3 / 13
第03話 指令②犬と一緒にお庭で遊べ?!
しおりを挟む
学院の休みとなる週末。
ポーリーンが様子を見に来てくれた。
「どう? アーロン犬の飼育生活は」
「そんな言い方は······。でも、貴女の指示のおかげで何とかやれてるわ」
「そうねえ、やっぱり以前から知ってるだけあってアーロンなら平気みたいね?」
「たしかに。もっと怖いかと思ったら、そんな事ないわ」
そう、私は今までが嘘のように、アーロンにはそこまで怖さを感じない。
お父様やティム程とは言えないけれど、あの犬耳帽を被ったアーロンはお間抜けなペットのようで······
いけない! 侯爵家ご子息様相手に失礼なことを考えてしまった。
ポーリーンはにやにやしつつ、「やはり私の作戦は完璧なのね!」と胸を張っている。
「ねえ、これから外に出ない? ギブソン家が新しく買った別邸にね、とても可愛い花が咲いているのよ。まだ使用人もほとんど居ないから、お庭は私達だけよ」
ガスター領とギブソン領は隣り合わせにある。
その別邸というのは、とある貴族がギブソン領内に所有していた別荘を買い取ったもので、まだ軽く邸内の手入れを済ませただけで、どなたもお住みになっていないのだという。
そこに今、白くて可愛い小花が沢山咲いているらしいので、庭園を本格的に整えられる前に見に行こうというのだ。
「白いお花······いいわね、行ってみたいわ」
「ええっ! 姉様お出かけしちゃうの? クーン」
振り向くといつの間にか犬耳帽を装着したティムがやって来ていて、自分も行きたいと駄々をこね出した。
「いいわよ、ティムも行きましょう! その代わりクローディアの言うことをよく聞いてね」
「もちろんさ! ワンワーン!!」
「しかしティムも犬がよく似合うわね。素敵よティム」
「ワオーン!」
「······くるくる回ると目を回すわよ、ティム」
作った私が言うのもなんだけれど、この頃いつもあれを被っているティム。
すっかり喜び方が犬になってしまったわね。
◇ ◇ ◇
ギブソン家の別邸は、ガスター家から馬車で一時間ちょっとのところにあった。
「わあ! いいところだねえ、姉様! ワン」
街から少し離れた森のそばに在るここは、たしかに別荘という形で建てられた造りのようで、邸宅の大きさはさほどでもないがその分サンルームや馬車寄せ、庭園、厩舎などに贅沢な広さを取られている。
また前の持ち主は小さなお子さんが居らしたのか、子供が喜びそうな遊具も見えて微笑ましい。
それらを見たティムは、馬車から降りてすぐに走り出しそうに興奮している。
「いいわよティム、探検してきて! それからクローディア、白い花は奥の方だけど、どこでも好きに見ていて。私は中の者にお茶を頼んでくるわ」
「ワッフワッフ!!」
「ありがとう、ポーリーン」
二人がそれぞれ行ってしまったので、私はお目当ての白い花達を見に行くことにした。
ボーリーンに教わったとおり、邸宅の奥に回って歩いていると、ぽつぽつと白い花が咲いているのが目に入るようになった。
――イベリスの花だったのね。私このお花が好きだったから嬉しいわ。
もう少し、もう少しと歩を進めていると、花や実をつける樹木が繋がった先に、一面の白い花と温室が見えた。
「ここかしら······?」
そう思って並木道を通ると、その木で休んでいたらしい小鳥が一斉に飛び立った。
その羽音の大きさに思わず声を上げてしまう、と。
「ワンワンワワーン!」
「きゃああ······あれ?」
足元にモフモフした物体がまとわりついている。
この子は······
「トビィだよ、懐かしいでしょ」
アーロンがニコニコしながら私を見下ろしていた。
「アーロン。来ていたのね」
「あ、今日はトビィの飼い主だから、僕は犬帽子がないんだった。大丈夫かな?」
「ええ······。あ、お邪魔してます。ポーリーンにティムと一緒に呼んでもらったの」
「ワンワン!」
久しぶりのトビィはそれでも私を覚えているのか、私達の周りを行き来しては大喜びしている。
随分大きくなったけど可愛いわ。
「あ、クローディアはイベリスの群生を見に来たの? ならもう少し奥だよ」
今日のアーロンはあっさりとした服装だったので聞いてみると、トビィのお遊びついでに別邸の手入れを手伝いに来たのだそう。
アーロンに先導してもらって温室まで行くと、そこは真っ白なイベリスの花が咲き誇っていた。
キャンディタフトとも呼ばれるこの花は、その甘い匂いも相まってまさに砂糖菓子のような可愛らしさ。
「ここは温室が建てられているくらいだから、他より日当たりが良くてイベリスも育ちやすかったのだろうね」
「ふふっ、そうね。みんな同じ方を向いていて可愛いわ」
「愛しの太陽を求めて顔を向けているようだね」
「ワン!」
遊びたくてたまらないトビィに付き合って、アーロンはよく動いていた。
枯葉の山に飛び込もうとするトビィを追いかけて、『待て』だの『よし』だのの声を聞くと、何だかおかしい。
「クローディア、どうして笑うの?」
「だって、いつもは私がアーロンに言ってることだわ」
「僕はクローディアの犬だからね! ワン」
「帽子がないのに犬なの? トビィの主なのに!」
「ご要望にお答えして如何様にも」
私は近くのベンチに腰かけながら、美しいイベリスを眺めながらアーロンとトビィのじゃれ合いを楽しんだ。
「ふふふ、どっちが犬なのかしら」
◇ ◇ ◇
「クローディア、奥はすごかったでしょう?」
サンルームに移動して、ポーリーンとお茶で休憩させていただいた。
外から見た時も思ったけれど、なかなかの広さのものでとても気持ちがいい。
上の階よりもせり出した造りなので、軒の部分が半ドーム状の天窓のようになっていて室内とは言え開放的だ。
随分大きなソファもあったので、ここで横になりながら夜空を見上げるのも素敵そうだ。
別荘らしい空間の使い方だと思う。
「ええ、もしかして以前の持ち主様はイベリスがお好きだったのかしら?」
「あれだけ育ってたものねえ。種が飛んで広がったのかしら」
「僕も好きだよ。はい、これ。持って帰ってね。ワン」
アーロンがやって来て、抱えられない程の大きなイベリスの白い花束を贈ってくれた。
「綺麗ね、ありがとう。いい匂いだわ」
切り立てのイベリスは甘い甘い匂い。シュガーポットを開けた時のようで優しい気持ちになる。
「そうだアーロン。ティムを見なかった?」
「今はトビィと遊んでいるんだ。呼んでくるよ」
アーロンが席を立つと、さっそくお菓子を摘み出したポーリーンは「どう?」と聞いてきた。
「どうって?」
「アーロンよ。今日は犬帽子被ってないし。ガスター家以外で男性に会ったわけだけど、動悸息切れその他体調におかしなところはない?」
「······平気だったわ」
「ふふふ、練習の成果ね」
と、そこへティムとアーロンとトビィの遠吠え合戦が聞こえてくる。
アオーン。
ワオーン。
ウォンウォンウォーン。
「······何をしてるのかしら、あの人達」
「まあ放っておいて、お茶いただきましょう」
遠吠えはまだ続いている。
「そういえばその花、なかなか可愛い花言葉だったのよね。知ってる?」
「いいえ、知らないわ」
「アーロンは好きみたいで、タウンハウスの方でもこの花を育ててるわ。思い出があるみたいなの」
「そうなの? たしかに可愛らしい花だもの。よい思い出なのね」
気づいたらほとんどのお菓子はポーリーンが食べてしまっていた。
「さあ、二人が戻ってきたらそろそろ支度しないと!」
「ポーリーン、すごいわ······」
「イベリスの甘い匂いを嗅いでると食欲が増すのよね」
ポーリーンはにっこり笑って膝のハンカチを畳み、カップの残りを飲み干した。
「でも感謝してるわ」
「なあによ? 突然」
「色々よ」
ポーリーンが様子を見に来てくれた。
「どう? アーロン犬の飼育生活は」
「そんな言い方は······。でも、貴女の指示のおかげで何とかやれてるわ」
「そうねえ、やっぱり以前から知ってるだけあってアーロンなら平気みたいね?」
「たしかに。もっと怖いかと思ったら、そんな事ないわ」
そう、私は今までが嘘のように、アーロンにはそこまで怖さを感じない。
お父様やティム程とは言えないけれど、あの犬耳帽を被ったアーロンはお間抜けなペットのようで······
いけない! 侯爵家ご子息様相手に失礼なことを考えてしまった。
ポーリーンはにやにやしつつ、「やはり私の作戦は完璧なのね!」と胸を張っている。
「ねえ、これから外に出ない? ギブソン家が新しく買った別邸にね、とても可愛い花が咲いているのよ。まだ使用人もほとんど居ないから、お庭は私達だけよ」
ガスター領とギブソン領は隣り合わせにある。
その別邸というのは、とある貴族がギブソン領内に所有していた別荘を買い取ったもので、まだ軽く邸内の手入れを済ませただけで、どなたもお住みになっていないのだという。
そこに今、白くて可愛い小花が沢山咲いているらしいので、庭園を本格的に整えられる前に見に行こうというのだ。
「白いお花······いいわね、行ってみたいわ」
「ええっ! 姉様お出かけしちゃうの? クーン」
振り向くといつの間にか犬耳帽を装着したティムがやって来ていて、自分も行きたいと駄々をこね出した。
「いいわよ、ティムも行きましょう! その代わりクローディアの言うことをよく聞いてね」
「もちろんさ! ワンワーン!!」
「しかしティムも犬がよく似合うわね。素敵よティム」
「ワオーン!」
「······くるくる回ると目を回すわよ、ティム」
作った私が言うのもなんだけれど、この頃いつもあれを被っているティム。
すっかり喜び方が犬になってしまったわね。
◇ ◇ ◇
ギブソン家の別邸は、ガスター家から馬車で一時間ちょっとのところにあった。
「わあ! いいところだねえ、姉様! ワン」
街から少し離れた森のそばに在るここは、たしかに別荘という形で建てられた造りのようで、邸宅の大きさはさほどでもないがその分サンルームや馬車寄せ、庭園、厩舎などに贅沢な広さを取られている。
また前の持ち主は小さなお子さんが居らしたのか、子供が喜びそうな遊具も見えて微笑ましい。
それらを見たティムは、馬車から降りてすぐに走り出しそうに興奮している。
「いいわよティム、探検してきて! それからクローディア、白い花は奥の方だけど、どこでも好きに見ていて。私は中の者にお茶を頼んでくるわ」
「ワッフワッフ!!」
「ありがとう、ポーリーン」
二人がそれぞれ行ってしまったので、私はお目当ての白い花達を見に行くことにした。
ボーリーンに教わったとおり、邸宅の奥に回って歩いていると、ぽつぽつと白い花が咲いているのが目に入るようになった。
――イベリスの花だったのね。私このお花が好きだったから嬉しいわ。
もう少し、もう少しと歩を進めていると、花や実をつける樹木が繋がった先に、一面の白い花と温室が見えた。
「ここかしら······?」
そう思って並木道を通ると、その木で休んでいたらしい小鳥が一斉に飛び立った。
その羽音の大きさに思わず声を上げてしまう、と。
「ワンワンワワーン!」
「きゃああ······あれ?」
足元にモフモフした物体がまとわりついている。
この子は······
「トビィだよ、懐かしいでしょ」
アーロンがニコニコしながら私を見下ろしていた。
「アーロン。来ていたのね」
「あ、今日はトビィの飼い主だから、僕は犬帽子がないんだった。大丈夫かな?」
「ええ······。あ、お邪魔してます。ポーリーンにティムと一緒に呼んでもらったの」
「ワンワン!」
久しぶりのトビィはそれでも私を覚えているのか、私達の周りを行き来しては大喜びしている。
随分大きくなったけど可愛いわ。
「あ、クローディアはイベリスの群生を見に来たの? ならもう少し奥だよ」
今日のアーロンはあっさりとした服装だったので聞いてみると、トビィのお遊びついでに別邸の手入れを手伝いに来たのだそう。
アーロンに先導してもらって温室まで行くと、そこは真っ白なイベリスの花が咲き誇っていた。
キャンディタフトとも呼ばれるこの花は、その甘い匂いも相まってまさに砂糖菓子のような可愛らしさ。
「ここは温室が建てられているくらいだから、他より日当たりが良くてイベリスも育ちやすかったのだろうね」
「ふふっ、そうね。みんな同じ方を向いていて可愛いわ」
「愛しの太陽を求めて顔を向けているようだね」
「ワン!」
遊びたくてたまらないトビィに付き合って、アーロンはよく動いていた。
枯葉の山に飛び込もうとするトビィを追いかけて、『待て』だの『よし』だのの声を聞くと、何だかおかしい。
「クローディア、どうして笑うの?」
「だって、いつもは私がアーロンに言ってることだわ」
「僕はクローディアの犬だからね! ワン」
「帽子がないのに犬なの? トビィの主なのに!」
「ご要望にお答えして如何様にも」
私は近くのベンチに腰かけながら、美しいイベリスを眺めながらアーロンとトビィのじゃれ合いを楽しんだ。
「ふふふ、どっちが犬なのかしら」
◇ ◇ ◇
「クローディア、奥はすごかったでしょう?」
サンルームに移動して、ポーリーンとお茶で休憩させていただいた。
外から見た時も思ったけれど、なかなかの広さのものでとても気持ちがいい。
上の階よりもせり出した造りなので、軒の部分が半ドーム状の天窓のようになっていて室内とは言え開放的だ。
随分大きなソファもあったので、ここで横になりながら夜空を見上げるのも素敵そうだ。
別荘らしい空間の使い方だと思う。
「ええ、もしかして以前の持ち主様はイベリスがお好きだったのかしら?」
「あれだけ育ってたものねえ。種が飛んで広がったのかしら」
「僕も好きだよ。はい、これ。持って帰ってね。ワン」
アーロンがやって来て、抱えられない程の大きなイベリスの白い花束を贈ってくれた。
「綺麗ね、ありがとう。いい匂いだわ」
切り立てのイベリスは甘い甘い匂い。シュガーポットを開けた時のようで優しい気持ちになる。
「そうだアーロン。ティムを見なかった?」
「今はトビィと遊んでいるんだ。呼んでくるよ」
アーロンが席を立つと、さっそくお菓子を摘み出したポーリーンは「どう?」と聞いてきた。
「どうって?」
「アーロンよ。今日は犬帽子被ってないし。ガスター家以外で男性に会ったわけだけど、動悸息切れその他体調におかしなところはない?」
「······平気だったわ」
「ふふふ、練習の成果ね」
と、そこへティムとアーロンとトビィの遠吠え合戦が聞こえてくる。
アオーン。
ワオーン。
ウォンウォンウォーン。
「······何をしてるのかしら、あの人達」
「まあ放っておいて、お茶いただきましょう」
遠吠えはまだ続いている。
「そういえばその花、なかなか可愛い花言葉だったのよね。知ってる?」
「いいえ、知らないわ」
「アーロンは好きみたいで、タウンハウスの方でもこの花を育ててるわ。思い出があるみたいなの」
「そうなの? たしかに可愛らしい花だもの。よい思い出なのね」
気づいたらほとんどのお菓子はポーリーンが食べてしまっていた。
「さあ、二人が戻ってきたらそろそろ支度しないと!」
「ポーリーン、すごいわ······」
「イベリスの甘い匂いを嗅いでると食欲が増すのよね」
ポーリーンはにっこり笑って膝のハンカチを畳み、カップの残りを飲み干した。
「でも感謝してるわ」
「なあによ? 突然」
「色々よ」
15
お気に入りに追加
139
あなたにおすすめの小説
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。
政略結婚だと思っていたのに、将軍閣下は歌姫兼業王女を溺愛してきます
蓮恭
恋愛
――エリザベート王女の声は呪いの声。『白の王妃』が亡くなったのも、呪いの声を持つ王女を産んだから。あの嗄れた声を聞いたら最後、死んでしまう。ーー
母親である白の王妃ことコルネリアが亡くなった際、そんな風に言われて口を聞く事を禁じられたアルント王国の王女、エリザベートは口が聞けない人形姫と呼ばれている。
しかしエリザベートの声はただの掠れた声(ハスキーボイス)というだけで、呪いの声などでは無かった。
普段から城の別棟に軟禁状態のエリザベートは、時折城を抜け出して幼馴染であり乳兄妹のワルターが座長を務める旅芸人の一座で歌を歌い、銀髪の歌姫として人気を博していた。
そんな中、隣国の英雄でアルント王国の危機をも救ってくれた将軍アルフレートとエリザベートとの政略結婚の話が持ち上がる。
エリザベートを想う幼馴染乳兄妹のワルターをはじめ、妙に距離が近い謎多き美丈夫ガーラン、そして政略結婚の相手で無骨な武人アルフレート将軍など様々なタイプのイケメンが登場。
意地悪な継母王妃にその娘王女達も大概意地悪ですが、何故かエリザベートに悪意を持つ悪役令嬢軍人(?)のレネ様にも注目です。
◆小説家になろうにも掲載中です
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉。祝、サレ妻コミカライズ化
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――

前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!
鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……!
前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。
正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。
そして、気づけば違う世界に転生!
けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ!
私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……?
前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー!
※第15回恋愛大賞にエントリーしてます!
開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです!
よろしくお願いします!!

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜
晴行
恋愛
乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。
見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。
これは主人公であるアリシアの物語。
わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。
窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。
「つまらないわ」
わたしはいつも不機嫌。
どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。
あーあ、もうやめた。
なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。
このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。
仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。
__それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。
頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。
の、はずだったのだけれど。
アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。
ストーリーがなかなか始まらない。
これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。
カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?
それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?
わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?
毎日つくれ? ふざけるな。
……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?
【完結】もったいないですわ!乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢は、今日も生徒会活動に勤しむ~経済を回してる?それってただの無駄遣いですわ!~
鬼ヶ咲あちたん
恋愛
内容も知らない乙女ゲームの世界に転生してしまった悪役令嬢は、ヒロインや攻略対象者たちを放って今日も生徒会活動に勤しむ。もったいないおばけは日本人の心! まだ使える物を捨ててしまうなんて、もったいないですわ! 悪役令嬢が取り組む『もったいない革命』に、だんだん生徒会役員たちは巻き込まれていく。「このゲームのヒロインは私なのよ!?」荒れるヒロインから一方的に恨まれる悪役令嬢はどうなってしまうのか?

転生先は推しの婚約者のご令嬢でした
真咲
恋愛
馬に蹴られた私エイミー・シュタットフェルトは前世の記憶を取り戻し、大好きな乙女ゲームの最推し第二王子のリチャード様の婚約者に転生したことに気が付いた。
ライバルキャラではあるけれど悪役令嬢ではない。
ざまぁもないし、行きつく先は円満な婚約解消。
推しが尊い。だからこそ幸せになってほしい。
ヒロインと恋をして幸せになるならその時は身を引く覚悟はできている。
けれども婚約解消のその時までは、推しの隣にいる事をどうか許してほしいのです。
※「小説家になろう」にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる