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078 呼び出し
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会議室の奥に座る貴族達と護衛の視線が気になるが、何か用かとも聞けないので会議室を後にする。
「シンヤはCランクになっていたのか?」
「凄いですねぇ、俺もやっとCランクになれました」
「フランこそBランクに相応しい実力だと思うぞ」
「ああ、立派な魔法使いだからな」
「オシウス村に居るので昇格が遅れているだけだからな」
「それよりも、ギルマスの後ろに居た貴族達の目付きが気になりますね。特にシンヤさんを見る目付きったら」
「ありゃー絶対に勧誘に来るぞ」
「そんな事を言ったら、フランも名を売ったから気を付けろよ」
「それを言ったら、アリエラさんも凄腕の魔法使いじゃないですか」
「ん、私はやっと魔法が使える様になったばかりで、あんたみたいに派手じゃないので、大丈夫よ」
「確かにな、結界魔法は目立たないからな」
「獲物を放り出したら、昇級祝いに一杯やろうぜ!」
俺達が解体場へ向かうと、屯していた冒険者達がゾロゾロとついてくる。
順番待ちの列を通り過ぎ、奥に居る解体係に獲物の置き場所を尋ねると、何時もながらのブーイングが出る。
それを軽くいなす解体係の男も慣れたもので、直ぐに黙らせる。
指定された場所に獲物を並べ始めると、俺達の後を着いてきた連中が遠巻きに獲物を見て、彼此と品定めを始める。
グレン達はもうすっかり慣れて素知らぬ顔だが、ドラドやフラン達オシウスの牙の面々は恥ずかしげにしている。
気に入らないのは、野次馬の後ろから俺の出す獲物をじっと見ている騎士連中で、会議室に居た貴族共のお供だろう三種の紋章が見える。
〈この前より随分少ないな〉
〈当たり前だろう。強制招集は解除になったんだ。最後の最後まで大物がほいほい出て来る様なら、招集解除にはならねえからな〉
〈これで獲物が少なくなるな〉
〈何処を見ているんだ! 少なくなると言ってもあれだけの獲物だ、当分タンザは稼げる場所と言う事だぜ〉
〈見ろよ、ブラウンベアもビッグホーンも未だまだ大きいからな〉
オシウスの牙とタンザの楯に俺で、代金は等分に振り込んでおいてくれと頼んで受付に向かう。
俺一人Bランクのゴールドカードで、皆は全てCランクのシルバーカードだ。
「流石にソロだと昇級が早いな」
「そりゃそうだろう。ギルマスが最初にシンヤの獲物を見た時にCランクに格上げしたが、ギルマスの目利きに間違いなかったからな」
「熊公なんて言って、ゴールデンベアをぶん殴る人はそうそう居ないと思いますよ」
「ブラウンベアを揶揄って追いかけっこする奴もな」
「解体場に貴族の配下が来ていただろう。シンヤは気を付けろよ」
「それなら皆もじゃないの」
「フランを省けば、俺達はパーティーとして名を馳せても、一人一人じゃ騎士達には及ばないからな」
「そうそう、俺達の本領は野獣相手だからな。その点フランやお前は、配下に加えれば大きな戦力になるからな」
チラリとアリエラを見れば、旦那のドーランが「未だ知られてないので暫く大丈夫だろう」と教えてくれた。
そうだよなぁ、対人戦に長けたザルムやキルザは、御領主様のごり押しで配下に加えられ、安い給金で扱き使われていたんだよな。
家族が貴族の領地に住んでいる弱みで、逆らえなかったってのもあったからな。
フランはオシウス村に家族が居るので、勧誘されたら断り辛いだろう。
「タンザの楯の名前からして、アリエラはこの街の出身なの?」
「俺達は全員タンザか周辺の出だぞ。それが何か?」
「飲みながら話すよ」
相変わらずゲキ混みの食堂を避け、街の外で野営する事にしてギルドを後にする。
