35 / 47
第1章 婚約破棄に至るまで
34.
しおりを挟む
なぜだろう。
ついさっきまで感じていた、耳鳴りも、頭が割れるような痛みも、息苦しさも、体の中をうねるような熱さも、何も感じない。
冷たくて柔らかいものに全身が包まれ、ふわふわと身体が揺れている。
揺りかごで揺られる幼子も、こんな気持ちなんだろうか。
いや、母の胎内にいる赤子の気持ち、とでも言おうか。
とても心地が良い。
なんだか、守られているような。
時折、頬や額を撫でる、優しくて、冷たいものはなんだろう。
何十本もの糸が複雑に絡まり、無理に解けばぷつりと切れてしまうのではないかと思った糸が、優しく一本一本解かれていく。
その優しい感触に、なんだか、無性に泣きたくなる。
「リーシュ」
誰かの呼ぶ声がする。
『誰か』なんて、分かりきっている。
そう呼ぶのは、母様とあの子だけだから。
自分より四つ上の少し大人びた彼に、そう呼んでもいいよと言ったのは、小さな私だった。
ああ、そうか。
さっき見た銀色の光は、彼の色だ。
「⋯⋯さ、ま」
深い深い泥濘に沈んでいたリシュベルの意識が、再浮上する。
先程まで、重みに耐えきれなかったリシュベルの瞼は、いとも容易くその力を取り戻し、真っ暗な闇の中にいた彼女に、光を取り戻した。
「ん⋯⋯」
僅かな湿気を含んだ涼しい風が、リシュベルの頬を、髪を撫でる。
「リーシュ」
まだはっきりと焦点が定まらないリシュベルは、少しだけ視線を彷徨わせると、ふと声が聞こえた方へ、その意識を向けた。
「⋯⋯ア、レク?」
そこには、しばらくぶりのアレクが、真上からリシュベルの顔を覗き込んでいた。
リシュベルの呼びかけに応えるように、アレクは、その黒曜石のような瞳を細めて、ふわりと微笑んだ。
彼の細くて長い指は、ずっとそうしていたのだろうか、リシュベルの亜麻色の髪を優しく梳くように撫でている。
「気分はどう? どこか、痛い所はない?」
その手と同じくらい、優しく尋ねる彼の声は、やや不安の色を滲ませ、いつもならある揶揄いの色は、微塵もない。
「⋯⋯ええ、大丈夫。⋯⋯貴方が助けてくれたの?」
「まあね。それより驚いた。呼ばれて来てみたら、君が道のど真ん中に倒れてるんだからね。熱は、⋯⋯もうないみたいだね」
良かった。
そう言って、リシュベルの額に手を当てて熱を測っていたアレクは、乱れた彼女の前髪を直している。
「⋯⋯呼ばれた? 誰に?」
その優しい彼の手つきに、思わずうっとりしかけたリシュベルだったが、アレクの不思議な一言で、キョトンとし、大きな紫の瞳をパチパチと瞬かせている。
「私、一人だったわ、よ?」
とりあえず現状を把握しようと、あちこち視線を彷徨わせていたリシュベルは、彼との顔の距離がやけに近いなと思い、自分の身体を見ると、はたと我に返り、狼狽え始めた。
なんと、彼に膝枕をされているではないかっ。
「———ご、ごご、ごめんなさいっ、私ったら」
慌てて飛び起きようとしたリシュベルだったが、それよりも早く、ぐっとアレクに額を押されたため、またもやアレクの膝に、頭を埋める羽目になった。
「いいから、動かないで。急に起きたりしたら危ないよ? 俺は大丈夫だから、気にしないで」
「いや、そんなわけには——」
そんな状態で、はいそうですかとも言えず。
なおもジタバタと足掻こうとするリシュベルだったが、アレクにがっちりと額を押さえつけられているため、どうやっても起き上がることは不可能だ。
「⋯⋯うう」
恥ずかしくて顔を真っ赤に染めたリシュベルは、有無を言わせぬアレクの微笑みに、これ以上何を言っても無駄だと覚り、抵抗するのを止めた。
「そうそう。いいから、じっとしておいで」
リシュベルの抵抗が止むのを見て取ると、アレクは、満足そうににっこりと、それはそれは美しく微笑んだ。
それはもう、後光でも差すんじゃないかと思えるほどだ。
「うっ⋯⋯ま、眩しい」
アレクの神がかった美貌の微笑みを眼前で直視したリシュベルは、眩しさに目を眇めると、保護するため、両手を目に当てた。
「え? ごめん、眩しかった? ⋯⋯これならどう?」
だが、それを太陽が眩しいととったアレクは、リシュベルの顔に影を作ってやろうと思い、その身を屈めたため、さらに顔と顔の距離を詰める羽目になった。
「キ、キャアーーー!! ち、近いっ、は、離れてーーっ!」
「うぐっ⋯⋯」
熟れたトマトのように、更に顔を真っ赤にしたリシュベルは、甲高い叫び声を上げると、近づいてきたアレクの顔を押し返そうとした。
が、如何せん、目を瞑っていたため、リシュベルの両手は、アレクの顔面にヒットしてしまい、彼からはくぐもった声が発せられた。
「⋯⋯なに、なに? どうしたの? ⋯⋯君って、たまによく分からないことするよね」
よく分かんないのは、あんただよ!と言いたいのをグッと堪えたリシュベルは、ジト目でアレクを睨んだ。
ーわざとよね? 絶対、わざとよね!?
これが天然だったら、恐ろしすぎるんですけどっ!
「??」
キョトンとした顔で小首を傾げているアレクを見ると、リシュベルは、なぜか負けた気になった。
美形は何をやっても、どんな顔をしても、やっぱり美形なんだな、と再認識したリシュベルである。
「と、ところで、誰に呼ばれたの? 誰もいなかったし。というか、遠くに居たんじゃないの?」
「ああ、こいつだよ。こいつが、泣きながら俺の所に飛び込んできたんだ」
「え? こいつ? ⋯⋯きゃっ」
アレクの視線を追うように、そちらへ顔を向けようとしたリシュベルだったが、それよりも一瞬早く、ぬうっと顔を出した人物がいたため、驚いた彼女は、息を呑んだ。
「⋯⋯ほへ」
リシュベルが間の抜けた声を出すのも無理はない。
そこには、5,6歳だろうか。
初夏の新緑のような、鮮やかな緑の髪を持つ小さな女の子が、くりくりとした大きな瞳で、真上からリシュベルの顔を覗き込んできた。
これまた、一度見たら生涯忘れることはないだろうと思える程の超絶美少女だ。
子供特有の滑らかな白磁の肌に、ぱっちりと開いた大きなエメラルドの瞳。瞬きする度に、ふんわりと伏せられるまつ毛は、繊細なまでに細く長い。何も塗っていないはずの小さな赤い唇は、瑞々しいさくらんぼのように、ぷっくりとしている。
そう、例えるならば、陶器で出来た愛らしい西洋人形だ。
ピクリとも動かない変化に乏しい表情が、より一層、お人形ではないかとの疑念を抱かせる。
「⋯⋯泣いてない」
ー喋った!
驚きに目を見張るリシュベルをよそに、束の間、彼女を覗き込んでいた女の子は、少し顔を上げると、不服そうに眉を寄せて、同じく彼女を覗き込んでいたアレクをじろりと睨みつけた。
「嘘つけ。澄ました顔しやがって。涙と鼻水でぐちゃぐちゃにした顔で飛び込んできたのは、どこのどいつだ。汚ったない顔しやがっ——」
はっ、と鼻を鳴らして、せせら笑うアレクの言葉を遮ったのは、少女の手と彼の頬から発せられた、パンっという小気味良い音だった。
「っ!」
大きく横に身体を倒したアレクは、直ぐに体勢を整えると、牙を剥き出しにした獣のように、目の前の少女へと噛み付いた。
「⋯⋯い、ったいなっ!! 何すんだっ、このやろうっ、——っやめろ!」
子供とは思えぬ程の力でアレクの横っ面を張り倒した美少女は、なおも言い募ろうとする彼の頬を、今度はグーで殴ろうとして、腕を後ろに引いたところで、アレクにその手首を掴まれた。
「⋯⋯むむ。お主、やりおるな。褒めてつかわす。——がっ! 甘いっ」
むうっと小さな唇を尖らせた少女は、アレクに掴まれているのとは逆の手で、今度は、彼のがら空きの腹へとその拳を叩き込んだ。
「————ぐっ!!」
「きゃあっ」
防御する間も無く、少女の拳をまともに腹に受けたアレクは、ドンッ!!という衝撃音とともに、そこから数メートル先へ吹っ飛ばされた。
ついさっきまで感じていた、耳鳴りも、頭が割れるような痛みも、息苦しさも、体の中をうねるような熱さも、何も感じない。
冷たくて柔らかいものに全身が包まれ、ふわふわと身体が揺れている。
揺りかごで揺られる幼子も、こんな気持ちなんだろうか。
いや、母の胎内にいる赤子の気持ち、とでも言おうか。
とても心地が良い。
なんだか、守られているような。
時折、頬や額を撫でる、優しくて、冷たいものはなんだろう。
何十本もの糸が複雑に絡まり、無理に解けばぷつりと切れてしまうのではないかと思った糸が、優しく一本一本解かれていく。
その優しい感触に、なんだか、無性に泣きたくなる。
「リーシュ」
誰かの呼ぶ声がする。
『誰か』なんて、分かりきっている。
そう呼ぶのは、母様とあの子だけだから。
自分より四つ上の少し大人びた彼に、そう呼んでもいいよと言ったのは、小さな私だった。
ああ、そうか。
さっき見た銀色の光は、彼の色だ。
「⋯⋯さ、ま」
深い深い泥濘に沈んでいたリシュベルの意識が、再浮上する。
先程まで、重みに耐えきれなかったリシュベルの瞼は、いとも容易くその力を取り戻し、真っ暗な闇の中にいた彼女に、光を取り戻した。
「ん⋯⋯」
僅かな湿気を含んだ涼しい風が、リシュベルの頬を、髪を撫でる。
「リーシュ」
まだはっきりと焦点が定まらないリシュベルは、少しだけ視線を彷徨わせると、ふと声が聞こえた方へ、その意識を向けた。
「⋯⋯ア、レク?」
そこには、しばらくぶりのアレクが、真上からリシュベルの顔を覗き込んでいた。
リシュベルの呼びかけに応えるように、アレクは、その黒曜石のような瞳を細めて、ふわりと微笑んだ。
彼の細くて長い指は、ずっとそうしていたのだろうか、リシュベルの亜麻色の髪を優しく梳くように撫でている。
「気分はどう? どこか、痛い所はない?」
その手と同じくらい、優しく尋ねる彼の声は、やや不安の色を滲ませ、いつもならある揶揄いの色は、微塵もない。
「⋯⋯ええ、大丈夫。⋯⋯貴方が助けてくれたの?」
「まあね。それより驚いた。呼ばれて来てみたら、君が道のど真ん中に倒れてるんだからね。熱は、⋯⋯もうないみたいだね」
良かった。
そう言って、リシュベルの額に手を当てて熱を測っていたアレクは、乱れた彼女の前髪を直している。
「⋯⋯呼ばれた? 誰に?」
その優しい彼の手つきに、思わずうっとりしかけたリシュベルだったが、アレクの不思議な一言で、キョトンとし、大きな紫の瞳をパチパチと瞬かせている。
「私、一人だったわ、よ?」
とりあえず現状を把握しようと、あちこち視線を彷徨わせていたリシュベルは、彼との顔の距離がやけに近いなと思い、自分の身体を見ると、はたと我に返り、狼狽え始めた。
なんと、彼に膝枕をされているではないかっ。
「———ご、ごご、ごめんなさいっ、私ったら」
慌てて飛び起きようとしたリシュベルだったが、それよりも早く、ぐっとアレクに額を押されたため、またもやアレクの膝に、頭を埋める羽目になった。
「いいから、動かないで。急に起きたりしたら危ないよ? 俺は大丈夫だから、気にしないで」
「いや、そんなわけには——」
そんな状態で、はいそうですかとも言えず。
なおもジタバタと足掻こうとするリシュベルだったが、アレクにがっちりと額を押さえつけられているため、どうやっても起き上がることは不可能だ。
「⋯⋯うう」
恥ずかしくて顔を真っ赤に染めたリシュベルは、有無を言わせぬアレクの微笑みに、これ以上何を言っても無駄だと覚り、抵抗するのを止めた。
「そうそう。いいから、じっとしておいで」
リシュベルの抵抗が止むのを見て取ると、アレクは、満足そうににっこりと、それはそれは美しく微笑んだ。
それはもう、後光でも差すんじゃないかと思えるほどだ。
「うっ⋯⋯ま、眩しい」
アレクの神がかった美貌の微笑みを眼前で直視したリシュベルは、眩しさに目を眇めると、保護するため、両手を目に当てた。
「え? ごめん、眩しかった? ⋯⋯これならどう?」
だが、それを太陽が眩しいととったアレクは、リシュベルの顔に影を作ってやろうと思い、その身を屈めたため、さらに顔と顔の距離を詰める羽目になった。
「キ、キャアーーー!! ち、近いっ、は、離れてーーっ!」
「うぐっ⋯⋯」
熟れたトマトのように、更に顔を真っ赤にしたリシュベルは、甲高い叫び声を上げると、近づいてきたアレクの顔を押し返そうとした。
が、如何せん、目を瞑っていたため、リシュベルの両手は、アレクの顔面にヒットしてしまい、彼からはくぐもった声が発せられた。
「⋯⋯なに、なに? どうしたの? ⋯⋯君って、たまによく分からないことするよね」
よく分かんないのは、あんただよ!と言いたいのをグッと堪えたリシュベルは、ジト目でアレクを睨んだ。
ーわざとよね? 絶対、わざとよね!?
これが天然だったら、恐ろしすぎるんですけどっ!
「??」
キョトンとした顔で小首を傾げているアレクを見ると、リシュベルは、なぜか負けた気になった。
美形は何をやっても、どんな顔をしても、やっぱり美形なんだな、と再認識したリシュベルである。
「と、ところで、誰に呼ばれたの? 誰もいなかったし。というか、遠くに居たんじゃないの?」
「ああ、こいつだよ。こいつが、泣きながら俺の所に飛び込んできたんだ」
「え? こいつ? ⋯⋯きゃっ」
アレクの視線を追うように、そちらへ顔を向けようとしたリシュベルだったが、それよりも一瞬早く、ぬうっと顔を出した人物がいたため、驚いた彼女は、息を呑んだ。
「⋯⋯ほへ」
リシュベルが間の抜けた声を出すのも無理はない。
そこには、5,6歳だろうか。
初夏の新緑のような、鮮やかな緑の髪を持つ小さな女の子が、くりくりとした大きな瞳で、真上からリシュベルの顔を覗き込んできた。
これまた、一度見たら生涯忘れることはないだろうと思える程の超絶美少女だ。
子供特有の滑らかな白磁の肌に、ぱっちりと開いた大きなエメラルドの瞳。瞬きする度に、ふんわりと伏せられるまつ毛は、繊細なまでに細く長い。何も塗っていないはずの小さな赤い唇は、瑞々しいさくらんぼのように、ぷっくりとしている。
そう、例えるならば、陶器で出来た愛らしい西洋人形だ。
ピクリとも動かない変化に乏しい表情が、より一層、お人形ではないかとの疑念を抱かせる。
「⋯⋯泣いてない」
ー喋った!
