Lord of My Heart 〜呪われ伯爵は可愛い幼妻を素直に愛せない〜

泉野ジュール

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I Can't Keep My Eyes Off of You - 3

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 白い霧に包まれた静寂な場所で、エドモンドは一人孤独に、ぼんやりと立ちつくす夢を見ていた。
 広くて寂れた、早朝のノースウッド草原のような場所だ。
 自分以外に息をする生き物はいないように思われた──。もし自分が、まだ生きているのならばの話、だが。

 エドモンドはなにかを探していた。
 しかし、ミルク色の霧が邪魔をして、彼の視界をさえぎる。
 気だるい疲労感が全身にまとわりついて、息をするのも億劫だった。それでも説明しがたい焦燥に駆られて、遠くに手を伸ばしてみるが、何も掴めない。

 ただ、空虚な霧が重々しく四方を覆い、まるでエドモンドをあざ笑うかのように静かに揺れているだけだった。

 この霧が無くなればいい──。
 エドモンドは強く思った。

 この霧が消えれば、きっとその先に──。





 ゆっくりと意識が戻りはじめると同時に、聞き慣れたマギーの声がエドモンドの耳に飛び込んできた。もう夜中なのか、辺りは薄暗い。

「駄目だよ、マダム! こういう時は冷たい水に浸した布を当てるもんだよ。熱い湯じゃあざがゆで上がっちまう!」
 それに応える、オリヴィアの当惑した声。
「そ、そうなのですか? 温かい方が気持ちいいんじゃないかと思って……」
「まぁ、確かに、最近の旦那は少しお灸を据える必要がありそうだったけどねぇ……。今回ばかりはマダムを守ってくれたんだから、ちゃんとしてやらないとね」

 水を絞る音がして、額のあたりが急にひんやりと湿りだした。なんとなく状況を理解して、エドモンドはゆっくりと両瞼を開いていく。
 すると、何人かの知った顔がうっすらと視界に入ってきた。

 まず、マギー。
 その隣にオリヴィアと、彼女らの背後にローナン。

 エドモンドが完全に目を開くと、三人はそろって一点を凝視した──。つまり、エドモンドの顔を。

「あ、生きてるんだね。やっと目を覚ましたよ」
 と、ローナンが言った。

「当たり前だよ、縁起の悪いこと言うんじゃないよ! マダムがこれだけ心配してるっていうのに」
 マギーが釘をさすように言う。

 そして、二人のやりとりの横で、不安そうな顔をしたオリヴィアがじっとエドモンドを見つめていた。
 水色の瞳は今にも零れ落ちそうに揺れていて、目覚めたばかりのエドモンドの一挙一動を真剣に観察している。
 手には白い布がぎゅっと握られていた。
 エドモンドはもう一度目を閉じ、努めて平静を保ちながら、ゆっくりと口を開いた。

「私は一体どのくらい……休んでいた?」
 声を出してみると、喉が焼けつきそうなほど乾いているのが感じられた。腕を伸ばそうとすると関節がきりきりと鳴り、しばらく同じ格好で寝かさていたのだと分かる。

「動かないでください、ノースウッド伯爵」
 慌てた声でオリヴィアが止めた。

「今朝倒れてから、今までずっと気を失っていらっしゃったんです。お医者さまが来ていた間もずっと目を覚まさなくて……今はもう夜中です」
「まだ宵の口だけどね。一日ゆっくり休んだわけだ。頭を打った可能性があるから、あまり動かない方がいいと医者は言っていたよ」

 ローナンが妙に親しげな口調でオリヴィアの台詞を引き継いだのに、エドモンドは明らかな嫉妬を感じた。自分が間抜けにも気を失っていたうちに、看病を通じて二人がますます親密になったのが、手に取るように分かったからだ。

 自分はどこまで道化なのだろう──。
 エドモンドは自嘲しつつ、再びはっきりと目を開いて、見慣れた寝室の天井を見上げた。

 むき出しの木の梁がいくつも縦に並ぶ、素朴な田舎屋敷の天井。自分はこの屋敷の主人なのだ。都会育ちのオリヴィアには似つかわしくない……。
 同じノースウッドの男でも、ローナンにはずっと洗練された都会風の雰囲気やウィットがあったから、確かにオリヴィアとはお似合いかもしれない。
 そう思うと、エドモンドはオリヴィアの方を振り向けなかった。
 もちろん彼女がじっとこちらを見つめているのは、感じていたが。

「エドの旦那、私の指を見るんだよ、何本に見える?」
 二本の指を立てた片手をかざしながら、マギーが聞いてきた。
「五本だ」
「立てている指の数だよ!」
「……二本」

 エドモンドが渋々答えると、マギーは満足そうに大きく息を吐いて、エプロンで手を拭きながらベッドサイドから離れた。
「さぁ、旦那は大丈夫そうだ。一応、明日の朝また医者が来るまで、ゆっくり休んでいるんだよ。私は失礼させてもらいましょうか、仕事が溜まってるからね!」
「お仕事が? 私も手伝います」
「マダム、悪いけど、あんたがいると仕事が増えることの方が多くて……ここで旦那の様子を見てやってくれると助かるね」
「じゃあ僕が手伝うよ。それが一番いいだろう」

 横からローナンが申し出る。
 それは、意味深なマギーの笑みと共にすんなりと受け入れられた。マギーとローナンは、エドモンドとオリヴィアの二人を寝室に残して、素早く廊下へ出ていった。


 二人きりになると寝室は急にしんと静まり返り、燭台の火だけが頼りなく辺りを照らしていた。
 オリヴィアはベッドサイドに置かれた椅子に座ったまま、相変わらずの心配顔でエドモンドの横顔をじっと見つめ続けていた。

 エドモンドの顔色はだいぶ良くなっていたが、額のあたりに痛々しい痣ができている。
 オリヴィアを庇ったせいで負った傷だ。

「何か……飲み物はいかがですか? ここに冷たい水があります」
 オリヴィアは、できるかぎり落ち着いた声で尋ねてみた。

 本当はもっと言いたいことがあった──しかし、エドモンドは石像のように固い表情で天井を見上げたままオリヴィアの方をちっとも振り返らなかったので、それ以上をたずねる勇気が持てなかったのだ。

 エドモンドは「ああ」と短く答えた。
 オリヴィアが水の汲まれたピッチャーに手を伸ばそうとすると、しかし、エドモンドはそれをさえぎるように「自分でできる」と言って身体を起こそうとした。
 オリヴィアは片手上げて、やんわりとエドモンドを止めた。

「だめです、ノースウッド伯爵。丸一日は安静にしていなければならないと、お医者さまが仰っていました」

 ──その時やっと、二人の目が合った。

 エドモンドのダークブロンドの髪は、前の部分が汗で額に張り付いている。 
 ベッドに横になったままの格好でオリヴィアを見上げる彼の瞳は、疲労と、「何か」に対する渇望で溢れているように見えた。

「あの、お医者さまが……」
 と、狼狽したオリヴィアは繰り返した。
「その医者は」
 エドモンドはオリヴィアを強く見つめたまま、抑えられた平淡な口調で言った。「あなたのことも診たのだな? あなたに怪我はないのか?」
「え、ええ……特には、なにも」
「だったらいい。もし少しでも眩暈や吐き気を感じたら、すぐに言いなさい」
「はい」
 すると、エドモンドはまた天井に視線を戻した。

 ──たった一瞬の出来事だったのに。
 たった一度、視線がからみ合っただけなのに。

 オリヴィアの全身に落雷を受けたような衝撃が走って、エドモンドがまたそっぽを向いてしまった後も、彼の瞳から目を離せなかった。

 同時に、オリヴィアの頭の中に沢山の疑問が溢れかえる。
 エドモンドは身を挺してオリヴィアを庇ってくれた。
 椅子から落ちたオリヴィアを、その力強い身体でおおい、まるで城壁のようにしっかりと守ってくれたのだ。特にあの直後の抱擁は、ただの親切心でオリヴィアを守ってくれただけとは信じがたい力に溢れていた。

(でも、また)
 彼はそっぽを向いてしまう。
 いつもそうだ──彼は、オリヴィアに対して、底知れないほどの情熱を見せたかと思うと、逃げるように彼女から視線を離す。

 それが何を意味しているのか、オリヴィアにはさっぱり分からなかった。
 ただ分かるのは、自分がますます彼に惹かれていくという事実だけで、それが一層オリヴィアを切なくさせる。

 この想いはどこに行けばいいの?
 この恋はいつまで迷い続けなければならないの?

 しかし、オリヴィアは、自分の気持ちを心の中だけに留めておくのが苦手だ。
「ノースウッド伯爵……」
 思ったことは口にしたい。
 伝えるべき言葉は、すぐに届けたい。だから今回も、彼女は自分の心に従ってとつとつと喋りはじめた。

「助けてくださって本当にありがとうございます。もしノースウッド伯爵が来てくださらなかったら、私は今頃、窓から落ちて死んでしまっていたところだろうと皆に言われました」

 エドモンドは何も口を挟まなかったので、オリヴィアは一息つくと続けた。
「でも」
 オリヴィアは自分の胸に手を置く。「あなたに褒めて欲しくて。あなたに認めてほしくて、大きなことをしてみたいと思っただけなんです。本当にごめんなさい」

「もういい」
「許してくださいますか?」
「二度と同じ真似はしないと誓うなら」
「誓います。もう二度と三つ重ねた椅子の上に乗ったりしません、と」
「三つでも二つでも駄目だ。一つでも……できれば謹つつしんで欲しいところだが」
 思いのほか饒舌なエドモンドに気分が軽くなったオリヴィアは、この最後の台詞にも素直にうなづいた。
「分かりました。もう椅子には乗りません。そもそも、座るものですものね」
「いいだろう」

 相変わらず、エドモンドは天井のどこか一点を睨んだままでオリヴィアの方を振り返らなかったけれど、その口調は優しかった。
 少なくともオリヴィアには優しく感じられた。
 心が温かくなると同時に、目の前の、少なくとも法的には自分の夫である男が、たまらなく愛しく……思いやるべき存在に思えてくる。
 オリヴィアは穏かに微笑んでいた。

「身体は痛くありませんか? いくつか打ち身と痣ができてしまったので、お医者さまが軟膏をくださったのですけれど」
「今は必要ない」
「では、水をつぎますね」

 オリヴィアはピッチャーからゴブレットに水を注いで、エドモンドの前に差し出した。エドモンドはゆっくりと上半身だけを起こし、普段の彼からすると少し放漫な動きで、それを受け取って飲みはじめる。
 それに従ってエドモンドの喉仏が起伏するのを、オリヴィアは一種羨望の眼差しで見つめていた。
 彼は逞しくて──魅惑的だった。
 たとえ病床の上でも。

「ノースウッド伯爵、私はあなたのことがとても好きです」

 オリヴィアの口調はまるで、『これは紅茶と砂糖菓子です』と告げるだけのような事実然とした響きで──エドモンドは飲んでいた水をゴブレットの中に吹き返した。

「マダム、何を……」
「だ、大丈夫ですか? まさか、頭を打ってしまったせいで上手く水が飲めないのでは……」
「違う! あなたのその……言葉が」
 エドモンドは軽く咳き込みながら抗議した。
「言葉?」
「温室で育ったわけではないだろう。あなたは男女の間のルールを知らないのか? 私はあなたに何も与えていない。何も、だ! 私があなたを突き放そうとしているのは分かっているはずだ。だったらあなたは、私に対してそんな甘い言葉を吐くべきではない。あなた自身を守るために!」

 エドモンドの怒声に、オリヴィアは大きく瞳を開いた。
 ──まず、オリヴィアは温室で育ったも同然だったけれど、論点はそこではない気がした。

「で、でも……」
「でもも何もない、止めるんだ!」
「でも、私、噓はついていません。噓はよくないことです。違いますか?」
「ーーーー!!」

 声にならない声を上げたエドモンドは、ゴブレットを放り出し、片手で髪をかきむしった。
 ──この生き物はなんだ。
 エドモンドは思った。どうしてエドモンドの心を溶かそうとする。どうして、こんなに甘くて、夢のようで、愛しい存在が目の前にいて、自分を慕ってくる?

「マダム、今すぐ止めないと──」
「見返りを求めて言ったんじゃありません。それはもちろん……いつか、あなたの妻として認めて欲しいとは思いますけど、同じ台詞を返して欲しくて言ったわけじゃないんです」

 エドモンドはもう少しで本当に叫び出すところだった。
 そのとおりだ、と。
 まさしく、エドモンドも同じ台詞を返したくなるからこそ、止めて欲しいのだと。しかしオリヴィアはエドモンドの反応を嫌悪とでもとったのか、ますます早口になって続けた。

「私はあなたが好きです。あなたをとても素敵な方だと思っています。だからそう言っただけです。それに、あなたが私に何も与えていないなんて、嘘だわ……私を守ってくれました」

 その時、鈴の音のようなオリヴィアの声と共に、エドモンドの中で何かがぷつりと切れた。
 ──理性が降参をしたのだ。
 エドモンドは手を下ろし、あらためてオリヴィアを見つめた。大きな水色の瞳は真摯に輝いていて、まっすぐに彼を見つめ返している。

 『真実』は、彼女をエドモンドから遠ざけてしまうかもしれなかった。
 エドモンドを恐れて、この、都会育ちで無垢な金持ちの末娘は逃げてしまうかもしれなかった。それでも。

「オリヴィア」
 エドモンドは枯れた声で言った。
「分かった……今からあなたに言おう。どうして私が、あなたを受け入れることができないのか」

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