5 / 8
後日談 ヴァレンヌ王国のその後
しおりを挟む
第1王子のルカスと取り巻きのお花畑どもがいなくなって、ヴァレンヌ王国に混乱があったのかといえば、全くなかった。
結局、第1王子のルカスの予備として生かされていた俺は正しくその役目を果たすことになったのだが、予想していた反対勢力による問題も起きなかった。
その際たる原因はヴァレンヌ王国で禁止されている奴隷貿易を元第1王子の母方の実家の侯爵家が主導で行なっていたことにある。それが明るみに出て、侯爵家は取り潰しになった。
詳しい調査により、直接関わっていた隠居している先代侯爵と現侯爵、次期侯爵の3人と配下の貴族達は処刑。女性の侯爵夫人達と幼い子供達は連座で、貴族籍を永久剥奪の上、各地の修道院に散り散りに送られた。
この騒動がトドメでルカスを推していたボンヘッド侯爵勢力は完全消滅。
ちなみに、ルカスの生母である側妃はルカスがロンメル修道院に送られた翌日に体調を崩したため、知る人ぞ知る北の離宮に送られて、数日後に病死したと発表された。
残念ながら、陛下と側妃の間は愛情がない政略結婚であったのは周知の事実。
俺の母である王妃本人は陛下の支えになるつもりなら、陛下の寵愛を競うのも吝かではなかったそうだ。
しかし、側妃には王妃とともに陛下を支えるつもりはなく、徒らに自分と競って立場の責務を果たさず、権力を濫用し、陛下の名を貶めるばかりであったと母は嘆いていた。
そして、ルカスとマリアンナが修道院へ旅だってから一週間後、俺は王太子となると同時にロザリア嬢と婚約が成立した。
ロザリア嬢の肩書きは次期王妃から王太子妃となり、彼女は公私に渡って積極的に俺を支えてくれて、いつのまにか俺の隣に彼女がいるのが当然というのが周囲の認識になっていた。
「今日も義姉上と仲睦じいですね兄上」
今年学園に入学する実弟のジェラールが俺達を見て笑みを浮かべて、無邪気に告げる。
ジェラールは俺と同じ王妃を母とする弟だ。けれども、生まれてすぐ王太子教育は施されないことが決まった。その代わりに臣籍降下して新たな公爵家を起こすことが決まっている。
以前、俺よりもジェラールの方が優れた王になると思い、陛下にジェラールと共に話す機会があったときに進言したが、即座に本人は俺の過大評価といって固辞。さらに、
「アル兄上は自身を顧みて、一度爆発した方がいいと思います」
と黒い笑顔を俺に向けて言った……解せぬ。
「どうかしました? アルトリウス様?」
腕を絡めたロザリアは小首を傾げて尋ねてきた。キツそうな見た目の美人ながら、親しくなってみると彼女がその見た目に反して、非常に穏やかな性格であるのが分かる。まぁ、仕事モードになるとその限りではない。
また、非常にアクティブなお嬢さんで、仕事に余裕を作って、時々俺と一緒にお忍びで城下に下りて、市井の様子を直接目にして政策の参考にしている。
「次はいつあの店に顔を出そうかなと」
城下町にある馴染みの大衆食堂を思い浮かべてロザリアに応えた。
「そのときはもちろん、私もご一緒させていただきますわ。そうと決まりましたら、次のお仕事にやる気が湧いてきました。頑張りましょうね」
「そうだな。宰相も唸らせる成果を出せば自由な時間も取れるだろうね」
やる気が殺る気に聞こえたが、気の所為だろう。
まぁ、次の仕事の相手は王国に戦争を仕掛けて鎧袖一触された国の外交官。手加減などぬるいことは言わずに全力で王国有利の条約を結ばせよう。クックック……。
「……兄上、今度はどんなよからぬことを企んでいらっしゃるのですか?」
ジェラールがジト目で俺を見て言う。
「企むとは人聞きの悪い。次の仕事に対するやる気が漲っただけだよ」
心外だとばかり俺は反論したが、
「ご自覚がないのでしょうが、兄上がその泣く子が更に大泣きしそうな怖い笑顔を浮かべた後行動は大抵、後始末が大変な事態になっているんですよ。宰相から兄上に自重するよう言付かっています」
ジェラールはため息とともにそう告げる。ぬぅ、そうか義父のサイフィス公爵に負担を掛けていたか。
「あら、アルトリウス様。今度はどんなことをお考えですか?」
ロザリアが思考の海に浸り始めた俺の意識を呼び戻した。
