召喚された勇者ですが魔王様のペット『犬野郎』として後宮で飼われています。

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1章 『勇者』は失業の危機にある。

『犬』から『妃』に職種変更命令(プロポーズ)お受けします! 6 *

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 * 蛇姦&受けの♡喘ぎ注意です。
 ─────────── 


 閉ざされたランちゃん(仮)はんのお部屋…北殿の北守の部屋には、ランちゃん(仮)はんが防護結界魔術バリアーを仕掛けていたそうで、今みたいな緊急時には外界と遮断されるようにもしていたらしい。
 これはランちゃん(仮)はんが宝石にルーン文字を刻み、一月に渡り創り上げておいたものらしく、流石のご主人様でも破るのには少々骨が折れるはずで、彼はその間に何か手を考えると言っていた。

 俺としたらランちゃん(仮)はんと対峙していた、『魔王』様モードのご主人様を久しぶり見れそうだったのに、あと少しというところで見れなくなったことは大変残念である。
 まぁ、下手をすればランちゃん(仮)はんのお体が、物理的に半分こにされていた可能性が極めて高いので、そこはぐっと堪えた。

 (推しの素晴らしく凛々しく、麗しいお姿は俺の脳内フォルダから補完するか)

 俺があのお方に惚れてしまったそのお姿は、スメラギ様の後宮で(ムスコ殿の)絶体絶命の中、お救い頂いた出会いの時と、発情ラットしたオスに喰われそうになった時くらいしかないが、これから先増えることを期待しよう。

 (おねだりしたら見せてくれはるかもしれんしな)

 俺が推しのことを考え萌えている一方で、ケネルからの脱獄と俺の拉致をしようとしたお方…
 ランちゃん(仮)はんは部屋に置いていた結界の基盤である、拳大の金剛石ダイヤモンドにルーンを刻み直していた。 

 この世界の魔術は地球あちらのルーン文字とほぼ同じものを使ったもので、石やカードなんかに刻んで使う。
 エルフ族は普段からピアスなんかによく使うルーンを刻み、常に持ち歩いているそうで、ランちゃん(仮)はんもピアスやブレスレットなどにして身につけていた。
 そして魔術はより純度の高い宝石などを使う方が効果が高いそうだ。

 それでランちゃん(仮)はんはご主人様から結界の為にこの超巨大ダイヤを、

ナシあれの護りにはこれを使え』

 とぽーんと投げて寄越されたそうだ。
 それを渡された時は目ん玉が飛び出そうになり、ルーンを刻む時に至っては震えが止まらなかったらしい。

 (そらそうやろなぁ)

 見たことがないほど大きくその価格は想像すらできないが、腰を抜かしそうなくらいビビったランちゃん(仮)はんが、ご主人様にお伺いしたところ、もちろん本物でヨメの安全の為に、

『良い物がないので鉱山を買い探させた。
安心しろ小遣いからだ。
これからも必要になる故、悪い買い物ではない』

 と事もなげにサラッと仰ったそうだ。

 お小遣いといってもご主人様はご自身の財産をお持ちで、それからのポケットマネーで買われたらしい。

 (もう…スケールがデカ過ぎて良うわからんわ)

 鬼という種族は力の強い者ほど美しく、その者の全盛期とされる姿のまま、永い時を生きる。
 彼らの欲求はただ一つ、愛する者と共に生きること。
 番や伴侶の幸せが自分の幸せとなるそうだ。

 そんな鬼族の皇族の方たちは基本的に寿命がないとされている。

 それでは血族が増える一方だろうと思うが、彼らは著しく生殖能力が低く、『運命』の番との間くらいでしかお子が出来ないらしい。
 実際にご主人様のご両親は『運命』の番ではなく、男性のβのお父君と女性のαのお母君のご夫婦で、ご主人様が生まれるまでに1万年近くのお時間を要したそうだ。
 それなのにご両親は『時はある』と不妊治療などは一切されなかったそうだ。

 俺はこの世界に来た当初、オメガバースのある世界に大いに萌えて、『犬』仲間はもちろんご主人様にも引かれるくらいの勢いで聞きまくった。
 特に『運命』の番にはやっぱり憧れを抱いているのか?ということがとても気になった。

 (俺、わりとオトメンやさかいに恋バナ大好きやねん)

