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悪い龍の討伐作戦……何もこんな時に来なくても ①
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「ギルド祭を延期?」
その報告は唐突だった。
あれやこれやと統括ギルド内の廊下やお部屋にお化け屋敷の準備物を飾り付けようかという時になって、クワイエットが弥生の執務室に飛び込んできた。その表情は明らかに焦っており、真剣な声音で結論を述べる。
「ああ、ついさっき北の国境で青い龍が目撃された。普段は暑くなる時期に通りかかる事がある位だが……よりによってこちらに向かって来るらしい。幸い気温が低くなってきてるから行動は鈍い、予想では二週間ほどでウェイランドの北門に到達する」
もしウェイランドに侵入を図ろうとするなら迎撃だが、ただ通り過ぎるのならば変に刺激はしない。
過去に一度もなかった訳ではないので王城も今から監視役などの部隊編成を行う予定だ。念のため出入りの商人が鉢合わせしない様に隣国であるミルテアリア、ベルトリアへ飛竜便を使って情報を共有する。
「さすがに万が一の時には騎士団や冒険者、探索者の盗伐部隊も投入されるから祭りは延期になる」
そういってクワイエットは手元の資料を弥生に手渡す。
その内容は分かりやすくまとめられており、その竜の大きさやどこで目撃されたのか。その目撃から次の目撃までに何時間でどれくらいの位置にいたのか……実に細かくまとめられていた。
「全長5メートル……ノルトの民のみんなと同じくらいの大きさなんだ……」
「ああ、とは言え危険なんだ……青いという事は水関係の魔法やブレスを使ってくるだろうから遠くから火責めかな。あ、キズナ軍曹殿の銃なら……」
「俺の銃が何だって?」
執務室のソファーでお昼寝中だったキズナがむくりと起きる。話は聞いていたが自分には関係ないと判断して聞き流していた。しかし、関係があれば話は別である。
キズナが居る事はクワイエットも承知であり、上官と部下の関係がすっかり叩き込まれている。
即座にかかとをつけ、直立不動で右手を額に当てて敬礼をキズナに返した。
「はっ! キズナ軍曹殿の小口径自動式拳銃であれば近接戦闘に持ち込んだ上で、眼球などの耐久性の弱い部位を狙い撃つ事により迅速な撃破が可能ではないかと愚考いたしました! マム!」
「休め、その近接戦闘に持ち込む上での注意点はいくつある」
もぞもぞと毛布をたたみながらクワイエットの見立てを聞くキズナ、魔法が絡むと自分の予想や見立てが狂うのは良く分かっていたのでまずは聴く。
「3点あります。詳しくご説明させていただいてもよろしいでしょうか!」
「危険度順に教えろ」
「はいっ! まずは竜のブレスです。魔力を体内の増幅機関を通して竜の思考通りの範囲を攻撃するものであり、キズナ軍曹殿の場合。魔法障壁が貼れませんので平地での戦闘は危険だと判断します」
「二つ目」
「飛びますので近づく前に空に行かれたら撤退するしかないかと。ちなみに上空数百メートルを飛びますので銃で狙うのは困難であります」
「三つ目」
「撃破後、竜の血を求めて魔物が集まります。対多数戦が予想されます」
その三つを聞いてキズナが神妙な顔で黙考する。多分頭の中で戦ってるんだろうなぁ、と弥生は判断して先にクワイエットに確認した。
「期間が延びる事は統括ギルドを通して各ギルドに通達するけど……どれくらい延期なの?」
「ん? ああ、そういえばそういう規定とかは特になくて……オルトリンデ監理官が決めてたな……戦闘経験も豊富だから」
「そっか……クワイエット、これからこういう時は騎士団の偉い人も一緒に同席頼めるかな? 通達とかは私が手配できるけど……さすがに魔物の行動までは読めないや」
「そりゃそうだな、キズナ軍曹殿も強いが生態に詳しいわけではありません……よね?」
期待を込めて、と言うより単なる確認のためだ。
「ん? ああ、退治した経験はねぇな。どういう行動をとるかわかんねぇけど……大人しいのか?」
「大人しいわけではありませんが……積極的に攻撃を加えてくるわけではありません。この時期に出るのは珍しいので予測がつきづらいですが」
秋口なので単純に冬に向けての食糧確保? クワイエットにはせいぜいその程度しか思いつかないがキズナはちょっと違っていた。
「もしかしてだけどよ。その竜……洞爺のじーさんにでも鉢合わせて慌てて逃げてきただけじゃね?」
洞爺の気迫なら竜の一匹や二匹、気絶させてもおかしくない気がする。そんなキズナのあてずっぽうであった。
「洞爺おじいちゃん……そんな辻斬りみたいな事しない……よね?」
「まさか、唯一の良心がそんな事をするはずが」
「おいこら、チームぶっ壊れ秘書官の良心は俺だろうが」
「「は?」」
「そこに並べ二人とも、順番に三つ目にしてやる」
みしり、とソファーを握りほほ笑むキズナはとても魅力的だ。右手が銃のグリップに触れてなければ、だ。
「まあ、博愛精神とかで手が出せねぇんだったら仕方がねぇけどよ……喫茶店とか食い物系の出し物する連中は延期すると困るんじゃねぇのか?」
「あ、そっか……食材の保管期限もあるもんね」
ギルド祭は前夜祭、本祭、後夜祭の三日間で行われる。先日二日だと思ってたら間違えていたのは良い思い出だ。その間の肉など冷蔵が必要な食材は魔法士ギルド協力の元、大きな蔵を魔法で冷やして共同冷蔵庫として使っているのだが……保管期限が長引くとどうしても悪くなる食材も出てくるだろう。
その補填案も考えなければならない。
「いっそ、こっちから駆除しちゃダメなのか? 追い返すでも良いしよ」
「竜はコミニティを形成する魔物であります……中途半端に追い返すと大群で押し寄せられるかもしれないため、駆除には細心の注意が払われています」
「……おい、暫定トップ。やっちまおうぜ? 延期とか面倒くせぇし、それに」
「それに?」
「楽しみにしているガキどもや町の連中が落ち込んじまうだろう?」
エキドナが聞いたら顔をほころばせるような宣言に、弥生もつられて笑ってしまう。
「そうだね、ねえ、クワイエット。騎士団の偉い人も連れてきてもらえないかな? 夕方までに資料とメンバーは揃えるから」
「わかった。任せてくれ」
笑いをこらえながらクワイエットが請け負う、即座に踵を返して王城へ向かわないといけない。でないと……。
「おい、クワイエット……口の端が緩んでんじゃねぇのか? 大変だな、優しい俺様が縫い合わせてやろうか?」
若干頬を赤らめて恥ずかしがる軍曹殿に怒られてしまうから。
ちなみにそのころ……
――ぶえっくしゅん!!
――ちょっと、洞爺……背中でくしゃみする時は口を押さえてよ。汚いなぁ
北の海で歩んびりと飛ぶ漆黒の邪心竜と鬼神のごとき剣術家がそんなやり取りを交わしていたとか。
――あの取り逃がした青いやつ、うまそうじゃったの……
――もう……僕を海に蹴落としてまで追いかけるんだから……しかも逃がすし。ウェイランドに行ったらどうするつもりだったのさ
――まさか、そんな都合よくウェイランドへ行くわけがあるまい
――だよね、あはは!
そんな会話があったとかなかったとか。
その報告は唐突だった。
あれやこれやと統括ギルド内の廊下やお部屋にお化け屋敷の準備物を飾り付けようかという時になって、クワイエットが弥生の執務室に飛び込んできた。その表情は明らかに焦っており、真剣な声音で結論を述べる。
「ああ、ついさっき北の国境で青い龍が目撃された。普段は暑くなる時期に通りかかる事がある位だが……よりによってこちらに向かって来るらしい。幸い気温が低くなってきてるから行動は鈍い、予想では二週間ほどでウェイランドの北門に到達する」
もしウェイランドに侵入を図ろうとするなら迎撃だが、ただ通り過ぎるのならば変に刺激はしない。
過去に一度もなかった訳ではないので王城も今から監視役などの部隊編成を行う予定だ。念のため出入りの商人が鉢合わせしない様に隣国であるミルテアリア、ベルトリアへ飛竜便を使って情報を共有する。
「さすがに万が一の時には騎士団や冒険者、探索者の盗伐部隊も投入されるから祭りは延期になる」
そういってクワイエットは手元の資料を弥生に手渡す。
その内容は分かりやすくまとめられており、その竜の大きさやどこで目撃されたのか。その目撃から次の目撃までに何時間でどれくらいの位置にいたのか……実に細かくまとめられていた。
「全長5メートル……ノルトの民のみんなと同じくらいの大きさなんだ……」
「ああ、とは言え危険なんだ……青いという事は水関係の魔法やブレスを使ってくるだろうから遠くから火責めかな。あ、キズナ軍曹殿の銃なら……」
「俺の銃が何だって?」
執務室のソファーでお昼寝中だったキズナがむくりと起きる。話は聞いていたが自分には関係ないと判断して聞き流していた。しかし、関係があれば話は別である。
キズナが居る事はクワイエットも承知であり、上官と部下の関係がすっかり叩き込まれている。
即座にかかとをつけ、直立不動で右手を額に当てて敬礼をキズナに返した。
「はっ! キズナ軍曹殿の小口径自動式拳銃であれば近接戦闘に持ち込んだ上で、眼球などの耐久性の弱い部位を狙い撃つ事により迅速な撃破が可能ではないかと愚考いたしました! マム!」
「休め、その近接戦闘に持ち込む上での注意点はいくつある」
もぞもぞと毛布をたたみながらクワイエットの見立てを聞くキズナ、魔法が絡むと自分の予想や見立てが狂うのは良く分かっていたのでまずは聴く。
「3点あります。詳しくご説明させていただいてもよろしいでしょうか!」
「危険度順に教えろ」
「はいっ! まずは竜のブレスです。魔力を体内の増幅機関を通して竜の思考通りの範囲を攻撃するものであり、キズナ軍曹殿の場合。魔法障壁が貼れませんので平地での戦闘は危険だと判断します」
「二つ目」
「飛びますので近づく前に空に行かれたら撤退するしかないかと。ちなみに上空数百メートルを飛びますので銃で狙うのは困難であります」
「三つ目」
「撃破後、竜の血を求めて魔物が集まります。対多数戦が予想されます」
その三つを聞いてキズナが神妙な顔で黙考する。多分頭の中で戦ってるんだろうなぁ、と弥生は判断して先にクワイエットに確認した。
「期間が延びる事は統括ギルドを通して各ギルドに通達するけど……どれくらい延期なの?」
「ん? ああ、そういえばそういう規定とかは特になくて……オルトリンデ監理官が決めてたな……戦闘経験も豊富だから」
「そっか……クワイエット、これからこういう時は騎士団の偉い人も一緒に同席頼めるかな? 通達とかは私が手配できるけど……さすがに魔物の行動までは読めないや」
「そりゃそうだな、キズナ軍曹殿も強いが生態に詳しいわけではありません……よね?」
期待を込めて、と言うより単なる確認のためだ。
「ん? ああ、退治した経験はねぇな。どういう行動をとるかわかんねぇけど……大人しいのか?」
「大人しいわけではありませんが……積極的に攻撃を加えてくるわけではありません。この時期に出るのは珍しいので予測がつきづらいですが」
秋口なので単純に冬に向けての食糧確保? クワイエットにはせいぜいその程度しか思いつかないがキズナはちょっと違っていた。
「もしかしてだけどよ。その竜……洞爺のじーさんにでも鉢合わせて慌てて逃げてきただけじゃね?」
洞爺の気迫なら竜の一匹や二匹、気絶させてもおかしくない気がする。そんなキズナのあてずっぽうであった。
「洞爺おじいちゃん……そんな辻斬りみたいな事しない……よね?」
「まさか、唯一の良心がそんな事をするはずが」
「おいこら、チームぶっ壊れ秘書官の良心は俺だろうが」
「「は?」」
「そこに並べ二人とも、順番に三つ目にしてやる」
みしり、とソファーを握りほほ笑むキズナはとても魅力的だ。右手が銃のグリップに触れてなければ、だ。
「まあ、博愛精神とかで手が出せねぇんだったら仕方がねぇけどよ……喫茶店とか食い物系の出し物する連中は延期すると困るんじゃねぇのか?」
「あ、そっか……食材の保管期限もあるもんね」
ギルド祭は前夜祭、本祭、後夜祭の三日間で行われる。先日二日だと思ってたら間違えていたのは良い思い出だ。その間の肉など冷蔵が必要な食材は魔法士ギルド協力の元、大きな蔵を魔法で冷やして共同冷蔵庫として使っているのだが……保管期限が長引くとどうしても悪くなる食材も出てくるだろう。
その補填案も考えなければならない。
「いっそ、こっちから駆除しちゃダメなのか? 追い返すでも良いしよ」
「竜はコミニティを形成する魔物であります……中途半端に追い返すと大群で押し寄せられるかもしれないため、駆除には細心の注意が払われています」
「……おい、暫定トップ。やっちまおうぜ? 延期とか面倒くせぇし、それに」
「それに?」
「楽しみにしているガキどもや町の連中が落ち込んじまうだろう?」
エキドナが聞いたら顔をほころばせるような宣言に、弥生もつられて笑ってしまう。
「そうだね、ねえ、クワイエット。騎士団の偉い人も連れてきてもらえないかな? 夕方までに資料とメンバーは揃えるから」
「わかった。任せてくれ」
笑いをこらえながらクワイエットが請け負う、即座に踵を返して王城へ向かわないといけない。でないと……。
「おい、クワイエット……口の端が緩んでんじゃねぇのか? 大変だな、優しい俺様が縫い合わせてやろうか?」
若干頬を赤らめて恥ずかしがる軍曹殿に怒られてしまうから。
ちなみにそのころ……
――ぶえっくしゅん!!
――ちょっと、洞爺……背中でくしゃみする時は口を押さえてよ。汚いなぁ
北の海で歩んびりと飛ぶ漆黒の邪心竜と鬼神のごとき剣術家がそんなやり取りを交わしていたとか。
――あの取り逃がした青いやつ、うまそうじゃったの……
――もう……僕を海に蹴落としてまで追いかけるんだから……しかも逃がすし。ウェイランドに行ったらどうするつもりだったのさ
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