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117 治癒魔法
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「どうでした?」
「大丈夫でした。教えの通りにしたら病人も治りました」
「あら、シンヤは魔法を使えないのよ。どんな教えを受けたの?」
「えっ、魔力の扱い方です。シンヤ様は、魔法使いの方から色々とお話しを聞かされていたそうです。そして魔力の扱い方を教えてくれました」
「そう、シンヤはなかなか教え上手の様ね。ミーナが退屈しているので、遊んであげてね」
* * * * * * * *
セバンスに案内されて現れたバルロット殿下は「殿下も何かとお忙しい様ですわね」と皮肉交じりの挨拶を受ける。
「いやいや、驚き後悔しているのですよ。あの時にもっと真剣に教えを請うべきだったと」
「で、報告内容はどうでした?」
「魔法師団長を含め、治癒魔法使いも鑑定使いも絶賛していましたよ。陛下も、彼の弟子で無ければ王家に欲しい人材だと残念がっています」
「そうでしょうね」
「何か御存知で?」
「彼が治癒魔法を授かった者がいると言ってきて『未だ治癒魔法を授かったばかりで、今から基礎訓練を始めますが、ある程度の目処が立ったらお報せしますのでご検討を』と言われました」
「それで承知したのですね」
「当然です。貴方が訓練をするのかと問えば『魔法使いではありませんが、魔法の事は色々と聞きかじっていますので、それを教えておけば役立ちますから』と言いました。娘の危機を救ってもらい何かと助けられて来ましたが、彼が言葉にしたことに嘘はありませんでしたので」
「彼女から、教えの一端でも聞き出すことは可能ですか」
「口止めはされていない様ですが、地位を笠に着ての無理強いは止めて下さいね。彼に釘を刺されていますの、別の針に刺されたくはないでしょう」
「あれは御免被りたいですね。あの時には百人以上が刺されて大混乱になりましたから。キラービーの大群を目の前で見る事になったブライトン宰相の顔をお見せしたかったですよ」
「あれはねぇ~、初めて見たときには、あの姿と羽音に身が震えたわ」
「ミレーネ殿も、体験済みなのですか」
「あら、私は見ていただけですわ。彼等に暴力を振るった者達は、父を含めその場に居た者達は全て刺されましたわ。あんな大きな蜂に刺されたら大変よねぇ~」
「大変よねぇ~では済みませんよ。王都中の毒消しポーションを掻き集めたそうですよ。ところで、彼等と仰いましたが」
「ええ、あの時は彼ともう一人居ましたね。その冒険者の方が土魔法でミーナとハンナを匿う住まいを作っていると聞きました」
「その冒険者の名は、フランと言いませんでしたか?」
「よく御存知ですね。事件は王家に報告しましたが、彼等の名は伝えていない筈ですが」
「あの騒動の後色々と調べましたら、彼と関わった魔法使い達は全て魔法が上達している様なのです」
「それでルシアンの事が気になるのね。殿下にも春が訪れたのかと思いましたが、相手が領民で若すぎると心配していたのですよ」
「それはご心配をお掛けした様で申し訳ない。母上にも心配無用とお伝えください。それで彼女から教わった事を聞き出すことは」
「殿下、私は父に、貴族待遇の娘が魔法など教わる必要はないと厳しく言われて諦めましたが、火魔法を授かっていますのよ。ご存じない?」
何を聞かされたのか理解出来ずに、ぽかんとなってしまったバルロット王子。
* * * * * * * *
施療院での治療が終わった夜から、ルシアンはミレーネ達の食卓の末席になり、セバンスに次ぐ身分と正式に定められた。
セバンスやエレサ達との食事ですら、冒険者の家庭で育ったルシアンには色々作法を教わりながらだったが、主一家との食事は緊張でガチガチになる。
給仕をしてくれるメイドが色々と教えてくれるが「ルシアン、色々な作法を覚えておかないと、招かれた先で恥を書きますよ」とミレーネに言われて頷くが、ちょっと治癒魔法を授かったことを後悔したしシンヤを恨んだ。
日々の生活や団欒をミレーネ様やミーナ様と共に過ごす様になったある日、治療依頼が来ているので行って欲しいとミレーネ様から頼まれた。
断るつもりなど無いので二つ返事で了解したが、相手は侯爵家と聞き困惑した。
セバンスさんがルシアンはモーラン子爵家の家臣なのでと、挨拶の仕方や話し方を伝授してくれてその日を迎えた。
お供は前回同様モリスンが付き、セバンスの使用する馬車に乗るとフルブラント侯爵邸に向かった。
「モリスンさん、こんなに大きなお屋敷が沢山あるけど、大丈夫でしょうか」
「貴族街は旦那様の商いのお供で何度も来ています。治療のお供は初めてなのですが、何とかなるでしょう」
頼りない返事だが、頼る者が彼しかいないルシアンは不安になりながら無事に終わることを祈る。
通用門から内玄関へと馬車は進み、出迎えの従者に案内されて病人の伏せる部屋へ案内された。
ノックをし引き開けられた部屋へと入ると「治癒魔法師ルシアン嬢をお連れしました」との声にビックリして足が止まる。
すかさず「侯爵閣下の御前へ!」と叱責紛いの声が飛び硬直してしまったが、背後からモリスンが「大丈夫ですよ、前へどうぞ」と優しく促されておずおずと進む。
巨大なベッドに横たわる老人の前まで来ると「ファーカス・フルブラント侯爵閣下であられる。跪け!」と再び怒声が飛び泣きそうな顔で、慌ててぴょこんと跪き頭を下げる。
「娘、なかなかの腕前と聞いている。主は先の戦で御御足を痛められ、近年特に古傷の痛みに悩まされておいでだ、見事治療してみよ!」
恐い、恐いけど、あの時みたいに食べられる訳じゃない。
早く治療して帰ろうと思い、歯を食いしばって立ち上がるが涙で回りがよく見えない。
涙を拭きながら「何処?」と呟くと、モリスンが背中を押してベッドの前へとつれていってくれた。
目の鋭い老人に睨まれ恐くて質問も出来ないので、足が悪いのならと腕にみっちりと魔力を溜めて遠くから足を狙ってヒールと呟く。
(綺麗に治れ! 動く様になれ!)と願い治癒魔法を使ったが、何か何時もより明るい気がするし周囲が騒がしくなった。
「嘘ッ」
「凄い!」
「何て綺麗な光りなの!」
治ったかな、もう帰してもらえるかなっと考えていると、背後でモリスンの声がした。
「フルブラント侯爵閣下、御御足のお加減は如何で御座いますか?」
「ん・・・痛みが無くなっておるぞ。素晴らしい! 見事な治癒魔法の光りであった」
「こんな凄い治癒の光りは初めて見たぞ!」
「此れが巣立ち前の娘の腕か」
「子爵家などが召し抱えて良い魔法使いではない! 我が侯爵家で召し抱えてつかわす!」
「恐れながら、フルブラント侯爵閣下へ我が主より言付けが御座います」
「何じゃ、成り上がりの子爵風情が、我に言伝だと!」
「此の娘は、ある人物より我が主が預かっております」
「それがどうした! 我が侯爵家の意向に逆らえるとでも思っているのか! 直ぐ様執事を使わし、此の娘の身を我が侯爵家が貰い受ける!」
「従者の分際で、賢しらに意見をする気か!」
「無礼千万な男だな、成り上がりの子爵にはこの程度の小者しか居ないのか!」
「此の娘を我が主が預かっていることは、国王陛下や宰相閣下もご承知ですので、無体なことはなさらない様にとの事で御座います」
怒声や罵倒がピタリと止まった。
「今・・・何と言った?」
「此の娘ルシアンは、ある御方より我が主が預かり、国王陛下と宰相閣下もご承知のことです。と申しました」
