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一世一代の告白に成功したのに、タイムリープに遭った件
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「僕、あなたのことが、好きです!」
大学受験が終わった高校三年生の僕、真島博也は一世一代の告白をした。幼馴染のクラスメート、芝宮美香ちゃんにだ。
「博也くん、ありがとう。私も、あなたのことが好き。」
そう言って彼女は笑った。その笑顔はとても綺麗で可愛かった。そして、僕は彼女のことを抱きしめた。小学校4年生からの、長年の想いが通じたのだから。
彼女もそれに応じて僕の背中に手を回した。僕らはそのままお互いを見つめ合い……そして唇を重ねた。
これが僕のファーストキスだった。それから何分か経ってから、彼女がゆっくりと口を開いた。
「付き合おう?」
僕は無言で首を縦に振って肯定の意思を示した。こうして僕は生まれて初めて恋人を持った。
…帰宅…
自室で喜びをかみしめる。大学受験も受かったし、彼女も得た。こんな幸せなことはないだろう! とにかく今はとても気分が良いんだ!
そんなことを考えていると、携帯が鳴った。着信を見ると、相手は美香ちゃんだった。嬉々として電話に出ると、彼女はいきなりこう言ったのだ。
「明日、デートしよう。」
「うん。」
もう即決だった。彼女とデートに行ける…!こんなに嬉しいことはない。
「場所はどこにする?」
「うーん…あ、そうだ。じゃあ水族館行こうよ!」
「いいね。」
この日を境に、僕の人生は大きく変わってしまった。
次の日の朝、彼女に電話した。
「…あ、もしもし?」
「博也くん?どうしたの?」
あれ?妙に素っ気ない。
その時僕は知らなかった。日付が昨日から変わっていなかったことに。つまり、今日はまだ月曜日なのだ。……しかし、それを知らずに僕は喋り続ける。
「だから、今日のデートの件。」
「で、デート!?わ、私と博也くんが!?」
え…どゆこと?
美香ちゃんは動揺して電話を切ってしまった。
その時画面を見てふと思ったのだ。あれ?昨日と同じ日付?
…タイムリープ。SFで見たことがあるような言葉が浮かんだ。
まさか、そんなはずは…
試しに外に出ると、昨日と全く同じ光景だった。道を歩くおっさん。近所のバイトのお姉さん。散歩しているおじいさんと犬。
昨日もなんとなくではあるが、見た光景だ。
とんでもないことになった。しかも誰に言っても信じてもらえないだろう。
僕はパニックになった。とりあえず家に帰ることにした。するとまた携帯が鳴る。今度は美香ちゃんからだ。
「ねえ博也くん、さっきのことだけど……」
「ごめんなさい。」
謝るしかなかった。まだ心の準備が出来ていない。それに、もし本当にタイムリープしていたら、僕は告白もしていなかったことになる。ちょっと受け入れたくないけど。
「変な事言ったよね。どうかしてたわ。」
「あ、そう…まあ、大丈夫そうなら…良かった。」
電話は切れた。
…良くないっすよ!全然!正直タイムリープとかどうでもいい!あれだけの覚悟で告白に成功したのに、こんな変なことして成功するわけないじゃないか!告白したときの緊張返せよ!
という本音があったが、ぐっと飲み込む。なってしまったからには仕方ない。
でも…今日のノリでこの後美香ちゃんに告白していいのだろうか。失敗しそうだなぁ…
そして、その時がやって来た。
「僕は、あなたのことが、好きです!」
「ごめん…」
しまったやっぱりだ。昨日とは違ってあっさりフラれた。
「本当に悪いんだけど、昨日まで、博也くん、結構いいかもなぁって思ってたんだけど、告白OKされたあとのこと妄想して、デートの話とかされるんじゃちょっと…」
彼女が去った後、僕は発狂しましたとさ。
大学受験が終わった高校三年生の僕、真島博也は一世一代の告白をした。幼馴染のクラスメート、芝宮美香ちゃんにだ。
「博也くん、ありがとう。私も、あなたのことが好き。」
そう言って彼女は笑った。その笑顔はとても綺麗で可愛かった。そして、僕は彼女のことを抱きしめた。小学校4年生からの、長年の想いが通じたのだから。
彼女もそれに応じて僕の背中に手を回した。僕らはそのままお互いを見つめ合い……そして唇を重ねた。
これが僕のファーストキスだった。それから何分か経ってから、彼女がゆっくりと口を開いた。
「付き合おう?」
僕は無言で首を縦に振って肯定の意思を示した。こうして僕は生まれて初めて恋人を持った。
…帰宅…
自室で喜びをかみしめる。大学受験も受かったし、彼女も得た。こんな幸せなことはないだろう! とにかく今はとても気分が良いんだ!
そんなことを考えていると、携帯が鳴った。着信を見ると、相手は美香ちゃんだった。嬉々として電話に出ると、彼女はいきなりこう言ったのだ。
「明日、デートしよう。」
「うん。」
もう即決だった。彼女とデートに行ける…!こんなに嬉しいことはない。
「場所はどこにする?」
「うーん…あ、そうだ。じゃあ水族館行こうよ!」
「いいね。」
この日を境に、僕の人生は大きく変わってしまった。
次の日の朝、彼女に電話した。
「…あ、もしもし?」
「博也くん?どうしたの?」
あれ?妙に素っ気ない。
その時僕は知らなかった。日付が昨日から変わっていなかったことに。つまり、今日はまだ月曜日なのだ。……しかし、それを知らずに僕は喋り続ける。
「だから、今日のデートの件。」
「で、デート!?わ、私と博也くんが!?」
え…どゆこと?
美香ちゃんは動揺して電話を切ってしまった。
その時画面を見てふと思ったのだ。あれ?昨日と同じ日付?
…タイムリープ。SFで見たことがあるような言葉が浮かんだ。
まさか、そんなはずは…
試しに外に出ると、昨日と全く同じ光景だった。道を歩くおっさん。近所のバイトのお姉さん。散歩しているおじいさんと犬。
昨日もなんとなくではあるが、見た光景だ。
とんでもないことになった。しかも誰に言っても信じてもらえないだろう。
僕はパニックになった。とりあえず家に帰ることにした。するとまた携帯が鳴る。今度は美香ちゃんからだ。
「ねえ博也くん、さっきのことだけど……」
「ごめんなさい。」
謝るしかなかった。まだ心の準備が出来ていない。それに、もし本当にタイムリープしていたら、僕は告白もしていなかったことになる。ちょっと受け入れたくないけど。
「変な事言ったよね。どうかしてたわ。」
「あ、そう…まあ、大丈夫そうなら…良かった。」
電話は切れた。
…良くないっすよ!全然!正直タイムリープとかどうでもいい!あれだけの覚悟で告白に成功したのに、こんな変なことして成功するわけないじゃないか!告白したときの緊張返せよ!
という本音があったが、ぐっと飲み込む。なってしまったからには仕方ない。
でも…今日のノリでこの後美香ちゃんに告白していいのだろうか。失敗しそうだなぁ…
そして、その時がやって来た。
「僕は、あなたのことが、好きです!」
「ごめん…」
しまったやっぱりだ。昨日とは違ってあっさりフラれた。
「本当に悪いんだけど、昨日まで、博也くん、結構いいかもなぁって思ってたんだけど、告白OKされたあとのこと妄想して、デートの話とかされるんじゃちょっと…」
彼女が去った後、僕は発狂しましたとさ。
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