僕の番が怖すぎる。

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二章 あいつの存在が災厄

あまり深く考えるな、お前はお前の望むものを手に入れろ。

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 *少し説明を追加し訂正しました。
  ───────────
 

 
 ことの起こりは二年と少し前、ツナと出会ってすぐになる。

『お前に話さないのはフェアじゃねーし、対策もできねぇ。
だから、ショックを受けると思うがちゃんと聞いてくれ。
これが起こったらおれの恋も散りそうだ…』

 こんなふうに友人は話し始めた。
 彼の言うことは所々わからない単語が多く、姉も交えて話をした。

 未来に起こる話。
 信じられない事が多く、目眩をおぼえた。

 僕の番が【酒呑童子シュテンドウジ】と呼ばれ、人族に対して良くない行いをして、
 退されること。
 それをする人物は『神』から僕ら鬼族の天敵となる力を与えられること。
茨木童子イバラキドウジ】が【渡辺 綱ワタナベノツナ】によってなど。

 色々と不思議なこと過ぎて吃驚するというよりも、
 あんなに強い力を持つ者たちがどうかなるなんて信じられなかった。
 信用出来ないならと、【髭切ひげきり】の威力も見せてくれた。

 綱の言うことを全く信じれない訳ではないが、
 あいつに限ってそんな事が起こるとは思い難かった。
 
『お前の憂いを無くして、悩んでいることを解決する方法がある。
それに色々とあいつらのケツを叩いて変えないといけないしね。
お姉ちゃんとお義姉ねぇ様に任せなさい。』

 姉たちが力を貸してくれることとなり、話はどんどん進む。

 クロを生んだことも大きかった。

 あの子は生まれながらの亜神ではないけれども、大きな強い力を持っていた。
 あいつと同じ様に抑圧され育てるのは望まない。
 それには姉たちも賛成した。

 あいつに異変が起こり、僕に話したり相談してくれたら皆で協力して、
 そうでなければお仕置きを兼ねて事を運ぶように進めてきた。

 
 ◇◇◇


「綱、頼光ヨリミツってどんなやつ?
取り敢えず【姫君】であれば【童子切ドウジキリ】の対象を外れると言われたけれど、
………まだ怖い。」

 僕は既に茨木や四童子たち鬼のαの実力者よりもすっかり強くなってしまった。
 だが、【鬼】という役の縛りには勝てないかもしれない。

「あのクソ野郎は俺のの従兄弟で幼馴染だったんだが、
色々と倫理的に壊れていて、気に入った相手にすぐに手を出した。
……俺もお前みたいにそういった知識のない頃に
お前と会わせるのは本当は避けたい。
あいつは可愛いやつが好きだからな。」 

 綱は渋い顔をしながら言う。

 少し衝撃を受けた。
 散々、人族のβでそれは倒錯的で変態的なものだと綱に言われた事だ。
 僕が手篭めにされたことにあんなに怒ったのは、そういう事も理由だったんだな。

「ヘテロでないうえに、興味のあることを片っ端から試しやがる。
ほんとうにおれの二歳上か信じらんねぇくらい早熟だった。
なまじ賢くて外っ面が良いのもそれを増長させた。
それは今も変わんねぇ。
だけど人に命令して色々する癖があるから、おれらが上手く事を運べた。
全然、裏切られるとかそんな事を毛ほども思っていない。
増長したアホだ。」

 あまりにも上手くことが運べた背景はそれなのか。

「つまり歳下の男が好きなクソ野郎。
だけど詰めの甘いアホ?」

「それで良い。あまり深く考えるな、お前はお前の望むものを手に入れろ。
おれはそれをバックアップして、
最後まであいつの側にいるろくでもない奴らを、切る。」

 綱の【髭切】は茨木を切った事で【鬼切】となった。
 色々と様になり、ろくでもないものにも有効だ。

「それにしても…この格好だけはなんとかならないのか?」

 僕の今の格好は【姫君】らしい人族のメスの貴人の格好、所謂『壺装束』だ。
 とてもとても不本意だ。


 因みに【鬼切】で落とされた右腕は再生がされづらい。
 とりあえずは血を止める処置のみで来ている。
 これからすることでそれは癒やされるので問題ないが。

「なかなか似合ってるぜ、エロ姫!」

 ニヤニヤとからかう様に笑いながら返して来る綱に

「お前!ぶん殴るぞ!!」

 利き腕ではない左手で拳骨をお見舞いした。
 友人はニカッと笑い僕の緊張を解した。

 ◇◇◇

 みやこに入る少し手前の場所、【酒呑童子】の首が埋められる筈だった地蔵塚の、
 近くの宿場でやつらは休んでいる。

 他の人族に被害の出ない様に、フノスが予め避難する【暗示】をかけて移動させているらしい。

 あの子もあいつ並みの規格外だ。
 言っていた僕の子が、亜神の【運命】で【伴侶】になるなら、
 苦労しないように色々と教えてあげないといけない。

 そんな事を考えて緊張と恐怖を落ち着かせる。

「事前の打ち合わせ通り、おれはお前を救った【姫君】として案内する。
お前は【あれ】を手に入れて【血吸ちすい】にしろ。」

 僕を京に居るらしい人族の長、【みかど】に会わせるために連れ帰るらしい
 その捜索を綱に命じたそうだ。
 筋書きでは、【酒呑童子】は人などを
 た。
】で鬼が側で守っているので、連れてこい。

 そういうことだった。

 どこまで【役】をなぞり、それをこなして外れるか。
 これが大変だった。

 片っ端から協力者に【お手つき】と【秘印ルーン】を与えた。
 同時に、【役】になる様に噂などを操作した。
 この世界は【名】が力を持つ。
 持ち過ぎるくらいだ。
 だからそれを逆手に取る。

 そして、それに対応する協力者の【源氏ゲンジ】のものも優秀なものが多かった。

『私は中央情報局C○Aでそういう仕事をしてましたから…』
『俺は対外情報局C○Pだ。』
秘密情報部S○Sの出身。』
『モ○ド』
『シュ○ージ』…………


『『『『『『お任せ下さい!』』』』』』


 姉は
『なぜかその道のプロがゴロゴロいるな…』
 珍しく引きつっていた。

 彼らは恐ろしく有能で、予想以上にこちらの期待に応えてくれた。

 彼らの望みは今の生の縛りを無くして、生き甲斐を作りたい。
 僕の【眷属】になればそれは叶うと…そう言った。
 それって本当かな?
 でも彼らはに生き甲斐を見出したものたちらしい。

 鬼族に暗部組織【ゲンジ組】が誕生した瞬間だった。

「姉様が言うには、有り得ないくらい巡り合わせが良いから大丈夫だって、
耳長エルフ族の神子も二人も付いている。
でも、失敗したらどうしよう…」

 あいつのあの姿を見たら恐ろしいと思わないわけがない。

「お前な、旦那サマの為にあんだけ無茶やって、
人喰いにさせない為に自ら買って出て、瀕死になった。
旦那サマのあんな姿を見てビビるのはわかるけれど、
おれらあやかしとはぐれ鬼退治のスペシャリスト、【源氏】だって手下にしたんだ。
これで負けないわけがないだろ!
しっかりしろ!【銀の鬼姫】!!」

 そんな僕を綱は激励した。

 ◇◇◇


 この頃は【源氏】の者たちにそう言われていたね。

《そもそもなんでプリンセス?!》

 言ったろう?鬼族のΩはお姫様扱いで育てられるんだよ。

 でも、姫君呼びはいい加減にして欲しかったな。
 …をそう呼んで良いのは夫だけだ。


 ◇◇◇

 座敷で鬼討伐の宴をやつらはしていた。

【青】を纏ったろくでもない、あいつの変な兄姉みたいな奴らだ。
 奥に座する頼光はより、良くないものの影響を受けており溝渠ドブの様な匂いがした。
 あれを喰らうのか…いつものよりも吐き気がする。
 お菓子を持ってくればよかった。
 口直しの血とかも不味そうなのばかりだ。

「これで綱が帰ってきたら、僕の嫁にしてそれでおしまいか。
案外、最強の鬼もあっけなかったなぁ…
何が『鬼に横道はない』だよ。騙される方が阿呆なんだよ!
アハハハ………」

「「「「「「ハハハハハ…」」」」」」

 はらわたが煮えくり返る。
 この怒りが恐怖感を消してくれた。

 ──『あいつ!まだそんな事を思ってやがるのか!!
ぜってーごめんだ!俺は男は無理無理無理無理って言ってんのに!!!
百合に【華】を貰わなかったら、あいつと初めて会ったときにヤラれてたんだよな…
怖気が走るわ。』──

 友人の為にもこいつは消さないといけない。

 ──『綱、手筈通りに。』──

 顔を見合わせ、頷く。

「頼光様、【姫君】をお助けし、お連れしました。」

「綱か、入れ。」

 聞こえてくる耳障りな声。
 こんなやつに僕の大切なあいつがやられたなんて!

 静静とやつの側まで行く。
 鬼の証の耳と角は笠と衣が付いているので隠せている。
 やつも僕があいつの嫁で鬼族の皇子の妃とは知らないらしい。
 ただ、美しいΩとは知っているそうだ。 

 最近は人族でもαやΩが貴人たちを中心に増えているらしい。
 だから貴人の【姫君】というのを偽装しやすかった。

「よくぞご無事でしたね、姫君。
穢されたとお聞きしましたがご無事な様で安心致しました。
お上のもとへは私たちがお連れいたします。」

 ねっとりとした嫌な視線だ。
 興味からか肉欲からか近づいてきて、笠を剥ぎとろうとするやつに

「私に触れて良いオスは夫のみ。
何を吹き込まれたのかは知らぬが…
私の番にした事の報復を貴様らに与える。」

 そう言うな否や、やつの首を左手の爪で裂き、そのまま喰らいつく。

 不味い…
 本当に溝渠の様な匂いと味に吐き気がする。

 慌ててやつは抵抗するが、そんな力で【至】りかけている僕に勝てるわけがない。

 どんどん、どんどん、

 飲んでいく。

 背後で綱が手下のろくでもない奴らを【鬼切】の力で屠る。
 バラバラにされていくものたち。

 遂に頼光は抵抗しなくなった。

 ──『こんなにも弱いやつにあいつはやられたのか?』── 

 だが、次の瞬間

「ハハハハハ…!鬼め、死んじゃえよ!!」

 ッ!!油断した【童子切】だ。
 思わずやつを手放してしまった!

 が

「な、なな…なんで?!どうしてだ!!こいつは鬼の筈だろう?!」

 両手をまじまじと見つめて愕然とする頼光。

童子切それ】は襲ってこなかった。

 思わず力が抜けホッとする。

「お前な!焦ったわ!!油断すんなって言っただろ!!!」

 ──『ごめん。』──

「僕の番にした事。友人にした事。
それらをまとめてお前の魂を代償に貰うよ。」

「は?!」

 それを最後に、僕はやつを 喰 っ た 。

 そしてバラバラにされたものも動くものも全て含め、、始末していった。
『神』に繋がる末端の魂を大量に食べたことなどで、僕も遂に【至】った。────


 ◇◇◇

「ハー…。
【銀の鬼姫】、鬼が持つ【童子切】で【血吸】。
なんというか、安直すぎるだろ!
で、この噂を広めてやるんだな。
あいつらはもう流しているらしいけれどな…」

 全てが終わり、息を整えた綱が言う。

「綱、姫君は嫌だ。
僕をそう呼んでいいのはあいつだけだ。
お前は、まぁ許すけれど。」

 あいつにしか『俺のお姫様』は許さないが
 綱に呼ばれるのも嫌じゃない。
 親愛を込めた愛称というのが快い。

「んじゃ、【銀の君】で流すわ。エロ姫!」

 邪気のないカラッとした笑顔で返す友人。 
 こいつのこの笑顔はあいつに似ているな。
 だから許してしまうのか?
 
 なし崩しで綱からの呼びかけ『エロ姫』を許してしまった。
 こいつからこう呼ばれるのは気安いからかなぜか嫌ではない。
 でも、エロ姫はないよね?

 早まったかも。

 この気のいい、ちょっと口の悪い友人も大好きな身内だ。
 彼が茨木に求婚し許されたら眷属にする。
 そう約束した。

 ん?

 まさか…?!

 あー、マジで!!

「綱、あいつがもう復活して近くまで来てる…。」
「ハァ?!お前の旦那サマはどんだけバケモンなんだよ!!」

 二人して慌てる。

 ことあとは京の帝のところに殴り込んで、
 この一件に関わったものに制裁を加える予定だった。

 あまりの復活の速さに驚く。

 そちらは【ゲンジ組】に任せるしかないか。 
 ひとまず皇宮まで帰り、黒を連れて実家に向かう事にする。

「綱、捕まれ!皇宮まで。」
「は?!」

 綱を小脇に抱え、地を蹴り上げ、思い切り跳躍する。

 あいつがよくやるやつだ。
 あいつはお義母様の故郷である、月までだって軽く跳べるらしい。

【至】り、底上げされた身体能力により、僕らはみるみる上昇して、
 そして目的地に落下する。

 
「ハイィーーーーーー?!」


 数刻前まで居た、皇宮ここに帰ってきた。

 どうやらあいつも気づいて戻ってくるみたいだ。
 本当に僕のこと大好きだよなぁ…。
 匂いで追跡されるからこういう時は困るな。

「お前な!吃驚したわ!!いきなりすぎるだろう!!!」

 綱は二、三歩ふらついたが、踏ん張り僕に怒る。
 凄いなこいつ!

「初めてでそれだけ元気なら、人族ではとても凄いことだよ。」

 僕はあいつに初めてされたときは目を回して失神した。 
 綱は本当にヒト離れした凄いやつだ。

「なにサラッと流してんだよ!このエロ姫!!」

 友人は何故か無茶苦茶怒っている。
 褒めたのに。


「「百合!!」」「「「「「「お妃様!」」」」」」


 あらら?
 お義母様、お義父様…なんで未だに土下座してるんですか?

 あ、そういえば解除せずに行ってましたね。

 あはは…ヤバい!

 うっかりしていました。
 すみません。

 嫌な汗が流れてくる。
【至】ったから、この後であいつのされているような折檻をされたらどうしよう?

「お前な、これは可哀想だろう。
身分ある方がこんな姿を晒すのは本当に屈辱的な事なんだぞ。」

 友人は引きつった顔で僕に注意する。

 ごもっともです。

 ほ ん と う に す み ま せ ん 。

 どうしよう。

 僕の『淑やかで控えめなお妃様』像が崩れた。

 泣きたい。


 上空から、
 芳醇な薔薇の薫りが近づいてきて
 僕の目の前に降り立った。

「百合、無事か?」

 第一声は僕を心配する言葉。
 そして心配そうに見やる、僕の大好きな整いすぎた顔。 

 確かにあれは本当に怖かったから、そんな言葉に目尻に涙が浮かぶ。
 Ωの涙もろさが嫌になる。

 こいつも戻ってきた。
 一応は一族のものも【ゲンジ】たちも居る。
 だから外向きで、外向き対応で
 崩れつつはあるが『淑やかで控えめなお妃様』を守らなくてはいけない。

朱点シュテン、私はお前に説教をしたいことがあります。」

 声に【しゅ】を載せ威厳を保ち言葉を放つ。
 少し離れた所から「ぐっ!」や「うっ!」といった義父母の声が聞こえる。
 
 あ、まだ解除していないのに更に呪いをかけてしまった…
 どうしよう。。。

 でも、こいつとの話が大事なのでとりあえず放っておく。 

「百合…早く解け!」「百合、お願いです!頼むから!!この姿はとてもツラいです。」

 怖いので放っておく。


「俺のした事を怒っているのか?」 
 
 僕の大好きなこいつの色違いの目が開いてこちらを見ている。
 ちゃんと生きている!

 どうしよう…大好きなこいつに抱きついて、
 滅茶苦茶に甘えたい!甘やかしたい!
 ほんの数刻前に見た、あの姿を忘れる為にもこいつに抱かれたい。

 でも、ちゃんと話して解決するまでは…
 僕がしっかりしないと黒の今後にも関わる。

 今のままでは絶対にダメだ。
 強い力を持つものを、抑圧して育てるなんてそんな可哀想なことはしたくない。
 こいつだってまだ解放されていない。
 だから…

「何に怒っているかと言えば、秘密にしていたことの方です。
食べたりした事は、私が誘いましたからね。
ですからひとまず家出をすることにします。
このまま黒を連れて、【実家】に帰らせていただきます。
お互いに少し、頭を冷やす時間が必要です。」

 再び綱を伴い皇宮を後にする為に歩き出す。  
 手筈通りなら既に乳母である従兄弟が、黒とクリを連れて向っている。

「待て、お前を離さない。
許すまでどんな事もする。
俺のしたことも謝る。
だから…」

 肩を掴まれたが、近くの距離まで来たことで
 こいつから知らないメスの…オスの匂いを嗅ぎとってしまった。

 僕の中で何かがキレた。

「お前なぁ!【血吸】!!」

 やつから奪った、を激情のままに初めて振るう。

「百合!それは不味い!!まだ試してねぇだろ!!!
朱点サマ危ねえ!避けろ!!」

 僕の手の中に魂の色、紫の鋭い刃が生まれる。
 それをそのまま、肩を掴んだこいつの手に振り下ろした。


「百合?!」
「「「「「「「「「「「「え?!」」」」」」」」」」」」
「この姿勢では避れんな。」「ですね。」



 ───────シュパッ────────



 それはこいつの手だけでなく、
 後ろにいた鬼たち、更には土下座中の義父母をも切り裂き、

 ────────ゴゴゴ…ン

 …皇宮まで切り裂いた。


 怖 ッ ッ ッ  ! ! ! ! !


 僕の番が怖すぎる。

 ではなく、『俺のお姫様が怖すぎる。』にしなくてはいけないかもしれない…


 ◇◇◇


《………………………》

【血吸】はとても強力な力だった。
 強すぎて制御ができないくらいに。

 後日、私は綱からレクチャーを受け完全にものにするまで、
 綱や義父母に厳しく使用禁止を言い渡された。

 あいつもかなりビビっていたな。

 私の外歩きから始まった【酒呑童子】の話はとりあえずはこれで一段落した。
 この後の後処理などは【ゲンジ組】が頑張った。

 なぜかその後、Ωが眷属を創ることは禁忌に近い扱いになった。
 私の【ゲンジ】たちは、逆に眷属にしないと危ないということで許されたが。
 何か腫れ物に近い扱いがしばらく続き、義父母も私にあまり近づかなくなった。

《ヒソヒソ…マリーは昔から常識がないのかもしれない。》


  ───────────
 家出と仲直りでこの章は終わりになります。
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