「ああ、宰相の頭皮がストレスで後退したり、円形ハゲになったときに備えて、ギルドで育毛剤の調合をしておこうかと」
「ぶっ」
俺の返答にジェラールは鉄面皮にサイフィス公爵がそうなったときの姿を想像したのか、盛大に吹き出した。
一方、ロザリアは口に手を当て、更に扇で口元を隠して上品に笑っていた。
「兄上……」
ジェラールが再びジト目を俺に向けてきた。何故だ。別に俺は悪くねぇ。吹き出して笑ったのはお前だろう。
「まぁまぁ、ところでジェラール様。ヴィクトリア・ガデス公爵令嬢と懇意にされているとのお話を私、よく耳にしていますが、真偽はどうなのでしょうか?」
ロザリアがジェラールを宥めて話題を変えてくれた。ありがたい。
「なっ、なんのことでしょうか?」
弟よ。どもった時点でバレバレだぞ。
ガデス公爵家はヴァレンヌ王国の建国時から続く四公爵家の1つ。ヴィクトリア嬢はガデス公爵家の末姫で、上に兄と姉がいる。
兄は公爵家を既に継いで、子供もいる。姉の方もサイフィス公爵家の嫡男、ロザリアの兄に嫁いで、俺の義姉になっている。
ヴィクトリア嬢はキリッとした軍人気質なところがある麗人。貴族男子より男前な性格で、異性よりも同性にモテている。
本人はノーマルなのだが、そっち方面にガチな後輩、心酔して歳上なのに彼女を『お姉様』と慕う先輩が非公式なファンクラブを作っている。
「文官達の間では彼女をアルトリウス様の側室にという声が出始めています」
ガデス公爵領は今年は近年稀に見る大干ばつによる大凶作で飢え死にする領民が出るおそれがあった。
しかし、その予兆にいち早く気づけた俺が陛下に提言して救援物資を集めてガデス公爵領に輸送。既に空腹で意識混濁している領民が大勢出ていたギリギリのタイミングで間に合った。
おそらく、その礼とヴァレンヌ王家とガデス公爵家との繋がりをより強めるための提案なのだろう。
「……」
ジェラールが隠そうとしているが、消沈しているのがわかまぁ、無理もないか。
「ヴィクトリア嬢がジェラールの想い人ならばその話がこない様に俺も動くがどうなんだ? まだ、陛下から明確な話は俺には来ていない。だが、来てしまえば、王命だから拒否できないぞ。それに、俺が受けなくとも、ヴィクトリア嬢の嫁ぎ先は公爵令嬢だから欠くことはないだろう。現状、座してジェラールに行く可能性は極めて低い。どうする?」
「アルトリウス様、何故ジェラール様にそう仰るのですか?」
ロザリアが不意に訊いてきた。
「ヴィクトリア嬢は上がってくる情報から優秀だと聞いているから、俺の勘違いで、ジェラールが彼女をなんとも思っていないなら、ヴィクトリア嬢を俺は側室に迎えることを前向きに考えているから」
「え!?」
ジェラールが驚きの声をあげた。
「他所に優秀な人材取られるわけにはいかないからな。今のところ、俺はヴィクトリア嬢に対して、恋慕情はない。ロザリアがいるからな。ただ、ここで下手な意地をジェラールが張るなら、俺がヴィクトリア嬢をもらうが、どうする?」
俺はジェラールに笑みを浮かべて、そう問いかけた。すると、
「わっ私はヴィクトリア嬢を慕っています。兄上は彼女に手を出さないでください!」
耳まで真っ赤にしてジェラールが答えた。
「次は本人にその思いを伝えなよ……というわけでして、父上と母上、ご助力をお願いします。ジェラールが立てる新公爵家を支える名目であればガデス公爵も納得すると思います」
発言後、俺はロザリアが淹れてくれた紅茶を口にした。相変わらず美味いな。
「よかろう。私からはガデス公爵家にジェラールとの婚約を打診しておこう。ジェラールよ。あくまで婚約であることを忘れずに見事ヴィクトリア嬢の心を射止めて見せよ」
魔術で姿を隠して俺たちの話を聴いていた父レオンと母アリスフィアが姿を現した。
「そうね。私の方もガデス公爵夫人とヴィクトリア嬢を呼んでお茶会をしましょう。当然、ロザリアにも同席してもらいますよ」
「はい、慎んで承ります」
笑みを浮かべて父が応え、母はロザリアと協力体制を構築した。
「え?え?」
ジェラールは突然姿を現した父母に驚いた。おさまらない羞恥と興奮が加わり、事態の急展開についていけていない様だ。
権力の濫用? いやいや、これは新公爵家当主への先行投資でヴァレンヌ王国安泰のためだ。問題ない。
「落ち着けジェラール。とりあえず、ロザリアが淹れてくれた紅茶を飲んで落ち着け」
「はっはい……グ、ゲホッゲホ」
俺の言葉に従って、ジェラールは紅茶を飲み干して咽せた。
その様子を見て、父が嘆息すると、母が微笑みながら「貴方が私とお茶を初めて飲んだときも同じ様に咽せてましたね」と宥めた。
この後、ジェラールがヴィクトリア嬢を順当に射止めたとは行かず、ひと騒動あるのだが、それはまた別の話。
後の世に俺とロザリアはヴァレンヌ王国がヴァレンヌ帝国と名を変える切っ掛けをつくった中興の祖として歴史に名を残すことになった。
結局、第1王子のルカスの予備として生かされていた俺は正しくその役目を果たすことになったのだが、予想していた反対勢力による問題も起きなかった。
その際たる原因はヴァレンヌ王国で禁止されている奴隷貿易を元第1王子の母方の実家の侯爵家が主導で行なっていたことにある。それが明るみに出て、侯爵家は取り潰しになった。
詳しい調査により、直接関わっていた隠居している先代侯爵と現侯爵、次期侯爵の3人と配下の貴族達は処刑。女性の侯爵夫人達と幼い子供達は連座で、貴族籍を永久剥奪の上、各地の修道院に散り散りに送られた。
この騒動がトドメでルカスを推していたボンヘッド侯爵勢力は完全消滅。
ちなみに、ルカスの生母である側妃はルカスがロンメル修道院に送られた翌日に体調を崩したため、知る人ぞ知る北の離宮に送られて、数日後に病死したと発表された。
残念ながら、陛下と側妃の間は愛情がない政略結婚であったのは周知の事実。
俺の母である王妃本人は陛下の支えになるつもりなら、陛下の寵愛を競うのも吝かではなかったそうだ。
しかし、側妃には王妃とともに陛下を支えるつもりはなく、徒らに自分と競って立場の責務を果たさず、権力を濫用し、陛下の名を貶めるばかりであったと母は嘆いていた。
そして、ルカスとマリアンナが修道院へ旅だってから一週間後、俺は王太子となると同時にロザリア嬢と婚約が成立した。
ロザリア嬢の肩書きは次期王妃から王太子妃となり、彼女は公私に渡って積極的に俺を支えてくれて、いつのまにか俺の隣に彼女がいるのが当然というのが周囲の認識になっていた。
「今日も義姉上と仲睦じいですね兄上」
今年学園に入学する実弟のジェラールが俺達を見て笑みを浮かべて、無邪気に告げる。
ジェラールは俺と同じ王妃を母とする弟だ。けれども、生まれてすぐ王太子教育は施されないことが決まった。その代わりに臣籍降下して新たな公爵家を起こすことが決まっている。
以前、俺よりもジェラールの方が優れた王になると思い、陛下にジェラールと共に話す機会があったときに進言したが、即座に本人は俺の過大評価といって固辞。さらに、
「アル兄上は自身を顧みて、一度爆発した方がいいと思います」
と黒い笑顔を俺に向けて言った……解せぬ。
「どうかしました? アルトリウス様?」
腕を絡めたロザリアは小首を傾げて尋ねてきた。キツそうな見た目の美人ながら、親しくなってみると彼女がその見た目に反して、非常に穏やかな性格であるのが分かる。まぁ、仕事モードになるとその限りではない。
また、非常にアクティブなお嬢さんで、仕事に余裕を作って、時々俺と一緒にお忍びで城下に下りて、市井の様子を直接目にして政策の参考にしている。
「次はいつあの店に顔を出そうかなと」
城下町にある馴染みの大衆食堂を思い浮かべてロザリアに応えた。
「そのときはもちろん、私もご一緒させていただきますわ。そうと決まりましたら、次のお仕事にやる気が湧いてきました。頑張りましょうね」
「そうだな。宰相も唸らせる成果を出せば自由な時間も取れるだろうね」
やる気が殺る気に聞こえたが、気の所為だろう。
まぁ、次の仕事の相手は王国に戦争を仕掛けて鎧袖一触された国の外交官。手加減などぬるいことは言わずに全力で王国有利の条約を結ばせよう。クックック……。
「……兄上、今度はどんなよからぬことを企んでいらっしゃるのですか?」
ジェラールがジト目で俺を見て言う。
「企むとは人聞きの悪い。次の仕事に対するやる気が漲っただけだよ」
心外だとばかり俺は反論したが、
「ご自覚がないのでしょうが、兄上がその泣く子が更に大泣きしそうな怖い笑顔を浮かべた後行動は大抵、後始末が大変な事態になっているんですよ。宰相から兄上に自重するよう言付かっています」
ジェラールはため息とともにそう告げる。ぬぅ、そうか義父のサイフィス公爵に負担を掛けていたか。
「あら、アルトリウス様。今度はどんなことをお考えですか?」
ロザリアが思考の海に浸り始めた俺の意識を呼び戻した。
「ああ、宰相の頭皮がストレスで後退したり、円形ハゲになったときに備えて、ギルドで育毛剤の調合をしておこうかと」
「ぶっ」
俺の返答にジェラールは鉄面皮にサイフィス公爵がそうなったときの姿を想像したのか、盛大に吹き出した。
一方、ロザリアは口に手を当て、更に扇で口元を隠して上品に笑っていた。
「兄上……」
ジェラールが再びジト目を俺に向けてきた。何故だ。別に俺は悪くねぇ。吹き出して笑ったのはお前だろう。
「まぁまぁ、ところでジェラール様。ヴィクトリア・ガデス公爵令嬢と懇意にされているとのお話を私、よく耳にしていますが、真偽はどうなのでしょうか?」
ロザリアがジェラールを宥めて話題を変えてくれた。ありがたい。
「なっ、なんのことでしょうか?」
弟よ。どもった時点でバレバレだぞ。
ガデス公爵家はヴァレンヌ王国の建国時から続く四公爵家の1つ。ヴィクトリア嬢はガデス公爵家の末姫で、上に兄と姉がいる。
兄は公爵家を既に継いで、子供もいる。姉の方もサイフィス公爵家の嫡男、ロザリアの兄に嫁いで、俺の義姉になっている。
ヴィクトリア嬢はキリッとした軍人気質なところがある麗人。貴族男子より男前な性格で、異性よりも同性にモテている。
本人はノーマルなのだが、そっち方面にガチな後輩、心酔して歳上なのに彼女を『お姉様』と慕う先輩が非公式なファンクラブを作っている。
「文官達の間では彼女をアルトリウス様の側室にという声が出始めています」
ガデス公爵領は今年は近年稀に見る大干ばつによる大凶作で飢え死にする領民が出るおそれがあった。
しかし、その予兆にいち早く気づけた俺が陛下に提言して救援物資を集めてガデス公爵領に輸送。既に空腹で意識混濁している領民が大勢出ていたギリギリのタイミングで間に合った。
おそらく、その礼とヴァレンヌ王家とガデス公爵家との繋がりをより強めるための提案なのだろう。
「……」
ジェラールが隠そうとしているが、消沈しているのがわかまぁ、無理もないか。
「ヴィクトリア嬢がジェラールの想い人ならばその話がこない様に俺も動くがどうなんだ? まだ、陛下から明確な話は俺には来ていない。だが、来てしまえば、王命だから拒否できないぞ。それに、俺が受けなくとも、ヴィクトリア嬢の嫁ぎ先は公爵令嬢だから欠くことはないだろう。現状、座してジェラールに行く可能性は極めて低い。どうする?」
「アルトリウス様、何故ジェラール様にそう仰るのですか?」
ロザリアが不意に訊いてきた。
「ヴィクトリア嬢は上がってくる情報から優秀だと聞いているから、俺の勘違いで、ジェラールが彼女をなんとも思っていないなら、ヴィクトリア嬢を俺は側室に迎えることを前向きに考えているから」
「え!?」
ジェラールが驚きの声をあげた。
「他所に優秀な人材取られるわけにはいかないからな。今のところ、俺はヴィクトリア嬢に対して、恋慕情はない。ロザリアがいるからな。ただ、ここで下手な意地をジェラールが張るなら、俺がヴィクトリア嬢をもらうが、どうする?」
俺はジェラールに笑みを浮かべて、そう問いかけた。すると、
「わっ私はヴィクトリア嬢を慕っています。兄上は彼女に手を出さないでください!」
耳まで真っ赤にしてジェラールが答えた。
「次は本人にその思いを伝えなよ……というわけでして、父上と母上、ご助力をお願いします。ジェラールが立てる新公爵家を支える名目であればガデス公爵も納得すると思います」
発言後、俺はロザリアが淹れてくれた紅茶を口にした。相変わらず美味いな。
「よかろう。私からはガデス公爵家にジェラールとの婚約を打診しておこう。ジェラールよ。あくまで婚約であることを忘れずに見事ヴィクトリア嬢の心を射止めて見せよ」
