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第5章
愛
しおりを挟む「あれ?もう6時じゃん。流石に風呂に入ろうよ」
「うん、そうだね」
そして俺達はゆっくり2人で風呂に入る事にした。そして俺がシャワーで体を洗っていると、兄ちゃんが急に後ろから俺に抱きついてきた。
「うぁっ!びっくりしたなどうしたの?兄ちゃん」
「・・・しーちゃんはさ、好きな人とか出来た?」
「え、急にどうしたの?」
「僕さ、小さい頃から好きな人がいるんだけど、その人鈍感で僕がいくらアピールしても気がついてくれないし、それに好きになっちゃいけない人だから。でもあの日初めて本気で可愛いって言われた時に今まで我慢できてたはずなのに全然出来なくなっちゃってもっともっと欲しいと思うようになっちゃったんだ・・・」
俺はまさかと思い振り向こうとすると、兄ちゃんは振り向くなと言って、俺をより強くギュッと抱きしめた。
「だからしーちゃん、この関係が辛いから終わらせて僕のこと振ってくれないかな?」
俺は兄ちゃんの手を振り払い無理やり兄ちゃんの方に振り向いて言った。
「勝手に決めつけるなよっ!俺だって最初は兄ちゃんが変なやつに抱かれるくらいならって思って兄ちゃんを抱いてた。でも、そこから何か変に兄ちゃんのこと意識するようになって、ダメだって分かってるのにどんどん好きになって。俺、ずっと怖かった。兄ちゃんがもしかして同じ気持ちなんじゃないかっていう期待と、違う人なんじゃないかっていう不安で。だから、そんなふうに俺の気持ち勝手に決めるなよ!」
「・・・ごめん」
そう言って兄ちゃんは大粒の涙を零しながら俺に言った。
「もし、しーちゃんが嫌じゃないなら好きでいてもいい?」
「馬鹿だな。嫌なわけないじゃん」
そう言って俺は兄ちゃんと舌を絡めあいながらキスをした。
「ん・・・ふっ・・・はあっ・・・ん」
確かに他人から見ればいびつな関係だけど、それでも俺は好きな人と一緒にいれればそれでいいと思った。
そしてキスはどんどん深さと激しさをまして、お互いキスに夢中になっていった。
母さん達が帰ってきたことも知らずに。
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