『犬』の皆はそれに憧れを抱いていたり、番の為に犯罪を犯したものばかりで、

『やっぱりαとΩは結ばれるのが自然なんやなぁ』

 としみじみと思っていたし、『うちの両親も『運命』だしな』とランちゃん(仮)はんですらその意見を肯定していたのだ。
 畏れ多かったのと、『是』と仰られることが怖かったのだが、最後の最後でご主人様にもお尋ねして、そのお答えに頭がパーンした。

 (思えばあの時から俺もちょっと『いけるかもしれへん』なんて意識したんかもしらへん)

 あの時は央殿でご主人様と白紫陽花を愛でてお話していた。
 真っ白な紫陽花の花をバックに俺よりずっともっと年上の、大人というよりもおいくつなのかわからない、そんな達観したお顔のご主人様が

スメラギの鬼は愛した者としか添い遂げぬ。絶対にそれを違えぬ。
失えば狂うほどに愛する。
そしてそれがその者にとっての運命となる』

 こう仰られた。

 俺がちょっとその反応に驚いてしまいきょとんとした顔をしていたからか、もしくはそれが全く問題などではないと仰っしゃりたいのか、こうも続けられた。

『私の祖父母も父母も番ではない。父に至っては【角なしβ】だ』

 と大変麗しいあの笑顔で仰られた。

 (これは俺がβでも構わない的なニュアンスがあったのかと思う)

 ご主人様はご両親だけでなく、お祖父様とお祖母様も男性と女性のα同士で、ニ代に渡り『運命』どころか番とすら結ばれていない。
 鬼族の中では変人扱いされるほど珍しいお血筋である。

 (男でβやさかいお子を生んだりでけへんから、ほんまにええんやろかとは今も悩んどる)

 そんな彼らは不死の身故に、あまりに永い生の中で愛する者を失うと心を病んでしまい、自ら眠りに就かれたりする。
 ご主人様の先代・・の【白】の君様も失恋により世を儚み、禁呪による転生を選ばれたらしい。

 (これはご主人様を崇拝しとる『犬』に聞いた)

 それほどまでに恋や愛を大切にし、それに狂っていると言われるほど彼らだが、飽きるほどに永く生きることで暇を持て余してもいた。
 それで高貴なお方たちはしばしば趣味に没頭なされ、それを商売にまでしていらっしゃる。

 あのちょー怖い俺の天敵の皇様もPMC、所謂傭兵派遣会社を経営されている。
  
 (これには納得しかないし、やっぱりあの方はおとろし過ぎる)

 ご主人様も法的には未成年でいらっしゃるが、お持ちの遊郭『四葩』の収益もさることながら、考案された貞操帯や張り型などの性具や、ご主人様の媚毒を精製したローションなど、様々なラブグッズ『Hydraヒュドラ』シリーズの収益が凄まじいものであるらしい。
 それだけではなく呪術による性病予防や避妊に去勢の術式なども開発し、この世界のその市場をほぼ独占に近い状態で支配されている。
 他にも術式の著作権的なものなど、様々な権利収入も多数お持ちであるらしい。

 ご主人様以外の皇族の方も遊郭の運営以外に、皆様それぞれに得意な分野でお金を稼いでいらっしゃるが、ご主人様の多彩ぶりには驚いてしまった。

 央殿での『指切りげんまん』のお約束のすぐ後にこのお話をされたが、今思えばあれは、

『気にせず安心して嫁に来い。養ってやる』

 的な感じであったかと思う。

 (ご主人様は甲斐性がありすぎて逆におとろしいおす)

 ただ、この時の俺は失礼だがちょっと引いてしまったうえに、お歳を疑ってしまった。
 ランちゃん(仮)はんによると、一応今は・・本当に17歳で間違いないそうだが。

 (一応が怖い)

 する事がなく暇すぎてこんな事をつらつらと考えていたが、部屋の中はとんでもなく寒い。
 仕方なくご主人様と4日間愛の営みをしていたお布団も被ることにした。
 ご主人様の身につけていらっしゃるお香?の移り香がして、青く甘い薫りに落ち着いた。

 (ほんのりとジャスミンやバニラも混じってとるこの匂いが好きや)

 思えば渡された着物にはいつもこの匂いが焚きしめられていた。

 召喚された俺はこの世界のものが食べれない。
 それが辛いと言えば、手づから食べさせて下さった。

 (ご主人様や『旦那様』にはそれが出来るんや)

 ご主人様はあまり雄弁なお方ではない。

 嘘がつけないという性質から、うっかり本心をぽろぽろ喋ってしまうことがお嫌で、あのようなツンの強い態度をされていらっしゃる。

 (そこいらへんがお年相応でほんまにかいらしいと思う) 

 それでも俺のことをそれは大切にして下さっていたし、俺もお慕いしている。
 出来るならずっと…最期までお側を離れたくない。

 (もう絶対にケネルここを出て行くとか言わへんし、誘拐される訳にはいかへん)
 
  ───俺は暇で暇で仕方なかったこの時に、ご主人様との出会いから一月あまりの間に、猛烈なアプローチを受けていたことを思い出して、まわりの皆がやきもきしていたそれをやっと自覚したんや。
 
 電気やガスなども遮断されているので電灯は使えず、央殿のように客の提灯に灯されたご主人様の鬼火のほのおを灯籠などに移すことでしか、明かりも暖も取れそうにない。 
 元々、時間も季節も天気もない隠世にあるケネルだが、現在この部屋の中はご主人様のお力の余波で白い靄と冷気が立ち籠めて、暗く寒かった。

 (ラン?ちゃんもご主人様みたいに鬼火でぶぁーっと部屋を温くしてくれへんやろか?)

 彼にそれが可能なのか分からないし、作業の手を止めるのも悪い。
 それに俺を誘拐すると言っているのも問題で、なかなか話しかけづらかった。

 吐く息も白く、部屋も少し凍っているくらいで、俺はシーツだけでは辛くて布団まで被っているのに、ランちゃん(仮)はんは腕まくりしたままで作業している。
 鍛えられた見事な二の腕が見えるが、彼は本当に寒くないのだろうか?

 (鬼は体が頑丈すぎて、そういう感覚が鈍いだけなのかもしらへんけど)

 そんなことを考えながらランちゃん(仮)はんの作業をぼーっと眺めていたが、不意にぬるりとしたナニかの感触を足の方に感じた。

 (ん?なんやろか??)

「シャー」という鳴き声が微かに聞こえたと思うと、ナニかがしゅるしゅると俺の足首から太ももまでを辿り……
 4日に渡るご主人様との情交で、未だに柔らかく綻んでいたおけつを軽く「邪魔をする」的なノックをすると、そのナニかは俺の了承を得ず勝手に俺のナカにしゅるんとお邪魔をしてしまった。

「はひぃッ♡♡!!」
 
 ナニかは一気に俺の奥にまで来て、居座った。

 つい最近ご主人様によって新しく開拓されたばかりの場所に到達すると、電気が走ったみたいな痺れが生じて、変なお声が出た。

 (あ、あかしまへん!何たる不法侵入!)

 ひんやりとしたご主人様の体温に非常によく似た何かに、俺は貞操を許してしまった。
 ナニかは収まりどころを探すように動き、それに蹂躙された淫乱な俺のお穴は、とんでもない不貞にも関わらず、悦んでしまう。
 
「ぁぅ……っ、ひっ♡ひん…っ♡」

 (ううぅ…ご主人様す゛ん゛ま゛せ゛ん゛~~~)

 望まない不貞を犯した事を悔やみ、それなのに浮気者の俺ははしたなく喘ぐ。
 心の体の両方を責められぼたぼたと涙が流れるが、いきんでも排出することが出来ず、どうしようもない。
 これはもうご主人様におしおきをされる未来しか見えなかった。

 軽いパニック状態になった俺は『ヨメは不本意ながら貴方様以外に体を許してしまいました』とご主人様に謝罪し、悔恨の念に囚われていると

 ──『騒ぐな、蘇芳あれに気取られる。違和感もそのうち消えるだろう。暫く我慢しろ』──

 唐突にご主人様のお声が俺の頭の中に響き「はッ!はひぃぃ…っ♡」と嬌声のようなお返事をご主人様に返してしまった。

 どうやらご主人様?が何かの術でナニかに化けるなどして、俺のお穴のナカにお隠れあそばされたようである。
 結界の強化の作業途中のランちゃん(仮)はんが、俺の異変に気づいた。

