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011 冒険者ギルド
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狩りに行った奴等と買い出し組の確保の為に、尋問組とは別に捕獲の準備だが俺はやる事が無い。
取り敢えずはアクティブ探査を目一杯広げて待つしか無いので、俺が合図するまでは皆のんびりしている。
忙しいのはオルセン達の尋問組と、助けた子供達の面倒を見ているメルサやヨエル達だ。
時々オルセンがポーションを採りにきて、お前のポーションは良く効くので遠慮無く痛めつける事が出来ると笑っている。
そりゃそうだ、エブリネ婆さんのお墨付きだし、並みのポーションの1.5倍は効くと言われているのだから。
里を出たら冒険者ギルドと薬師ギルドに登録するつもりだし、場合によっては商業ギルドにも登録しようと思っているもの。
基本は冒険者ギルドだが、薬師ギルドと商業ギルドは何かと制約が多いとエブリネ婆さんも言ってたので、登録時の条件を良く聞いてからだな。
もう少しヤラセンの里にいて、エブリネ婆さんから教わりたかったがそうもいかない様だ。
グズネス達も問題だが、長老のボルムが一枚噛んで裏の奴等と繋がっていたのだから、俺の事は相当知れ渡っていると思って間違いない。
転移した場所から北に10日のヤラセンの里、ヤラセンからほぼ東に5日のアジト、この近くの街には行かない方が良さそうだ。
そうなると元いた場所から東へ10日程の所に、街があると言ったガイドちゃんの言葉を信じてそちらに向かった方が良さそうだ。
ダグリン親分の言葉通り、翌日には街に買い出しに出た連中が帰って来たのを待ち伏せをして一網打尽にする。
帰って来る道が判っているので待ち伏せも簡単、アクティブ探索に引っ掛かった時点で奴等に逃げ道は無かった。
それから3日後に狩りに出ていた9人も、多少の抵抗はあったが無事捕獲した。
その夜、奴等のアジトから里に連行する準備をしているときに、オルセンを呼び出して別れを告げる。
「どうしても行くのか」
「もう少しヤラセンの里で色々勉強したかったけど、今回の事で俺の事が裏の奴等に相当知られていると判った。何せ長老のボルムが一枚噛んでいたのだから、里の外にも俺が迷い人と知る者も居るだろう。下手すりゃ貴族や豪商達にも知られているかもしれないしな」
「確かに、ダグリン達の話からヘイロンの街では、お前は有名人らしいからな。それで、何処へ行くつもりだ?」
「初めて会った場所から東へ行けば、大きな街があると聞いている。ヘイロンとやらからも10日前後離れていると思うけど」
「ハランドの街か・・・確かに大きな街だし評判は悪くない所だ」
「取り敢えずその街に行って冒険者登録をするよ。それでお願いがある、マジックポーチを一つ貰えないかな」
「それは構わない。と言うかお前のお陰でマジックポーチとマジックバッグがたっぷり手に入ったからな。グズネス達から巻き上げた分は、本来すべてお前の物だぞ」
「要らないよ、里にはお世話になったし何のお礼も出来ないからね。今夜メルサとヨエルにお別れを言ったら、明日の朝旅立つよ」
その夜メルサとヨエルにお別れを言い、エブリネ婆さんに渡してと魔力草から採取した魔力水を13本預けた。
此れなくして高品質のポーションは作りづらい、蒸留水から薬草のエキスを抽出しても、魔力水のポーションより品質が落ちてしまうのだ。
もっとも里以外では、魔力水が手に入りづらいので蒸留水を使うとも聞いた。
フルーナにはお別れも言えないが、落ち着いたら里に帰る事もあると伝えてくれと頼む。
早朝皆が本格的に動き出す前に、オルセンからマジックポーチを受け取り、初めて彼等と出会った所に向けて出発した。
手持ちの魔力水は全て預けたので、薬草採取と魔力草を探しながらのんびり歩く。
マジックバッグに朝夕魔力を込めるのを止め、マジックポーチに魔力を込める事にした。
マジックポーチは最大27㎥の容量しかないが、時間遅延は幾らでも出来ると聞いていたので楽しみだ。
もっとも俺のマジックバッグは現在6/360、つまり216㎥/360倍遅延能力が有るので一休みといったところだ。
ラノベの様に、マジックポーチにたっぷりと物が入れられれば良いのだが、小さなポーチに大容量の収納魔法陣を書き込めないらしい。
その為に大容量の収納はマジックバッグになると、聞いて確かにと納得。
移動時はマジックポーチにマジックバッグを入れて手ぶらでのんびり歩き、薬草採取時にはマジックバッグを肩から提げて歩く。
お陰で目的の街ハランドに着いたのは、予定より大幅に遅れて11月も終わろうとしていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
森を抜けて東に歩くと遠くに馬車が見え、進行方向に街らしき物が見える。
街道に出ると馬車の進んだ方向に歩き、陽が少し傾いた頃に街の障壁に付けられた門に到着したが、混み合って居る。
身分証の無い者は、街に入る入場料として銅貨一枚と聞いていたので、銅貨を握りしめて順番を待つ。
並んでいる者達の話を聞くとも無く聞いていたが、近隣農家の作物の出来や野獣の討伐状況などの情報交換の場になっている。
森の中ヤラセンの里から冒険者登録をする為に来たと告げ、銅貨一枚を支払って無事通過。
冒険者ギルドに向かうが、此の世界に来て初めて黒髪の人をチラホラと見掛けた。
ジロジロ見るのは失礼だが、黒髪は龍人族の血を引く者のみだと聞いていたので、つい頭を見てしまう。
俺より少し大きな角だが、2~3センチってところで安心した。
せん〇君みたいなでかい角だと、生活の邪魔になって大変だろうと思ったからな。
見るからに冒険者といった出で立ちの者が歩く先に、聞いた通りの楯に槍と剣が交差するデザインの看板が見える。
ちょっと緊張気味に中に入ると正面にカウンターが有り、受付嬢がにっこり・・・してないね。
値踏みする様な目付きで俺を見ているが、取り敢えず登録をしなくっちゃ。
「冒険者登録に来たのですが・・・手続きをお願い出来ますか」
「お嬢ちゃん、此処は冒険者ギルド。16才になったらおいでなさい」
完全にお子ちゃまに見られているぞ、ガイドの野郎か創造神か、はたまたアリューシュ神の不手際か。
「16才と半年、統一歴820年5月生まれです!」
「嘘じゃないわよね!」
「嘘ついて何になるんですか? 冒険者ギルドの登録では嘘を見抜けると聞いて来たんですけど」
「まあ良いわ。冒険者登録は毎週3の日に、ギルド2階の会議室で規約の説明を受けてからね。毎週3の日の朝10時に、2階会議室に来なさい」
にっこり笑って言われちゃったよ、前途多難の予感がする。
「因みに今日は何の日ですか?」
「貴方、今日が何の日かも判らないのぉ~」
「9月の半ば過ぎから森の中に居て、日にちが判らないんですよ」
「森の中に居たってのなら、パーティー仲間に何も聞いて無かったの?」
「あっ、俺は一人で薬草採取したり、ポーション作ったりしてますので」
「ポーションを作れるのか?」
お姉さんの後ろに控えるおっさんが、ボーションに反応して声を掛けてきた。
「作れますし、見本なら持ってますよ」
ちょっと見せてみろと言って、お姉さんの横に陣取る。
マジックバッグからポーションケースを取り出し、怪我の回復ポーションの初級と中級を各一本カウンターに置く。
