3 / 22
不審なメッセージ
しおりを挟む
だって仕方ないだろ、この何もわからない状況でどうしろっていうんだよ。
いっそのこと寝たら治ってるんじゃないかとも考えるが、昨夜はがっつり寝た上にこんな特殊な状況下で眠くもないのに寝れるほど豪胆な性格もしていない。
ちなみにユアスクとは、世界最大規模の動画共有プラットフォームYourScreenのことだ。俺は疲れて他に特に何もする気が起きない時はユアスクで動画をよく見ていた。今は疲労とは違うが何もする気が起きないので状況は一緒である。
家にいるのでスマホの小さい画面で見る必要は全くないため、俺は机の上のPCの電源を入れる。そして立ち上がるのを待ってからブラウザを開こうとした時だった。
ポン、と軽い音がPCのスピーカーから鳴った。
俺はまだアプリを何も立ち上げていない。何の音だろうと少し考えてああディプコの通知音かと気づく。
DeepConnect、通常ディプコと呼ばれ広く使われているチャットアプリだ。専門学校時代にオンラインの友人達と使っていたためインストールしていたが、社会人となってその友人達とも疎遠になったのでもうずっと使っていない。だから今更俺にメッセージを送ってくる奴なんていないハズなんだが……そんな事を思いつつ無視するのもあれなので、通知領域のアイコンを開く。
ディプコが立ち上がったので、ダイレクトメッセージの通知欄を見ると確かにメッセージが届いている旨の表示があった。あったんだが……
"我最高神"って誰だよ、そんなフレンドいた記憶ねぇぞ。俺確かダイレクトメッセージはフレンド以外からは受け取らない設定にしていたハズだけど……
とにかく、確認してみるか。
『おーい』
いやなんだこのメッセージ。と思ってたらすぐに次のメッセージが来た。
『やれやれ、やっと見てくれたかの』
来たけど、意味不明だ。どうしよう……もしかしてユーザー名変えた別の知り合い? とりあえず聞いてみようかとキーボードに手を置き、
『いやそっちの声は拾えるから、打ち込まなくても大丈夫じゃぞ』
……は?
なんだこれ、何言ってるんだ?
たしかにディプコは音声通話する機能もあるが、今はマイク付きのヘッドホンを繋げているわけでもないので聞こえるはずがない。もしかして別の人のライブに繋げながら間違えてメッセージを送って来たとか?
であればと勘違いを訂正するために、俺は改めてキーボードをたたいてメッセージを書き込む。
『メッセージ送り先間違えてますよ』
『いや間違えておらんよ、秋篠冬樹』
「……っ!」
続けて書き込まれたメッセージに、俺は息を飲んでしまった。
当然といえば当然、俺はユーザー名に本名等使っていない。そして、明確に俺の名前を言ってきたということは間違いメッセージではないことは確かだろう。となると、知り合いなのは間違いない。一体誰が──
『今のお主の状況を説明してやろうと思ってな。突然姿が変わって戸惑っておるんじゃろ?』
今度は息を飲むではなく、息が止まった。
こいつ……今の俺の状況を知っているのか? 何故?
「なんで……」
数秒停止していた呼吸を再開するとともに漏れた声に、返事はすぐに返って来た。
『そりゃワシがお主をその姿にしたからのー』
「はぁ!?」
『こりゃこりゃ、そういきり立つではないわ。まずはいろいろ説明をするから黙って聞いておれ』
そのすぐ後に長々と送られて来たメッセージを取りまとめるとこんな感じだ
・過去の善行により神になるためのカルマ値みたいなのがたまったので、俺は神になった。
・本来は今世を全うした後で神になる予定だったが、諸事情によって急遽神になって貰った。
・今の姿は神になる時なる予定だった、ようするに来世の姿。
・メッセージの送信主は名前の通り最高神。
「何一つとして意味がわからねぇ!」
はぁ? という感じである。何かしらの知り合いなのは間違いないんだが、あれか、宗教か何かにはまった友人が勧誘の為に連絡いれてきた感じか?
なんで今の俺の状況を知っているのかが謎だが……関わらない方がいい気がする。幸いアプリでの会話だ、アプリを閉じてしまえば連絡が来ることもない。
俺は右上の×マークに向けてマウスを動かす。
『こらこらこら、閉じようとするではない!』
慌てた感じのメッセージが来るが無視する。というかこっちの操作が見えてるってハッキングされてるんじゃ? ……アプリだけじゃなくてPC自体落とした方がいいかな。これ。
『……やれやれ、まず信じされないと話が進まんか。まぁ幾重にもフィルターかければ大丈夫じゃろ』
そう、メッセージが流れたが無視して、左クリックをしようとした時だ。
突然視界が暗転した。
は?
停電とかそういった類のものではない、完全な闇。周囲には何も存在せず、触れているハズの椅子やマウスの感触もない。
なんだ、これ?
