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人物と用語など
しおりを挟む随時追加修正していきます。
あちらの人物の年齢や身長については、数え歳や尺貫法で計算しています。
20/04/05【四家】や 番の成立について などの追加と多項目の編集をしました。
【人物】
『青』の世界の人物
マリー(Marie)
この話の語り手。医学博士、遺伝子工学研究者。30代前半の女性でフランス出身。
シングル(男性経験ゼロ)で子供を産み育てている、金髪に紫の目の物凄い美人。
物腰は妙に凛々しく男性的だが、非常にモテる。
フランスの貴族の家の出で実家はワイナリーなどを経営しているお嬢様。
酒呑みで稀に見るメシマズ。その味覚は凄まじく、味蕾が死んでいるとまで言われる味オンチ。
子どもたちの性教育に失敗した。
Marie はフランス語でマリアの名前の一つ。聖母マリアは処女でイエスを産み、その象徴は庭白百合(マドンナリリー)とされる。
ランディ(Randy)とコリン(Colin)
マリーかわいいの子どもたち。コンラン(混乱)コンビ。
実子ランディと預かり育てているコリンは双子のように仲が良く、いつの間にか番ってしまった。
ランディは赤毛に深い藍色の瞳で口が悪く、大柄な体格の男の子。
優れた身体能力に任せて突飛な行動をしてはマリーを困らせる。
コリンは黒髪に深い紫色の瞳の男の子で、飛び抜けた頭脳を持つ天才児。マリーの母の友人の孫。
直截的な物言いやとんでもない発想でマリーを困らせる。
『赤』の世界の人物
百合
この話の主人公。Ω性の男で初登場時は大体十一、二歳くらい。十九歳で外見の年齢は固定した。
【青】という鬼族の上位の者たちの家の出で、その跡取り。
腰より少し下の銀髪、銀目で『【青】の美姫』とまで言われる絶世の美貌の持ち主。
Ωではなく、α寄りの容姿をしている。愛称は『姫』。
お姫様育ちで外面は淑やかで控えめだが、実は口が悪く、ワガママで腹を立てるとすぐに手が出る。物凄い面食い。
偏食が酷く、甘いものが好物で【黄】渡りの蜜漬けの果物を好む。
あいつこと朱点の『運命』の番。出会ってすぐに誘拐され、強引に閨に連れ込まれ、勝手に番にされた。
その名のとおり心臓に【庭白百合[マドンナリリー]】を持つ。庭白百合の花言葉 「恥じらい」「貞節」「永遠の愛」「無実」「受胎告知」「無邪気さ」「純潔」「天上の美」「汚れなき心」など。
運命に出会い、愛に狂ったものの片割れ。
朱点
α性?の男。百歳と少しくらいの歳だが正確なところは不明。十代後半から二十代頭くらいの容姿。
放蕩皇子とまで呼ばれている鬼族の末の皇子。愛称は『若』。
鬼族でも随一の、ゾッとするほどのあり得ない美形で、鮮やかな朱い髪に金色の双角、金と銀のオッドアイ、2メートルを超える大きな体、そしてでっかいちんちんを持っている。
ロマンチストでマザコンだが、ファザコンも拗らせており父とは不仲。
単語を並べたような独特の喋り方をし、色々と規格外でぶっ飛んでいる。
百合に一目惚れして自分の閨に連れ込み、手籠めにして番にした。『運命』の番である百合を閨に軟禁して、「俺のお姫様」と呼び溺愛する。
心臓に【青薔薇】を持つ。青薔薇の花言葉「夢かなう」「不可能」「奇跡」「神の祝福」など。
運命に出会い、愛に狂ったものの片割れ。
茨木
朱点の側近の従者で朱点の父方の従姉にあたるα性の女。朱点の乳姉弟でもあり、彼より少し早く生まれている。大体百歳。
金髪金眼で金色に近い黄の二本の角を持つ。外見年齢は二十代の半ば。
常に柔和な笑みをたたえた柔らかな物腰の女性だが、恐ろしい力の持ち主。
長らく朱点の愛人のようなものをしてた為、百合からは激しく嫉妬されている。【華】は持たない。
綱
人族で大体、十六歳くらいの男。 αでもΩでもないβだが、逸般人。
黒髪黒目の精悍な美形。武家の生まれで本人も優秀な武人。
本名は『源綱』後に『渡辺 綱』となる。
百合曰く、清廉な【青】の魂を持つ人物で百合の友人。不思議な言動をする。
百合に欲情せず、番持ち以外では普通に接するほぼ唯一の男だが、朱点からメス認定されたうえに酷いセクハラを受けた。
面食いで惚れっぽいが、茨木に惚れてからは操を立て、童貞を貫いている。
【髭切】という、妖や鬼を切る力を持つ。
黒
朱点と百合の長男。登場時数え一歳。魂の色は始まりと終わりの色、【黒】。α性に成長すると見られている男の子。
黒髪に金眼で祖父に瓜二つの子。皇由来の金色の二本の角を持つ。
朱点から複雑な苦手意識を持たれている。
物静かで賢い子だが、色々と父にそっくりになる。
心臓に【鬼灯】を持つ。鬼灯の花言葉「偽り」「誤魔化し」「心の平安」など。
后陛下
朱点の母。Ω性の男。耳長の神子とは双子。
性別や年齢を超越する美貌の持ち主で、床にまで届く長い銀髪、銀眼に皇の一本の角を持つ。
あまりの美貌と薫りで求婚者が絶えず、閉口した過去がある。
夫の閨に監禁される様な生活をしており、朱点の教育に色々と失敗した。朱点の行動や思考、言動などは彼が原因とも言える。
柔らかな物腰だが、朱点に対しては常に叱っている為、大体においてアホ呼びである。
心臓に【白菊】を持つ。白菊の花言葉「高貴」「高潔」「高尚」「真実」。
皇様
朱点の父。α性の男。外見年齢は二十代半ばから後半。
黒髪に金眼と金色の二本の角を持つ。オスらしく男らしい容姿の持ち主で、朱点よりもさらに良い体格をしている。
妻を溺愛しており、閨に監禁して可愛がっている。色々と他のことは興味がなく適当で身内以外には冷たい。
とても恐ろしく震えるような雰囲気を持つ。
緋
百合の姉で朱点や茨木などとは幼馴染。α性の女。大体百歳。
紅い髪に金色の瞳の人目を惹く絶世の美女。外見年齢は二十代の頭。
百合からは物凄く慕われている自慢の姉で、彼女も弟を溺愛している。
耳長族では【フレイヤ】と呼ばれている秘密の多い人物。
生来から鬼の力をほぼ持たず、鬼の価値観ではなく、あちらや耳長の知識や価値観などを百合に教えた。
伴侶からの呼び名の紅薔薇は彼女のΩの名。
心臓に【赤薔薇】を持っていた。赤薔薇の花言葉「あなたを愛しています」「美」「情熱」「熱烈な恋」など。
フノス
百合の姉、緋と耳長族の神子の長女。登場時満年齢五歳。α性の女。
耳長族でも随一の美形。アルビノで真っ白な髪と肌に、赤みの強い紫の目の持ち主。母(父親)と同じく【神子】。
人形の様に動じず、感情の動きも少なく、他人の話を聞かない。
母から鬼の血が入っているので【華】を持つ。
心臓に【桜[ソメイヨシノ]】を持つ。ソメイヨシノの花言葉「高貴」「清純」「精神美」「精神愛」「優れた美人」。
運命に恋い焦がれているもの。
お義姉様
百合の姉の伴侶。耳長族の神子でα性の女。
アルビノで真っ白な髪と肌に金の目の持ち主。
転生を繰り返す存在で、その魂は鬼族のΩの始祖の姉にあたる。
朱点のことやその伴侶たる百合の事を心配している。
以前の肉体では【蓮】の【華】を持っていた。蓮の花言葉「神聖」「雄弁」「清らかな心」。
四童子
【緑】の 熊童子、【青】の星熊童子、【赤】の虎熊童子、【黄】の金童子の四人を纏めた呼び名。
全員が男でα性。朱点の側近をしているお兄さん達。外見年齢は三十代頭くらいで実年齢は軽く千歳は超える。【四家】の祖にあたるが全員【華】は持たない。
