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第2章 自由連合同盟都市国家メルキオール 首都メルキオール編
第49話 強制連鎖イベントはやっぱりエスケイプ不可能で嫌な仕事な件
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「生存者ゼロ。家畜もここにあるのは全て死亡済みっと」
俺達がお邪魔しているのは豚鬼の集団に襲われた女冒険者パーティーが訪れてその後滅亡が確認されていた名もない村だ。
メルキオールから歩いて大体1日の距離で村の規模として拡大中で、中規模。立地はかなりいい場所だ。
その辺に転がっている死体はご年配の女性達を除いて、全員男。
数体ではあったが、豚鬼の死体もあったから、この村は豚鬼の集団によって壊滅したと考えられる。
残念だが、連れ攫われたと思われる村の女性達の救出は絶望的だ。
「ユウ様、お言いつけの通り、遺品の確認は終わりましたが、特に価値のあると思えるものはありませんでした」
「魔導具関連もなかった?」
「はい」
そう報告してくれたのは今回臨時でパーティーを組むことになったメンバーの1人。
目を惹く大きな胸と白い肌に流麗な白髪。胸元が大きく開いているロングスカートのメイド服を着こなして、なんちゃってメイド感があるクロエとは対照的な落ち着きのある物腰。
某国産戦艦擬人化ゲームに出てくるベル○ァ○トを彷彿とさせる見事なルックスの女性だ。性格は沈着冷静で、今のところ俺は今回の依頼で会ってからこれまで、彼女の笑顔を見たことはない。
ちなみにこの娘さんのお名前はベルリアーナさんと言う。俺は本人の許可を貰ってベルさんと呼ばせてもらっている。
彼女の年齢は飛鳥と同じで、ヘリオスギルド総長の孫。更に現商人ギルド長を父に、元先々代魔術師ギルド長の愛娘で現従者ギルドで副ギルド長の母に持つサラブレッド。
職は魔術師メインでサブにメイドと俺の【鑑定】が勝手に自動発動して表示した。
俺の【鑑定】は初見の相手のステータスを自動表示できるまでになった。この自動表示は受動発動であり、相手に察知されない特性がある。更にスキル【足跡】で後から参照することもできる。
元の世界のプライバシー云々の意識があるから、抵抗があるけれども、この世界では生き残るためには四の五の言っていられないので、敵対することにならない限り、俺は飛鳥とクロエであっても口外しないことにしている。
今回彼女が同行したのはヘリオスギルド長経由で彼の息子の商人ギルド長が俺達との接点を作るために今回の調査依頼に合わせて、ベルリアーナ嬢が派遣されてきたのである。
今回の調査依頼の目的は大きく2つ、1つは壊滅した村の現状確認と処分。もう1つは豚鬼共の巣の特定と可能であれば殲滅だ。
裏話になるが、この廃村から命からがらメルキオールに到着していた村人は実はいた。そう過去形である。
Q:彼等は今どこにいるか?
A:北門担当だったクズ衛兵共の手によって、全員メルキオールの無縁墓地の土の中。
一番甘い汁吸っていた団長は公開処刑。彼の家族は連座で犯罪奴隷落ち。取り調べで甘い汁吸っていたのが判明した部下達も犯罪奴隷になって、今頃鉱山で汗水流しているであろう。
話を戻して、壊滅した村は腐臭と蛆と蠅がフィーバーしている疫病の発生源になる危険地帯だった。
俺の創り出した【生活魔術】の【消臭】がないと鼻が死ぬレベルで、辺りに広がる18禁Gレベルのグロ光景もクロノエクソスの腐乱肢体(生きていたから死体に非ず)に勝るとも劣らないレベルだ。
今回同行していたベテラン2パーティーも耐え切れないレベルの悪臭+グロ光景のため、人造人馬兵のケイロン以外の俺と飛鳥を含むメンバー全員がしばらくリバース状態でしばらく行動不能になっていた。クロエは悪臭でダウン。流石にこれに慣れると人として危険な気がする。
ちなみに【生活魔術】の【消臭】は対象と対象の周囲1mに臭いの発生源があれば、悪臭の元になる分子を破壊する。効果時間は6時間。使えるのは俺と飛鳥とクロエだけなので、3人で今回の調査参加メンバー全員に付与した。これでしばらくは安心。
証拠映像も撮影した上、もう有効な手がかりになりそうなものは見つからない。伝染病の温床となるのを防ぐため、
満場一致でクロエの【メガ・フレア】でこの村を焼滅させることが決まった。
再び炸裂したクロエの【メガ・フレア】の威力は凄まじく、村の中心に着弾直後に青白いドーム状爆発を形成して範囲内のものを蒸発させた。流石に地面がガラス化現象を起こす超高熱にさらされれば病原細菌も生き延びることはできまい。
俺、飛鳥、クロエ、ケイロンを除いて一番最初にその光景を見て、再起動が早かったバルガスのとっつぁんが終始今回の調査参加メンバー達に俺達と敵対するようなことはしないように警告をしていた。
未だ余熱が残っていた更地を調査参加メンバーで【水魔術】と【氷魔術】を使える者総出で冷却し、今回はここで野営をすることになった。
寝泊りする場所は俺が【土魔術】の【石工】で以前オディオ王国潜伏時に作った建物を3つ造りだして、其々利用してもらう。部屋数なども熟達したおかげで増えている。
調査参加メンバーで魔術の心得がある者達は揃って呆然としていたが、俺は飛鳥とクロエは気にせず建物のなかに入った。
その後の話し合いで、交代で見張りを立てるという案が挙がるも、睡眠を必要としないケイロンと俺が【錬金術】の【石造兵作製】で造り出した下級石兵に不寝番をお願いし、襲撃があったら起こしてもらうよう指示を出して休むことになった。
そして、本日の夕食は野外キャンプの定番かつ鉄板のカレーライスだ。他のパーティーは干し肉などの味気ない保存食を食べるつもりだったようだが、折角なので誘ってみた。
カレールウは宿木亭の料理長にお願いして作って貰った激辛のオリジナルと研究中の中辛。【空間収納】に用意できるだけお願いしていたから少なくとも、今回のメンバーで6食分はある……はず。
調査時に嫌でも直視することになった腐肉の影響で焼き肉類は流石に無理があった俺だが、カレーの中にあるブロック肉は大丈夫だった。もちろん、トッピングのオークカツなども完備している。
肉が駄目なメンバーも具のないルウだけでもカレーは長時間煮込んで野菜や肉が溶け込んでいるので食べるのに問題なかったようだ。
「「「「うめええええ!」」」
「「「おいしい!?」」」
新たにカレーライスの魅力の虜になって其々目の前のカレーライスを食べる者達と、
「ううまいぞおおおおおおおおお!」
職権濫用してでも、食べることに固執して、両目から滝のように涙を流しながら、激辛カレーライスを食べる組織の長、
『うむうむ、やはりどっちのカレーも、カレー!、食べずにはいられない!!のじゃ♪』
カレーにすっかり魅せられて、トッピング全載で激辛と中辛のカレールウを分断している超特大盛りカレーライスを怒涛の勢いで貪る人外の幼竜(人間形態)。
本来の食事は専ら俺が与える魔力球のはずだが、いつの間にか嗜好品と入れ替わっているクロエ。
「ああ、やっぱり美味しいです」
「……」
中辛をにこにこ笑顔で食べていく飛鳥と、無言で味をかみ締めてカレーライス(中辛)を食べるベルさんに挟まれて、三者三様を眺めながら、クロエと同じ超特大盛りカレーライスを俺はマイペースに食べている。
少しはやまったかもしれないと思わなくもないが、もったいないお化けを召喚する訳にはいかないので完食してくれる!
「マスター、周囲10kmニ敵影ハアリマセン。フム、ワタシニハ食事トイウノハ必要ナイノデスガ、皆サンノ様子ヲ見ルト非常ニ興味深イデスネ」
パカラパカラとケイロンがやってきた。
「お疲れ様ケイロン。う~ん、食事をケイロンの場合で例えるならば、大気中魔力から魔力を吸収するのが普通の食事で、俺やクロエなどの相性のいい体内魔力を送られて魔力を吸収するのが、ごちそうを食べるときのイメージに近いと思うぞ」
「……ナルホド」
俺の説明にケイロンが顎に手を当てた人間味のある思案顔で納得した。
「っと、大丈夫ですか? ベル?」
珍しい驚きの表情で固まったベルさんの手から零れ落ちたスプーンを地面に落ちる前に確保して彼女に差し出したのはベルさんと一緒に今回臨時で俺達のパーティーに加わることになったバルタザール騎士王国出身の珍しい女性盾騎士のシルビア・デメテリス。
シルビアの容姿は金髪にして後ろで束ねている以外はまんま色違いのF○Oのマ○ュ・キ○エ○イ○……。但し、装備は全く違う動き辛そうな全身鎧に大盾だ。
バルタザール騎士王国の由緒正しき公爵家の令嬢だそうで、婚約者である騎士王国の王子が留学しているメルキオールの学園に通っている。
社会経験として、冒険者ギルドに登録するも、出自もあってパーティーを組む相手がおらず、意気消沈して低ランク依頼をこなす日々を過ごしていたところを親がコネでバルガスのとっつぁんに今回の依頼に乗じてねじ込んだらしい。
「……ええ、ありがとうございます。シルビィ」
ベルさんとシルビアは親同士も親友同士ということもあってお互い愛称で呼ぶほど仲がいい。年齢はシルビアが1つ下。
意図せずパーティー内の女性率が上がったが、ベルさんとはビジネスの付き合いだし、俺に彼女は分不相応。彼女にもその気はない模様。シルビア嬢に至っては身分違いと婚約者がいるから完全対象外。
そもそも、俺は飛鳥とクロエがいればいいし、パーティーメンバーも盾役のケイロンがいるから増やすつもりはないのだが……ままならぬ。
今回限りと自分に言い聞かせつつ、一先ずこの後に控えている厄介ごとを意識の外に追い出して、俺は目の前のご馳走の山に集中することにした。
俺達がお邪魔しているのは豚鬼の集団に襲われた女冒険者パーティーが訪れてその後滅亡が確認されていた名もない村だ。
メルキオールから歩いて大体1日の距離で村の規模として拡大中で、中規模。立地はかなりいい場所だ。
その辺に転がっている死体はご年配の女性達を除いて、全員男。
数体ではあったが、豚鬼の死体もあったから、この村は豚鬼の集団によって壊滅したと考えられる。
残念だが、連れ攫われたと思われる村の女性達の救出は絶望的だ。
「ユウ様、お言いつけの通り、遺品の確認は終わりましたが、特に価値のあると思えるものはありませんでした」
「魔導具関連もなかった?」
「はい」
そう報告してくれたのは今回臨時でパーティーを組むことになったメンバーの1人。
目を惹く大きな胸と白い肌に流麗な白髪。胸元が大きく開いているロングスカートのメイド服を着こなして、なんちゃってメイド感があるクロエとは対照的な落ち着きのある物腰。
某国産戦艦擬人化ゲームに出てくるベル○ァ○トを彷彿とさせる見事なルックスの女性だ。性格は沈着冷静で、今のところ俺は今回の依頼で会ってからこれまで、彼女の笑顔を見たことはない。
ちなみにこの娘さんのお名前はベルリアーナさんと言う。俺は本人の許可を貰ってベルさんと呼ばせてもらっている。
彼女の年齢は飛鳥と同じで、ヘリオスギルド総長の孫。更に現商人ギルド長を父に、元先々代魔術師ギルド長の愛娘で現従者ギルドで副ギルド長の母に持つサラブレッド。
職は魔術師メインでサブにメイドと俺の【鑑定】が勝手に自動発動して表示した。
俺の【鑑定】は初見の相手のステータスを自動表示できるまでになった。この自動表示は受動発動であり、相手に察知されない特性がある。更にスキル【足跡】で後から参照することもできる。
元の世界のプライバシー云々の意識があるから、抵抗があるけれども、この世界では生き残るためには四の五の言っていられないので、敵対することにならない限り、俺は飛鳥とクロエであっても口外しないことにしている。
今回彼女が同行したのはヘリオスギルド長経由で彼の息子の商人ギルド長が俺達との接点を作るために今回の調査依頼に合わせて、ベルリアーナ嬢が派遣されてきたのである。
今回の調査依頼の目的は大きく2つ、1つは壊滅した村の現状確認と処分。もう1つは豚鬼共の巣の特定と可能であれば殲滅だ。
裏話になるが、この廃村から命からがらメルキオールに到着していた村人は実はいた。そう過去形である。
Q:彼等は今どこにいるか?
A:北門担当だったクズ衛兵共の手によって、全員メルキオールの無縁墓地の土の中。
一番甘い汁吸っていた団長は公開処刑。彼の家族は連座で犯罪奴隷落ち。取り調べで甘い汁吸っていたのが判明した部下達も犯罪奴隷になって、今頃鉱山で汗水流しているであろう。
話を戻して、壊滅した村は腐臭と蛆と蠅がフィーバーしている疫病の発生源になる危険地帯だった。
俺の創り出した【生活魔術】の【消臭】がないと鼻が死ぬレベルで、辺りに広がる18禁Gレベルのグロ光景もクロノエクソスの腐乱肢体(生きていたから死体に非ず)に勝るとも劣らないレベルだ。
今回同行していたベテラン2パーティーも耐え切れないレベルの悪臭+グロ光景のため、人造人馬兵のケイロン以外の俺と飛鳥を含むメンバー全員がしばらくリバース状態でしばらく行動不能になっていた。クロエは悪臭でダウン。流石にこれに慣れると人として危険な気がする。
ちなみに【生活魔術】の【消臭】は対象と対象の周囲1mに臭いの発生源があれば、悪臭の元になる分子を破壊する。効果時間は6時間。使えるのは俺と飛鳥とクロエだけなので、3人で今回の調査参加メンバー全員に付与した。これでしばらくは安心。
証拠映像も撮影した上、もう有効な手がかりになりそうなものは見つからない。伝染病の温床となるのを防ぐため、
満場一致でクロエの【メガ・フレア】でこの村を焼滅させることが決まった。
再び炸裂したクロエの【メガ・フレア】の威力は凄まじく、村の中心に着弾直後に青白いドーム状爆発を形成して範囲内のものを蒸発させた。流石に地面がガラス化現象を起こす超高熱にさらされれば病原細菌も生き延びることはできまい。
俺、飛鳥、クロエ、ケイロンを除いて一番最初にその光景を見て、再起動が早かったバルガスのとっつぁんが終始今回の調査参加メンバー達に俺達と敵対するようなことはしないように警告をしていた。
未だ余熱が残っていた更地を調査参加メンバーで【水魔術】と【氷魔術】を使える者総出で冷却し、今回はここで野営をすることになった。
寝泊りする場所は俺が【土魔術】の【石工】で以前オディオ王国潜伏時に作った建物を3つ造りだして、其々利用してもらう。部屋数なども熟達したおかげで増えている。
調査参加メンバーで魔術の心得がある者達は揃って呆然としていたが、俺は飛鳥とクロエは気にせず建物のなかに入った。
その後の話し合いで、交代で見張りを立てるという案が挙がるも、睡眠を必要としないケイロンと俺が【錬金術】の【石造兵作製】で造り出した下級石兵に不寝番をお願いし、襲撃があったら起こしてもらうよう指示を出して休むことになった。
そして、本日の夕食は野外キャンプの定番かつ鉄板のカレーライスだ。他のパーティーは干し肉などの味気ない保存食を食べるつもりだったようだが、折角なので誘ってみた。
カレールウは宿木亭の料理長にお願いして作って貰った激辛のオリジナルと研究中の中辛。【空間収納】に用意できるだけお願いしていたから少なくとも、今回のメンバーで6食分はある……はず。
調査時に嫌でも直視することになった腐肉の影響で焼き肉類は流石に無理があった俺だが、カレーの中にあるブロック肉は大丈夫だった。もちろん、トッピングのオークカツなども完備している。
肉が駄目なメンバーも具のないルウだけでもカレーは長時間煮込んで野菜や肉が溶け込んでいるので食べるのに問題なかったようだ。
「「「「うめええええ!」」」
「「「おいしい!?」」」
新たにカレーライスの魅力の虜になって其々目の前のカレーライスを食べる者達と、
「ううまいぞおおおおおおおおお!」
職権濫用してでも、食べることに固執して、両目から滝のように涙を流しながら、激辛カレーライスを食べる組織の長、
『うむうむ、やはりどっちのカレーも、カレー!、食べずにはいられない!!のじゃ♪』
カレーにすっかり魅せられて、トッピング全載で激辛と中辛のカレールウを分断している超特大盛りカレーライスを怒涛の勢いで貪る人外の幼竜(人間形態)。
本来の食事は専ら俺が与える魔力球のはずだが、いつの間にか嗜好品と入れ替わっているクロエ。
「ああ、やっぱり美味しいです」
「……」
中辛をにこにこ笑顔で食べていく飛鳥と、無言で味をかみ締めてカレーライス(中辛)を食べるベルさんに挟まれて、三者三様を眺めながら、クロエと同じ超特大盛りカレーライスを俺はマイペースに食べている。
少しはやまったかもしれないと思わなくもないが、もったいないお化けを召喚する訳にはいかないので完食してくれる!
「マスター、周囲10kmニ敵影ハアリマセン。フム、ワタシニハ食事トイウノハ必要ナイノデスガ、皆サンノ様子ヲ見ルト非常ニ興味深イデスネ」
パカラパカラとケイロンがやってきた。
「お疲れ様ケイロン。う~ん、食事をケイロンの場合で例えるならば、大気中魔力から魔力を吸収するのが普通の食事で、俺やクロエなどの相性のいい体内魔力を送られて魔力を吸収するのが、ごちそうを食べるときのイメージに近いと思うぞ」
「……ナルホド」
俺の説明にケイロンが顎に手を当てた人間味のある思案顔で納得した。
「っと、大丈夫ですか? ベル?」
珍しい驚きの表情で固まったベルさんの手から零れ落ちたスプーンを地面に落ちる前に確保して彼女に差し出したのはベルさんと一緒に今回臨時で俺達のパーティーに加わることになったバルタザール騎士王国出身の珍しい女性盾騎士のシルビア・デメテリス。
シルビアの容姿は金髪にして後ろで束ねている以外はまんま色違いのF○Oのマ○ュ・キ○エ○イ○……。但し、装備は全く違う動き辛そうな全身鎧に大盾だ。
バルタザール騎士王国の由緒正しき公爵家の令嬢だそうで、婚約者である騎士王国の王子が留学しているメルキオールの学園に通っている。
社会経験として、冒険者ギルドに登録するも、出自もあってパーティーを組む相手がおらず、意気消沈して低ランク依頼をこなす日々を過ごしていたところを親がコネでバルガスのとっつぁんに今回の依頼に乗じてねじ込んだらしい。
「……ええ、ありがとうございます。シルビィ」
ベルさんとシルビアは親同士も親友同士ということもあってお互い愛称で呼ぶほど仲がいい。年齢はシルビアが1つ下。
意図せずパーティー内の女性率が上がったが、ベルさんとはビジネスの付き合いだし、俺に彼女は分不相応。彼女にもその気はない模様。シルビア嬢に至っては身分違いと婚約者がいるから完全対象外。
そもそも、俺は飛鳥とクロエがいればいいし、パーティーメンバーも盾役のケイロンがいるから増やすつもりはないのだが……ままならぬ。
今回限りと自分に言い聞かせつつ、一先ずこの後に控えている厄介ごとを意識の外に追い出して、俺は目の前のご馳走の山に集中することにした。
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