僕の番が怖すぎる。〜旦那様は神様です!〜

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一章 降って湧いた災難

項を噛んでおるぞ? 弐 *

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 ◇◇◇

 日付の感覚がなくなって久しく。
 その方は来た。

 あいつの閨に張られたあいつの結界…【いき】を破り、侵入してきたのは、彼の母であり鬼族の最高権力者の一人、Ωの始祖である后陛下だった。

 床に付くほどに長い美しい銀の髪、男にも女にも見える顔、真っ白な肌に凹凸の少ない、男性とも女性ともどちらともつかない体格だ。
 彼の瞳は僕と同じ銀色だが、中にはが浮かんでいる。

 彼の纏う菊の薫りも馨しい。

 初めて見た彼は本当に美しく、スメラギ様が一部の祭祀を除き、彼を監禁して愛でているというのが納得できた。
 あまりの美しさと薫りフェロモンで、外に出れば問題ばかり起こったと聞く。

 だが、この時は発情期の真っ只中で、気にも止めていなかったのはずで、この印象は後日のものかもしれない。
 
「このアホ!幼子になんて無体を強いているのです!
閨に篭もりどれくらい経つと思っているんですか!!
早く帰せと【青】の者たちから多数の苦情が上がっています!!」

 彼は美しい顔を怒りに染め、息子を叱りつける。

 闖入者に少し驚いたが、発情期で惚けた頭の自分は気にせず、こいつのソレを自分に導き、胡座をかいていた彼の上に乗る。

「ふぅ…あぁ、はぁ…くぅっ!、…あ、…ぁ…あ」


「全く、お前は!本当に!!このアホ!!!私が旦那様のところから出てすぐに、お前の従者たちに泣きつかれました。【域】まで創って籠もれば、彼らには入れませんからね!」
「お姫様をゆっくり可愛がる必要があった。やつらには見せたくない。」

 二人が話していることなど気にせず、自分の良いように動く。

「…その子は最後・・純血・・の鬼となる者。
『血を飲むもの』の中で最も強い者の子で、Ωになるかもしれなかった子です。
お前の妃候補として呼んで、教育をこれからするかどうかの協議に入るところでした」
「なら問題などなかろう?」

 朱点の返した言葉に彼はまなじりを吊り上げ、先ほどまでの柔らかい口調からオスっぽい口調に変わった。

「大アリだ!このアホ!お前はなんてことをしてくれるんだ!!旦那様は激怒している」
「あの糞親父の相手は母上がすれば良い。それが良い!」
「このアホ!何故私がお前の尻拭いで旦那様の機嫌を取らなければならない?
そんなことをすればやっと開放されたばかりなのに、また閨に閉じ込められるわ!」

 彼らの会話など気にせず、自分は朱点を貪る。

「はぁ…ああぁぁ…うぅ…、あぁ…ぁぁ…あぁぁ…」

 腰を揺らし気持ちの良い場所に当たるように動くが、
 自分ではもどかしくなってきていたので彼に、催促する。

「朱、点…僕が、善い、と…ころ…を、もっと…もっと、可愛がってよ」

 彼に抱きつく。 

「聞いているのか朱!物事には順番があるんだ」 
「母上、お姫様の相手をしなくてはならん」

 僕を抱きしめ返し、頭を優しく撫でてくれる。

「母上、これは百合だ」
「…私はその子の母と知己であるから、顔を見ればわかる!」
「可愛いだろう?俺のお姫様だ」
「このアホ!話を聞けっ!不思議そうな顔をするなッ!」

 僕の要求に答えない彼に、彼の【青薔薇】に強く口づけして噛み、痕をつけてやった。
 
「くッ!お前がこんなにエロく甘えるとは…本当に愛いな、お姫様」

 急所への甘い攻撃に悶える朱点。

「…今の様子をみるに発情期の最中みたいだな…」

 邪魔者である彼は怒りを沈め、その美しいかんばせを曇らせ話しだした。
 先程までの怒りを収め、穏やかな調子になった彼は息子に告げる。

「その角を見て分かりましたが、もう既にお前はその子を番にしてしまいました。
見ればお前の【】も全身に咲いてますし…私は色々と頭が痛いです」

 彼は「はぁ…」と溜め息をついて、一呼吸置いてから、

「今離しても良くはありません。仕方ありません。
朱、『蜜月』は許しますが、父上からの仕置は覚悟なさい」 

 そう言って彼は部屋を出ていった。

「お姫様、お前の好きなところを可愛がってやろう」
「僕を放っておくなんて酷いやつだ…このバカ赤毛!」
「済まぬ。お前の良いところをたんと可愛がるから許せ」

 こいつは僕の体の隅々まで拓いて行き、自分好みに仕込んでいた。
 はっきり言って恐ろしいが、僕もかなり善かったから、色に溺れ、家に帰らなかったのはそのせいかもしれない。


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