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初恋の相手を取られたけど、色仕掛けであっさり私に戻ってきてくれた

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初恋の彼と付き合えたなんてかなり珍しいことだ。
しかし、ある日だった。
「ごめん。別れよう。…」
突然に言われたのだ。理由を聞くと……
「好きな人ができたんだ。」
衝撃を受けた。今まで嘘をつかれていたからではない。そんなことよりも……私は彼のことを愛していたからだ。
「だ、誰なの…?」
彼は答えた。
「隣のクラスの大野さんだよ。急に告白されたんだけど、いつも明るくて可愛いくて……。僕も好きになったんだ!」
泣きそうになったが堪えた。そして、言った。
「あっそ…」
その日は別れた。家に帰って泣いた。何回も泣いた。泣いて泣いて泣きまくった。
それから1週間後。
学校に行ったら彼氏を取ったやつがいた。
「ごめんなさいね~?私の方が可愛かったみたいで♪」
ブチッ!!!! 私の頭の中で何かが切れた音がした。
「あ、あんたどういうつもりよ!なんでこんなことしてんの!?」
「だってあなたより私の方がいいって言うんですもの。それにあなたのこと好きでもないし♪」
そう言って彼女は笑っていた。
「だいたいあんたあの人に何したっていうの?」
「可愛さアピールして誘惑したらすぐに堕ちてくれたわ♪まぁ元々私が本命だったみたいなんだけどね~?」
「ふざけんじゃないわよ!!!」
私は教室を駆け出した。屋上に向かった。
「なんで……なんでこうなるのよ……」
もう限界だった。涙腺が崩壊してしまった。
「うっ……ぐすっ……ああぁぁぁー!!!!」
思いっきり叫んだ。叫んで叫んで叫びまくった。
しばらく叫ぶと、落ち着いて考えられるようになった。
そうだ。今度は私の方が可愛いことを証明すればいいんだ。そう思った私は、ある計画を実行した。
色仕掛けをするのだ。彼は正直単純な男。この作戦なら勝てるはずだ。
次の日から早速実行することにした。
まず手始めに髪形を変えた。前髪を少しだけ切り、横髪は耳にかけた。するとどうだろう。周りの男子たちが騒ぎ始めたではないか。これはイケると思った。次にスカートの丈を短くし、胸元を大きく開けた。これで完璧だ。
そしてその日の放課後、彼が一人でいるところを見計らって声をかけた。
「ねぇ君、一人?」
「え?うん、そうだけど……」
彼の目線が泳いでいる。チャンスだ。
「ねえ、久々に話そ?」
椅子に座って脚を組む。ちょっとセクシーさを演出する。すると案の定、彼は顔を赤く染めている。
「いや、でも……」
よしよし。もう少し押せばいけるか?
「お願い……。少しだけでいいからさ……。ダメかな……?」
上目遣いで言う。胸元もちょっと強調している。
「ご、ご用件は…?」
お、これはいい感じか?
「久しぶりに一緒に帰ろうと思って……。ダメ……?」
「べ、別に構わないけど……」
よし!あと一押し!
「やった!じゃあ行こっか!」
腕を組んで歩き出す。なんてちょろい。
「嬉しいなぁ~♪」
私は腕に抱きつく。胸が当たっている。効果は抜群だ。
ふっふっふ。これで勝ったな。
「あ、あのさ……。」
「ん?何?」
「その……当たってるんだけど……。む、胸に……」
それが狙いなんだよ。
「うふふっ…嬉しい?」
「そ、そんなわけ…」
いいじゃん。手玉に取られてる。
「だったら…また私と付き合おう?」
そう言ってキスをした。もちろんディープの方である。舌まで入れた。もう勝ち確定だろう。
「……わかったよ」
「ほんと!?ありがとう!」
作戦成功。私の完全勝利だ。
大野さんから奪還したというわけだ。
ちょうどいいタイミングで何も知らない大野さんがやってくる。
「ね~え大輔…な、何!?なにしてるの?…」
「あ、あの…実は…」
「さぁ、早くイチャイチャしましょう?」
私は大野さんの前で見せつけることにした。彼の手を私の胸部にもってくる。
「やめろって!恥ずかしいだろ!」
「やめないわよ?あなたは私の彼氏なんだからね♪はぁぁんっ!」
もう彼の理性は取り払った。私たちは大野さんに見せつけるようにイチャイチャを始める。
「や、やめて…私の彼氏に何するの…」
「も、もうあなたの彼氏じゃないから…!きゃぁんっ!」
「嫌…いやぁぁぁ!」
大野さんは悲鳴を上げて出て行った。私たちは続ける。
「はぁぁんっ!い、いやんっ♡」
「……」
「ほら、私のπ触りなさいよ♪」
「えぇ!?」
「私のこと好きなんでしょ?なら問題ないよね?」
「で、でも……」
「もう私のこと嫌いになったの?それとも私のことが好きすぎて手が出せないの?」
「それは……」
「どっち?」
「き、君のことが好きだ!だからやらせてくれ!!」
よし。完全に堕ちた。私は私のモノを露出させる。
「はい♪どうぞ♪あぁぁんっ♡」
私は知っている。大野さんがチラチラドアから悔しそうにこちらを窺っていることを。私の、完全勝利だ。うふふっ♡
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