63 / 504
迷宮攻略で勝負
しおりを挟む
ついにこの日がやってきた。
なんの日かって?
勇者との勝負の日だよ。
一応、私が依頼していた武器も完成した。
まだ、誰にも見せていないが……。
めちゃ強そうな感じに仕上がっております。
だが、そんなことは関係ない。
今重要なのは負けないためにはどうするかという問題である。
もうすでに、訓練場に集まって、準備が着々と進んでいる。
そんな中で、どうすれば良いのか思案する。
理想を言えば、そもそも試合をしない、ということになるがおそらくそれはできない。
立場上、お互いにそれはできないからだ。
だったら、どうするか。
負けない方法……。
私が負けたら、自分の家名に泥を塗ることになるのはわかっている。
だから、ここは慎重に考えなくては……!
「では、これより勇者トーヤとベアトリスの試合を——」
「ちょっと待ってください!」
「ん?どうしたベアトリス?」
慎重に考えると言ったが、特に良い案は思いつかなかったため、私は賭けにであることにする。
「一対一だと面白味がなくありませんか?」
「なに?」
「勇者一人が強くてもダメだということです。重要なのは、全員の実力とチームワークだと思うんです」
「まあ、そうだな」
頼む!
なんとかなってくれ!
「だから、一対一で戦うより、こうしませんか?」
成り行きを見ていた勇者一向にも聞こえるように告げる。
「私は迷宮攻略で試合を行いたく存じます!」
「「「は?」」」
でも、他に方法はないんだよね。
そもそも、負けることが決まった試合に出る方が馬鹿げているということに気がついたのだよ。
そんな私ができることがあると言えば、試合内容にの変更を進言すること。
その中でも一番不自然に思われず、一番私にも勝機があるもの。
迷宮攻略だ。
迷宮攻略の速度で競い合う。
もちろん私は四人対一人となるため、圧倒的に不利ではあるが、ルールを先にボスを倒した方が勝ちとかにしてしまえば問題はなくなる。
不可視化の魔法で一気に突っ切って行けばいいだけ。
これなら私にも未来が見えてくるというものだ。
そして、勇者たちを納得させるために、私は一言言い放つ。
「あっれ~?もしかして、勇者様ご一行ともあろうものが、できないんですかぁ~?」
ちょっと煽ってやればこの通り!
「良いでしょう!受けて立ちます!」
「ちょっと!?なに言っちゃってんの!?」
まあ、一人だけだけど、やる気になったみたいだし良いとしよう。
「ふむ、では全員で移動だ。場所は、“不屈の迷宮“だ。各自準備は怠らないように!」
♦︎♢♦︎♢♦︎
やってきました、不屈の迷宮!
なんでそんな名前になったのかはわからないけど!
森の中にある、ゴツい岩肌が丸見えになっている。
その真ん中あたりに、入り口あるようだ。
大きさ的には高さ三十メートルと言った具合だ。
「それで、簡単なルールですけど、先にボスを倒した方が勝ちってことで良いですね」
「良いでしょう、受けて立ちます!(二回目)」
ミレーヌさんだけめっちゃ燃えに燃え上がっているんだけど。
まあ、それで私の作戦がうまくいくんだから良いってもんだよね。
「それで、いつになったら始めます?」
「もう始めても構わないでしょ?」
父様の反応は!?
「良いだろう、では……はじめ!」
まあ、合図とかしなくても問題ないんだけどね。
私はさっさと不可視化して速攻で中に潜れば良いだけだし……!
「おっと、先にいかせたりしないわよ、ベアトリス様?」
「あ」
ミレーヌが私の服を掴んでくる。
「でも、これ勝負……」
「子供は一人では危ないからね、私たちと一緒に行くのよ?」
目の奥がギラギラと輝いている。
「あ、はい」
眼力に屈した私は、そのまま一緒に行くこととなった。
(くっそ!眼力なら自信があったのに!)
目が鋭い程度では、本気で怒った人の目つきには勝てないということか……。
そして、五人で迷宮の中に入っていく。
迷宮の中はこれと言って変わった部分はなく、普通の迷宮になっていた。
石で囲まれた通路からは時々魔物が出てくるぐらいだ。
「今度はオーガだな」
「あ、私がやりますね」
とりあえず、なにもしてなくて暇だったので、私が倒すことにする。
だが、相手はBランクの魔物なので、強い魔法は使わなくて良いだろう。
「『火球』」
ファイヤーボールって下級の魔法ではあるものの、威力としてはまあまあだ。
一応火力重視の火魔法だからね。
魔法が構築され、それを放つ。
「グガッ!?」
直撃したオーガが悲鳴を上げる。
魔法がデカすぎて、通路ギリギリになったのは内緒である。
「ふふ、まあまあやるじゃない」
「そうですか、ありがとうございます」
まだ、この人怒ってんのか?
怒ってるというよりか、純粋に勝負を楽しんでいる節もありそうだけれど……。
「次は私がやります!」
ミレーヌさんが声を上げる。
見ると、またなにかしら魔物が湧いていた。
「消えてなくなれ!『地場粉砕』」
通路がうごめき、地面が割れる。
そして、何匹かいた魔物が全員奈落へと落ちていく。
「ふふん!どうよ!」
「すごいですね」
なぜか、私のことを敵視しまくりのミレーヌさん。
煽りすぎたかな?
そんなことを考えながら、私たち一行は迷宮の奥に進んでいくのだった。
なんの日かって?
勇者との勝負の日だよ。
一応、私が依頼していた武器も完成した。
まだ、誰にも見せていないが……。
めちゃ強そうな感じに仕上がっております。
だが、そんなことは関係ない。
今重要なのは負けないためにはどうするかという問題である。
もうすでに、訓練場に集まって、準備が着々と進んでいる。
そんな中で、どうすれば良いのか思案する。
理想を言えば、そもそも試合をしない、ということになるがおそらくそれはできない。
立場上、お互いにそれはできないからだ。
だったら、どうするか。
負けない方法……。
私が負けたら、自分の家名に泥を塗ることになるのはわかっている。
だから、ここは慎重に考えなくては……!
「では、これより勇者トーヤとベアトリスの試合を——」
「ちょっと待ってください!」
「ん?どうしたベアトリス?」
慎重に考えると言ったが、特に良い案は思いつかなかったため、私は賭けにであることにする。
「一対一だと面白味がなくありませんか?」
「なに?」
「勇者一人が強くてもダメだということです。重要なのは、全員の実力とチームワークだと思うんです」
「まあ、そうだな」
頼む!
なんとかなってくれ!
「だから、一対一で戦うより、こうしませんか?」
成り行きを見ていた勇者一向にも聞こえるように告げる。
「私は迷宮攻略で試合を行いたく存じます!」
「「「は?」」」
でも、他に方法はないんだよね。
そもそも、負けることが決まった試合に出る方が馬鹿げているということに気がついたのだよ。
そんな私ができることがあると言えば、試合内容にの変更を進言すること。
その中でも一番不自然に思われず、一番私にも勝機があるもの。
迷宮攻略だ。
迷宮攻略の速度で競い合う。
もちろん私は四人対一人となるため、圧倒的に不利ではあるが、ルールを先にボスを倒した方が勝ちとかにしてしまえば問題はなくなる。
不可視化の魔法で一気に突っ切って行けばいいだけ。
これなら私にも未来が見えてくるというものだ。
そして、勇者たちを納得させるために、私は一言言い放つ。
「あっれ~?もしかして、勇者様ご一行ともあろうものが、できないんですかぁ~?」
ちょっと煽ってやればこの通り!
「良いでしょう!受けて立ちます!」
「ちょっと!?なに言っちゃってんの!?」
まあ、一人だけだけど、やる気になったみたいだし良いとしよう。
「ふむ、では全員で移動だ。場所は、“不屈の迷宮“だ。各自準備は怠らないように!」
♦︎♢♦︎♢♦︎
やってきました、不屈の迷宮!
なんでそんな名前になったのかはわからないけど!
森の中にある、ゴツい岩肌が丸見えになっている。
その真ん中あたりに、入り口あるようだ。
大きさ的には高さ三十メートルと言った具合だ。
「それで、簡単なルールですけど、先にボスを倒した方が勝ちってことで良いですね」
「良いでしょう、受けて立ちます!(二回目)」
ミレーヌさんだけめっちゃ燃えに燃え上がっているんだけど。
まあ、それで私の作戦がうまくいくんだから良いってもんだよね。
「それで、いつになったら始めます?」
「もう始めても構わないでしょ?」
父様の反応は!?
「良いだろう、では……はじめ!」
まあ、合図とかしなくても問題ないんだけどね。
私はさっさと不可視化して速攻で中に潜れば良いだけだし……!
「おっと、先にいかせたりしないわよ、ベアトリス様?」
「あ」
ミレーヌが私の服を掴んでくる。
「でも、これ勝負……」
「子供は一人では危ないからね、私たちと一緒に行くのよ?」
目の奥がギラギラと輝いている。
「あ、はい」
眼力に屈した私は、そのまま一緒に行くこととなった。
(くっそ!眼力なら自信があったのに!)
目が鋭い程度では、本気で怒った人の目つきには勝てないということか……。
そして、五人で迷宮の中に入っていく。
迷宮の中はこれと言って変わった部分はなく、普通の迷宮になっていた。
石で囲まれた通路からは時々魔物が出てくるぐらいだ。
「今度はオーガだな」
「あ、私がやりますね」
とりあえず、なにもしてなくて暇だったので、私が倒すことにする。
だが、相手はBランクの魔物なので、強い魔法は使わなくて良いだろう。
「『火球』」
ファイヤーボールって下級の魔法ではあるものの、威力としてはまあまあだ。
一応火力重視の火魔法だからね。
魔法が構築され、それを放つ。
「グガッ!?」
直撃したオーガが悲鳴を上げる。
魔法がデカすぎて、通路ギリギリになったのは内緒である。
「ふふ、まあまあやるじゃない」
「そうですか、ありがとうございます」
まだ、この人怒ってんのか?
怒ってるというよりか、純粋に勝負を楽しんでいる節もありそうだけれど……。
「次は私がやります!」
ミレーヌさんが声を上げる。
見ると、またなにかしら魔物が湧いていた。
「消えてなくなれ!『地場粉砕』」
通路がうごめき、地面が割れる。
そして、何匹かいた魔物が全員奈落へと落ちていく。
「ふふん!どうよ!」
「すごいですね」
なぜか、私のことを敵視しまくりのミレーヌさん。
煽りすぎたかな?
そんなことを考えながら、私たち一行は迷宮の奥に進んでいくのだった。
0
お気に入りに追加
1,599
あなたにおすすめの小説
異世界転生は、0歳からがいいよね
八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。
神様からのギフト(チート能力)で無双します。
初めてなので誤字があったらすいません。
自由気ままに投稿していきます。
死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
「自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-」
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
ネットでみつけた『異世界に行ったかもしれないスレ』に書いてあった『異世界に転生する方法』をやってみたら本当に異世界に転生された。
チート能力で豊富な魔力を持っていた俺だったが、目立つのが嫌だったので周囲となんら変わらないよう生活していたが「目立ち過ぎだ!」とか「加減という言葉の意味をもっと勉強して!」と周囲からはなぜか自重を求められた。
なんだよ? それじゃあまるで、俺が自重をどっかに捨ててきたみたいじゃないか!
こうして俺の理不尽で前途多難?な異世界生活が始まりました。
※注:すべてわかった上で自重してません。
異世界転生したら何でも出来る天才だった。
桂木 鏡夜
ファンタジー
高校入学早々に大型トラックに跳ねられ死ぬが気がつけば自分は3歳の可愛いらしい幼児に転生していた。
だが等本人は前世で特に興味がある事もなく、それは異世界に来ても同じだった。
そんな主人公アルスが何故俺が異世界?と自分の存在意義を見いだせずにいるが、10歳になり必ず受けなければならない学校の入学テストで思わぬ自分の才能に気づくのであった。
===========================
始めから強い設定ですが、徐々に強くなっていく感じになっております。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
わがまま姉のせいで8歳で大聖女になってしまいました
ぺきぺき
ファンタジー
ルロワ公爵家の三女として生まれたクリスローズは聖女の素質を持ち、6歳で教会で聖女の修行を始めた。幼いながらも修行に励み、周りに応援されながら頑張っていたある日突然、大聖女をしていた10歳上の姉が『妊娠したから大聖女をやめて結婚するわ』と宣言した。
大聖女資格があったのは、その時まだ8歳だったクリスローズだけで…。
ー---
全5章、最終話まで執筆済み。
第1章 6歳の聖女
第2章 8歳の大聖女
第3章 12歳の公爵令嬢
第4章 15歳の辺境聖女
第5章 17歳の愛し子
権力のあるわがまま女に振り回されながらも健気にがんばる女の子の話を書いた…はず。
おまけの後日談投稿します(6/26)。
番外編投稿します(12/30-1/1)。
作者の別作品『人たらしヒロインは無自覚で魔法学園を改革しています』の隣の国の昔のお話です。
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる