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043 新たな依頼
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ランバート領ボルトンから帰って来たが、手持ちの魔力水が無くなったので風の翼の6人と共にハランドの街から森に入り薬草採取と魔力水収集に努めた。
薬草の密集地にバリアを張り、1~2人に薬草採取を任せて別の場所に行く。
毎日3,4ヶ所にバリアを張り、手分けして春先の芽生えたばかりの薬草と魔力水集めに没頭する。
特に魔力水を採取する為に、新たな苗を見付けたらガルムとバンズに移植の為に収穫を任せる。
王都の森の薬草もぼちぼち採取出来る様になるはずだが、魔力水採取が出来ないのがいたい。
そのために苗を持ち帰り今年の採取に備えたいし、種を播種し芽吹けば安定して収穫出来る。
病気、特に風邪用の薬草は在庫が有るが、魔力水が満足出来る程集まったのは一月以上立ってからだった。
昼は薬草採取、夜はバリアの中でポーション作りや魔力水の濃縮作業が一段落しハランドに帰る事にした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「アキュラは未だ戻らんのか」
「陛下、彼女が幾ら凄腕の薬師でも、一人で作れるポーションには限りが御座います。それに薬草採取に出向けば、2,3ヶ月は森の中との事です。おいそれと呼びに行ける場所でも有りませんのでご辛抱を」
レムリバード宰相が宥めるが、その宰相も日夜ネイセン伯爵にアキュラの動向を確認し、帰っていないとの返事に落胆する日々を送っていた。
はやり病が発生した時点で王都には良質なポーションがたっぷり有った為に、初期に感染した者達は回復し死亡者も出なかった。
重病者にも良質な風邪の回復ポーションと体力回復ポーションを与えれば治ったが、何時までもポーションの供給が続くはずもなく、ポーションが品薄になると死者が出始めて王都の経済が徐々に麻痺し始めた。
例え王都と言えども、疫病の蔓延る街に好んで来る者は少なくなる。
近隣の農家も必要最低限の接触しか望まなくなる。
彼等は得てして貧しいので、はやり病に罹れば高いポーション等買えない。
人の往来食料品の流通などに影響が出始めてから、王家や貴族に対する不満が高まり始め、教会が治癒魔法師を総動員して救済活動を始める。
先のランゴット・エメンタイル殿下に取り入り、王家に対する影響力を増す工作が頓挫したことを取り返す様な動きに、王家に焦りもうまれる。
今、はやり病に対しアキュラの示した知識を渇望したが、彼女は一介の冒険者であり王都には居ない。
ただボルトンの街でアキュラが行った治療と共に、貧しい者に炊き出しを提供しポーションを与えて病の沈静化を祈り続けた。
王家が病の沈静化と領民の安寧を祈り、教会が此れを利用して勢力拡大を図る皮肉な状況に、レムリバード宰相はげっそりしていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
アキュラ達がハランドの街に到着したとき、衛兵隊長が走ってきて「ネイセン伯爵様が至急王都にお越し下さいとの事です。王都ではやり病が発生したそうです」と告げた。
何れ何処かに飛び火すると思っていたが、王都にそれも暖かくなったこの時期に流行するとは思ってもいなかった。
急ぎ伯爵邸に行くと執事のホーガンに伯爵様への連絡を頼み、転移魔法陣に向かった。
転移魔法陣を出た時、迎えの馬車の代わりにネイセン伯爵と護衛の騎士達が待っていた。
「よくお帰り下されたアキュラ殿。王都ファンネルに蔓延るはやり病の治療と、薬用ポーションの買い取りを王家が依頼したいそうです。私は仲介を頼まれてお迎えに上がりました」
やはりそうなるか、王家と聞いてランカン達が顔を見合わせている。
6人を伯爵邸で預かって貰い、伯爵様の馬車に同乗して王城に向かう。
王城の伯爵様控え室にて、レムリバード宰相と面談しポーションの提供を拒否。
ポーションはネイセン伯爵様から買う様にと伝える。
これ以上王家と関わりを持ちたくないと、はっきり告げておく。
なし崩しに利用される気は無いので、ポーションの取引はネイセン伯爵様を通してのみとする。
それに際し、王都の森の薬草採取が可能なら、薬草を提供して欲しいとの申し出は受け入れることにした。
薬草は大量に必要なので、採取可能ならと思い6人をホテルに行かせず伯爵邸で待つ様にと指示したのだから。
ワゴンを4台を用意して貰い、薬草採取と同時に作っていた高品位の風邪治療用ポーション200本と、疲労体力回復ポーション200本を伯爵様に渡す。
それとは別に3本ずつ6個のビンを出し、それぞれ風邪と体力回復ポーションだと伝える。
一ビンで100本のポーションの分量だと伝える。
「500人分のはやり病用ポーションと体力回復ポーションか、助かります」
「言っておきますが、王都の領民の為に使って下さい。貴族や王族は日頃からポーション等は備蓄しているのでしょう。彼等に提供するのなら、今後の取引は無しです」
「判っています。レムリバード殿、宜しいですね」
「承知した。早速ポーションのビンに小分けさせて配布させるよ」
「小分けする際に使用するガラス管や容器は、全て蒸留水で良く洗浄してから使う様に指示して下さい。不純物が混じると効力が落ちる恐れが有りますから」
「アキュラ殿に王都での治療を依頼したいのだが、受けて貰えないだろうか」
「未だはやり病用の薬草が有りますので、ポーション作りが終わったらお手伝いします」
「有り難い、宜しく頼む。それとハティー・オーゼン子爵に売りつけたポーションの代金金貨1500枚と、ボルトンでの治療の際に掛かった費用を君の口座に振り込んでおいたので確認しておいてくれたまえ」
ボルトンで手持ちの金貨は殆ど使い果たし、商業ギルドで500枚ほど下ろしたけど又増えた様だ。
伯爵様に王都の森まで送って貰い、ランカン達と合流して精霊樹の周辺に植えた薬草の生育状況を確認する。
「薬草は上々の出来だな」
「うむ、畑で作っても此れほど上質な物は出来ないから、土地が良いのかねぇ」
「そりゃー、其処に精霊樹が在るからさ」
「違いねぇ、精霊樹の周囲に生える薬草様々だな」
おいおい、それは本物の精霊樹だぞ。
知らぬとは言え、あんた達の周辺には精霊が飛び回っているんだがなぁ。
心の中でガルムとバンズに突っ込みを入れながら、魔力草を植える場所を精霊に教えて貰い穴を掘る。
双葉から本葉や蔓が伸び始めの苗を植えるのだが、相変わらず植える場所が判っている様だ。
魔力草が終わったら他の薬草だが、ヤラセンの里では薬草畑すら殆どの者は立ち入ることを禁じられていた。
池の周囲には薬草が殆ど無かったから気にしなかったが、精霊と薬草が増えた今大丈夫かな。
「アキュラ、何を考えているんだ。次ぎに植える場所を言ってくれよ」
「そうそう、ちゃっちゃと植えて一杯やろうぜ」
「あー・・・それねぇ。ちょっと考え中だから明日にするよ。今日は薬草採取だけね」
ガルムとバンズの不思議そうな顔を無視して、今夜は精霊樹とお話ししなきゃね。
夕食が終わり、王都の森に居るときの日課である夜のお散歩に出る。
野営用のバリアは家代わりなので周囲を見えなくしているが、さりげなく出入り口を塞いで精霊樹の元に向かう。
相変わらず周囲を精霊が群れ飛び、俺の守護精霊も姿を現しているが何故他の者に見えないのだろう。
夜なんて蛍と変わらない灯りに見えるのに不思議。
LEDのイルミネーションより淡い光が乱舞する精霊樹に近づき、話しかける。
《なぁ、あんた》
《何でしょうか、愛し子》
《あぁ御免、俺の事はアキュラと呼んで欲しい。あんたを何て呼べば良いの》
《特定した呼びかけの事なら在りません。お好きな様に呼んで下さい》
精霊樹にお好きにって言われてもなぁ、精霊を子供達って呼ぶんだから精霊のママかな。
略して精霊ママ・・・精ママ・・・ママ、飲み屋の女将さんみたいだからやめとこ。
木の精霊・・・ツリー・スピリッツは酒みたいだし、ラノベだとドライアドは印象悪いから縮めてドライドにしとこ。
《じゃぁードライドね。ドライドの周辺・・・俺以外の者が此処に入って、池の、水溜まりの内側に薬草を植えても良いかな?》
《貴方と居た者達ですか》
《ああ、以前の精霊樹、ドライドと同じ種族の所は、定められた者しか近くに寄ることを禁止されていたと思うんだが》
《あれ等に子供達が見えますか?》
《見えていないと思うよ》
《私や子供達に害をなす存在でなければ連れてきて下さい。そして私に触れさせて下さい》
《それって俺と魔力交換した時と、同じ事をするの? 彼等は魔力が少ないから死んじゃうかもしれないよ》
《心配いりません。魔力を会わせ、子供達が見える様にするだけです》
《見えるだけ?》
《そうです》
《時々見える人がいるけど、彼等とは違うの》
《あれは精霊と偶然繋がった者達です、アキュラとは違う者です》
《ドライドもそっくりな木が沢山あるけど、子供達が居るのは滅多に見ないのと同じなの》
《大地の力が集まった場所に目覚めたものが、私です。アリューシュ様の加護を受け、子供達と共に生きます》
いかん、又ファンタジー要素が溢れてきて頭が痛いので、突っ込むのは止めとこ。
また後で彼等を連れて来ると伝え、皆の所に戻る事にした。
「おかえりー、アキュラちょっといらっしゃい」
「ちょっと聞きたい事が有るのよねぇー」
「そうそう『はやり病の治療と薬用ポーションの買い取りを、王家が依頼したい』って何よ?」
アリシアとメリンダに挟まれて尋問が始まってしまった。
王都の森の事、転移魔法陣と身分証に王家って、いったいどうなってんのと煩い。
酔っ払い共がそれに便乗してきたので、ドライドと会わせるのは明日にする事にした。
薬草の密集地にバリアを張り、1~2人に薬草採取を任せて別の場所に行く。
毎日3,4ヶ所にバリアを張り、手分けして春先の芽生えたばかりの薬草と魔力水集めに没頭する。
特に魔力水を採取する為に、新たな苗を見付けたらガルムとバンズに移植の為に収穫を任せる。
王都の森の薬草もぼちぼち採取出来る様になるはずだが、魔力水採取が出来ないのがいたい。
そのために苗を持ち帰り今年の採取に備えたいし、種を播種し芽吹けば安定して収穫出来る。
病気、特に風邪用の薬草は在庫が有るが、魔力水が満足出来る程集まったのは一月以上立ってからだった。
昼は薬草採取、夜はバリアの中でポーション作りや魔力水の濃縮作業が一段落しハランドに帰る事にした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「アキュラは未だ戻らんのか」
「陛下、彼女が幾ら凄腕の薬師でも、一人で作れるポーションには限りが御座います。それに薬草採取に出向けば、2,3ヶ月は森の中との事です。おいそれと呼びに行ける場所でも有りませんのでご辛抱を」
レムリバード宰相が宥めるが、その宰相も日夜ネイセン伯爵にアキュラの動向を確認し、帰っていないとの返事に落胆する日々を送っていた。
はやり病が発生した時点で王都には良質なポーションがたっぷり有った為に、初期に感染した者達は回復し死亡者も出なかった。
重病者にも良質な風邪の回復ポーションと体力回復ポーションを与えれば治ったが、何時までもポーションの供給が続くはずもなく、ポーションが品薄になると死者が出始めて王都の経済が徐々に麻痺し始めた。
例え王都と言えども、疫病の蔓延る街に好んで来る者は少なくなる。
近隣の農家も必要最低限の接触しか望まなくなる。
彼等は得てして貧しいので、はやり病に罹れば高いポーション等買えない。
人の往来食料品の流通などに影響が出始めてから、王家や貴族に対する不満が高まり始め、教会が治癒魔法師を総動員して救済活動を始める。
先のランゴット・エメンタイル殿下に取り入り、王家に対する影響力を増す工作が頓挫したことを取り返す様な動きに、王家に焦りもうまれる。
今、はやり病に対しアキュラの示した知識を渇望したが、彼女は一介の冒険者であり王都には居ない。
ただボルトンの街でアキュラが行った治療と共に、貧しい者に炊き出しを提供しポーションを与えて病の沈静化を祈り続けた。
王家が病の沈静化と領民の安寧を祈り、教会が此れを利用して勢力拡大を図る皮肉な状況に、レムリバード宰相はげっそりしていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
アキュラ達がハランドの街に到着したとき、衛兵隊長が走ってきて「ネイセン伯爵様が至急王都にお越し下さいとの事です。王都ではやり病が発生したそうです」と告げた。
何れ何処かに飛び火すると思っていたが、王都にそれも暖かくなったこの時期に流行するとは思ってもいなかった。
急ぎ伯爵邸に行くと執事のホーガンに伯爵様への連絡を頼み、転移魔法陣に向かった。
転移魔法陣を出た時、迎えの馬車の代わりにネイセン伯爵と護衛の騎士達が待っていた。
「よくお帰り下されたアキュラ殿。王都ファンネルに蔓延るはやり病の治療と、薬用ポーションの買い取りを王家が依頼したいそうです。私は仲介を頼まれてお迎えに上がりました」
やはりそうなるか、王家と聞いてランカン達が顔を見合わせている。
6人を伯爵邸で預かって貰い、伯爵様の馬車に同乗して王城に向かう。
王城の伯爵様控え室にて、レムリバード宰相と面談しポーションの提供を拒否。
ポーションはネイセン伯爵様から買う様にと伝える。
これ以上王家と関わりを持ちたくないと、はっきり告げておく。
なし崩しに利用される気は無いので、ポーションの取引はネイセン伯爵様を通してのみとする。
それに際し、王都の森の薬草採取が可能なら、薬草を提供して欲しいとの申し出は受け入れることにした。
薬草は大量に必要なので、採取可能ならと思い6人をホテルに行かせず伯爵邸で待つ様にと指示したのだから。
ワゴンを4台を用意して貰い、薬草採取と同時に作っていた高品位の風邪治療用ポーション200本と、疲労体力回復ポーション200本を伯爵様に渡す。
それとは別に3本ずつ6個のビンを出し、それぞれ風邪と体力回復ポーションだと伝える。
一ビンで100本のポーションの分量だと伝える。
「500人分のはやり病用ポーションと体力回復ポーションか、助かります」
「言っておきますが、王都の領民の為に使って下さい。貴族や王族は日頃からポーション等は備蓄しているのでしょう。彼等に提供するのなら、今後の取引は無しです」
「判っています。レムリバード殿、宜しいですね」
「承知した。早速ポーションのビンに小分けさせて配布させるよ」
「小分けする際に使用するガラス管や容器は、全て蒸留水で良く洗浄してから使う様に指示して下さい。不純物が混じると効力が落ちる恐れが有りますから」
「アキュラ殿に王都での治療を依頼したいのだが、受けて貰えないだろうか」
「未だはやり病用の薬草が有りますので、ポーション作りが終わったらお手伝いします」
「有り難い、宜しく頼む。それとハティー・オーゼン子爵に売りつけたポーションの代金金貨1500枚と、ボルトンでの治療の際に掛かった費用を君の口座に振り込んでおいたので確認しておいてくれたまえ」
ボルトンで手持ちの金貨は殆ど使い果たし、商業ギルドで500枚ほど下ろしたけど又増えた様だ。
伯爵様に王都の森まで送って貰い、ランカン達と合流して精霊樹の周辺に植えた薬草の生育状況を確認する。
「薬草は上々の出来だな」
「うむ、畑で作っても此れほど上質な物は出来ないから、土地が良いのかねぇ」
「そりゃー、其処に精霊樹が在るからさ」
「違いねぇ、精霊樹の周囲に生える薬草様々だな」
おいおい、それは本物の精霊樹だぞ。
知らぬとは言え、あんた達の周辺には精霊が飛び回っているんだがなぁ。
心の中でガルムとバンズに突っ込みを入れながら、魔力草を植える場所を精霊に教えて貰い穴を掘る。
双葉から本葉や蔓が伸び始めの苗を植えるのだが、相変わらず植える場所が判っている様だ。
魔力草が終わったら他の薬草だが、ヤラセンの里では薬草畑すら殆どの者は立ち入ることを禁じられていた。
池の周囲には薬草が殆ど無かったから気にしなかったが、精霊と薬草が増えた今大丈夫かな。
「アキュラ、何を考えているんだ。次ぎに植える場所を言ってくれよ」
「そうそう、ちゃっちゃと植えて一杯やろうぜ」
「あー・・・それねぇ。ちょっと考え中だから明日にするよ。今日は薬草採取だけね」
ガルムとバンズの不思議そうな顔を無視して、今夜は精霊樹とお話ししなきゃね。
夕食が終わり、王都の森に居るときの日課である夜のお散歩に出る。
野営用のバリアは家代わりなので周囲を見えなくしているが、さりげなく出入り口を塞いで精霊樹の元に向かう。
相変わらず周囲を精霊が群れ飛び、俺の守護精霊も姿を現しているが何故他の者に見えないのだろう。
夜なんて蛍と変わらない灯りに見えるのに不思議。
LEDのイルミネーションより淡い光が乱舞する精霊樹に近づき、話しかける。
《なぁ、あんた》
《何でしょうか、愛し子》
《あぁ御免、俺の事はアキュラと呼んで欲しい。あんたを何て呼べば良いの》
《特定した呼びかけの事なら在りません。お好きな様に呼んで下さい》
精霊樹にお好きにって言われてもなぁ、精霊を子供達って呼ぶんだから精霊のママかな。
略して精霊ママ・・・精ママ・・・ママ、飲み屋の女将さんみたいだからやめとこ。
木の精霊・・・ツリー・スピリッツは酒みたいだし、ラノベだとドライアドは印象悪いから縮めてドライドにしとこ。
《じゃぁードライドね。ドライドの周辺・・・俺以外の者が此処に入って、池の、水溜まりの内側に薬草を植えても良いかな?》
《貴方と居た者達ですか》
《ああ、以前の精霊樹、ドライドと同じ種族の所は、定められた者しか近くに寄ることを禁止されていたと思うんだが》
《あれ等に子供達が見えますか?》
《見えていないと思うよ》
《私や子供達に害をなす存在でなければ連れてきて下さい。そして私に触れさせて下さい》
《それって俺と魔力交換した時と、同じ事をするの? 彼等は魔力が少ないから死んじゃうかもしれないよ》
《心配いりません。魔力を会わせ、子供達が見える様にするだけです》
《見えるだけ?》
《そうです》
《時々見える人がいるけど、彼等とは違うの》
《あれは精霊と偶然繋がった者達です、アキュラとは違う者です》
《ドライドもそっくりな木が沢山あるけど、子供達が居るのは滅多に見ないのと同じなの》
《大地の力が集まった場所に目覚めたものが、私です。アリューシュ様の加護を受け、子供達と共に生きます》
いかん、又ファンタジー要素が溢れてきて頭が痛いので、突っ込むのは止めとこ。
また後で彼等を連れて来ると伝え、皆の所に戻る事にした。
「おかえりー、アキュラちょっといらっしゃい」
「ちょっと聞きたい事が有るのよねぇー」
「そうそう『はやり病の治療と薬用ポーションの買い取りを、王家が依頼したい』って何よ?」
アリシアとメリンダに挟まれて尋問が始まってしまった。
王都の森の事、転移魔法陣と身分証に王家って、いったいどうなってんのと煩い。
酔っ払い共がそれに便乗してきたので、ドライドと会わせるのは明日にする事にした。
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