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第三フェーズ ①
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北門付近ではまだまだ元気な近衛騎士たちの仮建築作業が大詰めを迎えていた。
彼らを守る城壁を補強していたのではない。
いまだに城壁の外側では鋼の身体を持つ人型の魔物。旧世紀の主戦力として運用されていた自立型戦闘ロボットであるディーヴァが城壁を登ろうと群がっている。
そこに向かい自慢の大盾を持って騎士たちが十人づつ並んでいた。
北門に近くなるにつれ、不死族のアーマード要員も増えて妙な隊列。
「やばかったなあの氷」
本来であれば、予備の鋼鉄で出来た盾を門の内側に打ち付けるつもりだった二人の騎士は呆れたように門を見上げる。
「何だったんだあの民間人……オルトリンデ監理官よりすげぇ氷魔法の使い手なんて秘書部の真司副ギルド長ぐらいなもんかと思ったが」
「ちょうど返しみたいにせり出しててあのディーヴァ共、登れねぇもんなぁ。世の中すごい魔法士もいたもんだ」
ちょうど宵闇の入り口と言った時間帯、これからは闇夜に支配されるのに安心して中で作業できるのはありがたい。
「ああ、しかし……あの人形どもの弱点が夜とは……」
「夜目が効かないから散開しないらしい」
弥生が第一フェーズを1時間と決めた要因、それがこれ。
「お、来たぞ……秘書部の悪ノリ―ずだ」
松明とかがり火が焚かれ始める北道路、その先に8人の人影が見えた。
先頭には腰に刀を差して、揺れる炎の光で金髪を彩る少女と長い金髪の少女の二人組。
「本人たちの前で言うなよ? 全力でいたずらされるぞ」
笑いながら同僚の騎士が言う。もはやあの名前を出すのもはばかられるウェイランド唯一の貴族と並ぶ知名度を誇る悪ノリーず。
「そうだな、ギルド祭のお化け屋敷で懲りたよ」
近衛騎士ですら恐怖で失神したものが居たのだ。全力の使い所を完全に間違えているとしか言えない。
「さて……どんだけ減らせるか」
「朝にはあの黒い人形、全部いなくなってるんじゃねぇの?」
「まさか、と言えないからなぁ」
――タァン!
先頭を歩くキズナが空に向けて空砲を打つ。
あらかじめ通達のあった出撃の合図だ。
「出撃合図確認!! 掲げ! 盾!!」
その号令に応え、騎士達は一斉に盾を頭上に向けて構える。
その動きを秘書部は見て取ったのか、徐々に速度を上げて向かって来た。
「足場の構築! アーマード部隊! 頼んだ!!」
浮遊する盾も同じように二人一組で足場にできるよう階段状に虚空へ固定する。
「はやい……」
号令役の騎士は大分遠いかと思っていたがあっという間に7人の姿が鮮明になってきた。
「来たぞ!! クロウ宰相!! お願いします!!」
浮遊する盾の一番前で杖を構えるクロウ宰相がすでに魔法の詠唱に入っている。
「秘書部!! 行くぞっ!!」
前傾姿勢で風を切るキズナが足場となってくれた騎士の盾を遠慮なく踏みこむ。
それを皮切りに次々と洞爺が、楓が、牡丹が、真司が、ラストが、エキドナが、桜花が北門を通り越えて戦場へ文字通り飛び込もうとしていた。
「闇夜の瞳!」
彼らが通り過ぎるのに合わせて暗視の魔法を付与するクロウに全員が一声づつかけて……
「後は任せて頂戴!!」
桜花が最後にクロウに笑顔で言い放つ。
「頼みます! 魔王様!」
直接戦闘には向かないクロウが彼らにできるのはここまでだ。
後は彼らに託す。闇夜の戦場に飛び込む秘書部を見送り、クロウは次の作業へと向かう。
うまくいくことを信じて。
一方、北門の外は……
「何してんだアイツら」
少し肌寒い夜風を纏い、自由落下するキズナの眼に飛び込んできたのは……
「もがいてるねぇ」
並走するエキドナが呆れたようにつぶやく。
それもそうだろう、油まみれになって上手く立てないディーヴァやずっしんずっしんと地響きを鳴らして移動に四苦八苦する中型戦車が門の前に固まっていたのだ。
「奥の連中もどうしていいかわからんようじゃな」
門から数十メートル先では油の影響は無いが、油まみれの味方をどうしたらいいかはプログラムに入ってないのだろう。ただただ突っ立って待機状態になっていた。
「好都合だ、ノルマと罰ゲーム忘れんなよ!!」
着地と同時に衝撃を足のばねで殺しながら密集するディーヴァのど真ん中で、キズナは銃をぶっ放す! そして、そこらかしこで始まる剣戟と魔法、異常を感知してようやく動き出すディーヴァに先制攻撃を加える秘書部達。
「夜は寝る時間ってか? ずいぶんホワイトだな鉄屑ども」
動きの鈍いディーヴァの首を小太刀で切り飛ばし、反対の手で握る愛銃『リーラ』を連射する。
密着状態で乱戦を選んだキズナの思いは単純、狙う必要がねぇ。
クロウのおかげで昼間の様に視界が明るいキズナは潜り込むようにディーヴァの間をすり抜けながら、とりあえず相手の体制が整うまで一心不乱に破壊を続ける。
「へへ、楽勝……」
――グオッ!!