そう告げて深々と頭を下げるモリスンを、室内に居た者達が苦々しげに睨む。
頭を上げたモリスンが「侯爵閣下、御御足のお加減は如何で御座いますか」と再び問いかける。
「あっ、ああ、痛みも消え・・・ん」
フルブラント侯爵は何かに驚いた表情になったが、咳払いを二つ三つすると執事に声を掛けた。
「バンガート、長年の足の痛みも消えた。中々見事な治療である。後ほどモーラン子爵殿に礼を贈っておけ。娘、大儀であった」
そう言いながら、犬の仔を追い払う様に手を振る。
パンガートに促されて退室したが、此れから貴族の治療依頼はお断りする様にお願いしようと、固く心に誓ったルシアンだった。
* * * * * * * *
「どうでした」
「治療は上手くいった様で、痛みは無くなったと仰られました。でも・・・」
「でも、どうしたの?」
「貴族様の治療は、お断りさせて下さい!」
「何かあったの、モリスン」
モリスンが、フルブラント侯爵邸に到着してからの一部始終を主に伝えると、ミレーネの顔から表情が消えた。
* * * * * * * *
商業ギルドに出向き、新たな衣装を注文するが、今度は少し色とデザインを変えることにした。
ズボンは裾を絞れる様に、袖口も同様で手袋をはいて袖口を絞れるようにする。
頭巾は目の部分以外を隠し、息がしやすい様に下部が少し膨らみ穴が開いている。
目の上部に小さなひさしを付けて極力目を保護する作りで、後頭部の紐を絞れば激しい動きにもズレない。
下部は立てた襟の上に被り紐で絞るので全方位攻撃に耐えられる、フードを被るより面倒だが動きに制約がなくなる。
色は濃い灰色で、ちょっと見忍者紛いだが気に入った。
お値段22,000,000ダーラ、ちょっとお高くなったが命を守る物に金は惜しめない。
* * * * * * * *
食料の備蓄も済ませ注文した服を受け取ると、ミレーネ様に次回分の花蜜とゴールドマッシュを渡しておく為にモーラン邸を訪れた。
「大丈夫でした。教えの通りにしたら病人も治りました」
「あら、シンヤは魔法を使えないのよ。どんな教えを受けたの?」
「えっ、魔力の扱い方です。シンヤ様は、魔法使いの方から色々とお話しを聞かされていたそうです。そして魔力の扱い方を教えてくれました」
「そう、シンヤはなかなか教え上手の様ね。ミーナが退屈しているので、遊んであげてね」
* * * * * * * *
セバンスに案内されて現れたバルロット殿下は「殿下も何かとお忙しい様ですわね」と皮肉交じりの挨拶を受ける。
「いやいや、驚き後悔しているのですよ。あの時にもっと真剣に教えを請うべきだったと」
「で、報告内容はどうでした?」
「魔法師団長を含め、治癒魔法使いも鑑定使いも絶賛していましたよ。陛下も、彼の弟子で無ければ王家に欲しい人材だと残念がっています」
「そうでしょうね」
「何か御存知で?」
「彼が治癒魔法を授かった者がいると言ってきて『未だ治癒魔法を授かったばかりで、今から基礎訓練を始めますが、ある程度の目処が立ったらお報せしますのでご検討を』と言われました」
「それで承知したのですね」
「当然です。貴方が訓練をするのかと問えば『魔法使いではありませんが、魔法の事は色々と聞きかじっていますので、それを教えておけば役立ちますから』と言いました。娘の危機を救ってもらい何かと助けられて来ましたが、彼が言葉にしたことに嘘はありませんでしたので」
「彼女から、教えの一端でも聞き出すことは可能ですか」
「口止めはされていない様ですが、地位を笠に着ての無理強いは止めて下さいね。彼に釘を刺されていますの、別の針に刺されたくはないでしょう」
「あれは御免被りたいですね。あの時には百人以上が刺されて大混乱になりましたから。キラービーの大群を目の前で見る事になったブライトン宰相の顔をお見せしたかったですよ」
「あれはねぇ~、初めて見たときには、あの姿と羽音に身が震えたわ」
「ミレーネ殿も、体験済みなのですか」
「あら、私は見ていただけですわ。彼等に暴力を振るった者達は、父を含めその場に居た者達は全て刺されましたわ。あんな大きな蜂に刺されたら大変よねぇ~」
「大変よねぇ~では済みませんよ。王都中の毒消しポーションを掻き集めたそうですよ。ところで、彼等と仰いましたが」
「ええ、あの時は彼ともう一人居ましたね。その冒険者の方が土魔法でミーナとハンナを匿う住まいを作っていると聞きました」
「その冒険者の名は、フランと言いませんでしたか?」
「よく御存知ですね。事件は王家に報告しましたが、彼等の名は伝えていない筈ですが」
「あの騒動の後色々と調べましたら、彼と関わった魔法使い達は全て魔法が上達している様なのです」
「それでルシアンの事が気になるのね。殿下にも春が訪れたのかと思いましたが、相手が領民で若すぎると心配していたのですよ」
「それはご心配をお掛けした様で申し訳ない。母上にも心配無用とお伝えください。それで彼女から教わった事を聞き出すことは」
「殿下、私は父に、貴族待遇の娘が魔法など教わる必要はないと厳しく言われて諦めましたが、火魔法を授かっていますのよ。ご存じない?」
何を聞かされたのか理解出来ずに、ぽかんとなってしまったバルロット王子。
* * * * * * * *
施療院での治療が終わった夜から、ルシアンはミレーネ達の食卓の末席になり、セバンスに次ぐ身分と正式に定められた。
セバンスやエレサ達との食事ですら、冒険者の家庭で育ったルシアンには色々作法を教わりながらだったが、主一家との食事は緊張でガチガチになる。
給仕をしてくれるメイドが色々と教えてくれるが「ルシアン、色々な作法を覚えておかないと、招かれた先で恥を書きますよ」とミレーネに言われて頷くが、ちょっと治癒魔法を授かったことを後悔したしシンヤを恨んだ。
日々の生活や団欒をミレーネ様やミーナ様と共に過ごす様になったある日、治療依頼が来ているので行って欲しいとミレーネ様から頼まれた。
断るつもりなど無いので二つ返事で了解したが、相手は侯爵家と聞き困惑した。
セバンスさんがルシアンはモーラン子爵家の家臣なのでと、挨拶の仕方や話し方を伝授してくれてその日を迎えた。
お供は前回同様モリスンが付き、セバンスの使用する馬車に乗るとフルブラント侯爵邸に向かった。
「モリスンさん、こんなに大きなお屋敷が沢山あるけど、大丈夫でしょうか」
「貴族街は旦那様の商いのお供で何度も来ています。治療のお供は初めてなのですが、何とかなるでしょう」
頼りない返事だが、頼る者が彼しかいないルシアンは不安になりながら無事に終わることを祈る。
通用門から内玄関へと馬車は進み、出迎えの従者に案内されて病人の伏せる部屋へ案内された。
ノックをし引き開けられた部屋へと入ると「治癒魔法師ルシアン嬢をお連れしました」との声にビックリして足が止まる。
すかさず「侯爵閣下の御前へ!」と叱責紛いの声が飛び硬直してしまったが、背後からモリスンが「大丈夫ですよ、前へどうぞ」と優しく促されておずおずと進む。
巨大なベッドに横たわる老人の前まで来ると「ファーカス・フルブラント侯爵閣下であられる。跪け!」と再び怒声が飛び泣きそうな顔で、慌ててぴょこんと跪き頭を下げる。
「娘、なかなかの腕前と聞いている。主は先の戦で御御足を痛められ、近年特に古傷の痛みに悩まされておいでだ、見事治療してみよ!」
恐い、恐いけど、あの時みたいに食べられる訳じゃない。
早く治療して帰ろうと思い、歯を食いしばって立ち上がるが涙で回りがよく見えない。