四卵性の四つ子で、全然似ていないが全員が屈強な体格の持ち主。
四天王
綱、金時、貞光、季武の四人からなる【頼光四天王】のこと。
綱は【髭切】、貞光は【石切丸】 、季武は【痣丸】という力を持ち、それぞれが鬼や妖を屠ることが出来る力を持つ。
源氏、ゲンジ
綱、金時、貞光、季武の配下や元頼光の配下などの武士たち。
百合を主人として心酔する狂信的な武闘派集団。ほぼ全員がβ性で【角なし】。
様々な技能や知識を持つものが多く、後の鬼族の支えとなる。
菖蒲兄様、涅
菖蒲は黒の乳母でΩ性の男。百合と緋の従兄で緋の親友。
四童子の星熊の子の群青が番。
涅は黒の乳兄弟の男の子で、半年ほど黒より年上。Ωに成長すると思われている【青】の跡取り。
【黒】の魂を持つので、黒の妃候補として教育も受けている。
菖蒲は【菖蒲[紫アイリス]】を、涅は【桔梗】をそれぞれ心臓に持つ。
紫アイリスの花言葉「知恵」「雄弁」「恋のメッセージ」「吉報」。
桔梗の花言葉「永遠の愛」「気品」など。
白練
茨木と綱の長男。登場時満11歳、後に16歳になる。α性の男。黒とははとこになる。
白金の髪に金色の瞳の小柄な少年。角は白。学校などでは刑部 白練と名乗っている。
朱点の従者を幼い頃からしており、【白】の強い魂を持つ。
父から人の血が入っているが、大伯父である皇に誰よりも近いαの濃い血を持つ。【華】は持たず、血よりも肉が大好きでよく食べている。
α性由来の強すぎる破壊衝動から、とんでもない鬼畜行為ばかりをしており、両親を困らせている。
梨生
『神』に召喚された一般人で名字は渡辺。就活中の大学生男子。
勇者ナシや犬野郎などと白練から呼ばれている彼のペットらしい。
下り眉が特徴的な180cm超えのイケメン。弱い。
藍青
緋と百合の父親。α性の男。【青】の当主で大政大臣をしている切れ者。
天才的な頭脳で知られるが、色々とメンタルに問題を抱えた人物。百合曰く『クズい』。
発情フェロモンにあてられ、事故的に番になった後添えと異母弟を作る。
妻である瑠璃をとても愛していたが、それを裏切ったことで病まれてしまい、自殺されたと思いこんでいる。
妻を様付けで呼び、妻からは字の『錦』と呼ばれていた。
心臓に【錦百合[ヒヤシンス]】を持つ。ヒヤシンスの花言葉「悲しみを超えた愛」「変わらぬ愛」など。
瑠璃
緋と百合の母親。Ω性の男。
長く生きた最も旧い世代の『血を飲むもの』のひとり。至りかけていた。秘印の魔術に長ける。
銀髪銀目の百合に瓜二つの容姿で、誰よりもオスらしく在った絶世の美貌のΩ。あまりの美しさから『【青】の宝石』とまで呼ばれていた。
長らくΩとして目覚めていなかったが、夫と出会い成熟し番となるが、番の裏切りに激昂して、命を絶ったと思われている。
多数の二つ名を持ち、力も強く位も高いが、プライドも高く尊大。
心臓に【牡丹】を持っていた。牡丹の花言葉「王者の風格」「富貴」「恥じらい」など。
花笠
百合の父、藍青を事故的に嵌めて番になった後添え。Ω性の男。濃い桃色の髪と目をしている。
低い階級の母から産まれ、大変好色かつ淫乱で倫理観や貞操感が壊れている。
酷い性格で実子でさえ道具扱いをして、思い通りにならなければ虐待していた。
色々と不思議な言動をし、『神』から授けられた力を持っている。
心臓に【花笠石楠花 [カルミア]】を持っている。花笠石楠花の花言葉「大きな希望」「野心」「裏切り」など。
編笠
百合の異母弟。半年ほど年下。Ω性の男。
桃色の髪と空色の瞳の持ち主で、庇護欲を誘うメスらしい容姿をしている。
母に似ず貞操感は堅いが、それは男に抱かれたくないというところから。
