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2章『勇者』が『犬(ペット)』になるまで。
求愛(スカウト)は十年前。知らない間に魔王様の『運命』に定められてました… 8
しおりを挟む遅咲きの紫陽花が咲く生け垣を抜けると、離れの建物が見えてきた。
紫陽花は自分の一番好きな花だし、この離れもにーちゃんとよく遊んでいた思い出の場所なのに、処刑場に行くような気持ちだった。
気分は優れず、そこへ向かう足がとてつもなく重く感じている。
朝から比べると体は楽になっているのに、それとは反対に心はより苦しくなっていた。
あの方の被衣から薫る匂いに勇気をもらい、歩を進める。
着せられている一族の大人の正装である晴れ着が妙にエロく恥ずかしかったというのもあるが、自分を奮い立たせる為にもあの方にお借りしたものを今も羽織っていた。
(あの方が星祭に誘ってくれはったんやし、このくらいは許してくれはるやろ)
離れの玄関に着くと、俺の前を歩いていたヴァーニャはんが俺の方に振り返った。
畳んだ日傘を片手に構える姿はにーちゃんを彷彿とさせる。
「良いですかグルーシァ。
直近での変更ゆえ、私は詳しく存じて上げておりませんが、今からお会いする方はこの『四葩』に逗留することを許されました。
つまり、母君が一番推しておられる方です」
うちの家の離れは全て【緑】の者である半人外の住まう家だった。
それぞれその離れの庭に植えているお花から名前を付けている。
主が亡くなり住まう者がいなくなった離れは、このような時に客人にお貸ししていた。
その中でもこの『四葩』は別格だった。
元はにーちゃんの為に建てられた特別な家で、大人になり一族を導く立場に就いたにーちゃんがお嫁はんを迎えた後、その方と暮らす為に用意されていた。
にーちゃんを溺愛していたおかんは、にーちゃんの死後、誰にもここを使わせることを許さず、俺ですら出入りを禁じてしまった。
ヴァーニャはんの言うようにここに逗留しているのはそれほど大事にしている客人らしい。
間違いなく本決まりに近い俺の許嫁だろう。
「ヒメルはん (母)のオススメやなんて、余計に信用ならへんねんけどな」
おかんからも断るのは自由とは言われているが、ここまで別格の扱いをしている方を俺も無下には出来ない。
(これくらいの愚痴はかんにんえ)
俺のことをじっと見つめるヴァーニャはん。
にーちゃんが亡くなってすぐ、このひとをおかんに付けられた。
学校で授業を受けている時以外の殆どの時間を共に過ごすようになり、もう5年なる。
だから、わかった。
ヴァーニャはんの冷たく輝く青緑の瞳が『あの方を選びたいんでしょう?』と言っているのが。
「……貴方の体はまだ回復していませんし、明日以降も別の方との対面が控えています」
星祭の行われる7日間の間、俺は許嫁候補の方と毎日お見合いをしなければいけなかった。
「それを理由に望まないお誘いは断わりなさい。
お相手に言いにくいのなら、私に伝えなさい」
これから俺が取るべき行動について注意するヴァーニャはんの声には珍しく感情が籠っていた。
俺の気持ちを察したヴァーニャはんの言葉にも勇気づけられた。
「おおきに。少しだけ気が楽になったさかい、ほんまにあかんようになったら、その時はお願いします」
ヴァーニャはんは頷づくだけの返事を返してくれた。
少しだけ申し訳なさそうに見えるのは気のせいだろうか?
星祭の為の夜のお作法を俺に教てくれたのもヴァーニャはんだが、今日の家出を手伝ったのも彼だ。
俺に甘いヴァーニャはんは、家出をするほど嫌がる俺にそれをさせたくないのだろう。
それに、あの方からの釣書の最後に書かれていたメッセージを読んだのはヴァーニャはんだ。
俺の開華を楽しみにしていることや、その時には必ず会いに行くなどのことが書かれていたそうだ。
(そないなお言葉を頂いたら期待してまう)
───実際には兄貴と同じくらいかそれ以上の隠語もりもりの恋文やったらしく、ヴァーニャはんは暫しの間固まってはった。
実のところ儀式のパートナーは性別を問わないらしい。
だが、絶対に愛する者。もしくは好ましく思う者でなければならない。
これは、俺らの信仰する神さんが愛の神さんだからだ。
───正確には、『性』愛の神さんやったけどな。
神さんから祝福を頂く為に、星祭では儀式の日である星合 (旧暦の七夕)の夜までの7日間の間、毎夜宴を開く。
その宴の席で最終日の儀式の伴にする者を選び、昼は語り合い、夜は情を交わして、儀式までの短い間に愛を育むのだ。
ところが、今の俺は生涯でも一番薫りの強まる開華の直前。
おかんよりも強力な【魅了】体質も厄介過ぎた。
その上、俺の美貌は一族の中では『【緑】の秘華』とまで呼ばれ……ぶっちゃけめちゃくちゃ人気があった。
(評判だけで誘拐されるほどや)
───厄介なことにこの星祭に出たことでさらに狙われるようになり、俺を誘拐しようとするやつは一族の血を引く者ばかりになっていく。
そんな俺を宴の席に出席させることを、おかんや他の一族の長さんたちは危ぶんだ。
その代わりに用意されたのが、宴のない昼にする見合いだった。
懐からピルケースを取り出して、金平糖を一つ口にする。
これもあの方に『常に持ち歩け。誰かと会う前には必ず一つは口にしろ』という忠告付きで渡された。
例の『蜜飴』と同じ真っ青な金平糖を噛み砕くと、ロリポップキャンディーよりも上品でやさしい甘さが口の中に広がった。
今の俺には、この味はあの方とのキス甘さを思い出させてツラかった。
◇
…………そう思っていたのに。
(どないしてこうなったんや!)
カコーンという鹿威しの音が聞こえた。
当初の予定のから大幅に遅れてしまったが、高かった日も落ちた夕刻すぎに見合いは開始された。
俺の目の前には【皇】という一族の正装に身を包んだ白子の若君様と、その従者である逞しい体付きの青年が正座して並んでいる。
神聖な白と貴き金色だけを身に纏うそのお方の整いすぎたお顔は、神々しさすら感じさせる。
俺だけでなく、誰もがこのお方に見惚れてしまっていることだろう。
「刑部の長、梔子とゲンジの長、蒼の子。白練だ」
張りのある涼やかなお声で、そのお方は名乗りをされた。
……言わなくてもわかるだろうが、このお方はアルビノ先輩こと、ビャクレン様である。
「梨生、これは私の真の名ではないが、字の紫陽華で呼ばれるのも好かぬ。
儀式まで真名は交わせぬ故、とりあえずはビャクレンと呼べ」
…………告げられた御名は既に釣書で存じている。
なんせキスまでした仲だ。
(貴方様も俺のことをよーくご存知かと思いますぅ!)
「ビャクレン様は此度の儀式の巫子を務める【白】の神子様にございます。
非常に強い力をお持ちですから、我が君の許しなくその御名を口にされませんようご注意を。
名無しの方は特にです」
ビャクレン様のお言葉を補足説明をしてくれたのは、お隣に座るやたらガタイの良い従者はんだ。
このお兄はんは柔らかな微笑みを浮かべているが、それがめちゃくちゃ胡散臭い!
「『【緑】の秘華』様、私は従者の蘭と申します。
私には敬称など不要です。どうぞそのままアララギとお呼びください」
従者さんはまるで初対面ような顔をして、俺たちに挨拶をした。
……こちらもマッチョ先輩こと、アララギはんだ。
敬称は要らないと言われたが、俺は厳しく躾けられているので名前の呼び捨てなんて出来ない。
(そやし、アララギはんと呼ばせて頂きましょ)
家出した俺を迎えに来たのが何故、おかんの部下やにーちゃんの下僕たちでなくビャクレン様たちだったのか、その理由が今分かった。
(見合いをすっぽかしたから来はったんやわ)
それでも助けて頂いたのには代わりないが、なんだかもやもやする。
アララギはんは俺と目が合うとすっと目を細め、片方の口角だけ上げて笑った。
『驚いた?』とでも言いたそうな、わっるい笑顔を殴りたくなった。
練武場の時とは大違いに丁寧で落ち着いた物腰の腹黒はんは別人のようだが、ビャクレン様は相変わらずめちゃくちゃ偉そうな口調だし、尊大な態度でいらっしゃる。
(やんごとなきお方やさかい、しゃーないか)
間近に迫った死の予感とままならない現状。
それをヴァーニャはんとふたりで乗り越えようと励まし合っていたのに!
ガックリきた。
(あかん、気ぃ抜けたわ)
ヴァーニャはんも俺と似たような気持ちでいることだろう。
顔には出さないが膝に乗せているお手手がプルプル震えているし、強く握りこまれていて……うん、ガチギレ寸前のご様子だ。
───ランちゃんはな……おかんと交渉しはってな……見合いのトップバッターにご主人様をねじ込みはったそうや…………。
俺としてもビャクレン様と儀式のパートナーになるのは問題ない。
(寧ろ、このお方以外は嫌やと思てる)
でも、俺たちがしているのはガチなお見合い!
俺は男の子!なのに相手は男!!
しかもビャクレン様!!!
(ほんまになんでやの?!)
俺もビャクレン様も『男』の筈やのに、おかんは一体何を考えているのか?
何を考えているのかさっぱりわからないおかんの方を胡乱な目で見ると、珍しく上機嫌で『感謝しろ』的なドヤ顔を返された。
(嬉しおすけどもぉ……)
再びがっくりときた。
挨拶を終えたアララギはんが隣にいるビャクレン様の頭を押さえつけ、無理やりだが一緒にお辞儀をした。
ビャクレン様のお姿にお辞儀をしているおふたり以外の全員が固まる。
なぜならビャクレン様は俺たち一族の始祖さんの故郷の国の皇族で、それはもう……めちゃくちゃ高貴でやんごとないお方!
(人外はんの国の皇子様なんやて)
俺もついさっき聞いたばかりだが、その国の皇族は『神』の血族として信仰されており、あまりにも高貴なご身分故に、謝ったり頭を下げる習慣はない。
さらに言うとお国では気軽にお顔を晒すことも、御名で呼ばれることもできないらしく、2005年までの11年間を日本で暮らし、うちの学校にも通っていたとアララギはんから聞いた。
それで先輩とお呼びしていた。
それほどまでに高貴なご身分は不便なのかと思っていたが……
うちの下僕などはビャクレン様のお名前を聞いてからずっと平伏している。
こんな光景を目の当たりにしてしまうと、仕方のないことだと分かった。
この四葩で給仕する者たちは俺の体質のこともあり年を経た【緑】の者か、おかんの部下だけ。
一族の中でも強い力のある者ばかりなのだが、それでも畏れ多くて平伏したまま動けない状態らしい。
部屋の中を見回して、どんな者が居るかを確認したビャクレン様は「この場に同座する者にも私の名を許す。構わんから仕事に戻れ」と告げた。
ビャクレン様はおかんの側近や給仕をしてくれている女中さんなど、この部屋に居る者全ての者に拝顔と御名を呼ぶ許しまで与えてしまった。
確かにあのままでいられると、この後予定されている俺たちの食事の支度すら出来ない。
それで許されたのだろう。
ビャクレン様のお言葉でいち早く我に返ったヴァーニャはんから、お尻をキュッとつねられた。
(はわぁッ!)
さらに「早く御礼とご挨拶を」と小声で指示される。
痛みなどはおくびにも出さないようにしてよそ行きのお顔で笑顔を作ると、俺のことなど既にご存知のビャクレン様に今更過ぎる自己紹介をする。
「一族の者にまで多大なるご厚情を賜り、ありがとう存じます。
【緑】の長、祕の子。梨華どす」
俺が名乗った『梨華』というのは一族の中での俺の通り名だ。字ともいう。
(おかんなんてなんでか知らへんけど、この名でしか呼びはらへん)
「リカ様は我ら【緑】の一族の秘華。
字しかお持ちではございませんが、リカ様も我が一族【緑】の神子様にございます」
ツンドラの眼差しで淡々と口上を述べたヴァーニャはんと揃ってお辞儀をする。
今度は叱られないので合格のようだ。
ところで、先程から皆が口にしている『真名』と『字』。
これはどちらも戸籍とは違う俺たち血の濃い先祖返りの名前だ。
真名は成人を迎えた【緑】の者が名乗る本当の名前。
所謂忌み名で、字というのは真名を授かる前の幼名みたいなものだ。
(そやし、おかんやヴァーニャはんはお名前が3つもあるんよ)
基本的に一族での名乗りは真名か字のどちらかで、これを交わして初めて交流を結んだことになるのだ。
つまり、ビャクレン様と俺はこれで正式にお名前を呼び合える仲になったというわけだ。
(アララギはんともやけどな)
───星祭はこの真名を授かることが最大の目的やった。
『人』として生きることが出来ない半端な人外である【緑】の者の俺が、『人外』として生きていく為の儀式。それが星祭やった。
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