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大事な友達
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戦いはそんなに長くは続かない。
私たちレベルになると、戦いとは数分以内に終わるのだ。
もう、ね。
お互いが速すぎて、もはや一瞬で何度も攻防を繰り返すことになる。
そんな人外な戦闘は、そんなに長くは続かないのだ。
一つのミスで負けは確定する。
どちらが早くミスをしでかすかで勝敗は変わる。
早く迅速に攻撃を仕掛け、だからと言って丁寧さも忘れてはならない。
ミスなく相手を殺すことが最も重要だ。
だけど、私はそんなことするつもりはない。
相手が知人であり、友人であれば、そんな無残なことをするつもりはない。
つまり、私はただただ耐えることしかできないのだ。
長くなりそうなので結論を言ってしまおう。
私に勝機はない。
はい!
終わり!
私に相手を気絶させるほどの度胸はない。
力加減をミスれば、即お陀仏するのだ。
もちろんお陀仏するのは私である。
というわけで、オリビアからミンチにされかけています。
やめて!
肉塊になっちゃう!
と言っても、さすがの私も『身体強化』などを使用しているため、簡単に攻撃は当たらない。
高速移動をしているので、森内部は荒れに荒れまくっているが……。
そこは私のあずかり知らぬところ。
そんなわけで、私は今も必死に呼びかける。
「目を覚まして!」
と……。
その真摯な願いが通じたのか、いつしかオリビアの動きは止まった。
黒い服の怪しげな男と戦っていた女性があいつを倒したのか!?
どうやら操っていた黒幕だったようで……、女性は無事なのかな?
ふと気になり、女性の方を見てみれば、黒い男の首がコロコロと……。
(私は何も見ていない……)
そう心に信じ込ませて、私はオリビアの方に駆け寄る。
「オリビア!?オリビア!」
そう声をかける。
ただ、オリビアは何も喋らずに倒れる。
それを私は慌てて支えた。
(どういうこと?)
操っていた黒幕は倒したのに……。
オリビアが目覚めない。
気絶しているとか?
それだったらいいな。
「ベアトリス!」
そう呼びかけられる。
顔を動かし、声の方に視線を動かせば、
「トーヤ……」
「ごめん、色々とやらかしたみたいで……」
「トーヤ。後で説教してあげるから、覚悟しておきなさい」
そう言ってなんとか気まずい雰囲気を誤魔化す。
獣人君もなんとか生きていたようで……。
かなりトーヤにボコボコにされたっぽいけど、未だ立って歩けている分、君はすごいよ……。
女性も体から発する神々しい光を抑え、普通の女性(血塗れの)のようになり、こちらへ歩み寄る。
「ベアトリス、さん。その子は?」
「私の友達。だけど、なぜか目覚めないの」
獣人君のちょっとかすれた声が聞こえ、私はそれに答える。
その返答を聞いていた女性は、
「意識を支配されているみたい」
「!?」
「さっきの男とは別の人物に、この子の意識を押さえつけられているみたい」
詳しい説明は省いて、重要なことだけは伝わった。
つまり、さっきの男とは違う奴がオリビアを封じているわけか。
二重で封印する意味あったか?
それはきっとこの女性を警戒してでのことだろう。
だって、私と獣人君二人がかりで、武器を折るのがせいぜいだったのに対し、こっちは首ちょんぱしちゃったんだよ?
明らかに実力差が見えている。
「私にその……オリビアさんを貸してくれない?」
そう女性が私に聞いてくる。
私の腕の中にいるオリビアさんと女性の顔を交互に眺めて、私は無言で引き渡す。
「私の魔力……少しだけど入れてみるわ」
「それって意味あるんですか?」
「わからない。でも、この子の意思は強靭みたいよ。今も頑張って抵抗しているもの」
そんなのわかるの!?
とりあえずは一安心だ。
オリビアが動いてただけで、実は中身別人でしたー!
とか、そんなこと言われたらどうしようかと思ってた。
「内部から、抵抗しているなら、外部からも刺激を与えてあげるだけ……」
曰く、この封印は結界のようになっていて、オリビア側からは絶対に出れない。
そこで、外部から刺激を加え、壊れやすくすることで、オリビアの抵抗力でも抜け出せるようになるのだと。
私が女性の話から理解したのはこれだけだった。
でもなぜだろう?
女性はものすっごい緊張した様子だ。
私の友達だから大切に扱ってくれているのかな?
それとも、もっと別の……。
「いくわよ」
そう言って、魔力が流れ始める。
頭に手をかざしそこに魔力を注入していく。
それをみんなで見守る。
「……………!」
無言で力を加える。
その姿を見て、なぜだかオリビアが絶対に戻ってくると安堵してしまう自分がいた。
なぜか、そう感じたのだ。
それが正しかったと証明するかのように、
「う………?」
そんな声が聞こえた。
徐々にまぶたも動き始め、どうやら結界の殻を破ったようだ。
そして、オリビアは目を覚ました。
いつも通りの優しくて綺麗な笑顔が見えた。
いつものオリビアが戻ってきて、あの無表情は様子は消え去った。
そして、
「お久しぶりです……!」
「久しぶりね、オリビア!」
そう言って私も笑顔で返すのだった。
私たちレベルになると、戦いとは数分以内に終わるのだ。
もう、ね。
お互いが速すぎて、もはや一瞬で何度も攻防を繰り返すことになる。
そんな人外な戦闘は、そんなに長くは続かないのだ。
一つのミスで負けは確定する。
どちらが早くミスをしでかすかで勝敗は変わる。
早く迅速に攻撃を仕掛け、だからと言って丁寧さも忘れてはならない。
ミスなく相手を殺すことが最も重要だ。
だけど、私はそんなことするつもりはない。
相手が知人であり、友人であれば、そんな無残なことをするつもりはない。
つまり、私はただただ耐えることしかできないのだ。
長くなりそうなので結論を言ってしまおう。
私に勝機はない。
はい!
終わり!
私に相手を気絶させるほどの度胸はない。
力加減をミスれば、即お陀仏するのだ。
もちろんお陀仏するのは私である。
というわけで、オリビアからミンチにされかけています。
やめて!
肉塊になっちゃう!
と言っても、さすがの私も『身体強化』などを使用しているため、簡単に攻撃は当たらない。
高速移動をしているので、森内部は荒れに荒れまくっているが……。
そこは私のあずかり知らぬところ。
そんなわけで、私は今も必死に呼びかける。
「目を覚まして!」
と……。
その真摯な願いが通じたのか、いつしかオリビアの動きは止まった。
黒い服の怪しげな男と戦っていた女性があいつを倒したのか!?
どうやら操っていた黒幕だったようで……、女性は無事なのかな?
ふと気になり、女性の方を見てみれば、黒い男の首がコロコロと……。
(私は何も見ていない……)
そう心に信じ込ませて、私はオリビアの方に駆け寄る。
「オリビア!?オリビア!」
そう声をかける。
ただ、オリビアは何も喋らずに倒れる。
それを私は慌てて支えた。
(どういうこと?)
操っていた黒幕は倒したのに……。
オリビアが目覚めない。
気絶しているとか?
それだったらいいな。
「ベアトリス!」
そう呼びかけられる。
顔を動かし、声の方に視線を動かせば、
「トーヤ……」
「ごめん、色々とやらかしたみたいで……」
「トーヤ。後で説教してあげるから、覚悟しておきなさい」
そう言ってなんとか気まずい雰囲気を誤魔化す。
獣人君もなんとか生きていたようで……。
かなりトーヤにボコボコにされたっぽいけど、未だ立って歩けている分、君はすごいよ……。
女性も体から発する神々しい光を抑え、普通の女性(血塗れの)のようになり、こちらへ歩み寄る。
「ベアトリス、さん。その子は?」
「私の友達。だけど、なぜか目覚めないの」
獣人君のちょっとかすれた声が聞こえ、私はそれに答える。
その返答を聞いていた女性は、
「意識を支配されているみたい」
「!?」
「さっきの男とは別の人物に、この子の意識を押さえつけられているみたい」
詳しい説明は省いて、重要なことだけは伝わった。
つまり、さっきの男とは違う奴がオリビアを封じているわけか。
二重で封印する意味あったか?
それはきっとこの女性を警戒してでのことだろう。
だって、私と獣人君二人がかりで、武器を折るのがせいぜいだったのに対し、こっちは首ちょんぱしちゃったんだよ?
明らかに実力差が見えている。
「私にその……オリビアさんを貸してくれない?」
そう女性が私に聞いてくる。
私の腕の中にいるオリビアさんと女性の顔を交互に眺めて、私は無言で引き渡す。
「私の魔力……少しだけど入れてみるわ」
「それって意味あるんですか?」
「わからない。でも、この子の意思は強靭みたいよ。今も頑張って抵抗しているもの」
そんなのわかるの!?
とりあえずは一安心だ。
オリビアが動いてただけで、実は中身別人でしたー!
とか、そんなこと言われたらどうしようかと思ってた。
「内部から、抵抗しているなら、外部からも刺激を与えてあげるだけ……」
曰く、この封印は結界のようになっていて、オリビア側からは絶対に出れない。
そこで、外部から刺激を加え、壊れやすくすることで、オリビアの抵抗力でも抜け出せるようになるのだと。
私が女性の話から理解したのはこれだけだった。
でもなぜだろう?
女性はものすっごい緊張した様子だ。
私の友達だから大切に扱ってくれているのかな?
それとも、もっと別の……。
「いくわよ」
そう言って、魔力が流れ始める。
頭に手をかざしそこに魔力を注入していく。
それをみんなで見守る。
「……………!」
無言で力を加える。
その姿を見て、なぜだかオリビアが絶対に戻ってくると安堵してしまう自分がいた。
なぜか、そう感じたのだ。
それが正しかったと証明するかのように、
「う………?」
そんな声が聞こえた。
徐々にまぶたも動き始め、どうやら結界の殻を破ったようだ。
そして、オリビアは目を覚ました。
いつも通りの優しくて綺麗な笑顔が見えた。
いつものオリビアが戻ってきて、あの無表情は様子は消え去った。
そして、
「お久しぶりです……!」
「久しぶりね、オリビア!」
そう言って私も笑顔で返すのだった。
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