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あふたーあふたー
閑話:洞爺の刀 中編② ~ 洒落にならないんだが!? ~
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周囲を囲まれた洞爺が建物の壁に四肢を突き立て、口元の刀をギラリと輝かせながら雄たけびを上げる。
「周りこめ!! 蜘蛛達の糸に触れるなよ!! 動けなくなるぞ!!」
「了解です! 目標目視! 10時! 距離300!!」
この世界に定住して初の戦闘がなぜか隊長の同僚相手と言う何とも言えない状況下でも、レヴィヤタンは優秀だった。
カタリナさんの号令一下、ゴム弾とスタンガンを装備した彼女たちの内……近接戦が得意な人員と周辺の騎士さんがものの数分で北区の職人たちの居住区へ洞爺を追い詰める。
「ほ、本当にゴム弾とスタンガン使っちゃっていいんですか? 相手は一人ですし……人間ですよ?」
カタリナと随伴する腰まである金髪の三つ編みを揺らし、おっとりしたしゃべり方が特徴のレヴィヤタンメンバー『スロウス』がその発言とは裏腹に……がしゃこんとショットガンを構えた。
のんびりと生活用品の買い出し中だったので深緑のワンピースにカーディガン、浅黄色のサンダルと言った戦い赴くとは到底思えない格好だが……仕方なかったのだ。
普段であれば洞爺や仲間を様付けして、丁寧なしゃべり方が特徴のカタリナも……元同僚の彼女たちの半数以上がなんか変と難色を示したので使い分けている。
とは言え、メイド服そのままで駆けつけたのでなかなかシュールな状況だった。
「油断するな、下手すると弾丸を斬るぞ……戦艦の装甲も斬るほどだからな」
「ラスト隊長も斬ってましたよね」
「……向こうは生身だ、一緒にするな」
「り、了解」
何人もの騎士たちに囲まれている上に、鋼の表皮を獲得した戦闘特化の糸子の眷属『鋼蜘蛛』が建物の壁や屋根から狙っていてにらみ合いの状態が続いた。
「洞爺様、速やかにその刀を手放してください……そんな刀程度に魅入られる洞爺様ではありませんでしょうに」
この状況を利用してカタリナが説得を試みるが、返答はいまだにない。
むしろどんどん洞爺の身体を蝕んでいるのかブリッジでカサカサ高速移動したりし始めた。
「もういっそ気絶させましょうよ隊長……なんかホラー映画より気味の悪い動きです」
「……確かに、さすがに奥様の楓様達に今の洞爺様の姿を見せるわけにはいかないしな。足止めはできているのか?」
「エンヴィーとラース、プライドが担当してくれてます」
「よし、ならば……戦うか。騎士の皆様! 周囲の封鎖を! 秘書部カタリナがこの場の指揮を執ります!!」
了解、と騎士たちが細路地を含めて人が入らない様に封鎖に向かう。
「スロウス、信号弾」
「了解」
そんな彼らを見て、洞爺も戦意を増していく……もはやその瞳に理性は無かった。
手慣れた様子でスロウスが点に掲げた信号弾入りの銃が、ぽんっ! と軽い音を立てて空に青い煙を立ち昇らせる。
「制圧開始する」
流石に真剣を使う訳にはいかないので、カタリナも桜花から超痛いお仕置き棒(伸縮式警棒)を借りてきて構えていた。
「アイ、マム」
おっとりした雰囲気のスロウスだが見た目に反して……
「切り込みます」
――ズダン!!
ぐっと踏み込んだ左足から響く重たい音を背に、しっかりと加速したその身を洞爺に向けて正面から突っ込んだ。
「ふこーっ!?」
まっすぐに正面から突っ込んでくるスロウスに洞爺が困惑する、魅入られたとはいえその戦闘感は微塵も衰えてはいない。
蜘蛛の糸も騎士の包囲も、誘導こそされたが……裏返せばいつでも包囲を突破できるとの証明だった。
「スロウスは立体軌道が得意ですよ? 洞爺様」
カタリナも跳躍を繰り返し洞爺の上を取りながら、壁から壁へ三角跳びの要領で接敵する。
「ごめんなさぁい!」
スロウスが壁を蹴り、看板に手をかけてひらりひらりと洞爺の元へあっという間にたどり着いてショットガンを発砲。
これだけ至近距離なら避けられる術はない、しかし……相手は人外認定の洞爺。
――バァン!
右手一本でストックを保持し、引き金を引いたショットガンの銃身が跳ね上がった先にはすでに洞爺は居なかった。
ゴム弾とは言えただでは済まない破壊力がある弾丸がレンガの一部を抉るだけ。
スロウスが油断していたわけではない、その理由はカタリナが見届けていた。
「スロウス! 下だ!!」
「ふごぉ!」
洞爺は両手で壁を掴んでいた手はそのままに、脚の部分だけぎゅいんとその身をひるがえしたのだ。
しかもそのまま左手一本で壁にその身を縫い留め、開いた右手でスロウスの左腕を掴み投げ捨てる。
「にょわっ!?」
ぐるりと反転する視界に焦らず、姿勢制御をするが腕がすっぽ抜けるような勢いで引かれた事に困惑する。
「洞爺様! 失礼します!」
仕方なくカタリナも直接的に攻撃に転じた。
振り上げた長い右足を踵落としの要領で洞爺の顔面目掛けて振り下ろす。
洞爺の強さを良く知ってるからこそ遠慮は無い、おろしたての下着が洞爺からは丸見えだが……カタリナ的にはご褒美である。
――がきんっ!!
みしみしと拮抗する音に合わせてカタリナの動きが止まる。
「……くっ、この勢いでも微動だにしませんか!?」
口にくわえた刀の腹で、カタリナの踵を受け止める洞爺。
異様に歯が頑丈なのは元からなのか刀のせいなのか、後で問い詰めたいカタリナさんである。
「ふごぉ……」
ぎらりと洞爺の眼が光った。
「!?」
風を抉り、洞爺がその場で足を振り上げて身を回す。
たった今カタリナが見せた踵落としを完全にコピーした動きで、今度はカタリナの防御する右腕を真横から蹴りつける。
「きゃあっ!?」
珍しく可愛らしい悲鳴と共に、カタリナが真横に吹っ飛んだ。
重いとか軽いとか、そんな問題ではない……一点から背後に吸い寄せられるかのように半瞬遅れで慣性が襲ってくる。
逆巻く風の勢いに服をたなびかせ、頭から壁に激突する寸前。
蜘蛛の糸が四方八方から射出され、ハンモックの様にカタリナを受け止める。
「くうっ……ありがとうございます! 皆様!」
しびれて感覚がないカタリナの右腕にはしっかりと洞爺の草履の後が残されていた。
あんな状況と状態でも洞爺はかかとで蹴り抜くと怪我をすると解っていて、足の裏で蹴ったという手加減がわかってしまい……
「……く、屈辱。スロウス! 本気で行きますよ! 実弾発砲許可!! 御姉様と真司様なら死体からでもよみがえらせられます!!」
「た、隊長!?」
「復唱!」
「じ、実弾使用許可、確認しました!!」
そのままカタリナは緊急招集(秘書部のみ)の緑の信号弾を上げる。
「洞爺様、お覚悟を……」
意外と血が上りやすいカタリナの眼が、かつて最強とうたわれた精鋭部隊の眼に戻るのに。
そんなに時間はかからなかった。
「周りこめ!! 蜘蛛達の糸に触れるなよ!! 動けなくなるぞ!!」
「了解です! 目標目視! 10時! 距離300!!」
この世界に定住して初の戦闘がなぜか隊長の同僚相手と言う何とも言えない状況下でも、レヴィヤタンは優秀だった。
カタリナさんの号令一下、ゴム弾とスタンガンを装備した彼女たちの内……近接戦が得意な人員と周辺の騎士さんがものの数分で北区の職人たちの居住区へ洞爺を追い詰める。
「ほ、本当にゴム弾とスタンガン使っちゃっていいんですか? 相手は一人ですし……人間ですよ?」
カタリナと随伴する腰まである金髪の三つ編みを揺らし、おっとりしたしゃべり方が特徴のレヴィヤタンメンバー『スロウス』がその発言とは裏腹に……がしゃこんとショットガンを構えた。
のんびりと生活用品の買い出し中だったので深緑のワンピースにカーディガン、浅黄色のサンダルと言った戦い赴くとは到底思えない格好だが……仕方なかったのだ。
普段であれば洞爺や仲間を様付けして、丁寧なしゃべり方が特徴のカタリナも……元同僚の彼女たちの半数以上がなんか変と難色を示したので使い分けている。
とは言え、メイド服そのままで駆けつけたのでなかなかシュールな状況だった。
「油断するな、下手すると弾丸を斬るぞ……戦艦の装甲も斬るほどだからな」
「ラスト隊長も斬ってましたよね」
「……向こうは生身だ、一緒にするな」
「り、了解」
何人もの騎士たちに囲まれている上に、鋼の表皮を獲得した戦闘特化の糸子の眷属『鋼蜘蛛』が建物の壁や屋根から狙っていてにらみ合いの状態が続いた。
「洞爺様、速やかにその刀を手放してください……そんな刀程度に魅入られる洞爺様ではありませんでしょうに」
この状況を利用してカタリナが説得を試みるが、返答はいまだにない。
むしろどんどん洞爺の身体を蝕んでいるのかブリッジでカサカサ高速移動したりし始めた。
「もういっそ気絶させましょうよ隊長……なんかホラー映画より気味の悪い動きです」
「……確かに、さすがに奥様の楓様達に今の洞爺様の姿を見せるわけにはいかないしな。足止めはできているのか?」
「エンヴィーとラース、プライドが担当してくれてます」
「よし、ならば……戦うか。騎士の皆様! 周囲の封鎖を! 秘書部カタリナがこの場の指揮を執ります!!」
了解、と騎士たちが細路地を含めて人が入らない様に封鎖に向かう。
「スロウス、信号弾」
「了解」
そんな彼らを見て、洞爺も戦意を増していく……もはやその瞳に理性は無かった。
手慣れた様子でスロウスが点に掲げた信号弾入りの銃が、ぽんっ! と軽い音を立てて空に青い煙を立ち昇らせる。
「制圧開始する」
流石に真剣を使う訳にはいかないので、カタリナも桜花から超痛いお仕置き棒(伸縮式警棒)を借りてきて構えていた。
「アイ、マム」
おっとりした雰囲気のスロウスだが見た目に反して……
「切り込みます」
――ズダン!!
ぐっと踏み込んだ左足から響く重たい音を背に、しっかりと加速したその身を洞爺に向けて正面から突っ込んだ。
「ふこーっ!?」
まっすぐに正面から突っ込んでくるスロウスに洞爺が困惑する、魅入られたとはいえその戦闘感は微塵も衰えてはいない。
蜘蛛の糸も騎士の包囲も、誘導こそされたが……裏返せばいつでも包囲を突破できるとの証明だった。
「スロウスは立体軌道が得意ですよ? 洞爺様」
カタリナも跳躍を繰り返し洞爺の上を取りながら、壁から壁へ三角跳びの要領で接敵する。
「ごめんなさぁい!」
スロウスが壁を蹴り、看板に手をかけてひらりひらりと洞爺の元へあっという間にたどり着いてショットガンを発砲。
これだけ至近距離なら避けられる術はない、しかし……相手は人外認定の洞爺。
――バァン!
右手一本でストックを保持し、引き金を引いたショットガンの銃身が跳ね上がった先にはすでに洞爺は居なかった。
ゴム弾とは言えただでは済まない破壊力がある弾丸がレンガの一部を抉るだけ。
スロウスが油断していたわけではない、その理由はカタリナが見届けていた。
「スロウス! 下だ!!」
「ふごぉ!」
洞爺は両手で壁を掴んでいた手はそのままに、脚の部分だけぎゅいんとその身をひるがえしたのだ。
しかもそのまま左手一本で壁にその身を縫い留め、開いた右手でスロウスの左腕を掴み投げ捨てる。
「にょわっ!?」
ぐるりと反転する視界に焦らず、姿勢制御をするが腕がすっぽ抜けるような勢いで引かれた事に困惑する。
「洞爺様! 失礼します!」
仕方なくカタリナも直接的に攻撃に転じた。
振り上げた長い右足を踵落としの要領で洞爺の顔面目掛けて振り下ろす。
洞爺の強さを良く知ってるからこそ遠慮は無い、おろしたての下着が洞爺からは丸見えだが……カタリナ的にはご褒美である。
――がきんっ!!
みしみしと拮抗する音に合わせてカタリナの動きが止まる。
「……くっ、この勢いでも微動だにしませんか!?」
口にくわえた刀の腹で、カタリナの踵を受け止める洞爺。
異様に歯が頑丈なのは元からなのか刀のせいなのか、後で問い詰めたいカタリナさんである。
「ふごぉ……」
ぎらりと洞爺の眼が光った。
「!?」
風を抉り、洞爺がその場で足を振り上げて身を回す。
たった今カタリナが見せた踵落としを完全にコピーした動きで、今度はカタリナの防御する右腕を真横から蹴りつける。
「きゃあっ!?」
珍しく可愛らしい悲鳴と共に、カタリナが真横に吹っ飛んだ。
重いとか軽いとか、そんな問題ではない……一点から背後に吸い寄せられるかのように半瞬遅れで慣性が襲ってくる。
逆巻く風の勢いに服をたなびかせ、頭から壁に激突する寸前。
蜘蛛の糸が四方八方から射出され、ハンモックの様にカタリナを受け止める。
「くうっ……ありがとうございます! 皆様!」
しびれて感覚がないカタリナの右腕にはしっかりと洞爺の草履の後が残されていた。
あんな状況と状態でも洞爺はかかとで蹴り抜くと怪我をすると解っていて、足の裏で蹴ったという手加減がわかってしまい……
「……く、屈辱。スロウス! 本気で行きますよ! 実弾発砲許可!! 御姉様と真司様なら死体からでもよみがえらせられます!!」
「た、隊長!?」
「復唱!」
「じ、実弾使用許可、確認しました!!」
そのままカタリナは緊急招集(秘書部のみ)の緑の信号弾を上げる。
「洞爺様、お覚悟を……」
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そんなに時間はかからなかった。
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