若草色に透きとおった小さなビンをマジマジと見ると、鑑定使いを呼んでくると行って奥に行ってしまった。
おっさんの後に続いてやって来たのはプロレスラー、じゃないけど十分通用しそうな体躯の小母さんです。
じろりと俺を見て鼻で笑うと、カウンターのポーションをチラリと見る。
「ムルバ、こんな物がポーションの筈がない。あんたも何年ギルドに務めているのさ。大体この色はなに、こんな色のポーションはないよ!」
鑑定使いの筈が、鑑定もせずに偽物呼ばわりしてくれる。
「小母さん、本当に鑑定使いなの? これって実戦で何度も使い、信頼を得ているんだけど」
「怪我の回復ポーションはね、もっと濃い緑色なの! 水で薄めた物をポーションなんて言ってると、犯罪奴隷になるわよ」
「鑑定もせずに偽物扱い出来るとは、大した鑑定使いですね。ムルバさんって言ったっけ、誰か怪我人がいたら呼んで来てよ。鑑定使いが使い物にならないなら、実際に試したら判るでしょう」
鑑定使いの言葉に、胡乱げな目付きになっていたムルバさんが食堂に行き、「怪我をしている者はいないか」と呼びかけている。
連れてきたのは顔に傷の有る男と腕に包帯をしている女性、その後を少し足を引き摺って歩く熊さん・・・の様な男。
顔に傷の有る男から始めるが、三本の線が深々とついている。
「猫ちゃんと喧嘩でもしたの?」
〈ブーッ〉って周囲から吹き出す音がする。
「余計なお世話だ! それよりただで治してくれるんだよな」
薄汚れた顔にクリーンを掛け、初級ポーションに管を差し込み霧吹きでポーションを吹きかける。
〈エッ〉〈嘘ッ〉〈ホウー〉
それぞれの感想と共に、胡散臭い目で見ていた二人の怪我人の目が真剣なものに変わった。
猫と喧嘩して負けた男は治ったので、次に取りかかる。
女性の腕から包帯を外すと、浅手だがざっくりと皮膚が剥がれて痛々しい。 此れもクリーンを掛けた後でポーションを吹きかけると、みるみるうちに肉の表面が乾き薄皮が出来て治っていく。
取り敢えずはアクティブ探査を目一杯広げて待つしか無いので、俺が合図するまでは皆のんびりしている。
忙しいのはオルセン達の尋問組と、助けた子供達の面倒を見ているメルサやヨエル達だ。
時々オルセンがポーションを採りにきて、お前のポーションは良く効くので遠慮無く痛めつける事が出来ると笑っている。
そりゃそうだ、エブリネ婆さんのお墨付きだし、並みのポーションの1.5倍は効くと言われているのだから。
里を出たら冒険者ギルドと薬師ギルドに登録するつもりだし、場合によっては商業ギルドにも登録しようと思っているもの。
基本は冒険者ギルドだが、薬師ギルドと商業ギルドは何かと制約が多いとエブリネ婆さんも言ってたので、登録時の条件を良く聞いてからだな。
もう少しヤラセンの里にいて、エブリネ婆さんから教わりたかったがそうもいかない様だ。
グズネス達も問題だが、長老のボルムが一枚噛んで裏の奴等と繋がっていたのだから、俺の事は相当知れ渡っていると思って間違いない。
転移した場所から北に10日のヤラセンの里、ヤラセンからほぼ東に5日のアジト、この近くの街には行かない方が良さそうだ。
そうなると元いた場所から東へ10日程の所に、街があると言ったガイドちゃんの言葉を信じてそちらに向かった方が良さそうだ。
ダグリン親分の言葉通り、翌日には街に買い出しに出た連中が帰って来たのを待ち伏せをして一網打尽にする。
帰って来る道が判っているので待ち伏せも簡単、アクティブ探索に引っ掛かった時点で奴等に逃げ道は無かった。
それから3日後に狩りに出ていた9人も、多少の抵抗はあったが無事捕獲した。
その夜、奴等のアジトから里に連行する準備をしているときに、オルセンを呼び出して別れを告げる。
「どうしても行くのか」
「もう少しヤラセンの里で色々勉強したかったけど、今回の事で俺の事が裏の奴等に相当知られていると判った。何せ長老のボルムが一枚噛んでいたのだから、里の外にも俺が迷い人と知る者も居るだろう。下手すりゃ貴族や豪商達にも知られているかもしれないしな」
「確かに、ダグリン達の話からヘイロンの街では、お前は有名人らしいからな。それで、何処へ行くつもりだ?」
「初めて会った場所から東へ行けば、大きな街があると聞いている。ヘイロンとやらからも10日前後離れていると思うけど」
「ハランドの街か・・・確かに大きな街だし評判は悪くない所だ」
「取り敢えずその街に行って冒険者登録をするよ。それでお願いがある、マジックポーチを一つ貰えないかな」
「それは構わない。と言うかお前のお陰でマジックポーチとマジックバッグがたっぷり手に入ったからな。グズネス達から巻き上げた分は、本来すべてお前の物だぞ」
「要らないよ、里にはお世話になったし何のお礼も出来ないからね。今夜メルサとヨエルにお別れを言ったら、明日の朝旅立つよ」
その夜メルサとヨエルにお別れを言い、エブリネ婆さんに渡してと魔力草から採取した魔力水を13本預けた。
此れなくして高品質のポーションは作りづらい、蒸留水から薬草のエキスを抽出しても、魔力水のポーションより品質が落ちてしまうのだ。
もっとも里以外では、魔力水が手に入りづらいので蒸留水を使うとも聞いた。
フルーナにはお別れも言えないが、落ち着いたら里に帰る事もあると伝えてくれと頼む。
早朝皆が本格的に動き出す前に、オルセンからマジックポーチを受け取り、初めて彼等と出会った所に向けて出発した。
手持ちの魔力水は全て預けたので、薬草採取と魔力草を探しながらのんびり歩く。
マジックバッグに朝夕魔力を込めるのを止め、マジックポーチに魔力を込める事にした。
マジックポーチは最大27㎥の容量しかないが、時間遅延は幾らでも出来ると聞いていたので楽しみだ。
もっとも俺のマジックバッグは現在6/360、つまり216㎥/360倍遅延能力が有るので一休みといったところだ。
ラノベの様に、マジックポーチにたっぷりと物が入れられれば良いのだが、小さなポーチに大容量の収納魔法陣を書き込めないらしい。
その為に大容量の収納はマジックバッグになると、聞いて確かにと納得。
移動時はマジックポーチにマジックバッグを入れて手ぶらでのんびり歩き、薬草採取時にはマジックバッグを肩から提げて歩く。
お陰で目的の街ハランドに着いたのは、予定より大幅に遅れて11月も終わろうとしていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
森を抜けて東に歩くと遠くに馬車が見え、進行方向に街らしき物が見える。
街道に出ると馬車の進んだ方向に歩き、陽が少し傾いた頃に街の障壁に付けられた門に到着したが、混み合って居る。
身分証の無い者は、街に入る入場料として銅貨一枚と聞いていたので、銅貨を握りしめて順番を待つ。
並んでいる者達の話を聞くとも無く聞いていたが、近隣農家の作物の出来や野獣の討伐状況などの情報交換の場になっている。
森の中ヤラセンの里から冒険者登録をする為に来たと告げ、銅貨一枚を支払って無事通過。
冒険者ギルドに向かうが、此の世界に来て初めて黒髪の人をチラホラと見掛けた。
ジロジロ見るのは失礼だが、黒髪は龍人族の血を引く者のみだと聞いていたので、つい頭を見てしまう。
俺より少し大きな角だが、2~3センチってところで安心した。
せん〇君みたいなでかい角だと、生活の邪魔になって大変だろうと思ったからな。
見るからに冒険者といった出で立ちの者が歩く先に、聞いた通りの楯に槍と剣が交差するデザインの看板が見える。
ちょっと緊張気味に中に入ると正面にカウンターが有り、受付嬢がにっこり・・・してないね。
値踏みする様な目付きで俺を見ているが、取り敢えず登録をしなくっちゃ。
「冒険者登録に来たのですが・・・手続きをお願い出来ますか」
「お嬢ちゃん、此処は冒険者ギルド。16才になったらおいでなさい」
完全にお子ちゃまに見られているぞ、ガイドの野郎か創造神か、はたまたアリューシュ神の不手際か。
「16才と半年、統一歴820年5月生まれです!」
「嘘じゃないわよね!」
「嘘ついて何になるんですか? 冒険者ギルドの登録では嘘を見抜けると聞いて来たんですけど」
「まあ良いわ。冒険者登録は毎週3の日に、ギルド2階の会議室で規約の説明を受けてからね。毎週3の日の朝10時に、2階会議室に来なさい」
にっこり笑って言われちゃったよ、前途多難の予感がする。
「因みに今日は何の日ですか?」
「貴方、今日が何の日かも判らないのぉ~」
「9月の半ば過ぎから森の中に居て、日にちが判らないんですよ」
「森の中に居たってのなら、パーティー仲間に何も聞いて無かったの?」
「あっ、俺は一人で薬草採取したり、ポーション作ったりしてますので」
「ポーションを作れるのか?」
お姉さんの後ろに控えるおっさんが、ボーションに反応して声を掛けてきた。
「作れますし、見本なら持ってますよ」
ちょっと見せてみろと言って、お姉さんの横に陣取る。
マジックバッグからポーションケースを取り出し、怪我の回復ポーションの初級と中級を各一本カウンターに置く。
若草色に透きとおった小さなビンをマジマジと見ると、鑑定使いを呼んでくると行って奥に行ってしまった。
おっさんの後に続いてやって来たのはプロレスラー、じゃないけど十分通用しそうな体躯の小母さんです。
じろりと俺を見て鼻で笑うと、カウンターのポーションをチラリと見る。
「ムルバ、こんな物がポーションの筈がない。あんたも何年ギルドに務めているのさ。大体この色はなに、こんな色のポーションはないよ!」
鑑定使いの筈が、鑑定もせずに偽物呼ばわりしてくれる。
「小母さん、本当に鑑定使いなの? これって実戦で何度も使い、信頼を得ているんだけど」
「怪我の回復ポーションはね、もっと濃い緑色なの! 水で薄めた物をポーションなんて言ってると、犯罪奴隷になるわよ」
「鑑定もせずに偽物扱い出来るとは、大した鑑定使いですね。ムルバさんって言ったっけ、誰か怪我人がいたら呼んで来てよ。鑑定使いが使い物にならないなら、実際に試したら判るでしょう」
鑑定使いの言葉に、胡乱げな目付きになっていたムルバさんが食堂に行き、「怪我をしている者はいないか」と呼びかけている。
連れてきたのは顔に傷の有る男と腕に包帯をしている女性、その後を少し足を引き摺って歩く熊さん・・・の様な男。
顔に傷の有る男から始めるが、三本の線が深々とついている。
「猫ちゃんと喧嘩でもしたの?」
〈ブーッ〉って周囲から吹き出す音がする。
「余計なお世話だ! それよりただで治してくれるんだよな」
薄汚れた顔にクリーンを掛け、初級ポーションに管を差し込み霧吹きでポーションを吹きかける。
〈エッ〉〈嘘ッ〉〈ホウー〉
それぞれの感想と共に、胡散臭い目で見ていた二人の怪我人の目が真剣なものに変わった。
猫と喧嘩して負けた男は治ったので、次に取りかかる。
女性の腕から包帯を外すと、浅手だがざっくりと皮膚が剥がれて痛々しい。 此れもクリーンを掛けた後でポーションを吹きかけると、みるみるうちに肉の表面が乾き薄皮が出来て治っていく。
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