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第1章
全国大会2
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次の日、俺達は第1試合から入っていて朝早くに宿を出た。1番最初に当たるチームは今三連覇中の、今年の優勝候補と言われている強豪校だ。正直勝てる気がしないが、ここまで来たらやるしかないという気持ちが強かった。それにチームの皆の気合いも十分で、各自でよく柔軟や準備体操や作戦の最終確認などをしっかりしていた。そして先生は部長である俺に話しかけてきた。
「ついにここまで来たな。まぁ、ここまで来れたのは正直お前の力が大きい。だからたとえ相手が強敵だろうと、お前だけは最後まで諦めるな。俺はお前を信じている」
「先生・・・はいっ!俺絶対に諦めません!」
そして俺は先生と仲間と兄ちゃんの言葉を信じ試合に挑んだ。
──ビーーーッ!
俺達は相手チームに完敗した。決して油断していたわけでも諦めていた訳でもないが、選手一人一人の実力の差が結果に出た。そしてその学校は今年もまた全国大会4連覇を果たした。悔しくないと言ったら嘘になるが、全て出し切ったので思い残す事は無かった。仲間は皆泣いていたが俺と先生だけは一切泣かなかった。試合が終わった次の日は大阪観光を皆でして帰ってきた。新幹線に乗り大阪から東京に帰ってきた。すると東京駅の改札口の端の方に家族が待っていてくれた。兄ちゃんは無言でニコッと笑い両手を広げて「おいで」と言った。俺は走って兄ちゃんの所に行って兄ちゃんに勢いよく抱きついて試合が終わってから初めて泣いた。
「ごめん、兄ちゃん。勝てなかった。約束したのに」
「大丈夫、しーちゃん頑張ってたんだからそれだけで十分凄いよ」
そして先生達に呼ばれて行くと直ぐに解散式が始まった。さっきまで兄ちゃんに抱きついて泣いていたので、顔と目が真っ赤になっていた。そしてそれを見た先生が「泣き虫部長最後に一言言え」と言うので、俺は若干グズグズの状態で話し始めた。
「俺さ、正直部長とか全く向いてなかったから皆に迷惑かけたし、不安にさせた部分も多かったと思うけど、元々弱小チームがここまで這い上がってこれたのは皆と先生のおかげだと思う。ここまでついてきてくれてありがう。お前らと同じチームになれて俺すごく幸せだった!明日から俺ら3年は引退だけど来年は全国で優勝してこいよ!」
俺は必死に涙を堪えていたが途中から涙が止まらなくなり、皆や先生や保護者まで泣いてしまった。そして皆口々に「部長お疲れま!」や、「今ありがとう!」など俺に声をかけてくれた。俺は3年間バスケ部をやり抜いてこれて良かったなと今までで1番感じた。
「ついにここまで来たな。まぁ、ここまで来れたのは正直お前の力が大きい。だからたとえ相手が強敵だろうと、お前だけは最後まで諦めるな。俺はお前を信じている」
「先生・・・はいっ!俺絶対に諦めません!」
そして俺は先生と仲間と兄ちゃんの言葉を信じ試合に挑んだ。
──ビーーーッ!
俺達は相手チームに完敗した。決して油断していたわけでも諦めていた訳でもないが、選手一人一人の実力の差が結果に出た。そしてその学校は今年もまた全国大会4連覇を果たした。悔しくないと言ったら嘘になるが、全て出し切ったので思い残す事は無かった。仲間は皆泣いていたが俺と先生だけは一切泣かなかった。試合が終わった次の日は大阪観光を皆でして帰ってきた。新幹線に乗り大阪から東京に帰ってきた。すると東京駅の改札口の端の方に家族が待っていてくれた。兄ちゃんは無言でニコッと笑い両手を広げて「おいで」と言った。俺は走って兄ちゃんの所に行って兄ちゃんに勢いよく抱きついて試合が終わってから初めて泣いた。
「ごめん、兄ちゃん。勝てなかった。約束したのに」
「大丈夫、しーちゃん頑張ってたんだからそれだけで十分凄いよ」
そして先生達に呼ばれて行くと直ぐに解散式が始まった。さっきまで兄ちゃんに抱きついて泣いていたので、顔と目が真っ赤になっていた。そしてそれを見た先生が「泣き虫部長最後に一言言え」と言うので、俺は若干グズグズの状態で話し始めた。
「俺さ、正直部長とか全く向いてなかったから皆に迷惑かけたし、不安にさせた部分も多かったと思うけど、元々弱小チームがここまで這い上がってこれたのは皆と先生のおかげだと思う。ここまでついてきてくれてありがう。お前らと同じチームになれて俺すごく幸せだった!明日から俺ら3年は引退だけど来年は全国で優勝してこいよ!」
俺は必死に涙を堪えていたが途中から涙が止まらなくなり、皆や先生や保護者まで泣いてしまった。そして皆口々に「部長お疲れま!」や、「今ありがとう!」など俺に声をかけてくれた。俺は3年間バスケ部をやり抜いてこれて良かったなと今までで1番感じた。
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