしい。実際俺は引き受けなければと思ってしまっている。だが悪質っ……この最高神邪神か何かじゃねーのと思うくらいには悪質っ……!
なんでただ寝てただけでそんな天文学的な数字の命背負わされるん?
「……ん?」
とここまで考えて、ようやく俺は一つおかしな点に気づいた。
「なあ神」
『お主も神じゃが……なんじゃ?』
「その世界の管理者となるなら、なんで俺まだこの世界にいんの?」
物語でよくあるように、異世界転移させられてるんじゃねーの?
『ああ、それはちゃんと理由がある。一つは……お主、この世界に未練があるじゃろ?』
それはまぁ……当然ある。何せ俺はまだ20を少し過ぎたばかりだ、未練がなかったらおかしいだろ。
『まぁそれはおまけでメインは別にあるんじゃが』
おまけかよ!
『儂は別格じゃが、通常の神の力の源は人々から向けられる信仰じゃ。だがあの世界の住人は最早神を信じられる状態ではなくての。だからあの世界にお主を連れてってもお主は力を殆ど補充できんのじゃ。一応自然回復はするが微々たるもんじゃしのぅ』
はぁ? 神なら無尽蔵に力を使えるんじゃねーの?
『んなわけないじゃろ。高位神ならまだしも末端の神にそんな無尽蔵な力なぞない』
「あんたは無尽蔵の力があるんだろ? だったらその力を分け与えてくれれば」
『ちょっとでもそそぐ力の量を間違えるとパァンしてしまうがよいか?』
いいわけあるか。
俺である。
神が産まれる方法は二つあって、一つは神々が力を掛け合わせて新しい神を生み出す方法。基本はこっちの方が多いらしい。
そしてもう一つが繰り返す人生の中で徳を積み魂の価値を上げ、神格を得られるレベルになったものを最高神が神に昇華させる事。
俺は久しぶりに現れた後者の存在だったらしい。
徳を積んでっていっても俺が行った善行ってせいぜい電車で席を譲ったとか、階段を降りようとしているママさんのベビーカーを運んで上げたくらいしかないんだけど……と、これは途中で思わず突っ込んでしまったんだが、どうやら前世以前からの累積かららしい。
いやどれだけの善行を積んだんだよ過去の俺……?
で、まぁそんな存在の俺を神に昇華させて、その滅びかけの世界の管理者にすることにしたらしい。俺の承諾もなしに。
いやこれ怒っていいし、断ってもいいよな!?
そう思ったんだが、その後の話を聞いたら断るに断れなくなった。
だってさー。俺が引き受けないとその世界は崩壊して数兆の命(虫とかも含む)が失われるっていうんだぜ。
いや、それだけなら俺には関係ないと突っぱねる事ができかもしれない。あまりにも理不尽な話だから。だけど寿命じゃない世界が崩壊をした場合、崩壊の余波で他の世界に影響がでる可能性もあるんだぜ。俺達の世界にも!
勿論各世界にはその世界を管理する神がいるからその余波から守る事はするらしいんだけど、全く影響が出ないということはないらしい。
そんなのもう脅迫じゃんか。もしかしたら俺を縛るための嘘かもしれないけど、確認する手立てが断れるはずないじゃんかよ、もー……
一通りの話を聞き終えて、俺は頭を抱えていた。
『……大丈夫かの?』
「大丈夫じゃねーわ」
酷い、あまりにも酷い。勝手に外見というか存在を変えられた上に、負わされた責任があまりにも重いっ……ちなみに神に昇華するような人間なので、こういった話は受け入れると確信していたらしい。実際俺は引き受けなければと思ってしまっている。だが悪質っ……この最高神邪神か何かじゃねーのと思うくらいには悪質っ……!
なんでただ寝てただけでそんな天文学的な数字の命背負わされるん?
「……ん?」
とここまで考えて、ようやく俺は一つおかしな点に気づいた。
「なあ神」
『お主も神じゃが……なんじゃ?』
「その世界の管理者となるなら、なんで俺まだこの世界にいんの?」
物語でよくあるように、異世界転移させられてるんじゃねーの?
『ああ、それはちゃんと理由がある。一つは……お主、この世界に未練があるじゃろ?』
それはまぁ……当然ある。何せ俺はまだ20を少し過ぎたばかりだ、未練がなかったらおかしいだろ。
『まぁそれはおまけでメインは別にあるんじゃが』
おまけかよ!
『儂は別格じゃが、通常の神の力の源は人々から向けられる信仰じゃ。だがあの世界の住人は最早神を信じられる状態ではなくての。だからあの世界にお主を連れてってもお主は力を殆ど補充できんのじゃ。一応自然回復はするが微々たるもんじゃしのぅ』
はぁ? 神なら無尽蔵に力を使えるんじゃねーの?
『んなわけないじゃろ。高位神ならまだしも末端の神にそんな無尽蔵な力なぞない』
「あんたは無尽蔵の力があるんだろ? だったらその力を分け与えてくれれば」
『ちょっとでもそそぐ力の量を間違えるとパァンしてしまうがよいか?』
いいわけあるか。
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