* * * * * * * *
フランの作ったドームの中で、強制招集の無事終了を祝って乾杯。
リンガン伯爵から強制的に貰った酒も提供して酒盛りとなった。
「シンヤ、俺達が酔っ払う前に話せよ」
「何か含みの有る言い方だったわね」
「俺も関係あるんですか?」
「グレン、この街の領主が変わっただろう」
「ああ、何かヘマをして領地替えになったって噂だ」
「此処、フローランス領タンザの領主、モーリス・ヘイルウッド伯爵が王都でヘマをして亡くなられたんだが、それが原因で降格と領地替えになったんだよ。その時配下に組み込まれていた冒険者が三名いて、彼等は騎士団を抜けて街に戻った」
「ああ、家族がタンザに住んでいて、断り切れずに仕方なしに騎士団に加わったって話を聞いた覚えがあるな」
「ギルマスの後ろに貴族が三人居たって事は、新しいタンザの領主と近隣の領主だと思う。俺達が獲物を出すときも配下の騎士達が見に来ていたって事は、三人の領主全員が腕っこきを探していると思って間違いない。」
「野獣討伐の応援に駆り出されたのなら、王都よりのアッシード領の領主と反対側のベルサム領の領主だろうな」
「すると次の獲物は俺達か」
「フランとシンヤだろうな」
「アリエラの結界もそのうち噂になるぞ」
「此処からが本題ってか、俺の住所を教えておくので忘れないで」
「お前の住所?」
「領主のごり押しに逆らえるのか?」
「私達は逃げ出せば良いけれど、親兄弟がねぇ」
「信じられ無いだろうけど、俺ってこんな物を持っているんだ」
王妃様から預かった身分証を見せる。
「嘘だろう~」
「お前・・・それって王家の紋章だよな」
「シンヤって高貴な血筋なのか」
「何でお前がそんな物を・・・てか、それって本物か?」
「フランも知っている、モーラン商会の奥様ミレーネ様繋がりで、王妃様から預かっている物だよ。俺がこの街の知り合いを訪ねてきたのは、貴族に仕えていたのを抜け出す手伝いをしたからだ」
慰労金までがっぽりふんだくって、解放した事は黙っていよう。
「もしあんた達が領主から無理を言われて逆らえなかったら、俺に連絡をしてくれれば何とか出来ると思う」
「貴族や王家の身分証の事は良く判らないけど、それってそんなに役に立つのか?」
「此れは王妃様の御用係に与えられる物だそうだ。俺はテイマーで此れを示せば、王都内に入れない筈のフーちゃん達を連れて街に入れるよ。王国内の如何なる領地でも同じだと聞いているし、貴族も迂闊に手が出せないってさ」
万能ではないけど、王妃の威光をちらつかせて貴族の横暴を挫く位の事は出来るだろう。
出来なければ別の手を考えるさ、上に政策有れば下に対策ありってちうごくの諺を実践してみせる。
「貴族から無理難題を言われて逆らえなかったら、王都の俺の家に連絡してくれれば手を貸せるので覚えておいて。俺も冒険者だし年中王都の家に居る訳ではないので、連絡を貰っても即座に動ける保証はないが、できる範囲で手助けを約束するよ」
「ラムコット通り19番地一階左、ねぇ」
「何時の間に王都に家を借りたんですか」
「去年の六月だよ。フーちゃん達を連れてホテルに泊まれないし、ミレーネ様との連絡場所も必要だったからね」
「王妃様の御用係って事は、王妃様とも会った事が有るの?」
「ミレーネ様のお供で、一度っきりだけどね」
「ねっね、どんな御方なの、綺麗な方? 何処であったの? 御用係って何をしているの?」
「ストーップ、俺はお供だぞ。跪いて頭を下げていただけさ」
「しかし、シンヤさんが今もミレーネ様と繋がっているとはね」
「ゴールドマッシュ繋がりさ」
蜂蜜や花蜜の事を話せば面倒なので、フランから教えて貰ったゴールドマッシュに話をすり替えて教える。
「あれってそんなに無かったでしょう」
「フランと別れてから、ミーちゃん達に探してもらいたっぷり集めたよ。今回タンザに来た目的の一つがゴールドマッシュの採取だからね」
そう言って、中瓶に入れているゴールドマッシュの粉末を見せる。
「何と、シンヤはミーちゃんを使ってゴールドマッシュを集めていたのか」
「その瓶一つだけじゃないだろう、相当数集めているって事だな」
「ああ、ゴールドマッシュだけで十分生活出来るし、ミーちゃんがチキチキバードなんて鳥さん達を狩ってくれるので楽だよ」
* * * * * * * *
フラン達オシウスの牙と王都迄同道する事になり、アリエラ達の家とパーティーの宿泊地を教えてもらった後、タンザを去る予定があっさりとひっくり返された。
野営地を引き払ってタンザの街に戻り、出入り口で警備兵にギルドカードを示すと、フランと俺を領主が呼んでいると言って皆から引き剥がされた。
「ちょっと待ってもらえますか」
「何だ! 御領主様の呼び出しに逆らう気か!」
「そうじゃありません。俺は見ての通りテイマーで、使役獣を連れています」
「なら仲間に預ければ良いだろうが!」
「だから、預ける間の待ってくれと言ってます」
「なら早くしろ!」
下っ端のくせに横柄なやつだね。
冒険者をいきなり呼びつける御領主様と横柄な警備兵、いったい俺達に何の用かな。
予想はつくけど、少しは調べてから手を出せよと言いたい。
「皆、済まないがさっきの野営地に戻って2,3日待っててもらえるかな」
「おい、話が早すぎないか」
「目の付け所は良いが、お前に護衛がいることを知らないらしいな」
「アリエラはミーちゃんとフーちゃんを預かっててよ」
「大丈夫なの?」
「大丈夫、俺にはもっと強力な護衛がついているからね」
「シンヤさんと一緒だと、何かと問題が起きますねぇ」
「身分証を見せても効き目が無けりゃ、護衛に何とかして貰うよ」
「それはシンヤさんにお任せします」
「では、話の判る御領主様であることを祈ろうかな」
「いきなり呼び出すなんて、あまり期待は持てそうにないですけどねぇ」
「シンヤはCランクになっていたのか?」
「凄いですねぇ、俺もやっとCランクになれました」
「フランこそBランクに相応しい実力だと思うぞ」
「ああ、立派な魔法使いだからな」
「オシウス村に居るので昇格が遅れているだけだからな」
「それよりも、ギルマスの後ろに居た貴族達の目付きが気になりますね。特にシンヤさんを見る目付きったら」
「ありゃー絶対に勧誘に来るぞ」
「そんな事を言ったら、フランも名を売ったから気を付けろよ」
「それを言ったら、アリエラさんも凄腕の魔法使いじゃないですか」
「ん、私はやっと魔法が使える様になったばかりで、あんたみたいに派手じゃないので、大丈夫よ」
「確かにな、結界魔法は目立たないからな」
「獲物を放り出したら、昇級祝いに一杯やろうぜ!」
俺達が解体場へ向かうと、屯していた冒険者達がゾロゾロとついてくる。
順番待ちの列を通り過ぎ、奥に居る解体係に獲物の置き場所を尋ねると、何時もながらのブーイングが出る。
それを軽くいなす解体係の男も慣れたもので、直ぐに黙らせる。
指定された場所に獲物を並べ始めると、俺達の後を着いてきた連中が遠巻きに獲物を見て、彼此と品定めを始める。
グレン達はもうすっかり慣れて素知らぬ顔だが、ドラドやフラン達オシウスの牙の面々は恥ずかしげにしている。
気に入らないのは、野次馬の後ろから俺の出す獲物をじっと見ている騎士連中で、会議室に居た貴族共のお供だろう三種の紋章が見える。
〈この前より随分少ないな〉
〈当たり前だろう。強制招集は解除になったんだ。最後の最後まで大物がほいほい出て来る様なら、招集解除にはならねえからな〉
〈これで獲物が少なくなるな〉
〈何処を見ているんだ! 少なくなると言ってもあれだけの獲物だ、当分タンザは稼げる場所と言う事だぜ〉
