43 / 47
未来からのラブレター
執着の謎解き
しおりを挟む
帆乃がようやく理性を取り戻して、冬を遠ざけようとするのに、冬は頭をフル回転させて考えた。
「帆乃ちゃん!
何でそんなこと言うの?
ひとりじゃ怖くて眠れないのに、どうやって眠るの?
それに、あの寝起きはどうするの?
直輝さんと千里さんに迷惑かけちゃうよ!
あんな不機嫌でワガママな、、」
子供扱いされる挙句、オマケに知られたく無いことを暴露されかけた帆乃はカッとなって反抗した。
「大丈夫だよ!
慣れたら寝れるよ!
それに、プリンちゃんと一緒に寝てもらうもん。
寝起きについては、、
舞島くんにそんな言われる筋合い全くないし!」
意外に癇癪持ちで、プンプンする帆乃を怒らせてしまった冬は、これはイケナイと穏やかに下手に出た。
「帆乃ちゃん、プリンちゃんは千里さんと寝るんだよ。
それに映画を一緒に作るんだよね?
最高の作品に育てるんだよね!
それなら、オレと一緒にいた方が何かと直ぐにわかり合えていいんじゃないかな?
何か、オレと一緒でマズイことってある?」
帆乃は冬が何でこんなに必死に引き止めるのか考えた。
一番大事だと思うことを、冬は何かを恐れて言わない。
マズイこと、、
帆乃は何がマズイのか具体的に考えようとしたが、既に一晩くっ付いて寝てしまった以上にマズイことは無い気がした。
「舞島くん、、
映画のためって言ったら、私が何でも言うこと聞くと思ってるでしょ?」
「とんでもない!
そんな訳ないよ。
ちゃんと帆乃ちゃんの言うこと聞いてるよね?オレ、、」
大袈裟な冬の、芝居がかったこのやりとりを聞いていた直輝と千里は、中学生みたいな2人の言い合いが可笑しくて仕方なかった。
もはや戯れてるのか言い争っているのか分からない直輝は、取り敢えず案を出した。
「ふたりとも、落ち着きなさい!
家としてはどちらでも構わないんだけど、こうしてても決まらないだろう。
夜も遅くなるし、、
確かに、この映画は帆乃ありき、冬ありきのプロジェクトなんだから、一緒に暮らせるんならその方がいいと思うけど、帆乃ちゃんが耐えられないんなら、いつでもウチに来ればいい。
帆乃ちゃん、どうかなぁ?
冬といるのがそんなに嫌かい?」
直輝にそう言われて帆乃は冬を見ると、冬は哀れな子犬の顔をしてじっと見ていた。
「、、嫌じゃないけど、そうするのが自分にとって良いことなのか、わからない、、」
帆乃がそう言うと、冬は最後の切り札を出して心から懇願した。
「帆乃ちゃん、この映画はふたりの子供でしょう?
オレと帆乃がギクシャクしてたら、この子はスクスクと幸せに育つかわからないよ?
ふたりで仲良くして大切に幸せに育てなきゃ!
そのためなら、オレは何でも喜んでするよ!
絶対、帆乃に嫌な思いさせないから。
お願いだから、もうどこにも行かないで!
オレのそばに、、一緒にいて!」
最後の言葉は、冬の心からの願いだった。
それが帆乃に刺さった。
自分のいちばん弱くて、いちばん響く言葉だったから。
冬は軽い気持ちではなく、本気でそう言っているのがわかる。
帆乃は頭では絶対おかしいと思いつつも、こんなに熱心に口説かれるのに好奇心を掻き立てられて、一緒に帰る気になり、また冬の術中にハマってしまった。
それに、昨夜の寝心地の良さと、朝の言いたい放題やりたい放題のワガママが出来るのは、何と言っても気持ちいいのは確かだったから。
買い物の大荷物を意気揚々と冬が提げ2人が帰った後、直輝と千里はそれぞれ思ったことを話し合っていた。
冬の執着ぶりが異常なこと
あのふたりの過去に何かあるのか?
帆乃にとって冬は全く眼中になかったにも関わらず、何故だか結び付きの強さを感じる。
千里は何気なく言った。
「何なん?
冬のあの変わり様って、、
おままごとみたいな二人だけど、大丈夫なん?
これって、何?
もしかして、冬は中学からずっと帆乃に片思いしてるってこと?
そんなに長く?
今まで会ってなくて、話もしたこともないってのに?
、、もし、そうなら相当ヤバいんじゃないの、、
帆乃、大丈夫なんかしら、、」
それを聞いた直輝は、初めて冬に会った時のことを思い出した。
最初全く自分の話に興味を示さなかったのに、必要とする誰かに届けたいと言ったら突然、冬はやる気になった。
目的があると言っていたが、それが何なのかやっと理解できた。
「、、そりゃ、ひと時も離せるわけないし、何でも願いを叶えたいさ、、
帆乃を見つけるためだけにwho youになったんだから、、
全く、、アイツ、ホントに恐ろしい男だよ。
俺たちみ~んな、そのために動かされてたんだから、、」
あの冬の才能とエネルギーを総動員してまで駆り立てる帆乃とは一体何者なんだと思う。
兎にも角にも触らぬ神に祟りなし、冬の恋路を邪魔しようものなら、とんでもない祟りが来るな、と笑った。
「帆乃ちゃん!
何でそんなこと言うの?
ひとりじゃ怖くて眠れないのに、どうやって眠るの?
それに、あの寝起きはどうするの?
直輝さんと千里さんに迷惑かけちゃうよ!
あんな不機嫌でワガママな、、」
子供扱いされる挙句、オマケに知られたく無いことを暴露されかけた帆乃はカッとなって反抗した。
「大丈夫だよ!
慣れたら寝れるよ!
それに、プリンちゃんと一緒に寝てもらうもん。
寝起きについては、、
舞島くんにそんな言われる筋合い全くないし!」
意外に癇癪持ちで、プンプンする帆乃を怒らせてしまった冬は、これはイケナイと穏やかに下手に出た。
「帆乃ちゃん、プリンちゃんは千里さんと寝るんだよ。
それに映画を一緒に作るんだよね?
最高の作品に育てるんだよね!
それなら、オレと一緒にいた方が何かと直ぐにわかり合えていいんじゃないかな?
何か、オレと一緒でマズイことってある?」
帆乃は冬が何でこんなに必死に引き止めるのか考えた。
一番大事だと思うことを、冬は何かを恐れて言わない。
マズイこと、、
帆乃は何がマズイのか具体的に考えようとしたが、既に一晩くっ付いて寝てしまった以上にマズイことは無い気がした。
「舞島くん、、
映画のためって言ったら、私が何でも言うこと聞くと思ってるでしょ?」
「とんでもない!
そんな訳ないよ。
ちゃんと帆乃ちゃんの言うこと聞いてるよね?オレ、、」
大袈裟な冬の、芝居がかったこのやりとりを聞いていた直輝と千里は、中学生みたいな2人の言い合いが可笑しくて仕方なかった。
もはや戯れてるのか言い争っているのか分からない直輝は、取り敢えず案を出した。
「ふたりとも、落ち着きなさい!
家としてはどちらでも構わないんだけど、こうしてても決まらないだろう。
夜も遅くなるし、、
確かに、この映画は帆乃ありき、冬ありきのプロジェクトなんだから、一緒に暮らせるんならその方がいいと思うけど、帆乃ちゃんが耐えられないんなら、いつでもウチに来ればいい。
帆乃ちゃん、どうかなぁ?
冬といるのがそんなに嫌かい?」
直輝にそう言われて帆乃は冬を見ると、冬は哀れな子犬の顔をしてじっと見ていた。
「、、嫌じゃないけど、そうするのが自分にとって良いことなのか、わからない、、」
帆乃がそう言うと、冬は最後の切り札を出して心から懇願した。
「帆乃ちゃん、この映画はふたりの子供でしょう?
オレと帆乃がギクシャクしてたら、この子はスクスクと幸せに育つかわからないよ?
ふたりで仲良くして大切に幸せに育てなきゃ!
そのためなら、オレは何でも喜んでするよ!
絶対、帆乃に嫌な思いさせないから。
お願いだから、もうどこにも行かないで!
オレのそばに、、一緒にいて!」
最後の言葉は、冬の心からの願いだった。
それが帆乃に刺さった。
自分のいちばん弱くて、いちばん響く言葉だったから。
冬は軽い気持ちではなく、本気でそう言っているのがわかる。
帆乃は頭では絶対おかしいと思いつつも、こんなに熱心に口説かれるのに好奇心を掻き立てられて、一緒に帰る気になり、また冬の術中にハマってしまった。
それに、昨夜の寝心地の良さと、朝の言いたい放題やりたい放題のワガママが出来るのは、何と言っても気持ちいいのは確かだったから。
買い物の大荷物を意気揚々と冬が提げ2人が帰った後、直輝と千里はそれぞれ思ったことを話し合っていた。
冬の執着ぶりが異常なこと
あのふたりの過去に何かあるのか?
帆乃にとって冬は全く眼中になかったにも関わらず、何故だか結び付きの強さを感じる。
千里は何気なく言った。
「何なん?
冬のあの変わり様って、、
おままごとみたいな二人だけど、大丈夫なん?
これって、何?
もしかして、冬は中学からずっと帆乃に片思いしてるってこと?
そんなに長く?
今まで会ってなくて、話もしたこともないってのに?
、、もし、そうなら相当ヤバいんじゃないの、、
帆乃、大丈夫なんかしら、、」
それを聞いた直輝は、初めて冬に会った時のことを思い出した。
最初全く自分の話に興味を示さなかったのに、必要とする誰かに届けたいと言ったら突然、冬はやる気になった。
目的があると言っていたが、それが何なのかやっと理解できた。
「、、そりゃ、ひと時も離せるわけないし、何でも願いを叶えたいさ、、
帆乃を見つけるためだけにwho youになったんだから、、
全く、、アイツ、ホントに恐ろしい男だよ。
俺たちみ~んな、そのために動かされてたんだから、、」
あの冬の才能とエネルギーを総動員してまで駆り立てる帆乃とは一体何者なんだと思う。
兎にも角にも触らぬ神に祟りなし、冬の恋路を邪魔しようものなら、とんでもない祟りが来るな、と笑った。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
誰の代わりに愛されているのか知った私は優しい嘘に溺れていく
矢野りと
恋愛
彼がかつて愛した人は私の知っている人だった。
髪色、瞳の色、そして後ろ姿は私にとても似ている。
いいえ違う…、似ているのは彼女ではなく私だ。望まれて嫁いだから愛されているのかと思っていたけれども、それは間違いだと知ってしまった。
『私はただの身代わりだったのね…』
彼は変わらない。
いつも優しい言葉を紡いでくれる。
でも真実を知ってしまった私にはそれが嘘だと分かっているから…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる