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未来からのラブレター
執着の謎解き
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帆乃がようやく理性を取り戻して、冬を遠ざけようとするのに、冬は頭をフル回転させて考えた。
「帆乃ちゃん!
何でそんなこと言うの?
ひとりじゃ怖くて眠れないのに、どうやって眠るの?
それに、あの寝起きはどうするの?
直輝さんと千里さんに迷惑かけちゃうよ!
あんな不機嫌でワガママな、、」
子供扱いされる挙句、オマケに知られたく無いことを暴露されかけた帆乃はカッとなって反抗した。
「大丈夫だよ!
慣れたら寝れるよ!
それに、プリンちゃんと一緒に寝てもらうもん。
寝起きについては、、
舞島くんにそんな言われる筋合い全くないし!」
意外に癇癪持ちで、プンプンする帆乃を怒らせてしまった冬は、これはイケナイと穏やかに下手に出た。
「帆乃ちゃん、プリンちゃんは千里さんと寝るんだよ。
それに映画を一緒に作るんだよね?
最高の作品に育てるんだよね!
それなら、オレと一緒にいた方が何かと直ぐにわかり合えていいんじゃないかな?
何か、オレと一緒でマズイことってある?」
帆乃は冬が何でこんなに必死に引き止めるのか考えた。
一番大事だと思うことを、冬は何かを恐れて言わない。
マズイこと、、
帆乃は何がマズイのか具体的に考えようとしたが、既に一晩くっ付いて寝てしまった以上にマズイことは無い気がした。
「舞島くん、、
映画のためって言ったら、私が何でも言うこと聞くと思ってるでしょ?」
「とんでもない!
そんな訳ないよ。
ちゃんと帆乃ちゃんの言うこと聞いてるよね?オレ、、」
大袈裟な冬の、芝居がかったこのやりとりを聞いていた直輝と千里は、中学生みたいな2人の言い合いが可笑しくて仕方なかった。
もはや戯れてるのか言い争っているのか分からない直輝は、取り敢えず案を出した。
「ふたりとも、落ち着きなさい!
家としてはどちらでも構わないんだけど、こうしてても決まらないだろう。
夜も遅くなるし、、
確かに、この映画は帆乃ありき、冬ありきのプロジェクトなんだから、一緒に暮らせるんならその方がいいと思うけど、帆乃ちゃんが耐えられないんなら、いつでもウチに来ればいい。
帆乃ちゃん、どうかなぁ?
冬といるのがそんなに嫌かい?」
直輝にそう言われて帆乃は冬を見ると、冬は哀れな子犬の顔をしてじっと見ていた。
「、、嫌じゃないけど、そうするのが自分にとって良いことなのか、わからない、、」
帆乃がそう言うと、冬は最後の切り札を出して心から懇願した。
「帆乃ちゃん、この映画はふたりの子供でしょう?
オレと帆乃がギクシャクしてたら、この子はスクスクと幸せに育つかわからないよ?
ふたりで仲良くして大切に幸せに育てなきゃ!
そのためなら、オレは何でも喜んでするよ!
絶対、帆乃に嫌な思いさせないから。
お願いだから、もうどこにも行かないで!
オレのそばに、、一緒にいて!」
最後の言葉は、冬の心からの願いだった。
それが帆乃に刺さった。
自分のいちばん弱くて、いちばん響く言葉だったから。
冬は軽い気持ちではなく、本気でそう言っているのがわかる。
帆乃は頭では絶対おかしいと思いつつも、こんなに熱心に口説かれるのに好奇心を掻き立てられて、一緒に帰る気になり、また冬の術中にハマってしまった。
それに、昨夜の寝心地の良さと、朝の言いたい放題やりたい放題のワガママが出来るのは、何と言っても気持ちいいのは確かだったから。
買い物の大荷物を意気揚々と冬が提げ2人が帰った後、直輝と千里はそれぞれ思ったことを話し合っていた。
冬の執着ぶりが異常なこと
あのふたりの過去に何かあるのか?
帆乃にとって冬は全く眼中になかったにも関わらず、何故だか結び付きの強さを感じる。
千里は何気なく言った。
「何なん?
冬のあの変わり様って、、
おままごとみたいな二人だけど、大丈夫なん?
これって、何?
もしかして、冬は中学からずっと帆乃に片思いしてるってこと?
そんなに長く?
今まで会ってなくて、話もしたこともないってのに?
、、もし、そうなら相当ヤバいんじゃないの、、
帆乃、大丈夫なんかしら、、」
それを聞いた直輝は、初めて冬に会った時のことを思い出した。
最初全く自分の話に興味を示さなかったのに、必要とする誰かに届けたいと言ったら突然、冬はやる気になった。
目的があると言っていたが、それが何なのかやっと理解できた。
「、、そりゃ、ひと時も離せるわけないし、何でも願いを叶えたいさ、、
帆乃を見つけるためだけにwho youになったんだから、、
全く、、アイツ、ホントに恐ろしい男だよ。
俺たちみ~んな、そのために動かされてたんだから、、」
あの冬の才能とエネルギーを総動員してまで駆り立てる帆乃とは一体何者なんだと思う。
兎にも角にも触らぬ神に祟りなし、冬の恋路を邪魔しようものなら、とんでもない祟りが来るな、と笑った。
「帆乃ちゃん!
何でそんなこと言うの?
ひとりじゃ怖くて眠れないのに、どうやって眠るの?
それに、あの寝起きはどうするの?
直輝さんと千里さんに迷惑かけちゃうよ!
あんな不機嫌でワガママな、、」
子供扱いされる挙句、オマケに知られたく無いことを暴露されかけた帆乃はカッとなって反抗した。
「大丈夫だよ!
慣れたら寝れるよ!
それに、プリンちゃんと一緒に寝てもらうもん。
寝起きについては、、
舞島くんにそんな言われる筋合い全くないし!」
意外に癇癪持ちで、プンプンする帆乃を怒らせてしまった冬は、これはイケナイと穏やかに下手に出た。
「帆乃ちゃん、プリンちゃんは千里さんと寝るんだよ。
それに映画を一緒に作るんだよね?
最高の作品に育てるんだよね!
それなら、オレと一緒にいた方が何かと直ぐにわかり合えていいんじゃないかな?
何か、オレと一緒でマズイことってある?」
帆乃は冬が何でこんなに必死に引き止めるのか考えた。
一番大事だと思うことを、冬は何かを恐れて言わない。
マズイこと、、
帆乃は何がマズイのか具体的に考えようとしたが、既に一晩くっ付いて寝てしまった以上にマズイことは無い気がした。
「舞島くん、、
映画のためって言ったら、私が何でも言うこと聞くと思ってるでしょ?」
「とんでもない!
そんな訳ないよ。
ちゃんと帆乃ちゃんの言うこと聞いてるよね?オレ、、」
大袈裟な冬の、芝居がかったこのやりとりを聞いていた直輝と千里は、中学生みたいな2人の言い合いが可笑しくて仕方なかった。
もはや戯れてるのか言い争っているのか分からない直輝は、取り敢えず案を出した。
「ふたりとも、落ち着きなさい!
家としてはどちらでも構わないんだけど、こうしてても決まらないだろう。
夜も遅くなるし、、
確かに、この映画は帆乃ありき、冬ありきのプロジェクトなんだから、一緒に暮らせるんならその方がいいと思うけど、帆乃ちゃんが耐えられないんなら、いつでもウチに来ればいい。
帆乃ちゃん、どうかなぁ?
冬といるのがそんなに嫌かい?」
直輝にそう言われて帆乃は冬を見ると、冬は哀れな子犬の顔をしてじっと見ていた。
「、、嫌じゃないけど、そうするのが自分にとって良いことなのか、わからない、、」
帆乃がそう言うと、冬は最後の切り札を出して心から懇願した。
「帆乃ちゃん、この映画はふたりの子供でしょう?
オレと帆乃がギクシャクしてたら、この子はスクスクと幸せに育つかわからないよ?
ふたりで仲良くして大切に幸せに育てなきゃ!
そのためなら、オレは何でも喜んでするよ!
絶対、帆乃に嫌な思いさせないから。
お願いだから、もうどこにも行かないで!
オレのそばに、、一緒にいて!」
最後の言葉は、冬の心からの願いだった。
それが帆乃に刺さった。
自分のいちばん弱くて、いちばん響く言葉だったから。
冬は軽い気持ちではなく、本気でそう言っているのがわかる。
帆乃は頭では絶対おかしいと思いつつも、こんなに熱心に口説かれるのに好奇心を掻き立てられて、一緒に帰る気になり、また冬の術中にハマってしまった。
それに、昨夜の寝心地の良さと、朝の言いたい放題やりたい放題のワガママが出来るのは、何と言っても気持ちいいのは確かだったから。
買い物の大荷物を意気揚々と冬が提げ2人が帰った後、直輝と千里はそれぞれ思ったことを話し合っていた。
冬の執着ぶりが異常なこと
あのふたりの過去に何かあるのか?
帆乃にとって冬は全く眼中になかったにも関わらず、何故だか結び付きの強さを感じる。
千里は何気なく言った。
「何なん?
冬のあの変わり様って、、
おままごとみたいな二人だけど、大丈夫なん?
これって、何?
もしかして、冬は中学からずっと帆乃に片思いしてるってこと?
そんなに長く?
今まで会ってなくて、話もしたこともないってのに?
、、もし、そうなら相当ヤバいんじゃないの、、
帆乃、大丈夫なんかしら、、」
それを聞いた直輝は、初めて冬に会った時のことを思い出した。
最初全く自分の話に興味を示さなかったのに、必要とする誰かに届けたいと言ったら突然、冬はやる気になった。
目的があると言っていたが、それが何なのかやっと理解できた。
「、、そりゃ、ひと時も離せるわけないし、何でも願いを叶えたいさ、、
帆乃を見つけるためだけにwho youになったんだから、、
全く、、アイツ、ホントに恐ろしい男だよ。
俺たちみ~んな、そのために動かされてたんだから、、」
あの冬の才能とエネルギーを総動員してまで駆り立てる帆乃とは一体何者なんだと思う。
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