魔術で姿を隠して俺たちの話を聴いていた父レオンと母アリスフィアが姿を現した。
「そうね。私の方もガデス公爵夫人とヴィクトリア嬢を呼んでお茶会をしましょう。当然、ロザリアにも同席してもらいますよ」
「はい、慎んで承ります」
笑みを浮かべて父が応え、母はロザリアと協力体制を構築した。
「え?え?」
ジェラールは突然姿を現した父母に驚いた。おさまらない羞恥と興奮が加わり、事態の急展開についていけていない様だ。
権力の濫用? いやいや、これは新公爵家当主への先行投資でヴァレンヌ王国安泰のためだ。問題ない。
「落ち着けジェラール。とりあえず、ロザリアが淹れてくれた紅茶を飲んで落ち着け」
「はっはい……グ、ゲホッゲホ」
俺の言葉に従って、ジェラールは紅茶を飲み干して咽せた。
その様子を見て、父が嘆息すると、母が微笑みながら「貴方が私とお茶を初めて飲んだときも同じ様に咽せてましたね」と宥めた。
この後、ジェラールがヴィクトリア嬢を順当に射止めたとは行かず、ひと騒動あるのだが、それはまた別の話。
後の世に俺とロザリアはヴァレンヌ王国がヴァレンヌ帝国と名を変える切っ掛けをつくった中興の祖として歴史に名を残すことになった。
0
お気に入りに追加
1,077
あなたにおすすめの小説
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
なぜ身分制度の恩恵を受けていて、平等こそ理想だと罵るのか?
紫月夜宵
ファンタジー
相変わらずn番煎じのファンタジーというか軽いざまぁ系。
悪役令嬢の逆ざまぁとか虐げられていた方が正当に自分を守って、相手をやり込める話好きなんですよね。
今回は悪役令嬢は出てきません。
ただ愚か者達が自分のしでかした事に対する罰を受けているだけです。
仕出かした内容はご想像にお任せします。
問題を起こした後からのものです。
基本的に軽いざまぁ?程度しかないです。
ざまぁ と言ってもお仕置き程度で、拷問だとか瀕死だとか人死にだとか物騒なものは出てきません。
平等とは本当に幸せなのか?
それが今回の命題ですかね。
生まれが高貴だったとしても、何の功績もなければただの子供ですよね。
生まれがラッキーだっただけの。
似たような話はいっぱいでしょうが、オマージュと思って下さい。
なんちゃってファンタジーです。
時折書きたくなる愚かな者のざまぁ系です。
設定ガバガバの状態なので、適当にフィルターかけて読んで頂けると有り難いです。
読んだ後のクレームは受け付けませんので、ご了承下さい。
上記の事が大丈夫でしたらどうぞ。
別のサイトにも投稿中。
元聖女だった少女は我が道を往く
春の小径
ファンタジー
突然入ってきた王子や取り巻きたちに聖室を荒らされた。
彼らは先代聖女様の棺を蹴り倒し、聖石まで蹴り倒した。
「聖女は必要がない」と言われた新たな聖女になるはずだったわたし。
その言葉は取り返しのつかない事態を招く。
でも、もうわたしには関係ない。
だって神に見捨てられたこの世界に聖女は二度と現れない。
わたしが聖女となることもない。
─── それは誓約だったから
☆これは聖女物ではありません
☆他社でも公開はじめました
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ
Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」
結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。
「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」
とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。
リリーナは結界魔術師2級を所持している。
ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。
……本当なら……ね。
※完結まで執筆済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる