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組織勧誘
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「は?なに……を……?」
その場にいた全員が固まってしまった。
今度は強欲の独壇場と化した。
「あのさー、ベアトリス」
「!」
「私が、本当に感情薄いとか思ってた?」
「それは、どういう……?」
剣を引き抜いて、強欲はこちらを向く。
笑顔で……それは、嘘偽りのない様子だった。
「んなわけないでしょ?なに?無欲だとでも思った?」
「でも……いつも、つまらなさそうで……」
「私も演技がうまくなってみたいね」
「え?」
「四百年前、私は吸血鬼に殺されかけた。もちろん、私はかかわったやつ全員殺した。だけどね、それじゃつまらなかったの。殺してもさー面白くなかったんだよ。だったらさ!私がこの国を治めて、全員奴隷にしてみようかなって思ったのよ!」
そう言って、少年をどかし色欲に剣を突き立てた。
色欲ですら、私を本気で殺そうとしなかったのに、容赦しなかった。
「狂ってる……」
「狂ってる?バカにしないで。狂ってるのはあなたたち。弱肉強食の世の中で、仲良しこよししてるあなたたちがおかしいの。仲間愛、家族愛……くだらない!」
強欲は鼻で笑った。
まるで、私たちをバカにするかのように……いや、バカにしている。
「あ、忘れてたわ。憤怒?」
「……なんだよ」
「あなたと色欲を対立させようと仕向けたの、私なの。言い忘れてたわ」
「は?」
「私って、影で頑張るタイプだからさ!面白いくらいに私の予想通り動いてくれた助かったよ。出てくるとは思わなかったけどね」
憤怒さんが怒りに耐えきれずに突っ込んだ。
凄まじい早さだった。
そんな速度で、手に作った魔法を直接強欲にぶつける。
その相乗効果はえげつなく、きっと強欲だって傷を負うだろう。
そう思っていたのに……
「はいざんねーん。学習できないなら、そこら辺の有象無象と大して変わらないわね」
「っ!?」
強欲が手を動かして、何かをする。
それと同時に、憤怒さんのお腹に大きな穴が開いた。
大量の血を吐いて、憤怒さんが何歩か下がる。
「再生が……間に合わない……」
しまいには強欲に蹴飛ばされ、元の場所まで飛んでくる。
それを数人でキャッチする。
「やっぱりベアトリス、あなたについてきてよかった。こうして、色欲の弟を見つけられたし、それに……」
強欲が笑いながら、ネルネの方を見た。
「『怠惰の娘』もいたんだから!」
「怠惰?」
ネルネのつぶやきに再び高笑い。
「そんなことも知らなかったの?なんであなたが太陽の光を浴びても無事なのか知らない?遺伝?ある意味ではそうね。『怠惰』の権能は、『怠け』だもの!一切の何物にも干渉されない力!その子孫だったとしても、多少の力は引き継がれてるようね」
「でも……でも!私は痛みだって感じるし、火に触れたら熱く感じるし……」
「それは力が使いこなせてないだけ!あ、そうだ。もう一つ言うのを忘れていたわ。私、『強欲』の権能はあらゆるものを手に入れる力なの」
手を天に向けて掲げる強欲。
一体何をするのかと思えば、いつの間にか手の中に小さなナイフが握られていた。
「なーんでも作れちゃう。もちろん、『ベアトリスの力を無効化する力が欲しい』と願えば、あなたの攻撃は効かなくなるわけ」
なんだよ、それ……。
憤怒さんのあの攻撃も効かなくなるのか?
じゃあ、どうやって太刀打ちすれば……。
「おっと、暴れないでよ」
色欲が背後を狙って、魔法を放つが、すべて避けられた。
代わりとばかりに、色欲を剣で切りつけた。
「っっっ!」
「落ち着け、ベアトリス。あんたが行っても何も変わらない」
「でも!」
憤怒さんは首を縦に振ることはなかった。
「いいわね、長年我慢してきたかいがあるわ。こんなにも素敵な表情がたくさん見れるなんてね!」
あははは!
高笑いが続く最中、また一つ、変化があった。
「お邪魔しまー……なんかヤバそうなことになってるね」
そんなのんきな声が聞こえてきた。
のんきな声は、どうやら影の中から聞こえてくる。
そして、その中から何かが飛び出した。
人の形、見たことある顔。
「は?え、あなた……母様が殺したはず!」
「こっちこそ、は?だよ。勝手に人を殺すなよなベアトリス。まあ、死んだのは事実だけどね」
見た目は若干変わっているが、わかる。
肉体に乗り移る能力でもあるのだろうか?
『傀儡』は。
「あら、いらっしゃい。今パーティーをしてるのだけれど、あなたも混ざる?」
「へー、パーティーか。面白そうじゃん、俺も入れてー」
「ちょっと!何のんきなこと言ってるのよ!この状況分かってるの!?」
「わかってるさ」
そこで思い出す。
こいつは敵だったと。
(万事休す?)
「あなた、とっても強そうね。色欲とどっちが強い?」
「メアリに関する記憶の『操作』の術式は解除してあるし、今だったら俺かな?」
「そう」
強欲と、傀儡は笑みを浮かべあう。
それがとても恐ろしく、私は一歩も動けなかった。
「そして!ここで、一つお知らせがあります!」
傀儡がくるりと一回転して、言った。
「色欲君や」
「……………」
「君、解雇!」
「!」
「うちの組織に軟弱者はいらないしねー。ってことで、そこのお嬢さん!」
強欲を指名する。
「君、世界征服に興味はないかね?」
その場にいた全員が固まってしまった。
今度は強欲の独壇場と化した。
「あのさー、ベアトリス」
「!」
「私が、本当に感情薄いとか思ってた?」
「それは、どういう……?」
剣を引き抜いて、強欲はこちらを向く。
笑顔で……それは、嘘偽りのない様子だった。
「んなわけないでしょ?なに?無欲だとでも思った?」
「でも……いつも、つまらなさそうで……」
「私も演技がうまくなってみたいね」
「え?」
「四百年前、私は吸血鬼に殺されかけた。もちろん、私はかかわったやつ全員殺した。だけどね、それじゃつまらなかったの。殺してもさー面白くなかったんだよ。だったらさ!私がこの国を治めて、全員奴隷にしてみようかなって思ったのよ!」
そう言って、少年をどかし色欲に剣を突き立てた。
色欲ですら、私を本気で殺そうとしなかったのに、容赦しなかった。
「狂ってる……」
「狂ってる?バカにしないで。狂ってるのはあなたたち。弱肉強食の世の中で、仲良しこよししてるあなたたちがおかしいの。仲間愛、家族愛……くだらない!」
強欲は鼻で笑った。
まるで、私たちをバカにするかのように……いや、バカにしている。
「あ、忘れてたわ。憤怒?」
「……なんだよ」
「あなたと色欲を対立させようと仕向けたの、私なの。言い忘れてたわ」
「は?」
「私って、影で頑張るタイプだからさ!面白いくらいに私の予想通り動いてくれた助かったよ。出てくるとは思わなかったけどね」
憤怒さんが怒りに耐えきれずに突っ込んだ。
凄まじい早さだった。
そんな速度で、手に作った魔法を直接強欲にぶつける。
その相乗効果はえげつなく、きっと強欲だって傷を負うだろう。
そう思っていたのに……
「はいざんねーん。学習できないなら、そこら辺の有象無象と大して変わらないわね」
「っ!?」
強欲が手を動かして、何かをする。
それと同時に、憤怒さんのお腹に大きな穴が開いた。
大量の血を吐いて、憤怒さんが何歩か下がる。
「再生が……間に合わない……」
しまいには強欲に蹴飛ばされ、元の場所まで飛んでくる。
それを数人でキャッチする。
「やっぱりベアトリス、あなたについてきてよかった。こうして、色欲の弟を見つけられたし、それに……」
強欲が笑いながら、ネルネの方を見た。
「『怠惰の娘』もいたんだから!」
「怠惰?」
ネルネのつぶやきに再び高笑い。
「そんなことも知らなかったの?なんであなたが太陽の光を浴びても無事なのか知らない?遺伝?ある意味ではそうね。『怠惰』の権能は、『怠け』だもの!一切の何物にも干渉されない力!その子孫だったとしても、多少の力は引き継がれてるようね」
「でも……でも!私は痛みだって感じるし、火に触れたら熱く感じるし……」
「それは力が使いこなせてないだけ!あ、そうだ。もう一つ言うのを忘れていたわ。私、『強欲』の権能はあらゆるものを手に入れる力なの」
手を天に向けて掲げる強欲。
一体何をするのかと思えば、いつの間にか手の中に小さなナイフが握られていた。
「なーんでも作れちゃう。もちろん、『ベアトリスの力を無効化する力が欲しい』と願えば、あなたの攻撃は効かなくなるわけ」
なんだよ、それ……。
憤怒さんのあの攻撃も効かなくなるのか?
じゃあ、どうやって太刀打ちすれば……。
「おっと、暴れないでよ」
色欲が背後を狙って、魔法を放つが、すべて避けられた。
代わりとばかりに、色欲を剣で切りつけた。
「っっっ!」
「落ち着け、ベアトリス。あんたが行っても何も変わらない」
「でも!」
憤怒さんは首を縦に振ることはなかった。
「いいわね、長年我慢してきたかいがあるわ。こんなにも素敵な表情がたくさん見れるなんてね!」
あははは!
高笑いが続く最中、また一つ、変化があった。
「お邪魔しまー……なんかヤバそうなことになってるね」
そんなのんきな声が聞こえてきた。
のんきな声は、どうやら影の中から聞こえてくる。
そして、その中から何かが飛び出した。
人の形、見たことある顔。
「は?え、あなた……母様が殺したはず!」
「こっちこそ、は?だよ。勝手に人を殺すなよなベアトリス。まあ、死んだのは事実だけどね」
見た目は若干変わっているが、わかる。
肉体に乗り移る能力でもあるのだろうか?
『傀儡』は。
「あら、いらっしゃい。今パーティーをしてるのだけれど、あなたも混ざる?」
「へー、パーティーか。面白そうじゃん、俺も入れてー」
「ちょっと!何のんきなこと言ってるのよ!この状況分かってるの!?」
「わかってるさ」
そこで思い出す。
こいつは敵だったと。
(万事休す?)
「あなた、とっても強そうね。色欲とどっちが強い?」
「メアリに関する記憶の『操作』の術式は解除してあるし、今だったら俺かな?」
「そう」
強欲と、傀儡は笑みを浮かべあう。
それがとても恐ろしく、私は一歩も動けなかった。
「そして!ここで、一つお知らせがあります!」
傀儡がくるりと一回転して、言った。
「色欲君や」
「……………」
「君、解雇!」
「!」
「うちの組織に軟弱者はいらないしねー。ってことで、そこのお嬢さん!」
強欲を指名する。
「君、世界征服に興味はないかね?」
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