〈見ろよ、ブラウンベアもビッグホーンも未だまだ大きいからな〉
オシウスの牙とタンザの楯に俺で、代金は等分に振り込んでおいてくれと頼んで受付に向かう。
俺一人Bランクのゴールドカードで、皆は全てCランクのシルバーカードだ。
「流石にソロだと昇級が早いな」
「そりゃそうだろう。ギルマスが最初にシンヤの獲物を見た時にCランクに格上げしたが、ギルマスの目利きに間違いなかったからな」
「熊公なんて言って、ゴールデンベアをぶん殴る人はそうそう居ないと思いますよ」
「ブラウンベアを揶揄って追いかけっこする奴もな」
「解体場に貴族の配下が来ていただろう。シンヤは気を付けろよ」
「それなら皆もじゃないの」
「フランを省けば、俺達はパーティーとして名を馳せても、一人一人じゃ騎士達には及ばないからな」
「そうそう、俺達の本領は野獣相手だからな。その点フランやお前は、配下に加えれば大きな戦力になるからな」
チラリとアリエラを見れば、旦那のドーランが「未だ知られてないので暫く大丈夫だろう」と教えてくれた。
そうだよなぁ、対人戦に長けたザルムやキルザは、御領主様のごり押しで配下に加えられ、安い給金で扱き使われていたんだよな。
家族が貴族の領地に住んでいる弱みで、逆らえなかったってのもあったからな。
フランはオシウス村に家族が居るので、勧誘されたら断り辛いだろう。
「タンザの楯の名前からして、アリエラはこの街の出身なの?」
「俺達は全員タンザか周辺の出だぞ。それが何か?」
「飲みながら話すよ」
相変わらずゲキ混みの食堂を避け、街の外で野営する事にしてギルドを後にする。
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フランの作ったドームの中で、強制招集の無事終了を祝って乾杯。
リンガン伯爵から強制的に貰った酒も提供して酒盛りとなった。
「シンヤ、俺達が酔っ払う前に話せよ」
「何か含みの有る言い方だったわね」
「俺も関係あるんですか?」
「グレン、この街の領主が変わっただろう」
「ああ、何かヘマをして領地替えになったって噂だ」
「此処、フローランス領タンザの領主、モーリス・ヘイルウッド伯爵が王都でヘマをして亡くなられたんだが、それが原因で降格と領地替えになったんだよ。その時配下に組み込まれていた冒険者が三名いて、彼等は騎士団を抜けて街に戻った」
「ああ、家族がタンザに住んでいて、断り切れずに仕方なしに騎士団に加わったって話を聞いた覚えがあるな」
「ギルマスの後ろに貴族が三人居たって事は、新しいタンザの領主と近隣の領主だと思う。俺達が獲物を出すときも配下の騎士達が見に来ていたって事は、三人の領主全員が腕っこきを探していると思って間違いない。」
「野獣討伐の応援に駆り出されたのなら、王都よりのアッシード領の領主と反対側のベルサム領の領主だろうな」
「すると次の獲物は俺達か」
「フランとシンヤだろうな」
「アリエラの結界もそのうち噂になるぞ」
「此処からが本題ってか、俺の住所を教えておくので忘れないで」
「お前の住所?」
「領主のごり押しに逆らえるのか?」
「私達は逃げ出せば良いけれど、親兄弟がねぇ」
「信じられ無いだろうけど、俺ってこんな物を持っているんだ」
王妃様から預かった身分証を見せる。
「嘘だろう~」
「お前・・・それって王家の紋章だよな」
「シンヤって高貴な血筋なのか」
「何でお前がそんな物を・・・てか、それって本物か?」
「フランも知っている、モーラン商会の奥様ミレーネ様繋がりで、王妃様から預かっている物だよ。俺がこの街の知り合いを訪ねてきたのは、貴族に仕えていたのを抜け出す手伝いをしたからだ」
慰労金までがっぽりふんだくって、解放した事は黙っていよう。
「もしあんた達が領主から無理を言われて逆らえなかったら、俺に連絡をしてくれれば何とか出来ると思う」
「貴族や王家の身分証の事は良く判らないけど、それってそんなに役に立つのか?」
「此れは王妃様の御用係に与えられる物だそうだ。俺はテイマーで此れを示せば、王都内に入れない筈のフーちゃん達を連れて街に入れるよ。王国内の如何なる領地でも同じだと聞いているし、貴族も迂闊に手が出せないってさ」
万能ではないけど、王妃の威光をちらつかせて貴族の横暴を挫く位の事は出来るだろう。
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「貴族から無理難題を言われて逆らえなかったら、王都の俺の家に連絡してくれれば手を貸せるので覚えておいて。俺も冒険者だし年中王都の家に居る訳ではないので、連絡を貰っても即座に動ける保証はないが、できる範囲で手助けを約束するよ」
「ラムコット通り19番地一階左、ねぇ」
「何時の間に王都に家を借りたんですか」
「去年の六月だよ。フーちゃん達を連れてホテルに泊まれないし、ミレーネ様との連絡場所も必要だったからね」
「王妃様の御用係って事は、王妃様とも会った事が有るの?」
「ミレーネ様のお供で、一度っきりだけどね」
「ねっね、どんな御方なの、綺麗な方? 何処であったの? 御用係って何をしているの?」
「ストーップ、俺はお供だぞ。跪いて頭を下げていただけさ」
「しかし、シンヤさんが今もミレーネ様と繋がっているとはね」
「ゴールドマッシュ繋がりさ」
蜂蜜や花蜜の事を話せば面倒なので、フランから教えて貰ったゴールドマッシュに話をすり替えて教える。
「あれってそんなに無かったでしょう」
「フランと別れてから、ミーちゃん達に探してもらいたっぷり集めたよ。今回タンザに来た目的の一つがゴールドマッシュの採取だからね」
そう言って、中瓶に入れているゴールドマッシュの粉末を見せる。
「何と、シンヤはミーちゃんを使ってゴールドマッシュを集めていたのか」
「その瓶一つだけじゃないだろう、相当数集めているって事だな」
「ああ、ゴールドマッシュだけで十分生活出来るし、ミーちゃんがチキチキバードなんて鳥さん達を狩ってくれるので楽だよ」
* * * * * * * *
フラン達オシウスの牙と王都迄同道する事になり、アリエラ達の家とパーティーの宿泊地を教えてもらった後、タンザを去る予定があっさりとひっくり返された。
野営地を引き払ってタンザの街に戻り、出入り口で警備兵にギルドカードを示すと、フランと俺を領主が呼んでいると言って皆から引き剥がされた。
「ちょっと待ってもらえますか」
「何だ! 御領主様の呼び出しに逆らう気か!」
「そうじゃありません。俺は見ての通りテイマーで、使役獣を連れています」
「なら仲間に預ければ良いだろうが!」
「だから、預ける間の待ってくれと言ってます」
「なら早くしろ!」
下っ端のくせに横柄なやつだね。
冒険者をいきなり呼びつける御領主様と横柄な警備兵、いったい俺達に何の用かな。
予想はつくけど、少しは調べてから手を出せよと言いたい。
「皆、済まないがさっきの野営地に戻って2,3日待っててもらえるかな」
「おい、話が早すぎないか」
「目の付け所は良いが、お前に護衛がいることを知らないらしいな」
「アリエラはミーちゃんとフーちゃんを預かっててよ」
「大丈夫なの?」
「大丈夫、俺にはもっと強力な護衛がついているからね」
「シンヤさんと一緒だと、何かと問題が起きますねぇ」
「身分証を見せても効き目が無けりゃ、護衛に何とかして貰うよ」
「それはシンヤさんにお任せします」
「では、話の判る御領主様であることを祈ろうかな」
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