「どうした?」 

 奇声をあげた俺を心配してか、大変心臓に悪そうな作業の手をわざわざ止めてお声をかけてくれたが、あまりのタイミングのまずさにどう返事をしたら良いのか分からず焦った。

「やぁ…っ♡……んっ、な、んでも…あらへ、ンッ♡さ、さぶいだけぇ…お、すぅ…っ♡♡」
「あぁ…お前さん大丈夫かぁ?悪いが今は癒やしの術を使えんから我慢してくれ」

 ナカに潜まれたご主人様?はひんやりと冷たいし、外も寒いのは事実だ。
 とりあえずそう返事して首を何度も縦に振って頷きその場を誤魔化したが、ご主人様は俺のお穴のナカで収まりどころが悪いらしく、度々お動きになられる。

「か、かましまへ、ん♡アッ、あかんっ、あっ、ああぁぁっ♡」 
威圧プレッシャーも大概だが、アイツの毒はほんとに凄まじいんだよなぁ」 

 ご主人様の側近である彼は、今までに何度も『犬』などを抱くご主人様を見てきたのだろう。
 かなり同情的に俺の状態を憐れんでくれている。
 
 それで俺ははしたない「ひぃ…っ♡」や「はぁ…っ♡ん♡♡」というお声をあげてしまうが、ランちゃん(仮)はんはご主人様の媚毒がまだ抜けていないと思って、そっとしてくれているらしかった。

 (何たる辱め~)

 彼が作業に戻ったので、俺はご主人様に必死に呼びかける。
 とにかく、そこ・・から出て行って頂きたくて仕方がなかった。

 (ご、ご主人様ぁ!な、なんでそないなとこにおられるんですかぁ?!)

 出来ればそのような場所ではなく、別のところに隠れて頂きたい。
 それをお願いしようと思っていたが、

 ──『奴は鼻が利く故ここ・・しかない』──

 そんな俺の願いは淡々とした口調でお話しの、ご主人様の一言で脆くも崩れた。

 (確かにそこは…お穴そこはご主人様の薫りフェモンが一番に濃いおすけど!)

 ──『これは私の分けみたまのひとつ。名を【薄縁うすべり】という。
私が渡るまでの間の守りのようなものと思え』──

 ご主人様のお気持ちは大変嬉しくありがたかった。
 もう場所に関しては仕方がないので、できればもうちょっと分身さんのサイズとか…サイズとかサイズなんかを、なんとかして頂きたかったが、

 ──『お前のナカに入るものだ。私自身と同じにするに決まっている』──

 と俺に対して「それもわからぬお前は阿呆か?」的な感じの呆れたような口調で返された。 

 つまりサイズはご主人様毒蛇様とまんま同じであるらしい。
 流石にトゲは無いが、それは良かったとは思うが…ちょっとあり得ない。

 ──『感づかれる故、もう黙る』──

 と用件を一方的にお伝えになるとご主人様は沈黙された。

 (えぇぇ!このまま放置ですのん?!)

 ───ご主人様が仰ったようにランちゃんの一族、【赤】に属する鬼さんたちは、めちゃくちゃお鼻がええんや。

 実際、このあとすぐに気づかれた。

 ご主人様も不本意やったらしいけど、部屋に侵入したご主人様の分身の蛇ちゃんは、薫りを誤魔化す為にご主人様のお名残である精がある、俺のお穴のナカに隠れはったというわけや。

 以前告げられた魔王様サイズのおしおき張り型ディルドではなく、毒蛇様サイズのお守り蛇ちゃんバイブを受け入れた俺は悶えていた。

 (うぅ…毒蛇様並に太いのんが入っとってほんまにヤバい!
 ご主人様!こんなん絶対に違和感消えまへんえ~)

 ご主人様(分身)はたまに動かれて、それが俺の良いところを刺激した。
 本当にたまったものではなかった。

 媚毒によるエンドレス催淫地獄は無くなったが、新しくご主人様によって開発されたばかりの俺の良いところが何度も刺激された結果、ムスコ殿が昇天召されたことだけはお伝えする。

 因みにお穴の違和感はもちろん消えなかった。



 (はぁ♡うぅ…っ、これを我慢しろやなんてぇ♡…ご主人様は鬼畜おすぅ~~♡♡)



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