不思議な言動をし、色々とままならない状況になるとその場から逃げたがる。実は結構賢い。
心臓に【編笠百合】を持っている。編笠百合の花言葉「人を喜ばせる」「謙虚な心」「才能」など。
水
茨木の父、α性の男。結構な歳。
皇の随分歳の離れた末の弟で、未熟児で産まれた為か成長が少年の年頃で止まった。
とても小柄な体躯で水色の髪と金眼、皇の二本の角を持つ。
外見年齢は元服前の年頃の十四歳くらいで、妻や娘よりも歳下にしか見えないが、彼の方が妻の倍近く歳上。
甘いものと風呂を好み、男のΩ(中性的な美人)を嫌う。朱点にひとりで生きる術を仕込んだ人物。
【用語】
鬼族
所謂、食人鬼と吸血鬼のハーフ。
あちらで最強のあり得ないくらいの反則的種族。
外見的な特徴として、成人したαはこめかみのあたりから二本の角を、Ωは額から一本の角を持ち、人よりも少し尖った耳に大柄な体格、目尻にアイシャドウの様に朱が引かれており、心臓に【華】を持つ。
特に肉体的に特化しており、血や肉を食べれば失った肉体もにょっきり生える。
そのありえなさに『神』から睨まれ、大きく強力な2つの呪いをかけられている。
下位の鬼と上位の鬼の比率は 9:1 くらい。αとΩの比率は7:3くらいでΩが少ない。
男のαと両性のΩの始祖から始まっている為、生来の鬼はαかΩしかいなかったが混血化により、近年はβも出てきた。
その興りから他種族では良くある、α至上主義もΩ差別もないが、絶対的な階級社会で、皇と后をαとΩのそれぞれの民の守護者として崇拝する。
力のある上位のものは一流の呪術師。
耳長族
所謂、エルフ。
鬼族のΩの始祖の双子の姉が、人と交わり生まれた人族の変異種。鬼族とは兄弟的種族になる。
鬼族とは違い、徹底したベジタリアン(Vegan)である。
鬼族とは違い精神の方面での反則的種族。
神子と呼ばれる特異な存在が一族を導いている。【アルフヘイム】という国に住む。
亜神耳長の神子などには、予知や過去視、テレパシー能力などがある。
ガンドと呼ぶ呪いとルーンやセイズなどと呼ばれる魔術を使う。
男女ともに性別のわからないような、凹凸の少なく非常に美しい容姿をしている。
異星人並みに不思議なひとたちで、同族のみで生活する習慣や性質から
『潔癖』『高慢』『尊大』などと言われている。
力ある上位のものは一流の魔術師。
人族
所謂、人、一般人。
百合曰く、知能も低く、醜く、愚かな猿ども。
百合の時代では文化も文明も鬼族や耳長族には遠く及ばない。
近年は他種族との混血も進み、α性やΩ性のものが出てきているが、β性の者たちが大多数。
他種族と違い比較的楽に子を儲けることができるので、人口は一番多い。
この時代では妖怪やはぐれ鬼などに困らせられている為に、それを退治する陰陽師や武士などが存在する。
【華】
鬼族のΩが心臓に固有で持つもの。Ωは自らの名として名乗ったりもする。
自らの【華】をヴァンパイアの様に、血を吸った相手に寄生させて呪いをかけ、眷属にして縛ることが出来る。
【血の伴侶】
鬼族の長い寿命に伴侶や番を合わせるためにする呪い。
深い愛情からくるもので、大きな誓約を授ける際につける。
一度してしまうと死ぬなどしないと解除できない。
相手を強く縛ることが出来るので、伴侶の生殺与奪すら掌握出来る。
お互いに結ぶことで完全に成立する呪い。
この物語のずっと後の時代では、ある理由から禁止にされたり、廃れてしまう。
【眷属】、【お手つき】
鬼族のΩが【華】を与え、従者や下僕としたもの。
お手つきはその予約、マーキングのようなもの。
争いを避けるために、伴侶にするには低年齢やその段階にいないものに授ける。
強制力は普通の【華】よりも弱い。
【名】