そんなキズナを中型戦車が爪で押しつぶそうと攻撃肢を振り下ろすも……
「あらよっと!」
キズナはまるで身動きが取れないディーヴァの頭を掴み、跳躍する。くるりと身を回してそのディーヴァの頭を蹴りつけ、その場から離れた。
哀れなディーヴァ数体が振り下ろされた鉄塊の質量に耐え切れず、圧壊する。
「あいつら上手くやってるか?」
飛び散るオイルの飛沫を頬につけ、キズナは他のメンバーの動向を確認した。
その間もディーヴァはキズナを捕まえようと迫るのだが、ひらりひらりと死角に入る様に移動するキズナに翻弄されている。
しかも無造作に放たれるキズナの斬撃、銃撃は周りのディーヴァも巻き込んで損傷していく。
「真司のサポート行くか」
見た感じ最も苦戦しているのはやはり真司の様だ。
一度距離を開けてこそ真司の魔法は真価を発揮する。それを知っているからこそ……
「てめぇら、ちっとばかし大人しくしてろ」
ぽい、と腰のベルトに括り付けていた手榴弾のピンを抜き。
近くの群れに放り投げる。数秒後、破裂音と共に夜空に散るディーヴァには目もくれずに……キズナは自分の盾になる様にディーヴァの間を通り真司の方へと向かい始めた。
ぷう、と膨らむ風船ガムを愉しみながら。
彼らを守る城壁を補強していたのではない。
いまだに城壁の外側では鋼の身体を持つ人型の魔物。旧世紀の主戦力として運用されていた自立型戦闘ロボットであるディーヴァが城壁を登ろうと群がっている。
そこに向かい自慢の大盾を持って騎士たちが十人づつ並んでいた。
北門に近くなるにつれ、不死族のアーマード要員も増えて妙な隊列。
「やばかったなあの氷」
本来であれば、予備の鋼鉄で出来た盾を門の内側に打ち付けるつもりだった二人の騎士は呆れたように門を見上げる。
「何だったんだあの民間人……オルトリンデ監理官よりすげぇ氷魔法の使い手なんて秘書部の真司副ギルド長ぐらいなもんかと思ったが」
「ちょうど返しみたいにせり出しててあのディーヴァ共、登れねぇもんなぁ。世の中すごい魔法士もいたもんだ」
ちょうど宵闇の入り口と言った時間帯、これからは闇夜に支配されるのに安心して中で作業できるのはありがたい。
「ああ、しかし……あの人形どもの弱点が夜とは……」
「夜目が効かないから散開しないらしい」
弥生が第一フェーズを1時間と決めた要因、それがこれ。
「お、来たぞ……秘書部の悪ノリ―ずだ」
松明とかがり火が焚かれ始める北道路、その先に8人の人影が見えた。
先頭には腰に刀を差して、揺れる炎の光で金髪を彩る少女と長い金髪の少女の二人組。
「本人たちの前で言うなよ? 全力でいたずらされるぞ」
笑いながら同僚の騎士が言う。もはやあの名前を出すのもはばかられるウェイランド唯一の貴族と並ぶ知名度を誇る悪ノリーず。
「そうだな、ギルド祭のお化け屋敷で懲りたよ」
近衛騎士ですら恐怖で失神したものが居たのだ。全力の使い所を完全に間違えているとしか言えない。
「さて……どんだけ減らせるか」
「朝にはあの黒い人形、全部いなくなってるんじゃねぇの?」
「まさか、と言えないからなぁ」
――タァン!
先頭を歩くキズナが空に向けて空砲を打つ。
あらかじめ通達のあった出撃の合図だ。
「出撃合図確認!! 掲げ! 盾!!」
その号令に応え、騎士達は一斉に盾を頭上に向けて構える。
その動きを秘書部は見て取ったのか、徐々に速度を上げて向かって来た。
「足場の構築! アーマード部隊! 頼んだ!!」
浮遊する盾も同じように二人一組で足場にできるよう階段状に虚空へ固定する。
「はやい……」
号令役の騎士は大分遠いかと思っていたがあっという間に7人の姿が鮮明になってきた。
「来たぞ!! クロウ宰相!! お願いします!!」
浮遊する盾の一番前で杖を構えるクロウ宰相がすでに魔法の詠唱に入っている。
「秘書部!! 行くぞっ!!」
前傾姿勢で風を切るキズナが足場となってくれた騎士の盾を遠慮なく踏みこむ。
それを皮切りに次々と洞爺が、楓が、牡丹が、真司が、ラストが、エキドナが、桜花が北門を通り越えて戦場へ文字通り飛び込もうとしていた。
「闇夜の瞳!」
彼らが通り過ぎるのに合わせて暗視の魔法を付与するクロウに全員が一声づつかけて……
「後は任せて頂戴!!」
桜花が最後にクロウに笑顔で言い放つ。
「頼みます! 魔王様!」
直接戦闘には向かないクロウが彼らにできるのはここまでだ。
後は彼らに託す。闇夜の戦場に飛び込む秘書部を見送り、クロウは次の作業へと向かう。
うまくいくことを信じて。
一方、北門の外は……
「何してんだアイツら」
少し肌寒い夜風を纏い、自由落下するキズナの眼に飛び込んできたのは……
「もがいてるねぇ」
並走するエキドナが呆れたようにつぶやく。
それもそうだろう、油まみれになって上手く立てないディーヴァやずっしんずっしんと地響きを鳴らして移動に四苦八苦する中型戦車が門の前に固まっていたのだ。
「奥の連中もどうしていいかわからんようじゃな」
門から数十メートル先では油の影響は無いが、油まみれの味方をどうしたらいいかはプログラムに入ってないのだろう。ただただ突っ立って待機状態になっていた。
「好都合だ、ノルマと罰ゲーム忘れんなよ!!」
着地と同時に衝撃を足のばねで殺しながら密集するディーヴァのど真ん中で、キズナは銃をぶっ放す! そして、そこらかしこで始まる剣戟と魔法、異常を感知してようやく動き出すディーヴァに先制攻撃を加える秘書部達。
「夜は寝る時間ってか? ずいぶんホワイトだな鉄屑ども」
動きの鈍いディーヴァの首を小太刀で切り飛ばし、反対の手で握る愛銃『リーラ』を連射する。
密着状態で乱戦を選んだキズナの思いは単純、狙う必要がねぇ。
クロウのおかげで昼間の様に視界が明るいキズナは潜り込むようにディーヴァの間をすり抜けながら、とりあえず相手の体制が整うまで一心不乱に破壊を続ける。
「へへ、楽勝……」
――グオッ!!
そんなキズナを中型戦車が爪で押しつぶそうと攻撃肢を振り下ろすも……
「あらよっと!」
キズナはまるで身動きが取れないディーヴァの頭を掴み、跳躍する。くるりと身を回してそのディーヴァの頭を蹴りつけ、その場から離れた。
哀れなディーヴァ数体が振り下ろされた鉄塊の質量に耐え切れず、圧壊する。
「あいつら上手くやってるか?」
飛び散るオイルの飛沫を頬につけ、キズナは他のメンバーの動向を確認した。
その間もディーヴァはキズナを捕まえようと迫るのだが、ひらりひらりと死角に入る様に移動するキズナに翻弄されている。
しかも無造作に放たれるキズナの斬撃、銃撃は周りのディーヴァも巻き込んで損傷していく。
「真司のサポート行くか」
見た感じ最も苦戦しているのはやはり真司の様だ。
一度距離を開けてこそ真司の魔法は真価を発揮する。それを知っているからこそ……
「てめぇら、ちっとばかし大人しくしてろ」
ぽい、と腰のベルトに括り付けていた手榴弾のピンを抜き。
近くの群れに放り投げる。数秒後、破裂音と共に夜空に散るディーヴァには目もくれずに……キズナは自分の盾になる様にディーヴァの間を通り真司の方へと向かい始めた。
ぷう、と膨らむ風船ガムを愉しみながら。
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