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次元が違うらしい
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前書き 投稿頻度を変えてみました。深夜を減らして昼間を増やします。
次に注目すべきはメガネ女子……ルーネの試合だ。
いや、確かに生徒会らしき奴らの試合も白熱していたが、正直に申し上げてしまえば、どうでもいい。
私にとっては他の一般生徒とあまり変わらない。
やっぱり全員が全員、物量とかにものを言わせるような戦い方をしている。
まあ、作戦をしっかり立てろとは言わないし、先生も注意してないのでいいのだろう。
私がわざわざ気にするべきところじゃないし。
というわけで、ルーネの試合だが……。
やっぱりルーネって感じがする。
さっき通り落ち着いた態度を崩していないあたりが、学級委員っぽい。
対処としては、近づいてこようとしてくる場合は衝撃波を放ち、遠距離は確実に魔法が当たるように範囲攻撃を行っている。
魔力の温存が厳しいが、これは練習試合のようなもの。
魔力を温存するよりもそっちの方が序盤から優位に立てる。
次の試合でどうするか見ものである。
まあ、次の試合に出るということで、一応勝ったっぽいかな?
「三回戦はレイナの相手をするんだ」
一人の生徒の方を先生がポンポンと叩く。
ある意味では死刑宣告とも受け取れる。
その人の成績によるけど、やっぱり編入試験三位の人と戦いたいと思うはずもなく、顔が硬っているのが見えた。
(せいぜい頑張るんだな、レイよ!)
だからといって油断できる相手ではないのは確かである。
なぜなら、ここはAクラス。
成績上位陣がたくさん集まっているのだ。
これすなわち、同じような実力の人が集まっているということ。
試合をすれば、実力の拮抗具合がよくわかることだろう。
「三回戦、はじめ!」
始まったと同時に相手が魔法を放った。
ファイヤーボール
単純だけど、威力がある魔法である。
っていうか、普通に殺傷能力が高い魔法なのだが、先生はそれでいいのか?
この程度では死なないと思っているのか?
先生の感性を疑うわ。
まあ、無事なんだけど。
レイだって馬鹿じゃないので、そんな簡単に攻撃を受けるわけがない。
というか、霊体だとそもそも攻撃が当たらないので、ほぼ相手側の生徒に勝ち目はないと言える。
「当たらなければ、どうってことないのよ」
「な、なんで当たらないの!?」
まあ、体すり抜けたらびびるよね。
そのままレイは徐々に距離を縮めていき……。
相手が降参の意を示し、その試合は勝ったようだ。
「次!ベアトリスだ」
名前を呼ばれ、私はレイと入れ替わりに進んでいく。
ここまで、編入組は余裕の勝利を収めている。
というわけで、私も余裕で勝利した方がいいのかな?
そう考えた私は、目の前に立つ生徒(名前は知らん)を見据える。
他の生徒とは違い、多少マシな戦いができそうな生徒だ。
根拠といえば、油断なく隙が少ないところだ。
試合がまだ始まっていないからと言って気を抜いている先ほどまでの生徒とは違うと言える。
ま、私には関係ないんだけどね。
「はじめ!」
その合図とともに、相手が魔法を放つ。
だが、それは私に当たることはなかった。
「はい、おしまい」
転移した私に背後をとられ気絶する。
「「「は?」」」
私は何事もなかったかのように、場外に出る。
「ベアちゃん。容赦なさすぎない?」
「あんぐらいいいじゃない。殺してないし」
「そういう、問題じゃないと思うんだけどなぁ」
レイが頭を抱えながら、そんなことを言ってくる。
「ベアは強いんだな……もっと勉強せねば」
ルーネはそんな私を見習おうとしてくれる!
見ろ!
これが本当の友達だ!
友達の見本だ!
もちろんレイも友達だけど、ルーネみたいなことは絶対言ってくれないし。
こればっかりは私の日頃の行いの問題なのかな?
「すごいですね、ベアトリスちゃん」
「え、あ、まあね」
話しかけてきたのはオリビアさんだった。
「でも、オリビアさんの方がすごいんじゃないの?一応首席合格だし」
「あ、はは。私にもできるのかな?」
「きっとできるよ!」
「うん、頑張ってみるね」
オリビアさん……どことなく嬉しそうな?
何にたいしてかは分からないが、とても喜んでいるように見えた。
そんなに『きっとできるよ!』って嬉しかったのかな?
確かに領民が貴族に元気付けられるようなこと、ほとんどないから嬉しいのかな……。
自分には分からないことなので、気にしないのが一番だろう。
っていうか、逆にオリビアさんが使った魔法、あれ、私まだできないんだけど?
やったことないので、試してみないと分からないってこと。
それを考えると、オリビアさんはオリビアさんですごいと言えるのだ。
反転の術式は高等部で習うはずなので、私が誰かに習うことはないだろう。
高等部まで、私が黙って学院にいるとでも?
答えはNoだ!
私は私で、勝手に覚えるからいいとしよう!
学院脱獄計画はもうすでに始まっているのだ!
♦︎♢♦︎♢♦︎
「うぇー、なんでベアトリスちゃんがいるの?」
「勝ち進んだからに決まってんじゃん」
「嘘つけ!わざと負けたくせに!」
「だって、ベアちゃん怖いんだもん!」
失敬な。
私は怖いことなんて一つもしていないぞ。
レイはさっきの試合……つまり準決勝というべき試合でわざと負けていたのだ。
なぜそれがわかったかといえば、攻撃をもろに食らったから。
霊体が攻撃を受けるわけないだろ!
ということで、私でも不正して負けたのに気づけたのである。
だから、私もわざと攻撃をくらって三位決定戦の試合に出ているのだ。
「もう、おしまいだぁ」
「そう思うんなら、諦めて、私の本気の魔法を食らいなさい」
「そっちの方がもっとやだ!」
その言葉と同時に先生がはじめの合図を出す。
もちろん使うのは転移。
速攻で仕留めるつもりでいく。
「させませんよ!」
攻撃をしてくるのかと思えば、そうではなかった。
背後に転移したが、その瞬間にはレイが消えていた。
「転移?」
「ふっふっふ、先に転移魔法をここら辺に張り巡らせていたのですよ!」
つまりは、試合の最中にそんなことをしていたというわけか。
魔法を設置して発動時間を短縮し、それを何回も行えるようにしたと……。
結論としては、私の魔力が先に尽きるか、それともレイの転移魔法のストックがなくなるかの根比べということだ。
「いいでしょう!受けてたつよ!」
「え?諦めてよ、もう!」
諦めるわけないでしょ。
レイを倒したいがため、私もわざわざ負けてきてやったんだから。
そうして、そこから約十数分の死闘が続いた。
♦︎♢♦︎♢♦︎
「「「いや、もう化け物やん……」」」
全員の心は一致していた。
一瞬だけ姿が見えたかと思えば消える。
それが続くのかと思いきや、今度は何もない空間で何かがぶつかり合う音が時々するだけとなった。
もう、姿が見えない。
ただ、そこにいることだけはわかった。
「ちょこまかと逃げないでよ!」
「そうしないと負けちゃうじゃん!」
可愛い言い争い……とも思えるようなしょうもない口喧嘩が聞こえてくる。
ライバル同士の熱い戦い?
とは、どうしても思えない。
試合は長引き、先生が止めようとしても、彼女たち二人には声が届いていないようだった。
「俺、ベアトリスに勝ったと思ってけど……わざとだったの?」
「一回目の試合で、ベアトリスは生徒会をぶっ倒してるからなぁ。一般人には勝てっこないさ」
「そういう次元じゃねえだろ……」
可哀想なことだ。
勝ったと思ったのはぬか喜びだったと知った時ほど悲しいことはないだろう。
見えない二人を見つめながら、クラスのほとんどが心に教訓を刻む。
(あの二人とは、絶対に戦っちゃダメだ)
と……。
次に注目すべきはメガネ女子……ルーネの試合だ。
いや、確かに生徒会らしき奴らの試合も白熱していたが、正直に申し上げてしまえば、どうでもいい。
私にとっては他の一般生徒とあまり変わらない。
やっぱり全員が全員、物量とかにものを言わせるような戦い方をしている。
まあ、作戦をしっかり立てろとは言わないし、先生も注意してないのでいいのだろう。
私がわざわざ気にするべきところじゃないし。
というわけで、ルーネの試合だが……。
やっぱりルーネって感じがする。
さっき通り落ち着いた態度を崩していないあたりが、学級委員っぽい。
対処としては、近づいてこようとしてくる場合は衝撃波を放ち、遠距離は確実に魔法が当たるように範囲攻撃を行っている。
魔力の温存が厳しいが、これは練習試合のようなもの。
魔力を温存するよりもそっちの方が序盤から優位に立てる。
次の試合でどうするか見ものである。
まあ、次の試合に出るということで、一応勝ったっぽいかな?
「三回戦はレイナの相手をするんだ」
一人の生徒の方を先生がポンポンと叩く。
ある意味では死刑宣告とも受け取れる。
その人の成績によるけど、やっぱり編入試験三位の人と戦いたいと思うはずもなく、顔が硬っているのが見えた。
(せいぜい頑張るんだな、レイよ!)
だからといって油断できる相手ではないのは確かである。
なぜなら、ここはAクラス。
成績上位陣がたくさん集まっているのだ。
これすなわち、同じような実力の人が集まっているということ。
試合をすれば、実力の拮抗具合がよくわかることだろう。
「三回戦、はじめ!」
始まったと同時に相手が魔法を放った。
ファイヤーボール
単純だけど、威力がある魔法である。
っていうか、普通に殺傷能力が高い魔法なのだが、先生はそれでいいのか?
この程度では死なないと思っているのか?
先生の感性を疑うわ。
まあ、無事なんだけど。
レイだって馬鹿じゃないので、そんな簡単に攻撃を受けるわけがない。
というか、霊体だとそもそも攻撃が当たらないので、ほぼ相手側の生徒に勝ち目はないと言える。
「当たらなければ、どうってことないのよ」
「な、なんで当たらないの!?」
まあ、体すり抜けたらびびるよね。
そのままレイは徐々に距離を縮めていき……。
相手が降参の意を示し、その試合は勝ったようだ。
「次!ベアトリスだ」
名前を呼ばれ、私はレイと入れ替わりに進んでいく。
ここまで、編入組は余裕の勝利を収めている。
というわけで、私も余裕で勝利した方がいいのかな?
そう考えた私は、目の前に立つ生徒(名前は知らん)を見据える。
他の生徒とは違い、多少マシな戦いができそうな生徒だ。
根拠といえば、油断なく隙が少ないところだ。
試合がまだ始まっていないからと言って気を抜いている先ほどまでの生徒とは違うと言える。
ま、私には関係ないんだけどね。
「はじめ!」
その合図とともに、相手が魔法を放つ。
だが、それは私に当たることはなかった。
「はい、おしまい」
転移した私に背後をとられ気絶する。
「「「は?」」」
私は何事もなかったかのように、場外に出る。
「ベアちゃん。容赦なさすぎない?」
「あんぐらいいいじゃない。殺してないし」
「そういう、問題じゃないと思うんだけどなぁ」
レイが頭を抱えながら、そんなことを言ってくる。
「ベアは強いんだな……もっと勉強せねば」
ルーネはそんな私を見習おうとしてくれる!
見ろ!
これが本当の友達だ!
友達の見本だ!
もちろんレイも友達だけど、ルーネみたいなことは絶対言ってくれないし。
こればっかりは私の日頃の行いの問題なのかな?
「すごいですね、ベアトリスちゃん」
「え、あ、まあね」
話しかけてきたのはオリビアさんだった。
「でも、オリビアさんの方がすごいんじゃないの?一応首席合格だし」
「あ、はは。私にもできるのかな?」
「きっとできるよ!」
「うん、頑張ってみるね」
オリビアさん……どことなく嬉しそうな?
何にたいしてかは分からないが、とても喜んでいるように見えた。
そんなに『きっとできるよ!』って嬉しかったのかな?
確かに領民が貴族に元気付けられるようなこと、ほとんどないから嬉しいのかな……。
自分には分からないことなので、気にしないのが一番だろう。
っていうか、逆にオリビアさんが使った魔法、あれ、私まだできないんだけど?
やったことないので、試してみないと分からないってこと。
それを考えると、オリビアさんはオリビアさんですごいと言えるのだ。
反転の術式は高等部で習うはずなので、私が誰かに習うことはないだろう。
高等部まで、私が黙って学院にいるとでも?
答えはNoだ!
私は私で、勝手に覚えるからいいとしよう!
学院脱獄計画はもうすでに始まっているのだ!
♦︎♢♦︎♢♦︎
「うぇー、なんでベアトリスちゃんがいるの?」
「勝ち進んだからに決まってんじゃん」
「嘘つけ!わざと負けたくせに!」
「だって、ベアちゃん怖いんだもん!」
失敬な。
私は怖いことなんて一つもしていないぞ。
レイはさっきの試合……つまり準決勝というべき試合でわざと負けていたのだ。
なぜそれがわかったかといえば、攻撃をもろに食らったから。
霊体が攻撃を受けるわけないだろ!
ということで、私でも不正して負けたのに気づけたのである。
だから、私もわざと攻撃をくらって三位決定戦の試合に出ているのだ。
「もう、おしまいだぁ」
「そう思うんなら、諦めて、私の本気の魔法を食らいなさい」
「そっちの方がもっとやだ!」
その言葉と同時に先生がはじめの合図を出す。
もちろん使うのは転移。
速攻で仕留めるつもりでいく。
「させませんよ!」
攻撃をしてくるのかと思えば、そうではなかった。
背後に転移したが、その瞬間にはレイが消えていた。
「転移?」
「ふっふっふ、先に転移魔法をここら辺に張り巡らせていたのですよ!」
つまりは、試合の最中にそんなことをしていたというわけか。
魔法を設置して発動時間を短縮し、それを何回も行えるようにしたと……。
結論としては、私の魔力が先に尽きるか、それともレイの転移魔法のストックがなくなるかの根比べということだ。
「いいでしょう!受けてたつよ!」
「え?諦めてよ、もう!」
諦めるわけないでしょ。
レイを倒したいがため、私もわざわざ負けてきてやったんだから。
そうして、そこから約十数分の死闘が続いた。
♦︎♢♦︎♢♦︎
「「「いや、もう化け物やん……」」」
全員の心は一致していた。
一瞬だけ姿が見えたかと思えば消える。
それが続くのかと思いきや、今度は何もない空間で何かがぶつかり合う音が時々するだけとなった。
もう、姿が見えない。
ただ、そこにいることだけはわかった。
「ちょこまかと逃げないでよ!」
「そうしないと負けちゃうじゃん!」
可愛い言い争い……とも思えるようなしょうもない口喧嘩が聞こえてくる。
ライバル同士の熱い戦い?
とは、どうしても思えない。
試合は長引き、先生が止めようとしても、彼女たち二人には声が届いていないようだった。
「俺、ベアトリスに勝ったと思ってけど……わざとだったの?」
「一回目の試合で、ベアトリスは生徒会をぶっ倒してるからなぁ。一般人には勝てっこないさ」
「そういう次元じゃねえだろ……」
可哀想なことだ。
勝ったと思ったのはぬか喜びだったと知った時ほど悲しいことはないだろう。
見えない二人を見つめながら、クラスのほとんどが心に教訓を刻む。
(あの二人とは、絶対に戦っちゃダメだ)
と……。
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