あちらでは非常に強い力を持つもの。
強いものの【名】を呼ぶことは非常に恐ろしく、許されないと呼べない。
朱点の名乗っているものも通り名であり本名ではない。
【皇】や【后陛下】に百合の姉の【フレイヤ】とその伴侶の【神子】などもそれを避ける通り名。
鬼のαは魂が持つ色の名を名乗り、Ωは自らの持つ【華】の名を名乗る。
魂の名を【真名】、Ωの名は字と言う。
あまりに重い罪を犯した罪人の場合はそれを奪われる場合もある。
【名付けの儀】
鬼族の后や妃によって行われる、元旦の儀式。
昨年産まれた子に魂の名、【真名】を授ける。
Ωの目を持たない母を持つものや、希望するもの全てに与えられる。
朱点が大やらかしをして、未だに関係者が怖々としている。
【名】をつけられないものを【名なし】と呼び、Ωでもαでも力を振るうことができず、それが原因で早世する。
【魂】
鬼族や耳長族がとても大事にするもの。
その者の本質や在り方を示す。不滅のものであるが、穢れ浄化できないものは亜神などに消滅させられている。
大まかなカテゴリーで【赤】【青】【黄】【緑】と、特別な【白】【黒】があり、より濃い色ほど強い魂とされる。
百合や朱点のような二つの性質をうまく持ち合わせるものは稀。
あちらは【赤】の気質が強く、地球は【青】の性質をもつ。
転生などが当たり前とされ、あちらの世界とこちら世界で行き来などもままある。
鬼族では【魂】に惹かれたや惚れたなどは最上級の求愛の言葉。
朱点が若いものや幼いものが好きなのは、魂が綺麗なものが多く好ましいから。
【呪い】
反則的が大嫌いなあちらの神からの祝福。
鬼族は異例の二つの大きな呪いをαとΩの長がそれぞれに受けている。
これを利用したものが【権能】と呼ばれる力。
鬼のΩは【眷属】を作り自らを守る力を、鬼のαは【消去】などの相手を消滅させる力を持つ。
【呪】
朱点が良くする簡単な呪い。
少し強めの世界に干渉する強制力や暗示。強く念ずれば色々と縛れる。
本来は呪術の祝詞や解呪の祓詞の事を指す。
【説教の躾】
百合の姉、緋が教えた呪いその一。
緋が考案して術式を耳長の神子が作った。鬼の呪術。
犬の躾の「おすわり」に始まり「待て」、「伏せ」、「ハウス」などの命令で体勢を縛る。
とても屈辱的なこの姿勢を鬼族の両陛下は数刻も味わい、百合に戦慄した。
【指切りげんまん】
百合の姉、緋が教えた呪いその二。
曰く、「とんでもなく怖い誓いの呪い」。耳長の呪い。
約束事を決めそれを違えた際に与えられる罰を決めて呪える。
小指同士を結び合わせ、拍子に乗り、共に祝詞を唱え、【指切った】の合図で最後に結んだ小指を離す。
同時に同じ条件で互いを呪うことも可能。
【鬼キラー】
【血吸】、【鬼切】、【蜘蛛切】、【石切丸】、【痣丸】などの百合とその従者の四天王の持つ力や、四天王、ゲンジたちなどを指す。
鬼のαの【消去】と違い、色々と切れるが消滅は出来ない。
中でも【血吸】は半端なく危険で有り得ない威力を持つので、朱点も苦手にしている。
【角なし】
鬼族の他種族などとの混血などにより血の薄まったもののこと。
αでもΩでもないβ。
金時を除く四天王とゲンジの大多数はこれにあたる。
見た目ですぐにわかるので、鬼としてありえないと言われる。
綱と茨木の子、白練はそのことでイジメられたりもした。
百合の姉、緋も角なしだが、彼女の場合は【華】を捨て、血を飲まなくなったから。
【四家】
【赤】【青】【黄】【緑】から成る、鬼族の貴族のようなもので宗家と分家がある。皇の傍系にあたる家でそれぞれに役目がある。
【青】の家は『智』を司り、満遍なくαもΩも生まれる。
【赤】の家はαばかりが生まれる。
【黄】の家は満遍なくαもΩも生まれる。
【緑】の家はΩばかりが生まれる。
百合の出身の【青】は、『あちら』から来た特殊な知識や技能の持つ魂が良く生まれる。
その性質から多数の問題を起こし、何度も一族の粛清が行われ、本家の血はとうに絶えており、やむを得ず旧き血を持つ百合の母を養子に迎えた。
鬼族の角について
二次性徴期に入り、性の成熟をすると生えてくる。
発情を起こして生えるΩや、白練のようにそれに気づいたαなども生えたりする。鬼は成熟が早いので、早い子は十歳前から生えてくる。
皇の血統に限り生まれつき二本の角が生えており、皇の鬼に噛まれて番にされても、噛んで番にされても、相手の角の色は変わる。
魂の色が反映されるので、それを見るとどんな色を持つのかわかりやすい。
番の成立について
発情期中にαとΩが性交をして、αがΩの胎内に精を注いでから、襟足のすぐ下あたりを噛むことで成立する。
また、鬼族の男のΩは発情期以外では子が出来ない。
『弱く、儚く、美しい』
百合が毛嫌いしている鬼のΩの三大美徳とされるもの。
これに優れたものほど素晴らしいΩとしてαに溺愛されている。
『神』
名前を読んではいけない、『アレ』などと呼ばれる超存在。
戯れに人類たちに祝福と称して、大きな呪いを与えて遊んでいる。
様々な場所に『末端』が存在し、亜神たちはそれを定期的に始末しているが追いつかない。
既に何度か世界を滅ぼしている。
【亜神】
その種族を守護し導く存在。
基本的にその種の権能を全て持ち、両性であることなどが条件。
『神』に対抗出来る力を持つので、激しく睨まれ攻撃され、誕生を阻害されている。
【至】る、【昇神】
様々な条件で亜神へと昇ることの通称。
魂の共喰いや、上位の存在と交わることなどで可能となる。
基本的に権能の所持者にしか資格がない。
どれもかなりの禁忌に当たるため、実行しようとするものはほぼいない。
【陽ノ本】
あちらの百合たちの住む国。マリーの話の中では日本の平安時代くらいの文化レベル。
皇が適当に支配している。
百合たちの住む【京】という場所は、京都のあたりになる。
【戦乙女】
百合の姉、緋が持つ力の一つ。
鬼族と戦争すら可能でとても危ない。
どうやらヒト?であるらしい。
【秘印】
【フレイヤ】などが持つ権能。
対象などに印を刻み行使する。様々な効果を持つ魔術。
朱点と百合に与えた【 wird [運命] 】強い宿命や運命を意味し、運命は自身の選択により切り開くなどの意味も持つ。
茨木に与えた【 ᛇ [死と再生] 】は物事の新たな始まりなどを意味する。
緋が綱に与えた【 ᛉ [保護] 】は友情なども意味する。
黒に与えた【 ᚷ [贈り物] 】は贈り物や才能、愛情などを意味する。
朱点が瑠璃に不意打ちで食らった【 ᛁ [停滞]】は停滞や凍結を意味する。
【 呪い [gandr]】
耳長の使う呪詛。指差しして相手を呪う簡単なものから魂に働きかけて履行する強烈なものまで色々ある。【指切りげんまん】はこれの派生発展させたオリジナルの呪い。
百合は酔っ払うと指差し呪いを乱発する。
『蜜酒 [mjöd]』
耳長の命の酒。ヴィーガンを守る彼らもコレを飲まないと死ぬ。
薬草をつけたものなどもある。
元は『血を飲むもの』であった耳長は【華】を捨て血を断ったが、自らの【華】で作った蜜から酒を作り飲むことで延命している。
百合の成人祝いのものは『クヴァシルの血』と呼ばれる特別なもの。
賢者クヴァシルの二つ名で呼ばれた鬼の【華】の蜜から作られている。飲むと色々と頭が冴える。
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