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神の肉体
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この世に存在する神は一柱ではない。
そもそも世界は一つではなく無数近く存在し、それと同じように神も数えきれない程存在する。
故に、神という存在はもはや種族分類でしかない。
《それらを神族と表現し、全ての種族全体の上位種と呼べます》
ということは私たち人間は神から見たら下等種族でしかない。それに、種族ということは神も生きているということ?
《正確に表現するならば、神はエネルギーの塊である概念であり、「生きている」とは形容しがたいですが、エネルギーがなくなれば自然と消滅します。そして、エネルギーに完全同化せず肉体を持っている神、地上で暮らす神を亜神と表現します》
そして、この世界を現在支配している女神も神族である。
《神族には「義務」が存在し、それは世界を創造し生命を創るというものです。これができない神は神と呼べないものとなり、女神にも自分の世界が存在します》
今この世界を手中に収めているあの女神は二つの世界を同時に管理しているということ。
《二つの世界を管理する女神は簡単に地上で暴れることはできません。そして何より、神が自らの手で劣等種に手を出すことはほとんどありません》
下等なる我々に手を出すというのは一種の恥である。劣等種如きに怒ってるとかないわーっていうことらしい。
《先ほど神はエネルギー体と言いましたね。では、そのエネルギーとは一体何のことでしょう》
世界の創造するだけのエネルギー。
《それは「魔力」です。エネルギー体である彼女ら神たちは魔力量というものに限界がありません。よって、自身の魔力を使えば全てが実現できます》
通常魔力を閉じ込めて保管する必要がある人間の体とは違い、神々は自身そのものがエネルギーであるため、どれだけ魔力を使おうと湯水の如く湧いて出てくる。人間の私でさえ、やろうと思えば地形を変えることができる程度には力があるのだから、神々はレベルが違うのだろう。
《では、これによって何が言えると思いますか?》
何が言えるって……そりゃああれよ!あれ……。
《エネルギー体である彼らには物理攻撃、ましてや魔力攻撃は通用せず、むしろ攻撃を何倍にして跳ね返すことすらも可能です》
マレスティーナが勝てないと言っている理由がわかった気がする。マレスティーナの結界は確かに攻撃のほとんどを無効化することができるけど、私の『話術』は無効化できなかったし、おそらく魔力量次第では割られてしまうかもしれない。
《そして、誰もが気になっているであろう『劣等種の身で上位種である神々に勝つことはできるのか』という話ですが……》
おっと?権限レベル2の段階でそんな話が聞けるとは!でも、聞けるということはその程度の価値しかないということじゃ……。
《結論から申し上げると、それはわかりません》
デスヨネー
《ですが、わからないと定義した理由は過去に前例がないからであり、人の身で神に近しい力を手に入れて、いまだに生きながらえる人物はおります》
まじか!神に近しい力を手に入れたら、神々から狙われたりしないのかな?劣等種のくせに調子に乗ってって!
でもそっか、神から手を出すのは恥ずかしいことだったね。
その人はこの世界でまだ生きてるの?
《残念ながらこの世界の住人ではなく、別の世界の住人です。ただ、その人物が証明したように、劣等種も神に近い力を手に入れることは可能なのです。そう言った劣等種から成り上がった存在を『弱神』と言います》
弱いって言われちゃってるよ……。
でも、弱神だとしてもそれが大勢集まれば神にだって対抗できるかもね。実際、マレスティーナだってそのつもりで私たちと同じ選抜者を集めているわけだし。
ちなみに、弱神はどれくらい強いの?
《簡単な世界なら一人で創造可能です》
それは……亜空間とかではなく?
《空間そのものです》
それは確かに神様だ……。まだまだ先は長そうだな。
って、何で私は弱神を目指そうとしているんだ?
(というか、かなり理不尽じゃない?今考えてみれば、私はただ平穏に暮らしたいだけなのに勝手に選抜者に選ばれて、世界を救えって言われてもよくわからないんですが?)
《それをサポートし、導くために私が送られたのです。大丈夫、今のペースで『進化』を続けていけば寿命で死ぬ前には弱神になれるかもしれません》
かもしれませんって……それに私の寿命ってあと1000年くらいじゃん。その間に死なない保証はないってのに……やっぱ理不尽だ。
今の私の成長速度といったら半端じゃないよ?何なら選抜者に選ばれてステータス……私には見えないが……が大きく上昇して、一度死んで生き返ったことで、肉体と魔力が大幅強化された。
ただ、それでも人間と同じ劣等種の龍族と同程度とか、そのくらいだ。
《弱神はそこら辺にいる亜神よりも強く、肉体を持ちながらエネルギー体であるという不思議な状態にあります。そして、今の主の状態はエネルギー体にすらなれていません。ただの肉体です》
はいはいそうですか……って、そういえば『粒子化』のスキルがあったような?
もしかして、それを使って粒子になることができたら、エネルギー体に一歩近づくのでは?
《肯定します。それをいえば、個体名フォーマは主よりも弱神に近しいと言えるでしょう》
じゃあ、何でフォーマは肉体のままなの?エネルギー体になるんじゃないの?
《それは粒子化している最中しかエネルギー体になれていないからです。そして、そのエネルギーを感じることすら彼女はできていません。逆にいえば、彼女が粒子化を常時発動できるようになり、更にエネルギーの源を感じ取ることができれば、この世界の誰よりも強い劣等種になれます》
やっば!フォーマがそう簡単にくたばるわけないから、まだどこかで生き残って自由奔放に過ごしているはずだ。
その間、主人である私が先に強くならなくちゃね!フォーマに先越されてたまるかってんだい。
《そのいきです》
権限レベル2で得られる情報はそのくらいだった。ひとまず、粒子化の力を操れない私にはまだ早いということだけはわかった。
「今目指すべきなのは何だろう?」
最終目標は弱神……でも、弱神は神に勝てていない。ということは最終目標は……
《神々すらも恐れる神々が崇める『神』になることです》
なれるか!
そもそも世界は一つではなく無数近く存在し、それと同じように神も数えきれない程存在する。
故に、神という存在はもはや種族分類でしかない。
《それらを神族と表現し、全ての種族全体の上位種と呼べます》
ということは私たち人間は神から見たら下等種族でしかない。それに、種族ということは神も生きているということ?
《正確に表現するならば、神はエネルギーの塊である概念であり、「生きている」とは形容しがたいですが、エネルギーがなくなれば自然と消滅します。そして、エネルギーに完全同化せず肉体を持っている神、地上で暮らす神を亜神と表現します》
そして、この世界を現在支配している女神も神族である。
《神族には「義務」が存在し、それは世界を創造し生命を創るというものです。これができない神は神と呼べないものとなり、女神にも自分の世界が存在します》
今この世界を手中に収めているあの女神は二つの世界を同時に管理しているということ。
《二つの世界を管理する女神は簡単に地上で暴れることはできません。そして何より、神が自らの手で劣等種に手を出すことはほとんどありません》
下等なる我々に手を出すというのは一種の恥である。劣等種如きに怒ってるとかないわーっていうことらしい。
《先ほど神はエネルギー体と言いましたね。では、そのエネルギーとは一体何のことでしょう》
世界の創造するだけのエネルギー。
《それは「魔力」です。エネルギー体である彼女ら神たちは魔力量というものに限界がありません。よって、自身の魔力を使えば全てが実現できます》
通常魔力を閉じ込めて保管する必要がある人間の体とは違い、神々は自身そのものがエネルギーであるため、どれだけ魔力を使おうと湯水の如く湧いて出てくる。人間の私でさえ、やろうと思えば地形を変えることができる程度には力があるのだから、神々はレベルが違うのだろう。
《では、これによって何が言えると思いますか?》
何が言えるって……そりゃああれよ!あれ……。
《エネルギー体である彼らには物理攻撃、ましてや魔力攻撃は通用せず、むしろ攻撃を何倍にして跳ね返すことすらも可能です》
マレスティーナが勝てないと言っている理由がわかった気がする。マレスティーナの結界は確かに攻撃のほとんどを無効化することができるけど、私の『話術』は無効化できなかったし、おそらく魔力量次第では割られてしまうかもしれない。
《そして、誰もが気になっているであろう『劣等種の身で上位種である神々に勝つことはできるのか』という話ですが……》
おっと?権限レベル2の段階でそんな話が聞けるとは!でも、聞けるということはその程度の価値しかないということじゃ……。
《結論から申し上げると、それはわかりません》
デスヨネー
《ですが、わからないと定義した理由は過去に前例がないからであり、人の身で神に近しい力を手に入れて、いまだに生きながらえる人物はおります》
まじか!神に近しい力を手に入れたら、神々から狙われたりしないのかな?劣等種のくせに調子に乗ってって!
でもそっか、神から手を出すのは恥ずかしいことだったね。
その人はこの世界でまだ生きてるの?
《残念ながらこの世界の住人ではなく、別の世界の住人です。ただ、その人物が証明したように、劣等種も神に近い力を手に入れることは可能なのです。そう言った劣等種から成り上がった存在を『弱神』と言います》
弱いって言われちゃってるよ……。
でも、弱神だとしてもそれが大勢集まれば神にだって対抗できるかもね。実際、マレスティーナだってそのつもりで私たちと同じ選抜者を集めているわけだし。
ちなみに、弱神はどれくらい強いの?
《簡単な世界なら一人で創造可能です》
それは……亜空間とかではなく?
《空間そのものです》
それは確かに神様だ……。まだまだ先は長そうだな。
って、何で私は弱神を目指そうとしているんだ?
(というか、かなり理不尽じゃない?今考えてみれば、私はただ平穏に暮らしたいだけなのに勝手に選抜者に選ばれて、世界を救えって言われてもよくわからないんですが?)
《それをサポートし、導くために私が送られたのです。大丈夫、今のペースで『進化』を続けていけば寿命で死ぬ前には弱神になれるかもしれません》
かもしれませんって……それに私の寿命ってあと1000年くらいじゃん。その間に死なない保証はないってのに……やっぱ理不尽だ。
今の私の成長速度といったら半端じゃないよ?何なら選抜者に選ばれてステータス……私には見えないが……が大きく上昇して、一度死んで生き返ったことで、肉体と魔力が大幅強化された。
ただ、それでも人間と同じ劣等種の龍族と同程度とか、そのくらいだ。
《弱神はそこら辺にいる亜神よりも強く、肉体を持ちながらエネルギー体であるという不思議な状態にあります。そして、今の主の状態はエネルギー体にすらなれていません。ただの肉体です》
はいはいそうですか……って、そういえば『粒子化』のスキルがあったような?
もしかして、それを使って粒子になることができたら、エネルギー体に一歩近づくのでは?
《肯定します。それをいえば、個体名フォーマは主よりも弱神に近しいと言えるでしょう》
じゃあ、何でフォーマは肉体のままなの?エネルギー体になるんじゃないの?
《それは粒子化している最中しかエネルギー体になれていないからです。そして、そのエネルギーを感じることすら彼女はできていません。逆にいえば、彼女が粒子化を常時発動できるようになり、更にエネルギーの源を感じ取ることができれば、この世界の誰よりも強い劣等種になれます》
やっば!フォーマがそう簡単にくたばるわけないから、まだどこかで生き残って自由奔放に過ごしているはずだ。
その間、主人である私が先に強くならなくちゃね!フォーマに先越されてたまるかってんだい。
《そのいきです》
権限レベル2で得られる情報はそのくらいだった。ひとまず、粒子化の力を操れない私にはまだ早いということだけはわかった。
「今目指すべきなのは何だろう?」
最終目標は弱神……でも、弱神は神に勝てていない。ということは最終目標は……
《神々すらも恐れる神々が崇める『神』になることです》
なれるか!
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