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私の生徒たち
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私は、とある教室の前に立ち尽くす。
「やばい……昨日全然寝れなかった……」
気づけば二年ぶりに再会したらしいオリビアと、夜中延々に話し続けていた。その内容は案の定と思うものもあれば意外に思うものもあった。
まず初めに、突如正体不明の黒い影がオリビアに襲い掛かってきたんだと。
一言だけ、私から言わせてもらえば、
(とびっちりまじすんませんした……)
その影とやら、のちのち神官に聞いてみれば悪魔だということが判明した。
うん、やっぱりオリビアも狙われてしまったらしい。
しかし、そこは優しき聖女候補のオリビア。
そのおかげで、聖女としてふさわしい実力があると認められ聖女になれたそうな。うん、そう言ってくれるだけで私の心は救われるよ。
そして、少々驚いたのは私の婚約者である殿下が公爵家の捜索隊を派遣するように言っていたらしい。
嫌われていないことは分かったていたけど、まさかここまでしてくれるなんて……。
だったら、なんで前世では私のことを処刑したのだろうか?
何かしらあるのかもしれないが、それだけ殿下がうちの家族を気にかけてくれているということにしておこう。
ああ、そうそう。
そういえば、レイも悪魔らしきものに狙われたとか言っていたそうだ。
無論、レイも心優しかったおかげかはわからないけど、持ち前の実力で逆に悪魔に拷問をしかけていたという話をオリビアから聞いた時は心臓が飛び出るかと思った……。
「……っと、今はこのくらいにしておいた方がよさそうね」
目の前にそびえたつ大きな入り口に向き直る。まずは、新任教師としてあいさつが第一としての課題だ。
人間第一印象が一番大事ともいわれる。しょっぱなから変な先生だと思われないように気を付けなければ!
そして、今日はレオ君とユーリはいない。なぜなら二人は、副教師だからである。
どういう意味かというと、副教師は教師である私のサポートが主な仕事であるため、教室に顔を出すことは少ない。
理事長監修のもと、雑務を頑張って行っているのだ。
オリビアも自分の教室に戻っていってしまったし、レイはここの教室じゃないらしいし……
「……よし、覚悟は決まった!」
私は扉を開けた。
――そして、上空から水が降ってくる。
「ぎゃはははは!引っかかったな新任きょう……し?」
と男の声で聞こえてくる。
水が降ってきたのは扉が開くと作動する罠が魔法としてかかっていたのだろう。
まあ、あいさつに緊張していた私はそんなことに気づくほどの余裕はなかったのだが。
「ちょっと!?男子たち、謝りなよ!」
そう言って、一人の女子がこちらに駆け寄ってくる。
髪を短く切った黒髪の少女で、どことなく異質なものを感じた。
(なんだろう、こ・の・世・界・に・住・ん・で・い・な・い・という感じがする)
その女子生徒がきれいな花柄のハンカチを取り出して、私の顔を拭いてくれた。
「大丈夫?お母さんとお父さんはいる?」
「……はい?」
そこでようやく気付いた。
ここは大学院。つまりは、自分よりも年上が集まる学校である。
それすなわち、私は教師と思われていないということだ。
それは由々しき事態だ!
(変な先生に思われないか心配してたのに、先生とすら思われていないなんて!)
そこで、何かが吹っ切れた。もう、何もかもどうでもよくなったように、私は歩き出す。
「あっ」
「ハンカチ、ありがとうね」
「え、うん……?」
女子生徒が疑問符を浮かべている間に私は中央にある教壇の上に立つ。
まあ、身長が低いせいで、椅子を用意しないと教壇から顔を出すことが出来ないのが、難点だったが。
そこで、私に魔法で水をかけたと思われる男子生徒から、驚愕の声が上がった。
「お、おい!何で、お前みたいなガキが名簿帳なんて持ってるんだよ!?」
ふと生徒たちが座る席の方に顔を向けてみれば、今度は私が少し驚く羽目になった。
「全員、黒髪?珍しい教室ね」
そう思いながら、私はその男子生徒の質問に答える。
「先生に向かって、ガキとは何よ?」
そういうと、だいたい二十人ほどいるクラスはシーンと静まり返った。入り口に目をやればハンカチを持ったまま女子生徒が呆然としている。
「何をしているの?早く席に着きなさい」
「え?あ、はっはい!」
慌てて自分の席に戻っていく女子生徒の姿を確認し、
「それでは、ホームルームを始めます」
そう宣言すると、
「おいおい!冗談はやめてくれや嬢ちゃん」
黒髪をオールバックにしたその男子生徒は、机に自分の足を乗せて私に指を指す。
「お前みたいなちんちくりんが、俺たち『転移者』の指導係が務まるものかよ!」
「転移者?」
話には聞いたことがある。
勇者となるべくして生まれた者たちのことを、転移者もしくは転生者と呼ぶという記載をどこかで見た覚えがある。
「なるほど、理事長にしてやられたわけか」
ただの教育係で済むはずもなかったか。
一応私、この世界じゃ有名人だしね。
「あの、すみません!」
「はい、なんですか?」
先ほどの女子生徒が手を挙げて、質問をしてくる。その内容は至極当然の疑問であった。
「先生ってどうみても私たちよりも若いですよね?本当に指導係……教師なんですか?」
「はい、その通りです」
優しく微笑んで答えると、再びオールバックの男子生徒……なお、私の聴覚が端の方にいる女子生徒が彼のことを『ヤンキー』と呼んでいるのが聞こえたため、今後は彼をヤンキーと呼ぼう……ヤンキーは大声を張り上げて、主張する。
「俺らの指導係は全員何かしらの称号を持ってたり、とてつもなく強い人だらけだ。お前が教育者だってんなら、お前の称号を教えろよ!」
「いえねーだろうがな」と、勝ち誇ったような顔をしているヤンキー。
私としては、そういえばそんなのあったわね……といった感じだ。
確かに私も称号は持ってるのかな?
ただ、自分でそう名乗ったことは一度もなかった。
少々恥ずかしいがここは名乗っておくべきだろう。
そして、一つ……この時ばっかりはとあるバカ勇者に感謝しなければならなかったかもしれない。
そして、私は自己紹介を行う。
「私はベアトリス・フォン・アナトレス。巷では『勇者』と引き分けた『神童』と呼ばれてます――」
「やばい……昨日全然寝れなかった……」
気づけば二年ぶりに再会したらしいオリビアと、夜中延々に話し続けていた。その内容は案の定と思うものもあれば意外に思うものもあった。
まず初めに、突如正体不明の黒い影がオリビアに襲い掛かってきたんだと。
一言だけ、私から言わせてもらえば、
(とびっちりまじすんませんした……)
その影とやら、のちのち神官に聞いてみれば悪魔だということが判明した。
うん、やっぱりオリビアも狙われてしまったらしい。
しかし、そこは優しき聖女候補のオリビア。
そのおかげで、聖女としてふさわしい実力があると認められ聖女になれたそうな。うん、そう言ってくれるだけで私の心は救われるよ。
そして、少々驚いたのは私の婚約者である殿下が公爵家の捜索隊を派遣するように言っていたらしい。
嫌われていないことは分かったていたけど、まさかここまでしてくれるなんて……。
だったら、なんで前世では私のことを処刑したのだろうか?
何かしらあるのかもしれないが、それだけ殿下がうちの家族を気にかけてくれているということにしておこう。
ああ、そうそう。
そういえば、レイも悪魔らしきものに狙われたとか言っていたそうだ。
無論、レイも心優しかったおかげかはわからないけど、持ち前の実力で逆に悪魔に拷問をしかけていたという話をオリビアから聞いた時は心臓が飛び出るかと思った……。
「……っと、今はこのくらいにしておいた方がよさそうね」
目の前にそびえたつ大きな入り口に向き直る。まずは、新任教師としてあいさつが第一としての課題だ。
人間第一印象が一番大事ともいわれる。しょっぱなから変な先生だと思われないように気を付けなければ!
そして、今日はレオ君とユーリはいない。なぜなら二人は、副教師だからである。
どういう意味かというと、副教師は教師である私のサポートが主な仕事であるため、教室に顔を出すことは少ない。
理事長監修のもと、雑務を頑張って行っているのだ。
オリビアも自分の教室に戻っていってしまったし、レイはここの教室じゃないらしいし……
「……よし、覚悟は決まった!」
私は扉を開けた。
――そして、上空から水が降ってくる。
「ぎゃはははは!引っかかったな新任きょう……し?」
と男の声で聞こえてくる。
水が降ってきたのは扉が開くと作動する罠が魔法としてかかっていたのだろう。
まあ、あいさつに緊張していた私はそんなことに気づくほどの余裕はなかったのだが。
「ちょっと!?男子たち、謝りなよ!」
そう言って、一人の女子がこちらに駆け寄ってくる。
髪を短く切った黒髪の少女で、どことなく異質なものを感じた。
(なんだろう、こ・の・世・界・に・住・ん・で・い・な・い・という感じがする)
その女子生徒がきれいな花柄のハンカチを取り出して、私の顔を拭いてくれた。
「大丈夫?お母さんとお父さんはいる?」
「……はい?」
そこでようやく気付いた。
ここは大学院。つまりは、自分よりも年上が集まる学校である。
それすなわち、私は教師と思われていないということだ。
それは由々しき事態だ!
(変な先生に思われないか心配してたのに、先生とすら思われていないなんて!)
そこで、何かが吹っ切れた。もう、何もかもどうでもよくなったように、私は歩き出す。
「あっ」
「ハンカチ、ありがとうね」
「え、うん……?」
女子生徒が疑問符を浮かべている間に私は中央にある教壇の上に立つ。
まあ、身長が低いせいで、椅子を用意しないと教壇から顔を出すことが出来ないのが、難点だったが。
そこで、私に魔法で水をかけたと思われる男子生徒から、驚愕の声が上がった。
「お、おい!何で、お前みたいなガキが名簿帳なんて持ってるんだよ!?」
ふと生徒たちが座る席の方に顔を向けてみれば、今度は私が少し驚く羽目になった。
「全員、黒髪?珍しい教室ね」
そう思いながら、私はその男子生徒の質問に答える。
「先生に向かって、ガキとは何よ?」
そういうと、だいたい二十人ほどいるクラスはシーンと静まり返った。入り口に目をやればハンカチを持ったまま女子生徒が呆然としている。
「何をしているの?早く席に着きなさい」
「え?あ、はっはい!」
慌てて自分の席に戻っていく女子生徒の姿を確認し、
「それでは、ホームルームを始めます」
そう宣言すると、
「おいおい!冗談はやめてくれや嬢ちゃん」
黒髪をオールバックにしたその男子生徒は、机に自分の足を乗せて私に指を指す。
「お前みたいなちんちくりんが、俺たち『転移者』の指導係が務まるものかよ!」
「転移者?」
話には聞いたことがある。
勇者となるべくして生まれた者たちのことを、転移者もしくは転生者と呼ぶという記載をどこかで見た覚えがある。
「なるほど、理事長にしてやられたわけか」
ただの教育係で済むはずもなかったか。
一応私、この世界じゃ有名人だしね。
「あの、すみません!」
「はい、なんですか?」
先ほどの女子生徒が手を挙げて、質問をしてくる。その内容は至極当然の疑問であった。
「先生ってどうみても私たちよりも若いですよね?本当に指導係……教師なんですか?」
「はい、その通りです」
優しく微笑んで答えると、再びオールバックの男子生徒……なお、私の聴覚が端の方にいる女子生徒が彼のことを『ヤンキー』と呼んでいるのが聞こえたため、今後は彼をヤンキーと呼ぼう……ヤンキーは大声を張り上げて、主張する。
「俺らの指導係は全員何かしらの称号を持ってたり、とてつもなく強い人だらけだ。お前が教育者だってんなら、お前の称号を教えろよ!」
「いえねーだろうがな」と、勝ち誇ったような顔をしているヤンキー。
私としては、そういえばそんなのあったわね……といった感じだ。
確かに私も称号は持ってるのかな?
ただ、自分でそう名乗ったことは一度もなかった。
少々恥ずかしいがここは名乗っておくべきだろう。
そして、一つ……この時ばっかりはとあるバカ勇者に感謝しなければならなかったかもしれない。
そして、私は自己紹介を行う。
「私はベアトリス・フォン・アナトレス。巷では『勇者』と引き分けた『神童』と呼ばれてます――」
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