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2話
しおりを挟む『そうだ、SNSにエッチな自撮りを投稿してお金を稼ごう』
突然だけど聞いて欲しい。これが俺の脱無一文の結論だ。
無一文がお腹をすかせたまま一晩考えた出た結論がこれだった。
◇◇◇
貞操逆転世界だと判明したあれから俺は、ネットの海に潜り込み気になる言葉を片っ端から検索した。前世で誰かが言ってように、”法律は知っている者の味方”という言葉もあるくらいだからな。
結論から言うとその判断は正解だった。
それは、俺が何気なく眺めていた〇ch掲示板(この世界にもあった)で”もしも男女比1:1の夢の世界があったら?”という可笑しなスレを見つけたことが発端だった。
俺は『変なスレもあるな』と思いながら覗いてみたんだ。唯の興味本位で。
そしたらこのスレが既に数万回続いているのがわかり驚愕、スレを辿ると猛烈な違和感を感じた。
デジャブだなぁ…嫌な予感するな…とビビりながらも意を決して検索エンジンにぶち込んだ。
そして――この世界が男女比1:100であることが判明した。
幸い現在に感染症が流行っていて男が軒並み死んだとかではなく昔からこの比率だということだったのでそこは安心だった。流石にまだ死にたくない。
ただ、男が少ないって事は男を子供を作るための道具として扱う女尊男卑の場合と数少ない男を大切にしようと大切に扱う男尊女卑の場合が考えられると思う。どっちが良いかなんて明白だ。
幸運なことにこの世界は後者だった。
それにはもう心の底安堵した。一世界線が違えば家畜だったかもだし。
――その時俺は閃いた!
この男女の貞操観念が逆転かつ男が少ない、更には男が女を嫌悪している(new!!)世界で、イケメン細マッチョ(new!!)の俺が手っ取り早く金を稼ぐ方法を!
◇◇◇
上シャツ下パンツ姿になった俺は、いろんな角度から写真を撮る。
まずは立った状態の上目遣いで斜めからニッコリ笑顔、そのままいろんなポーズを決める。普通に恥ずかしい。
一通り撮り終えると今度は体躯座りの状態になる。そして座った状態の脚や太もも、鎖骨を見せるように写真を撮る。正直女子が何フェチなのかわからないので取りあえず全部見せて反応を確かめる。
全部で30枚くらい撮った後、SNS投稿用の3枚の写真にモザイクを入れる。
投稿する写真は宣伝用の写真、元の写真はリンク先のサイトでお金を払った人がダウンロードするという形式にした。
『よし……投稿っと』
使用したSNSは#で検索すると他の人の投稿も見れるので、俺は#自撮りなどを付けて投稿した。調べた限りだと男が自撮りしている画像は無かったのでこれでいいのか分からないけど。
『…てか腹減ったなぁ』
金が無いので昨日から何も食べていない。一応最終手段としてどこかの家にお邪魔するという選択肢はあるものの何が起こるか分からないのでそれは避けたい。監禁されてそのまま一生を過ごす、とかになったらしゃれにならんからね。
…あ、でもこの世界の人は全員顔整ってる(new!!)んだった。なら良いか…?
そんな馬鹿なことを考えていると――――スマホの通知が鳴り始めそのまま連続バイブレーション。振動し始めた。
『えぇ……』
スマホの動作に引きつつ画面を見ると、そこにはお馴染みの水色と白い鳥のアイコンのアプリから山のように通知が来ていた。
確かこのアプリは自分の投稿に誰かが反応すると通知が来るようになっているので、誰かが俺の投稿に”いいね”とか”リプライ”してくれたということだろう。
そして続けざまに別のアイコンが連続で表示される。
これは俺のえちち写真をアップロードして販売しているネットショップのサイトであり購入されると通知が来るようになっている。
現在は約100件の通知……つまり100人程が買ってくれたらしい。
――え、えっと確か5000円で販売したはずなんだけど??
――ていうかまだ販売登録してから5分なんだけど??
『……深く考えるのは止そう』
異常な通知やこの世界の諸々について思考放棄。
俺は売り上げ金を即座に昨日作成して置いたネットバンクの口座に入れると、スマホで地図アプリを立ち上げスーパーへと向かった。
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