驚きに目を見張るリシュベルをよそに、束の間、彼女を覗き込んでいた女の子は、少し顔を上げると、不服そうに眉を寄せて、同じく彼女を覗き込んでいたアレクをじろりと睨みつけた。
「嘘つけ。澄ました顔しやがって。涙と鼻水でぐちゃぐちゃにした顔で飛び込んできたのは、どこのどいつだ。汚ったない顔しやがっ——」
はっ、と鼻を鳴らして、せせら笑うアレクの言葉を遮ったのは、少女の手と彼の頬から発せられた、パンっという小気味良い音だった。
「っ!」
大きく横に身体を倒したアレクは、直ぐに体勢を整えると、牙を剥き出しにした獣のように、目の前の少女へと噛み付いた。
「⋯⋯い、ったいなっ!! 何すんだっ、このやろうっ、——っやめろ!」
子供とは思えぬ程の力でアレクの横っ面を張り倒した美少女は、なおも言い募ろうとする彼の頬を、今度はグーで殴ろうとして、腕を後ろに引いたところで、アレクにその手首を掴まれた。
「⋯⋯むむ。お主、やりおるな。褒めてつかわす。——がっ! 甘いっ」
むうっと小さな唇を尖らせた少女は、アレクに掴まれているのとは逆の手で、今度は、彼のがら空きの腹へとその拳を叩き込んだ。
「————ぐっ!!」
「きゃあっ」
防御する間も無く、少女の拳をまともに腹に受けたアレクは、ドンッ!!という衝撃音とともに、そこから数メートル先へ吹っ飛ばされた。
0
お気に入りに追加
1,040
あなたにおすすめの小説
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
私の手からこぼれ落ちるもの
アズやっこ
恋愛
5歳の時、お父様が亡くなった。
優しくて私やお母様を愛してくれたお父様。私達は仲の良い家族だった。
でもそれは偽りだった。
お父様の書斎にあった手記を見た時、お父様の優しさも愛も、それはただの罪滅ぼしだった。
お父様が亡くなり侯爵家は叔父様に奪われた。侯爵家を追い出されたお母様は心を病んだ。
心を病んだお母様を助けたのは私ではなかった。
私の手からこぼれていくもの、そして最後は私もこぼれていく。
こぼれた私を救ってくれる人はいるのかしら…
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。
❈ ざまぁはありません。
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
夜会の夜の赤い夢
豆狸
恋愛
……どうして? どうしてフリオ様はそこまで私を疎んでいるの? バスキス伯爵家の財産以外、私にはなにひとつ価値がないというの?
涙を堪えて立ち去ろうとした私の体は、だれかにぶつかって止まった。そこには、燃える炎のような赤い髪の──
【完結】あなたは知らなくていいのです
楽歩
恋愛
無知は不幸なのか、全てを知っていたら幸せなのか
セレナ・ホフマン伯爵令嬢は3人いた王太子の婚約者候補の一人だった。しかし王太子が選んだのは、ミレーナ・アヴリル伯爵令嬢。婚約者候補ではなくなったセレナは、王太子の従弟である公爵令息の婚約者になる。誰にも関心を持たないこの令息はある日階段から落ち…
え?転生者?私を非難している者たちに『ざまぁ』をする?この目がキラキラの人はいったい…
でも、婚約者様。ふふ、少し『ざまぁ』とやらが、甘いのではなくて?きっと私の方が上手ですわ。
知らないからー幸せか、不幸かーそれは、セレナ・ホフマン伯爵令嬢のみぞ知る
※誤字脱字、勉強不足、名前間違いなどなど、どうか温かい目でm(_ _"m)
婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。
桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。
「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」
「はい、喜んで!」
……えっ? 喜んじゃうの?
※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。
※1ページの文字数は少な目です。
☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」
セルビオとミュリアの出会いの物語。
※10/1から連載し、10/7に完結します。
※1日おきの更新です。
※1ページの文字数は少な目です。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる