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第二章 迷宮編
11.ロマン
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「初撃に1.5倍の補正って結構壊れてねえかなあ」
迷宮内で少し広めの安全地帯を見つけたため、そこで新装備の作成に勤しんでいた。
「この銃だけだとどうしても対多数の攻撃が出来ないんだよなあ……多少威力が過剰だったとしてもこれじゃあ保たないはずだし……どうするかなあ……」
頭を悩ませているのには訳があり、あの銃で連射しても精度が定まらないという致命的な欠点があった。
それもそのはず、天職は狙撃手という単発火力に特化した職業だ。連射など、想定されているはずもない。弓手ならまだ希望はあっただろうが、こればかりはどうしようもない。
連射しても精度は期待できない、ならばどうするか。
答えは一つ、精度をある程度気にする必要の無い武装を作成する必要がある。
が、ここで行き詰まる。
「ガトリング……は、整備が面倒だし、そもそも今の銃でもどうにかなる。ロケラン……は火薬がない、よって恐らく無理。というか、推進剤も無いし再現するにしても一発ずつ正確に同じ弾頭を再現するのは不可能に近い。だとすれば………グレネード類…も火薬が無いから多分無理…やっぱあれかな、ビーム砲みたいに正面の敵を消し飛ばすタイプの奴が良かったりすんのかね……?」
『ビーム砲』、それはロマンである。か○は○波的なあれだが、狙撃手という天職から、位置がバレたらもう使えなくなってしまう。が、それでもロマンではある。使ってみたい気持ちもあるっちゃある。
単発火力に特化した職業なら、その単発で後方までぶち抜けば問題無い、これが答えだ。
ただの屁理屈だが、考えれば近距離は銃に備え付けた片刃の剣があるし、連射もある程度なら可能。
「じゃあ別にロマンに振り切ってもいいのか」
ふと思い浮かんだ。
技能一覧にある『風壁』、これは、重ねて発動できるのか。これが出来るのならば、実弾を撃ったとしても、跳弾させられる。
『風壁』による多角射撃、僅かに角度を変えるだけで相手の予測できない方向に飛ばせる。
これは後々検証が必要だ。
考えが浮かんでくる。
「いける、いけるぞ…」
どこまで『生存』を最優先に考えたとしても、涼介とて男の子である。そりゃあやってみたいことの一つや二つはある。
考え、作るだけならタダだ。
「やってやる」
数刻経過した後にその場に鎮座していたのは、
十字架を模したタワーシールドにも見える、携行式の砲台だった。
名を、携行式上下二連魔導砲『カレッツァ』という。
十字の中心には輝く白玉があり、見ることが出来る者が見たならば、そこからは膨大な量の魔力を感知出来ただろう。
銃口は二つ見られることから、上下二連銃の様にも使用出来るだろう。
十字の短い部分はマガジンを兼ねており、一つの弾丸を一つの銃口から撃ち出せるため弾薬の消費は多くなるかもしれないが、撃ち残しは減るだろうと考えた。
それが二丁。両手に担いで撃つが、その際は普段の銃は使えず、またリロードも時間と物資が必要な為、撃ち切ってしまえば唯の大盾になる。
質量もそれなりにあるため、身体強化が必須になる。
そしてもう一つ、『風壁』を使用し続けていたためか、スキルレベルがカンストした際に、『結界魔法』を習得した。
これにより、カレッツァを盾として使用する際に外面に結界を張ることが可能となる。
結局涼介のロマンを詰め込んだだけの装備になってしまった。
ちなみにこれ良い機会とした涼介が普段使用する銃に『ハイドラ』と名を付けて、自分の厨二心に悶えていたのは別の話。
迷宮内で少し広めの安全地帯を見つけたため、そこで新装備の作成に勤しんでいた。
「この銃だけだとどうしても対多数の攻撃が出来ないんだよなあ……多少威力が過剰だったとしてもこれじゃあ保たないはずだし……どうするかなあ……」
頭を悩ませているのには訳があり、あの銃で連射しても精度が定まらないという致命的な欠点があった。
それもそのはず、天職は狙撃手という単発火力に特化した職業だ。連射など、想定されているはずもない。弓手ならまだ希望はあっただろうが、こればかりはどうしようもない。
連射しても精度は期待できない、ならばどうするか。
答えは一つ、精度をある程度気にする必要の無い武装を作成する必要がある。
が、ここで行き詰まる。
「ガトリング……は、整備が面倒だし、そもそも今の銃でもどうにかなる。ロケラン……は火薬がない、よって恐らく無理。というか、推進剤も無いし再現するにしても一発ずつ正確に同じ弾頭を再現するのは不可能に近い。だとすれば………グレネード類…も火薬が無いから多分無理…やっぱあれかな、ビーム砲みたいに正面の敵を消し飛ばすタイプの奴が良かったりすんのかね……?」
『ビーム砲』、それはロマンである。か○は○波的なあれだが、狙撃手という天職から、位置がバレたらもう使えなくなってしまう。が、それでもロマンではある。使ってみたい気持ちもあるっちゃある。
単発火力に特化した職業なら、その単発で後方までぶち抜けば問題無い、これが答えだ。
ただの屁理屈だが、考えれば近距離は銃に備え付けた片刃の剣があるし、連射もある程度なら可能。
「じゃあ別にロマンに振り切ってもいいのか」
ふと思い浮かんだ。
技能一覧にある『風壁』、これは、重ねて発動できるのか。これが出来るのならば、実弾を撃ったとしても、跳弾させられる。
『風壁』による多角射撃、僅かに角度を変えるだけで相手の予測できない方向に飛ばせる。
これは後々検証が必要だ。
考えが浮かんでくる。
「いける、いけるぞ…」
どこまで『生存』を最優先に考えたとしても、涼介とて男の子である。そりゃあやってみたいことの一つや二つはある。
考え、作るだけならタダだ。
「やってやる」
数刻経過した後にその場に鎮座していたのは、
十字架を模したタワーシールドにも見える、携行式の砲台だった。
名を、携行式上下二連魔導砲『カレッツァ』という。
十字の中心には輝く白玉があり、見ることが出来る者が見たならば、そこからは膨大な量の魔力を感知出来ただろう。
銃口は二つ見られることから、上下二連銃の様にも使用出来るだろう。
十字の短い部分はマガジンを兼ねており、一つの弾丸を一つの銃口から撃ち出せるため弾薬の消費は多くなるかもしれないが、撃ち残しは減るだろうと考えた。
それが二丁。両手に担いで撃つが、その際は普段の銃は使えず、またリロードも時間と物資が必要な為、撃ち切ってしまえば唯の大盾になる。
質量もそれなりにあるため、身体強化が必須になる。
そしてもう一つ、『風壁』を使用し続けていたためか、スキルレベルがカンストした際に、『結界魔法』を習得した。
これにより、カレッツァを盾として使用する際に外面に結界を張ることが可能となる。
結局涼介のロマンを詰め込んだだけの装備になってしまった。
ちなみにこれ良い機会とした涼介が普段使用する銃に『ハイドラ』と名を付けて、自分の厨二心に悶えていたのは別の話。
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