貞操逆転世界の男教師

やまいし

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第23話 デート③

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昼食の後。
俺と七海は、服を見るためにアパレルショップを訪れていた。
折角のデートなのでお互いに似合う服を選んでプレゼントし合うためだ。

「これとかどうかな……」

俺が選んだのはピンク色の……何かサラサラした奴(語彙消失)。
今日の服装を見て清楚系が似合うと思ったので、似たような系統で選んでみた。

「こっちもいいな……」

もう一つ選んだのは、前々から似合いそうだと思っていたゴスロリ系の服。
肌が白くて黒髪がきれいな女性は皆これに適性があると俺は思っているので、七海は絶対に合うはずだ。

「………どっちも試着してもらおう」


俺はその二着を持って七海の方へと向かうことにした。
七海は今俺の服を選んでくれているのでメンズのコーナーにいるはず。
男少ないのにメンズコーナーいるのか?って思ったんだけど、何処の店も一抹の期待を持ってスペースを作っているらしい。実際俺が来たわけだから間違いでは無いと思う。

「……女物の服……彼女が……」
「……うらやましい……あんなイケメン」
「……イケメンじゃ無くていいから……男欲しい……」

今日何度目かの視線を受けながら店内を闊歩する。
視線を向けられるのは別にいいんだけど、せめてガン見じゃなくて隠れるようにして欲しい。

ていうか、メンズの所に七海を一人にしたけど……不審者に思われてないよね?
少し心配になったので俺は急ぎ足で向かった。

到着した所では、――――――七海と店員が大量の服を台に並べてあれこれと話していた。

心配は無用だったどころか、むしろ店員の意見を参考にして七海が仲良く服選びをしていたみたいだ。並んでいる服の数からしてもうかなり時間が経ってると思うんだけど、店の方に戻らなくていいんだろうか。

「七海」

「あ、玉城先生!千葉さん、この人です!」

「……うぇ?! ……めちゃくちゃ格好いい男性じゃん七海ちゃん! お姉さん羨ましいよ!」

七海に声をかけると、店員が変な声を上げた後興奮した様子で七海に話しかけていた。

「でしょ?! 今日はデートなんだ!」

自慢するように七海が言った。
だけど当の七海の耳は真っ赤に染まっているため…………きっと自慢したけど恥ずかしいんだろうなぁ……可愛いやつ。

「それで、選び終わった?」

「はい!これです!」

七海はそう言って10着ほどの服を取り出す。
俺が選んだのは上だけだったのに比べて、こちらは上下一式揃っていた。

どの服も俺が自分では絶対に買わないようなものだとだけ言っておこう。服の名前が全くわからなかった。

「そ、そんなに……? 3着くらいでいいんだけど」

「――それは私に説明させてください!!!」

困惑していると、俺に向かって店員の千葉さんが声をかけてきた。

「こちらは、当店から無料でプレゼントさせて頂きます!ただ……」
「ただ……?」

何だろう。一晩お相手して欲しいとか……?

「その……、5枚、いえ3枚でいいので宣伝用に写真を撮らせて頂きたく……!!」

……なるほど、俺は思考が性的なものに寄っていたみたいだ。
普通に俺を広告のモデルに使いたいだけだった。

正直俺にとってメリットでしか無いんだけどどうしたもんか。
……ああ、そう言えばこの世界の男だと99パーセント無理なのか、こういう自分の姿が晒されるようなやつ……。俺、男の知り合いにいないから感覚麻痺してた。

「いえ、こちらこそよろしくお願いします」

「ほ、ほほ本当ですか?!あ、ありがとうございます!」

スーツ姿でガッツポーズを決める千葉さんがそこに居た。

「で、では!まずこちらの方の試着をお願いします!」
「わかりました」
「……先生、私手伝います……!! 」
「あ、うん、ありがとな」

俺は目をギラつかせた七海と共に試着室に入る。
中には入ると、俺は上着とズボンを脱いで七海に渡し、持ってきた服を着る。

「着替え終わったけど……七海大丈夫か?」

「は、はい……!! 問題ないです……はぁはぁ……!!」

何かに堪えるような様子の七海に俺は心当たりがあるので触れないでおく。
試着室を出た後は千葉さんにその場で撮影をしてもらう。

撮影するなら場所を変えたり照明とか必要なんじゃ無いかと思って聞いてみると、この方が店的にはおいしいということで、このままでお願いされた。

「あ、ありがとうございます! 素敵です! 次も行きましょう!!」
「わかりました」

その後繰り返すこと9回。全ての撮影を終えるといつの間にか増えていたスタッフ一同に感謝されながら試着に使用した10着を頂いた。

「次は七海だな、手伝うぞ」
「は、はい……」

もちろん七海の試着の際は俺も手伝った。

恥ずかしそうに身体を隠す七海は、色々と凄かった……。





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