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結局夫を元カノに奪われるんだったら、結婚なんてしなければよかった
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結婚なんてしなければよかった。そう今、心から思った。
夫には元カノがいる。彼女はまだ夫を諦めていない。その事実は私の心を重くするばかりだ。
私はもう疲れてしまった。
夫には毎日のように元カノから連絡が来るらしい。私に隠す気もないのか、堂々とスマホをいじっているのを見る度に怒りが湧いてくる。
そんなに大事なら別れればいいじゃない! でも夫は絶対に離婚しようとしない。
「僕が好きなのは君なんだよ。」
以前はしていた夜の運動も最近していない。そろそろ誘いたい。
私が誘っても断られるかもしれない。それにもし断られたら……? 怖くて誘うことが出来ないでいた。
こんなにも愛しているのに……。
もうどうしたらいいのかわからない。
しかも、元カノは滅茶苦茶美人で、スタイルもいい。顔も可愛い。それに比べて私はブスだし……。
でも結婚した人にストーカーは良くないと思う。私なら絶対嫌だ。
ある日の昼下がり。夫が仕事に出掛けている間、私はリビングでテレビを見ていた。すると突然電話が鳴る。画面を見ると非通知設定になっていた。
出たくないけど出ないわけにはいかない。恐る恐る出ると聞き覚えのある声がした。
『あ、もしもし?久しぶり!』
それは紛れもなく元カノの声だった。
「……お久しぶりです。何かご用ですか?」
平静を装って話すが心臓はバクバクだ。
『ちょっと話したいことがあってさぁ~。』「何でしょうか?」
『実はねー。』
私は息を飲む。一体何を言われるんだろう。不安でいっぱいになる。
『あなたの夫、奪っちゃったかもね~♪』
……はい? この人は一体何を言っているんだろうか? 頭が真っ白になった。思考回路が完全に停止する。
そして暫くしてやっと言葉の意味を理解した。理解してしまった。
「え!?」
思わず大声で叫んでしまった。
どういう事!?まさか夫は浮気して、元カノとくっついちゃったの!?嘘でしょ!?信じらんない!! 信じられなくて涙が出そうになる。
『あれれぇ?泣いてるのぉ?』
元カノが嬉しそうな声で言う。ムカつく。なんでこんな女に負けなくちゃいけないのよ。
悔しい……。悔しいよ……。
『じゃあそろそろ切るねぇ~バイバーイ。』
ブチッと電話が切れる音がした。
私は呆然と立ち尽くしていた。
それから一週間後、夫が家に帰ってきて言った。
「僕達、離婚しようか。」
「…よくそんな堂々と言えるじゃない。浮気しといて!」
私は怒りに任せて怒鳴りつけた。
しかし夫は冷静だった。
「確かに僕は浮気をした。だけどあの時はまだ好きだったんだよ。」
「言い訳なんか聞きたくないわ!最低!!」
「ごめんって。」
「結局こんなあっさり奪われるんだったら、結婚なんてしなければよかった。」
そう言い捨てて、私は夫を追い出した。
夫には元カノがいる。彼女はまだ夫を諦めていない。その事実は私の心を重くするばかりだ。
私はもう疲れてしまった。
夫には毎日のように元カノから連絡が来るらしい。私に隠す気もないのか、堂々とスマホをいじっているのを見る度に怒りが湧いてくる。
そんなに大事なら別れればいいじゃない! でも夫は絶対に離婚しようとしない。
「僕が好きなのは君なんだよ。」
以前はしていた夜の運動も最近していない。そろそろ誘いたい。
私が誘っても断られるかもしれない。それにもし断られたら……? 怖くて誘うことが出来ないでいた。
こんなにも愛しているのに……。
もうどうしたらいいのかわからない。
しかも、元カノは滅茶苦茶美人で、スタイルもいい。顔も可愛い。それに比べて私はブスだし……。
でも結婚した人にストーカーは良くないと思う。私なら絶対嫌だ。
ある日の昼下がり。夫が仕事に出掛けている間、私はリビングでテレビを見ていた。すると突然電話が鳴る。画面を見ると非通知設定になっていた。
出たくないけど出ないわけにはいかない。恐る恐る出ると聞き覚えのある声がした。
『あ、もしもし?久しぶり!』
それは紛れもなく元カノの声だった。
「……お久しぶりです。何かご用ですか?」
平静を装って話すが心臓はバクバクだ。
『ちょっと話したいことがあってさぁ~。』「何でしょうか?」
『実はねー。』
私は息を飲む。一体何を言われるんだろう。不安でいっぱいになる。
『あなたの夫、奪っちゃったかもね~♪』
……はい? この人は一体何を言っているんだろうか? 頭が真っ白になった。思考回路が完全に停止する。
そして暫くしてやっと言葉の意味を理解した。理解してしまった。
「え!?」
思わず大声で叫んでしまった。
どういう事!?まさか夫は浮気して、元カノとくっついちゃったの!?嘘でしょ!?信じらんない!! 信じられなくて涙が出そうになる。
『あれれぇ?泣いてるのぉ?』
元カノが嬉しそうな声で言う。ムカつく。なんでこんな女に負けなくちゃいけないのよ。
悔しい……。悔しいよ……。
『じゃあそろそろ切るねぇ~バイバーイ。』
ブチッと電話が切れる音がした。
私は呆然と立ち尽くしていた。
それから一週間後、夫が家に帰ってきて言った。
「僕達、離婚しようか。」
「…よくそんな堂々と言えるじゃない。浮気しといて!」
私は怒りに任せて怒鳴りつけた。
しかし夫は冷静だった。
「確かに僕は浮気をした。だけどあの時はまだ好きだったんだよ。」
「言い訳なんか聞きたくないわ!最低!!」
「ごめんって。」
「結局こんなあっさり奪われるんだったら、結婚なんてしなければよかった。」
そう言い捨てて、私は夫を追い出した。
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くそムカつくんですけど