周囲を見回す。だが広がっているのはただの闇だけ……いや、一点だけ闇ではないところがあった。
そちらにあるのは……人影? わずかな光と共に、そこにいたのは──
そう認識した瞬間。俺の全身に寒気を超えたおぞましい感覚が走り、俺の意識は消失した。
いっそのこと寝たら治ってるんじゃないかとも考えるが、昨夜はがっつり寝た上にこんな特殊な状況下で眠くもないのに寝れるほど豪胆な性格もしていない。
ちなみにユアスクとは、世界最大規模の動画共有プラットフォームYourScreenのことだ。俺は疲れて他に特に何もする気が起きない時はユアスクで動画をよく見ていた。今は疲労とは違うが何もする気が起きないので状況は一緒である。
家にいるのでスマホの小さい画面で見る必要は全くないため、俺は机の上のPCの電源を入れる。そして立ち上がるのを待ってからブラウザを開こうとした時だった。
ポン、と軽い音がPCのスピーカーから鳴った。
俺はまだアプリを何も立ち上げていない。何の音だろうと少し考えてああディプコの通知音かと気づく。
DeepConnect、通常ディプコと呼ばれ広く使われているチャットアプリだ。専門学校時代にオンラインの友人達と使っていたためインストールしていたが、社会人となってその友人達とも疎遠になったのでもうずっと使っていない。だから今更俺にメッセージを送ってくる奴なんていないハズなんだが……そんな事を思いつつ無視するのもあれなので、通知領域のアイコンを開く。
ディプコが立ち上がったので、ダイレクトメッセージの通知欄を見ると確かにメッセージが届いている旨の表示があった。あったんだが……
"我最高神"って誰だよ、そんなフレンドいた記憶ねぇぞ。俺確かダイレクトメッセージはフレンド以外からは受け取らない設定にしていたハズだけど……
とにかく、確認してみるか。
『おーい』
いやなんだこのメッセージ。と思ってたらすぐに次のメッセージが来た。
『やれやれ、やっと見てくれたかの』
来たけど、意味不明だ。どうしよう……もしかしてユーザー名変えた別の知り合い? とりあえず聞いてみようかとキーボードに手を置き、
『いやそっちの声は拾えるから、打ち込まなくても大丈夫じゃぞ』
……は?
なんだこれ、何言ってるんだ?
たしかにディプコは音声通話する機能もあるが、今はマイク付きのヘッドホンを繋げているわけでもないので聞こえるはずがない。もしかして別の人のライブに繋げながら間違えてメッセージを送って来たとか?
であればと勘違いを訂正するために、俺は改めてキーボードをたたいてメッセージを書き込む。
『メッセージ送り先間違えてますよ』
『いや間違えておらんよ、秋篠冬樹』
「……っ!」
続けて書き込まれたメッセージに、俺は息を飲んでしまった。
当然といえば当然、俺はユーザー名に本名等使っていない。そして、明確に俺の名前を言ってきたということは間違いメッセージではないことは確かだろう。となると、知り合いなのは間違いない。一体誰が──
『今のお主の状況を説明してやろうと思ってな。突然姿が変わって戸惑っておるんじゃろ?』
今度は息を飲むではなく、息が止まった。
こいつ……今の俺の状況を知っているのか? 何故?
「なんで……」
数秒停止していた呼吸を再開するとともに漏れた声に、返事はすぐに返って来た。
『そりゃワシがお主をその姿にしたからのー』
「はぁ!?」
『こりゃこりゃ、そういきり立つではないわ。まずはいろいろ説明をするから黙って聞いておれ』
そのすぐ後に長々と送られて来たメッセージを取りまとめるとこんな感じだ
・過去の善行により神になるためのカルマ値みたいなのがたまったので、俺は神になった。
・本来は今世を全うした後で神になる予定だったが、諸事情によって急遽神になって貰った。
・今の姿は神になる時なる予定だった、ようするに来世の姿。
・メッセージの送信主は名前の通り最高神。
「何一つとして意味がわからねぇ!」
はぁ? という感じである。何かしらの知り合いなのは間違いないんだが、あれか、宗教か何かにはまった友人が勧誘の為に連絡いれてきた感じか?
なんで今の俺の状況を知っているのかが謎だが……関わらない方がいい気がする。幸いアプリでの会話だ、アプリを閉じてしまえば連絡が来ることもない。
俺は右上の×マークに向けてマウスを動かす。
『こらこらこら、閉じようとするではない!』
慌てた感じのメッセージが来るが無視する。というかこっちの操作が見えてるってハッキングされてるんじゃ? ……アプリだけじゃなくてPC自体落とした方がいいかな。これ。
『……やれやれ、まず信じされないと話が進まんか。まぁ幾重にもフィルターかければ大丈夫じゃろ』
そう、メッセージが流れたが無視して、左クリックをしようとした時だ。
突然視界が暗転した。
は?
停電とかそういった類のものではない、完全な闇。周囲には何も存在せず、触れているハズの椅子やマウスの感触もない。
なんだ、これ?
周囲を見回す。だが広がっているのはただの闇だけ……いや、一点だけ闇ではないところがあった。
そちらにあるのは……人影? わずかな光と共に、そこにいたのは──
そう認識した瞬間。俺の全身に寒気を超えたおぞましい感覚が走り、俺の意識は消失した。
1
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

俺、貞操逆転世界へイケメン転生
やまいし
ファンタジー
俺はモテなかった…。
勉強や運動は人並み以上に出来るのに…。じゃあ何故かって?――――顔が悪かったからだ。
――そんなのどうしようも無いだろう。そう思ってた。
――しかし俺は、男女比1:30の貞操が逆転した世界にイケメンとなって転生した。
これは、そんな俺が今度こそモテるために頑張る。そんな話。
########
この作品は「小説家になろう様 カクヨム様」にも掲載しています。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる