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悪い龍の討伐作戦……何もこんな時に来なくても ③
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「いいか、開けるぞ……」
「ああ、いつでもいいぜ……」
キズナは愛銃の遊底を操作して薬室に弾丸を送る。
弥生が良い感じで芋ようかんを食べる夢を見て幸せな眠りを満喫している頃。キズナとクロウ宰相、そして真司が玄関前の小包の前で顔を突き合わせていた。
フクロウの泣き声、遠くで響く喧噪、弥生の家の両隣の方には宰相のポケットマネーでちょっとお高い宿に避難してもらっている。
「だ、大丈夫だよね……腐ってたりしないよね?」
「しらねぇよ……どうなんだ犯人」
「さすがに予測できん……と言うか、7日間も放置する君たちの行動がまず予測できなかった」
気まずそうにクロウが小包と言うか箱の蓋を開ける。
「大体……いくら邪魔だからって酔いつぶれた幼馴染を箱詰めして弥生の所に置いていくって、どうなんだ人情的に」
「仕方あるまい……あのままじゃ本当に仕事にならん。どうせすぐ目を覚まして騒ぐと思ったのだが」
「一週間も経って、ようやくなんか静かだな……とか魔族の人って感覚凄いと僕は感心したけど?」
確かに魔族の感覚から言えば7日間など一瞬みたいな物ではあった、しかし。それで放置されていた方はたまったものでは無い。
オルトリンデの事だから死んではいないと思うし、何なら箱の中で意外と快適に過ごしていそうなのだが……クロウの予想としては拗ねてめそめそと泣いている。だった。
「……真司君、明かりを貰えるかな?」
「ほい」
真司がランタンをクロウに手渡す。
長身のクロウが真上から箱の中を照らすとそこには……
「……毛布? それにこれは、食べかけのサンドイッチ?」
そもそも箱は木製で、毛布自体はクロウが寒いだろうと2枚ほど敷き詰めた。それ以外にピンク色の毛布もそこにはあって、包み紙で保管されたサンドイッチがひと切れ。ぽつんと収まっている。
「オル姉居ないね。抜け出してたんじゃない?」
「だとしたらよ。このサンドイッチ可笑しくねぇか? これ朝に弥生が作ってた弁当じゃん」
丁度本日のお昼ご飯にキズナは同じものを食べていた。燻製肉とゆで卵のスライスを挟んだがっつり系のサンドイッチだ。
3人で箱の中を覗き込みながら首をかしげる。
しかし、今更な話で普通に考えれば内側からオルトリンデが開けられない訳がない。多分目が覚めて現状を理解した時点でさっさと抜け出すであろう。
ではなぜこんな状態なのか? 疑問は尽きない。
「そういえば、姉ちゃんが最近良く食べ物の備蓄が無くなってる気がするって」
「オルトリンデがこの中で見つけてもらうまで引きこもっていたのだろうか? だとしたら相当な阿呆だな」
ぺちん、とおでこを手でたたいてクロウがふらつく。
何が悲しくてこの国で王様の次に偉い立場のオルトリンデが拗ねて文字通り箱入り娘にならなければならなかったのだろうか?
「つまり……なんだ、うちの大ボスは自由に出入りして、ここで見つけてもらうまでひきこ……籠城中。と言いたい訳か?」
「無理して良い様に言わなくていいぞキズナ君、アレは長い付き合いなのだが……偶にこういう訳の分からない事をする」
「程度が文香以下じゃねぇか」
「はっきり言わないでください!? 結構気にしてるんですから!!」
唐突に降ってきた大人気ない幼女の声にクロウとキズナが背中合わせに構える。
「真司、こっちにこい。旦那、見えるか?」
「わぷ! キズナ姉、苦しい」
「キズナ君、気をつけろ……見た目はあの通りのちんちくりんで中身もアレだが。単独で竜を討伐できる腕がある……武器も死角から打撃、刺突、捕縛、なんでもござれだ」
「知ってる、あの身なりでパパやママと同じ重圧とか何の冗談かと思ってるぜ」
「えええぇ、完全に隠せてるはずですよ? でないと子供たちが怖がるじゃないですか!!」
「「っ!?」」
声はクロウとキズナの背後から響いている、即座にキズナは銃を。クロウは袖に隠しているダガーナイフを互いの頬を挟んで背後へと向けたが……そこには何もいない。
「夜音よりよっぽど怪異じみてるんじゃねぇか、アイツ」
「先に行っておこう、キズナ君。これでほんの小手調べだ……魔法も何も使わずこんな真似ができる」
「あのー」
「くっそ……ちょんぱの時に無理やりにでも巻きこみゃ良かった」
「キズナ姉」
「正直あのまま成長すれば国の生きた女神扱いで観光で一当てできるんじゃないかと思った事もある」
「あのークロウ宰相」
「め、女神だなんてそんな……照れますね」
「……」
真司は黙っている。発言は許可されないであろう、だって今も黙殺されたもん。
その気になって真司の背中にしゃがんで隠れている偉い幼女さんなど知らないのである。
「くそっ……天は何物与えてんだあの幼女様に」
「同感だなキズナ君、我が国の実質ナンバーワン……おっとこれは本人には内緒だった」
そして途中からキズナとクロウの魂胆に気づいている真司にできる事と言えば、後ろを振り向かない、聞こえないフリをする、そしてただただ空を見上げて。
「大人って……汚い」
あからさまにオルトリンデをヨイショする二人は先ほどから……オルトリンデの視界の外に自分らの顔がある事を確認して『ヤッテランネェデスヨ……』と言った表情のままで固定されていたりする。
「あー、野良の竜がやってきてギルド祭が延期になるかもしれないってピンチにオルトリンデ監理官が居ればー」
……だんだん棒読みである。
「そうだな、愛国心あふれる最強の監理官が居れば―」
ちなみにオルトリンデさんは気配で上機嫌なのがバレバレだった。
「し、仕方ないですねぇ。たまには、おねーさん本気を出しちゃいましょうかねぇ!! うふ、うふふふ」
「……(もういいんじゃね?)」
「……(ちょろいな。ご苦労、キズナ君)」
アイコンタクトで任務の達成を確認し合った二人が、わざとらしく今オルトリンデさんの姿に気づいた風に煽てるのを見て真司は思う。自分もこういうのを見て成長するんだろうな……きっと。
そんな嫌な悟りを開きながら……夜が更けていくのを感じていくのであった。
「ああ、いつでもいいぜ……」
キズナは愛銃の遊底を操作して薬室に弾丸を送る。
弥生が良い感じで芋ようかんを食べる夢を見て幸せな眠りを満喫している頃。キズナとクロウ宰相、そして真司が玄関前の小包の前で顔を突き合わせていた。
フクロウの泣き声、遠くで響く喧噪、弥生の家の両隣の方には宰相のポケットマネーでちょっとお高い宿に避難してもらっている。
「だ、大丈夫だよね……腐ってたりしないよね?」
「しらねぇよ……どうなんだ犯人」
「さすがに予測できん……と言うか、7日間も放置する君たちの行動がまず予測できなかった」
気まずそうにクロウが小包と言うか箱の蓋を開ける。
「大体……いくら邪魔だからって酔いつぶれた幼馴染を箱詰めして弥生の所に置いていくって、どうなんだ人情的に」
「仕方あるまい……あのままじゃ本当に仕事にならん。どうせすぐ目を覚まして騒ぐと思ったのだが」
「一週間も経って、ようやくなんか静かだな……とか魔族の人って感覚凄いと僕は感心したけど?」
確かに魔族の感覚から言えば7日間など一瞬みたいな物ではあった、しかし。それで放置されていた方はたまったものでは無い。
オルトリンデの事だから死んではいないと思うし、何なら箱の中で意外と快適に過ごしていそうなのだが……クロウの予想としては拗ねてめそめそと泣いている。だった。
「……真司君、明かりを貰えるかな?」
「ほい」
真司がランタンをクロウに手渡す。
長身のクロウが真上から箱の中を照らすとそこには……
「……毛布? それにこれは、食べかけのサンドイッチ?」
そもそも箱は木製で、毛布自体はクロウが寒いだろうと2枚ほど敷き詰めた。それ以外にピンク色の毛布もそこにはあって、包み紙で保管されたサンドイッチがひと切れ。ぽつんと収まっている。
「オル姉居ないね。抜け出してたんじゃない?」
「だとしたらよ。このサンドイッチ可笑しくねぇか? これ朝に弥生が作ってた弁当じゃん」
丁度本日のお昼ご飯にキズナは同じものを食べていた。燻製肉とゆで卵のスライスを挟んだがっつり系のサンドイッチだ。
3人で箱の中を覗き込みながら首をかしげる。
しかし、今更な話で普通に考えれば内側からオルトリンデが開けられない訳がない。多分目が覚めて現状を理解した時点でさっさと抜け出すであろう。
ではなぜこんな状態なのか? 疑問は尽きない。
「そういえば、姉ちゃんが最近良く食べ物の備蓄が無くなってる気がするって」
「オルトリンデがこの中で見つけてもらうまで引きこもっていたのだろうか? だとしたら相当な阿呆だな」
ぺちん、とおでこを手でたたいてクロウがふらつく。
何が悲しくてこの国で王様の次に偉い立場のオルトリンデが拗ねて文字通り箱入り娘にならなければならなかったのだろうか?
「つまり……なんだ、うちの大ボスは自由に出入りして、ここで見つけてもらうまでひきこ……籠城中。と言いたい訳か?」
「無理して良い様に言わなくていいぞキズナ君、アレは長い付き合いなのだが……偶にこういう訳の分からない事をする」
「程度が文香以下じゃねぇか」
「はっきり言わないでください!? 結構気にしてるんですから!!」
唐突に降ってきた大人気ない幼女の声にクロウとキズナが背中合わせに構える。
「真司、こっちにこい。旦那、見えるか?」
「わぷ! キズナ姉、苦しい」
「キズナ君、気をつけろ……見た目はあの通りのちんちくりんで中身もアレだが。単独で竜を討伐できる腕がある……武器も死角から打撃、刺突、捕縛、なんでもござれだ」
「知ってる、あの身なりでパパやママと同じ重圧とか何の冗談かと思ってるぜ」
「えええぇ、完全に隠せてるはずですよ? でないと子供たちが怖がるじゃないですか!!」
「「っ!?」」
声はクロウとキズナの背後から響いている、即座にキズナは銃を。クロウは袖に隠しているダガーナイフを互いの頬を挟んで背後へと向けたが……そこには何もいない。
「夜音よりよっぽど怪異じみてるんじゃねぇか、アイツ」
「先に行っておこう、キズナ君。これでほんの小手調べだ……魔法も何も使わずこんな真似ができる」
「あのー」
「くっそ……ちょんぱの時に無理やりにでも巻きこみゃ良かった」
「キズナ姉」
「正直あのまま成長すれば国の生きた女神扱いで観光で一当てできるんじゃないかと思った事もある」
「あのークロウ宰相」
「め、女神だなんてそんな……照れますね」
「……」
真司は黙っている。発言は許可されないであろう、だって今も黙殺されたもん。
その気になって真司の背中にしゃがんで隠れている偉い幼女さんなど知らないのである。
「くそっ……天は何物与えてんだあの幼女様に」
「同感だなキズナ君、我が国の実質ナンバーワン……おっとこれは本人には内緒だった」
そして途中からキズナとクロウの魂胆に気づいている真司にできる事と言えば、後ろを振り向かない、聞こえないフリをする、そしてただただ空を見上げて。
「大人って……汚い」
あからさまにオルトリンデをヨイショする二人は先ほどから……オルトリンデの視界の外に自分らの顔がある事を確認して『ヤッテランネェデスヨ……』と言った表情のままで固定されていたりする。
「あー、野良の竜がやってきてギルド祭が延期になるかもしれないってピンチにオルトリンデ監理官が居ればー」
……だんだん棒読みである。
「そうだな、愛国心あふれる最強の監理官が居れば―」
ちなみにオルトリンデさんは気配で上機嫌なのがバレバレだった。
「し、仕方ないですねぇ。たまには、おねーさん本気を出しちゃいましょうかねぇ!! うふ、うふふふ」
「……(もういいんじゃね?)」
「……(ちょろいな。ご苦労、キズナ君)」
アイコンタクトで任務の達成を確認し合った二人が、わざとらしく今オルトリンデさんの姿に気づいた風に煽てるのを見て真司は思う。自分もこういうのを見て成長するんだろうな……きっと。
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