涙を拭きながら「何処?」と呟くと、モリスンが背中を押してベッドの前へとつれていってくれた。
目の鋭い老人に睨まれ恐くて質問も出来ないので、足が悪いのならと腕にみっちりと魔力を溜めて遠くから足を狙ってヒールと呟く。
(綺麗に治れ! 動く様になれ!)と願い治癒魔法を使ったが、何か何時もより明るい気がするし周囲が騒がしくなった。
「嘘ッ」
「凄い!」
「何て綺麗な光りなの!」
治ったかな、もう帰してもらえるかなっと考えていると、背後でモリスンの声がした。
「フルブラント侯爵閣下、御御足のお加減は如何で御座いますか?」
「ん・・・痛みが無くなっておるぞ。素晴らしい! 見事な治癒魔法の光りであった」
「こんな凄い治癒の光りは初めて見たぞ!」
「此れが巣立ち前の娘の腕か」
「子爵家などが召し抱えて良い魔法使いではない! 我が侯爵家で召し抱えてつかわす!」
「恐れながら、フルブラント侯爵閣下へ我が主より言付けが御座います」
「何じゃ、成り上がりの子爵風情が、我に言伝だと!」
「此の娘は、ある人物より我が主が預かっております」
「それがどうした! 我が侯爵家の意向に逆らえるとでも思っているのか! 直ぐ様執事を使わし、此の娘の身を我が侯爵家が貰い受ける!」
「従者の分際で、賢しらに意見をする気か!」
「無礼千万な男だな、成り上がりの子爵にはこの程度の小者しか居ないのか!」
「此の娘を我が主が預かっていることは、国王陛下や宰相閣下もご承知ですので、無体なことはなさらない様にとの事で御座います」
怒声や罵倒がピタリと止まった。
「今・・・何と言った?」
「此の娘ルシアンは、ある御方より我が主が預かり、国王陛下と宰相閣下もご承知のことです。と申しました」
そう告げて深々と頭を下げるモリスンを、室内に居た者達が苦々しげに睨む。
頭を上げたモリスンが「侯爵閣下、御御足のお加減は如何で御座いますか」と再び問いかける。
「あっ、ああ、痛みも消え・・・ん」
フルブラント侯爵は何かに驚いた表情になったが、咳払いを二つ三つすると執事に声を掛けた。
「バンガート、長年の足の痛みも消えた。中々見事な治療である。後ほどモーラン子爵殿に礼を贈っておけ。娘、大儀であった」
そう言いながら、犬の仔を追い払う様に手を振る。
パンガートに促されて退室したが、此れから貴族の治療依頼はお断りする様にお願いしようと、固く心に誓ったルシアンだった。
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「どうでした」
「治療は上手くいった様で、痛みは無くなったと仰られました。でも・・・」
「でも、どうしたの?」
「貴族様の治療は、お断りさせて下さい!」
「何かあったの、モリスン」
モリスンが、フルブラント侯爵邸に到着してからの一部始終を主に伝えると、ミレーネの顔から表情が消えた。
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商業ギルドに出向き、新たな衣装を注文するが、今度は少し色とデザインを変えることにした。
ズボンは裾を絞れる様に、袖口も同様で手袋をはいて袖口を絞れるようにする。
頭巾は目の部分以外を隠し、息がしやすい様に下部が少し膨らみ穴が開いている。
目の上部に小さなひさしを付けて極力目を保護する作りで、後頭部の紐を絞れば激しい動きにもズレない。
下部は立てた襟の上に被り紐で絞るので全方位攻撃に耐えられる、フードを被るより面倒だが動きに制約がなくなる。
色は濃い灰色で、ちょっと見忍者紛いだが気に入った。
お値段22,000,000ダーラ、ちょっとお高くなったが命を守る物に金は惜しめない。
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